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知世ちゃんが最高

1 :さくら:02/11/30 21:57 ID:OZkSNztg
知世ちゃんのスレが少ないのはなぜ?
知世ちゃんのフィギュアが売り切れ、絶版はなぜ?


463 :霧咲夢子:03/11/16 12:08 ID:tYzLZTR1
さくらちゃんはその日、一通の手紙を受け取った。手紙は彼女の靴箱に投函されてい
た。古風なしたため文で、ブルーブラックのインクで縮こまるようにして書かれてい
た。

「大聖堂でさくらちゃんを待ってます。いつまでも、いつまでも」

一体、誰が何の目的でこのような文章をさくらたんに送ったのだろうか。大学までエ
スカレーター式に進学する友枝小学校は厳格なクリスチャン校でもあった。さくらちゃ
んは、友枝世小学校挙げての大イベント、合唱界会に参加し「賛美歌」を歌っていた
ので、黒いシスター服を着ていた。さくらちゃんは静謐と厳格と純潔の衣服に纏われ
て構内を走り回った。目指すは本校舎に隣接されている大聖堂である。大きな扉を開
いて内部に侵入する。革靴がコツコツと音を立てる。大聖堂の中では響く靴音さえ荘
厳だ。呼び主を捜しがてら大聖堂の内部を観察していると、さきほど合唱したときに
は無かったものが目に入った。クリスマス用の飾り付けがされた小さなツリーである。
その愛らしさは大聖堂の荘厳な雰囲気に似つかわしくなかったが、さくらちゃんはそ
れを持って帰りたいと思うくらいに、いとおしく感じた。

重々しい静寂が支配していた大聖堂に軽やかで気品のある足音が響いた。さくらちゃん
ははっと頭を上げる。誰だろう。私を呼びだした相手だろうか。それともシスターが
出てきて、大聖堂に残っていることを咎められるのだろうか。さくらちゃんは着衣の
乱れを正しながら周囲を観察した。誰かがこっちをじっと見ている。優しくて、懐か
しい視線。その持ち主は同じく、黒く厳格なシスター服を持っていた。さくらちゃん
との唯一の違いは、傍らにヴィデオカメラを抱えていることだった。まるでバイブル
を携えている敬虔な女生徒のようだった。

464 :霧咲夢子:03/11/16 12:08 ID:tYzLZTR1
「知世ちゃん。貴女がここに呼び出したのね」

知世ちゃんはカメラのファインダーを覗きながらこくりと頷いた。そして、さくらちゃ
んの方へ一歩一歩近づいていったが、ファインダーから目を離さない。さくらちゃん
は何か言おうとしたが、知世ちゃんの雰囲気がいつもと違って緊張していたため、言
うことができなかった。

「さくらちゃん。貴女に渡したいモノがありますの」
「知世ちゃん。一体何を?」
「これですわ」

知世ちゃんはヴィデオカメラを傍らに置くと、首にかけていたロザリオを外し、目の
前に掲げた。薄暗い大聖堂の中でツリーの電飾光を受けてキラキラと輝いている。友
枝小学校伝統の品だ。女学生の手から女学生の手に受け継がれていくもの。少女の友
情の最も凝縮した形。友枝小学校には、伝統的な姉妹制度が存在していた。最も高貴
で知的な生徒はクラス生の中から一人妹を選ばなければならないのだ。姉は妹に、血
の契約の代替としてロザリオの授与を行う。知世ちゃんはさくらちゃんを妹に選んだ
のか。

「ずっと貴女に渡したかった」
「知世ちゃん・・・」

465 :霧咲夢子:03/11/16 12:09 ID:tYzLZTR1
知世ちゃんは凛とした黒曜石のような瞳で知世ちゃんを見据えた。彼女の真剣な様子
に圧倒されたさくらちゃんはどこかおずおずとしている様子。しばらく二人は見つめ
合っていた。人影もなく、しんとした大聖堂の中、小さなクリスマスツリーだけが二
人の様子をじっと見守っていた。さくらちゃんの小さな胸の中にはどんな気持ちが飛
び交っているのだろうか。知世ちゃんは目を逸らさず、宝石のように瞳を輝かせてい
る。さくらちゃんは何かを飲み込むようにコクンと頷くと、知世ちゃんを見つめ返し
た。

「知世ちゃん。ロザリオをちょうだい」

知世ちゃんはひっそりと微笑みを浮かべると、何時にも増して真剣な顔になり、ゆっ
くりと烏のように優雅に身を翻す。月を梳る黒檀のような髪が静謐の空気の中を票の
ように舞った。氷柱のようなシャープな指先を奏者のように操ってロザリオを外し、
俯き加減に待つさくらちゃんの林檎の幼木みたいななさくらちゃんの首にかけた。
クリスマスの日、大聖堂の小さなツリーの前で一組の姉妹が誕生した。

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