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さくらキモい!!髪型変!!

1 :※@※:03/06/02 16:39 ID:dwzIL8oO
ぶりっこでつか?

2 :CC名無したん:03/06/02 16:44 ID:EzLwOOzQ
糸冬 了

3 :CC名無したん:03/06/02 16:46 ID:67lrus+N
あふぉ毛がいいんじゃねえか!>>1氏ね!!


4 :※@※:03/06/02 17:32 ID:dwzIL8oO
きもっ

5 :CC名無したん:03/06/02 17:34 ID:ATWcpSL0
っもき

6 :CC名無したん:03/06/02 17:39 ID:Ue5UV0Oz
すげーサイト見つけた!
http://f8.cool.ne.jp/death.htm

7 :※@※:03/06/02 17:55 ID:dwzIL8oO
さくらって胸ないくせにでしゃばんな



8 :CC名無したん:03/06/02 18:17 ID:gZcgoH4X
さくらたんを馬鹿にする>>1は逝ってよし!!

9 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

10 :CC名無したん:03/06/02 18:30 ID:Ue5UV0Oz
>>1http://icelake.hp.infoseek.co.jp/anime/one.swf←のフラッシュをみてくれ

11 :CC名無したん:03/06/02 18:30 ID:3LfshQQP
つまんね〜煽りでも、反論せずにはいられないさくらたんオタ…










ヽ(`Д´)ノサクラタンヲケナスヤシハシネ!!

12 :CC名無したん:03/06/02 18:31 ID:O3LcFyXs
♪あーふぉ毛あふぉー毛だいじな毛〜
♪みらいを目指す〜きぼうの毛〜

13 :CC名無したん:03/06/02 18:35 ID:sufoPEiA
アホ毛のルーツってさくらたんでFA?

14 :CC名無したん:03/06/02 18:55 ID:ugaWr7qx
>>8
ワラタ
これからもさくらをよろしく頼む

15 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

16 :CC名無したん:03/06/02 19:37 ID:KpPDVXU4
ぶりっことはまた古い言葉を・・


とつっこんでみるテスト

17 :CC名無したん:03/06/02 19:40 ID:O3LcFyXs
>>13
有元美保「もてもてねーちゃん」だと思う。

18 :※@※:03/06/02 19:42 ID:P1IaW9Tl
さくら好き=炉リでおk?

19 :※@※:03/06/02 19:49 ID:P1IaW9Tl
さくらー!!!!!!!!!!!!!!!見ててばからしくなんねーか??

20 :CC名無したん:03/06/02 20:26 ID:btZjA0VM
つまんねー煽り。プッ

21 :CC名無したん:03/06/02 21:09 ID:8KGOLh9j
>>1は幼女。

22 :CC名無したん:03/06/02 21:23 ID:1XPfTolJ
ほじくり出せやヴォケ!
http://www.intership.ne.jp/~mcity/matsudo/forest21/album/original/027.jpg
http://www.gazo-box.com/wara/img-box/img20030601200909.jpg

23 :動画直リン:03/06/02 21:26 ID:DCxKclKA
http://homepage.mac.com/hitomi18/

24 :CC名無したん:03/06/02 21:32 ID:1ov9VW4e
>>22
蓮コラ PC無害 閲覧注意。

25 :ΣU゚∀゚;U:03/06/02 21:39 ID:38v+j/mA
(゚∀゚)アヒャヒャヒャヒャ

26 :※@※:03/06/02 22:16 ID:P1IaW9Tl
いい加減氏んでくれ!!さくらさくらって・・・おまいら・・日本の将来真っ暗

27 :CC名無したん:03/06/02 22:17 ID:Pj1QMv0W
最近>>22みたいなのよく見るけど、
どうやって作ってるの?

28 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

29 :sage:03/06/03 14:22 ID:d1VOyIVf
http://comic.2ch.net/test/read.cgi/sakura/1054551316/l50

30 :※@※:03/06/03 17:05 ID:gC/Rj4Tp
age


31 :山崎 渉:03/07/15 11:37 ID:lykpZgY2

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄

32 :ぼるじょあ ◆yBEncckFOU :03/08/02 05:54 ID:ION3B8LX
     ∧_∧  ∧_∧
ピュ.ー (  ・3・) (  ^^ ) <これからも僕たちを応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄ ̄∪ ̄ ̄〕
  = ◎――――――◎                      山崎渉&ぼるじょあ

33 :CC名無したん:03/08/11 11:54 ID:TSjsiqK4
>>26
ドイツにカエレ

34 :山崎 渉:03/08/15 22:06 ID:AJrGutei
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン

35 :山崎 渉:03/08/15 22:44 ID:AJrGutei
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン

36 :CC名無したん:03/10/06 23:58 ID:1pn1rbBA
1の母でございます。
このたびは、息子がこのようなスレッドを立ててしまい、
皆様には大変ご迷惑をおかけしております。深くお詫び申し上げます。
息子は幼い頃に父親を亡くし、そのショックで内気な子供になって
しまいました。そのせいか、小・中学校ではいじめにあっていたのです。
この年になるまで、恋人はおろか友達さえもいないようで、大変心配
いておりましたが、この2ちゃんねるというサイトを知って以来、息子も
少し明るくなったようです。「今日○○板でね、ドキュソがさあ…」
と、とても楽しそうに夕食の時に話してくれるのです。
どうぞ皆様、息子を暖かく迎えてやってくださいまし。本当は良い子なんです。
よろしくお願い申し上げます。
                              1の母より

37 :CC名無したん:03/10/07 00:22 ID:pMfxqIpq
★木之本桜さんを揶揄した番組が打ち切り

・木之本桜さんを揶揄(やゆ)した番組が放映されたとして、テレビ局に
 日本大使館などが抗議していた問題で、テレビ局側が番組の放送を打ち切った
 ことが わかりました。

 番組はハンガリーの民放「TV2」が今年3月から放送していたものです。黒い髪の
 かつらに分厚いめがね姿で、木之本桜さんを装ったリポーターがゲストにインタビュー
 するという内容で、現地の日本大使館や日本人社会が「日本への偏見を招く」として、
 テレビ局側に強く抗議していました。
 
 抗議を受けてテレビ局側は今年5月、 番組を3カ月間休止し、 内容を変更した上で
 9月から再開する方針を打ち出していました。しかし、今月に入って日本大使館に
 対し「秋の番組編成には入れないことになった」と、 連絡してきたということです。
 
 大使館の担当者は「番組中止の正式な連絡はないが、日本人からの反発が強く、
 番組を打ち切らざるを得なくなったのではないか」と話しています。
 http://news.tbs.co.jp/headline/tbs_headline827024.html
 ※URLは変更される場合があります。


38 : ◆kXwSWWCKCE :03/10/22 19:44 ID:oklGJ71r
x

39 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/02/09 18:53 ID:RqiD9bKC
さくらちゃんが遊びに来たので、WOWOWで録画しておいた妄想代理人を一緒に見た。
ローラーブレードを履いた小学生が金属バットで通り魔をするアニメだ。
「ほえ〜。妄想代理人って妄想さんの後見人の事かと思ったよ。妄想さん、禁治産者だから」
次の瞬間、俺はさくらちゃんの髪を掴むとソファーから引きずり落とした。
「ほえっ!」
「てめぇ、俺がキチガイだと思ってバカにしているだろ」
「ご、ごめんなさい。冗談のつもりで・・・」
「悪い子だ。お仕置きするしかないね」
俺はさくらちゃんのスカートをめくり下着を脱がす。そしてプラスチック製の定規を取り出すと、白い小さいお尻に叩きつけた。
バシッ!
「きゃっ!」
「どうだ。痛いか?だが、俺が心に受けた傷はこんなものじゃないぞ」
バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!・・・
何度も定規を叩きつけるうちに、さくらちゃんのお尻は真っ赤に腫れ上がりやがて血が滲み出した。
「うえ〜ん、ごめんなさい。許して・・・許してください」
「泣けば許してもらえると思っているのか」
怒りの収まらない俺は、さくらちゃんの髪を掴んだまま外に出た。
外に出ると明らかに日本人ではない集団が歩いていたので声をかけ立ち止まらせた。
「おい、そこのお前等。エラのはっているお前等ですよ」

40 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/02/09 18:55 ID:RqiD9bKC
「な、なにニダ。ウリ達は不法入国なんてしていないニダ」
「そうニダ。謝罪しる」
口々に訳のわからない事を喚きだしたので、面倒になった俺はさくらちゃんの服を引き裂き裸にすると、連中の前に突き飛ばして言った。
「すいません。ごめんなさい。この娘の身体で償わしていただきます。つか、犯していいぞ、不逞鮮人どもめ」
「マンセー」
キムチ臭い息を吐きながら、連中はさくらちゃんに群がる。
「い、痛い。痛いよぅ、抜いてよぅ」
「この日帝の娘は処女ニダ。ウリたちの祖先が受けた痛みを思い知るニダ」
あはははは。さくらちゃん、朝鮮人にチンコ突っ込まれて流血しているよ。すっげー笑える。
「そういえば、さくらちゃん。先月、初潮を迎えたんだよね。うまくいけば、妊娠しちゃうかもね。どこの誰かもわからない、通りすがりの朝鮮人の子供をね。あはははは」
「いやだ、いやだよぅ」
朝鮮人に犯され、泣き叫ぶさくらちゃんを置き去りにして俺は家に戻った。
アニメの続きも見なくっちゃいけないからね。
ぎゃはははは。だ〜い〜こ〜ん〜。

41 :CC名無したん:04/02/09 19:10 ID:RqiD9bKC
「精神病棟の天使たち」
これは精神病院に入院している、ある一人の男の日記です。
舞台が舞台なだけに、殆どの登場人物がキチガイです。
キチガイの書くキチガイ達の日常ですので、キチガイみたいな内容になるかもしれませんが、キチガイなので大目に見てあげてください。
だってキチガイなんだもん。


▼登場するキチガイ達の紹介▼
■妄想
この日記を書いている人。真性のキチガイで痛風持ち。
自称、元首都警察の上級刑事でケルベロス騒乱に関わったと言っている。
多分、キチガイの妄想。公安が監視をする為に強制入院させたと思い込んでいる。
痛風のくせにモツとかアンキモとかカニ味噌とかウニが大好き。
現在、禁煙中なので、目の前で煙草を吸うとひきつけを起こして暴れる。
■フォルテ・シュトーレン
アル中で脳細胞が破壊されてしまっている。
酔って銃の乱射事件を起こしたことがあるが、キチガイ認定されたため無罪。
でも、二度と病院から出ることは出来ないらしい。
■蘭花・フランボワーズ
ホームレスに集団暴行を受け精神に傷を負う。
看護婦さんの目を盗んではリストカットをしようとするので、病院からも要注意患者としてマークされている。
実は妄想とは異母兄妹なのだが、本人達はその事を知らない。キチガイですからな。
■ミルフィーユ・桜葉
いつもニコニコしている明るい娘。
悪い娘じゃないので、病院からも他の患者からも好かれている。でも、キチガイ。

42 :CC名無したん:04/02/09 19:12 ID:RqiD9bKC
■ミント・ブラマンシュ
自分が金持ちで名門の出身だと思い込んでおり、変な服を着る癖がある。
年齢に不相応な体型で、多分フリークス。
■ヴァニラ・H
自閉症で感情が皆無に等しい。対人恐怖の為、ノーマッドという人形で腹話術会話をする。
怪しい宗教にもはまっているらしい。
■うさだヒカル
つきあっていた男の子供を妊娠したが、逆上した男に腹を蹴られて流産した。ショックでおかしくなった。
■ピョコラ・アナローグ三世
自称、宇宙人で悪の首領。
家族同然だった仲間を惨殺され、地下室に死体と一緒に三ヶ月間監禁されていたのを救出された。
暴行と虐待も受けたらしく、犯人は依然逃亡中。通称ぴよこ。
■大道寺知世
親友の女の子がバラバラ殺人の犠牲となり、ショックで精神が崩壊した。
■木之本桜
故人。大道寺知世の親友でバラバラに解体されたあげく、饅頭の具にされた。
犯人はまだ捕まっていない。
■天狗様
俺は本当に見たんだって!!

43 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/02/09 19:20 ID:RqiD9bKC
今日から日記を書こうと思う。毎日、休まず書けるといいな。
それにしても、入院食は不味くて気が狂いそうになる。いや、もうキチガイなんだけどね。
あんな粘土みたいなハンバーグを食わされる身にもなってほしい。
口直しに病院の売店で惣菜パンとカップラーメンを買っていると、スリッパをペタペタ鳴らしながらミルフィーユさんがやってきた。
黄色いパジャマが似合っている。
「妄想さん、お買い物ですか?」
「うん、病院の食事が不味くて嫌になるよ。ステーキとかステーキが食べたいな。あと、ステーキとか」
美味い肉が食べたいとぼやいていると、売店のおばちゃんが世間じゃ狂牛病や鳥インフルエンザの所為で、肉不足が深刻化していると言っていた。
「狂牛病になった牛は食べられないのか。じゃ、狂人病になった人間もやっぱり食べられないのかな?」
そう言うとミルフィーユさんは少し困ったような顔をして、その場を離れていった。
俺がキチガイだと思ってバカにしているのか?
バーカバーカ、ミルフィーユのバーカ。お前の母ちゃん北京原人。

44 :フリッケ福祉員:04/02/10 00:49 ID:vugqhFmN
日記発見!
って、本当に入院してるのかYO!
がんばって、綺麗な体になって出てきてくださいな。
でも、ネットができる病院っていいですね。

45 :炉板通信 ◆mwhG4Chris :04/02/10 01:22 ID:tmw36E2J
アクセス先とか監視されてないのかな?

46 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/02/10 19:44 ID:Kzjk0hxe
昼下がり、作業療法室の前を通ると、女の人が机に向かい、何かを磨いているのに気がついた。
何を磨いてるのか気になったので、声をかけてみることにした。
声をかけると女の人は少し怪訝な顔をしたが、しばらく会話をしているうちに、色々と自分の事を話し始めた。
名前は、フォルテ・シュトーレン。元軍人で退役時には中尉だったそうである。
体調を悪くしたので、軍を辞めて療養生活を送っているそうだ。
(体調云々は言葉を濁したが、まあそうだろう)
「わたしはいつか、軍に復帰するんだ。そのためにも銃を分解して、手入れをきちんとしておかないと」
しかし、彼女が磨いているのは、乾電池や蝶番といったガラクタばかりである。
後で他の人に聞いたのだが、アル中で脳が壊れてしまい、酒代欲しさに銃を乱射して逮捕された人らしい。
そして軍人でもなく、唯の銃マニア。
俺が現役の首都警だった頃に出会っていたら、迷わず銃殺していた事だろう。

47 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/02/11 21:48 ID:UUSrdzow
天気が良かったので表にある解放治療場へ出てみた。
ここの病院は重度の患者以外は比較的自由に行動出来るので良い。
ベンチに座り、魔法少女がカードを集めるという内容の漫画本を読んでいると、一人の老婆が近づいてきた。
話を聞くと、俺の読んでいた漫画は老婆の孫娘も好きで、真似をしていた事があるそうだ。
しばらく会話をしていると一人の少女がやって来た。
「婆や、こんなところに居たんですの。捜しましたわ」
背丈から小学生ぐらいだろうか。
頭に変な付け耳をしている事を除けば、落ち着いた物腰で育ちの良いことが分かる。
老婆の話していた孫娘が見舞いにでも来たのかと思ったが、二人の会話はかみ合っていない。
少女は老婆に「早く良くなって退院出来るといいですわね」、と言っていたが、その目は焦点が合っていなかった。

夕飯時、食堂でフォルテさんを見つけたので、同じテーブルに座り昼間の事を話してみた。
「ああ、ミントの事か。あの婆さんは実の祖母だよ。あいつ、自分が金持ちの娘で、婆さんの事を婆やだと思い込んでるらしい。ミントの奴、頭いかれているんだよな」
カレーを食べながらフォルテさんが答えた。
つまり、彼女・・・ミントさんはここの入院患者で、見舞いに来ていたのは老婆の方だったという事か。
おまけに、年齢は16歳。しかも夜中になると妙な扮装をして院内を徘徊しているそうだ。

その夜、俺は病院の中を走り回るカードキャプターを見た。
青い髪をしたその少女が大道寺知世と出会い、更なる悲劇を呼ぶことを俺はまだ知らなかった。

48 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/02/12 22:44 ID:zPXaKtzI
少し肌寒かったが解放病棟と閉鎖病棟の間にある中庭まで散歩に出かけた。
病棟に挟まれたこの場所には、小さな噴水、花壇、木々の植え込みがあった。
俺以外には誰も居らず、妙にひっそりとした雰囲気が漂っている。
嘗ての戦いの日々、その現実が遥か彼方の国の出来事で、全てが幻想の産物であったかのように思えてくる。
銃を取り地獄の業火に身を投じる、その日は再び訪れるのだろうか。
噴水の片隅に座りこれからの事を考えていると、閉鎖病棟の二階の窓際に誰かが立っている事に気が付いた。
「女・・・か」
長袖の、少しサイズが大きいシャツを着ているが、その上からでもスタイルの良い事が分かる。
何処かで逢った事があるのだろうか。
少し懐かしい気がする。
長く伸ばした金髪が、窓から差し込む陽の光を受け輝いているのを見ていると、何故だか心臓の鼓動が速くなった。
話をしてみたいと思ったが閉鎖病棟に入ることは出来ない。
窓の下に向かい歩いていくと、俺は上を見上げた。
しかし、彼女が俺の存在に気付く事は無かった。
どんよりとした彼女の目には何も映っておらず、ただ遠くを見つめているだけで、心はここに在らずといった感じだ。
しばらくその場所で彼女を見ていたが、時間ばかりが過ぎ去って行くだけだった。
俺は解放病棟に戻る事にした。

夕飯になり、フォルテさんに彼女の事を尋ねてみたが、閉鎖病棟には行った事が無いので知らないと言われた。
一ヶ月前、閉鎖病棟に居た事は記憶に無いのか・・・
これだからキチガイは。

49 :CC名無したん:04/02/13 22:02 ID:A5dAV8cN
妄想たん生きてたのか

50 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/02/13 23:05 ID:7UM0ilxo
今日は薬の所為で一日眠っていた。


51 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/02/15 19:41 ID:AsfgyN7O
外出許可が下りたので出かけることにした。
久しぶりの外界。
外に出ると、立ち食いソバ屋で軽く食事を済ませ、病院で読む本を買うために書店に入った。
十分に吟味してから、小説を5冊ほど買った。
深川丼が食べたかったが、この辺には食べられる店は無い。
今度、浅草にでも出かける事があったら食べてこよう。
病院に戻る途中、量販店に入ると、焼き鳥、さくら肉、かきスモーク、おでん、スパム、ビーンズ&ウインナー、ハム、イカの煮物、コンビーフポテトなどの缶詰を購入。
俺は缶詰大好き人間なのだ。
そういえばずっと以前、ケルベロス騒乱の篭城戦の時だったが、パンの缶詰を食べた事がある。
あまり美味いものとは言えなかったが。
まあ、パンは病院の売店でも買えるから問題は無いだろう。
フォルテさんはおでんが好きだと言っていたから、お土産として多めに買うことにした。
彼女は外出許可が下りないうえに、身内もいないので色々と不便が多いそうだ。

52 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/02/19 21:00 ID:dWKzaSy8
ここ数日、日記を書いていなかった。
もっとも、薬を飲んで寝ているだけだったので特に記すことも無かったのだが。

久しぶりに談話室に行ってみると、フォルテさんの横でミルフィーユさんが泣いていた。
何故だかミルフィーユさんはジャージ姿だ。
「ったく、いいかげん泣き止めよ」
「えうう〜。でも〜、でも〜」
いじめ?
元首都警の俺としては黙って見ている訳にはいかない。
俺は二人に近づくと、フォルテさんに言った。
「こら!いじめはいけませんですよ。だめですよ」
「はぁ?何を言っているんだ」
フォルテさんが少し怒ったような顔で言う。
どうやらフォルテさんがミルフィーユさんをいじめていたのではないらしい。
「それじゃあ、どうしてミルフィーユさんは泣いているの?」
一体何があったのか訊ねたが、ミルフィーユさんは泣いてばかりで答えてくれない。

53 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/02/19 21:01 ID:dWKzaSy8
しばらくミルフィーユさんの泣き声だけが響いていたが、この場の雰囲気に耐えられなくなったのかフォルテさんが口を開いた。
「実はミルフィーユの奴・・・」
「あ〜、言っちゃだめです。言わないでください〜」
ミルフィーユさんは腕をパタパタと振り回し、顔を真っ赤にして静止しようとしたが、フォルテさんは無視して言った。
「ミルフィーユの奴、おねしょしちゃったんだと。ったく、いい年して」
「えうう〜。だって〜、だって〜」
なるほど。それでミルフィーユさんはパジャマじゃなくてジャージを着ていたのか。
どうやら寝る前にジュースを沢山飲んだ所為らしい。
睡眠剤も飲んでいるから、トイレに起きられなかったのだろう。
ここは一つ慰めてやるしかない。
「ミルフィーユさん、くよくよするなよ。俺なんてこの歳でウンチ漏らしちゃった事があるんだぜ」
そう言った瞬間、フォルテさんとミルフィーユさんの表情が凍り付いた。
「わ、悪いが、わたしに近寄らないでくれるか」
「漏らしちゃったんですか・・・えんがちょです〜」
二人はそう言い残すと、談話室から出て行ってしまった。

何よ!酷いじゃない!!

54 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/02/24 20:54 ID:fZUQ9fBm
新しい患者さんが入院してきた。
名前が「うさだヒカル」という女の子だ。
通路ですれ違った時に挨拶をしたら、酷く怯えて走り去って行った。
俺が凶悪な犯罪者面しているからか?
と思っていたら、男の人に酷い目にあわされてから男性恐怖症になっているのだそうだ。
ミルフィーユさんが話し掛けると普通に会話をしていたし。
かわいそうに。口を聞いてもらえない俺が。
今度、ミルフィーユさんを通して小説でも貸してあげよう。
佐藤友哉の「フリッカー式」とか。

55 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/02/24 21:00 ID:fZUQ9fBm
夢を見ていた。
あれは俺がまだ幼かった日の記憶。
うだるような暑い夏の日、近所にある市営プールからの帰り道を、俺は全身汗だくになりながら歩いていた。
その後を、俺よりずっと幼い少女が付いてくる。
「おにいちゃん、歩くのはやい」
タオルや水着の入ったバッグを両手で抱きかかえるように持ち、早足で歩きながら少女は言った。
俺は少し意地悪をしてやろうと思い、小走りに駆け出した。
「あっ、おにいちゃんまって」
背後で少女が驚いたような声を上げたが、俺は無視をして走り続けた。
少女は必死に追いかけてくるが、俺との距離はどんどんと離れていく。
「あっ!」
突然、小さな悲鳴が聞こえたので振り返ると、少女が膝を抱えて道路に座り込んでいた。

56 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/02/24 21:01 ID:fZUQ9fBm
転んだのだろう。
さすがにやばいと思い、俺は少女の所まで戻ることにした。
「おにいちゃんのいじわる。だいきらい」
少女は涙ぐんだ目で俺を見上げると言った。
「ご、ごめん・・・〇〇(少女の名前を呼んだのだが、今は思い出す事が出来ない)」
俺は少女の、金色の髪を撫でながら謝った。
多分、かわいかったから意地悪をしたのだと思う。
少女が機嫌を直した頃には夕暮れが迫っていた。
その後、俺は少女をおぶさりオレンジ色の夕日の中を帰った。
「あのね、あたし大きくなったら、おにいちゃんのおよめさんになるの」
背中で少女が言った言葉を今でも覚えている。
だが、俺達が一緒に居られる時は長くは続かなかった。
爆音と硝煙、血の匂い。突然訪れた戦乱の時代。


気が付くと、俺は廃墟と化した街に一人でいた。
敗戦からの復興。首都治安警察への入隊。そして、警察内部での反乱。

飼い犬から野良犬へ。

俺が、あの少女に再び逢える日は来るのだろうか。

57 :CC名無したん:04/03/04 22:06 ID:isEHr6rn
 なんだか開放病棟のほうに首都治安警察の犬が入院してきたら
しい。全くキチガイというつにはあきれ返る。首都警だって?ま
ったく妄想も甚だしい。俺なんか知事で国会議員で現場監督で天
皇だ。 しかし俺がいる閉鎖病棟はあまりにも暇だ。そのうえ精
神病の薬を馬鹿みたいに飲まされているので眠くて眠くて仕方が
ない。一日に15時間は眠っている。全くどいつもこいつも人をキ
チガイ扱いしやがって。ちょっと包丁もってパチンコ屋で暴れた
だけなのに。
 暇なので、いつものように談話室にいた腹話術女をからかって
みることにする。この女は醜いぬいぐるみを腹に抱えて俺のこと
を挑発してくる。時々看護士の目を盗んで腹をグーで殴ったりし
ているが、露見することはない。
「ヴァニラさんになんてことを」
 その女が人形を使って看護士に抗議しても、
「あー腹話術上手だね」
 アハハハハハ
 もっとも看護士の連中も、それをいいことにヴァニラを連日輪
姦しているそうだが。ヴァニラはとにかく見てくれだけはいいの
だ。ちょっとロリ入ってるけど。

58 :CC名無したん:04/03/04 22:07 ID:isEHr6rn
 それはとにかく気晴らしを開始する。
「ああ、またおまえか、ヴァニラさんに何を」
「エイどリアン!」
 どすっ。ボディブローを一発。
 ヴァニラの腹は柔らかくて、殴るとなんだか破裂してしまいそ
うだ。
「ああ、ひどい、なんてことを」
 こいつはこうやって腹を殴っても全く腹話術をやめない。俺も
なんだかこの醜いピンク色の人形がしゃべっているような気がし
てくる。そして本人の声は神のご加護を、とか宗教的なことを言
っている。こういうところはちょっとした芸だ。
「エイどリアン、エイどリアーン!」
 今日の俺は絶好調。それから10分の間に、ヴァニラから3度の
ダウンを奪った。

59 :CC名無したん:04/03/05 23:48 ID:cEQOLNsR
 ここの連中は油断がならない。早く閉鎖病棟を抜け出したいのだが、
家族がそれを許さないだろう。俺はキチガイじゃあない。手術すれば
治るはずだ。とにかく、そんな油断のならない連中の中でDVDプレイ
ヤーを持ち運びするのは気が引けるのだが、日に一回はロッキーを
見ないと死んでしまうのでやむを得ない。アニメのDVDはもう買うのを
やめようと思う。スイートミントを最後に。
 
 ころころころころ… 


 俺が談話室でDVDを見ていると車椅子でランファが近寄ってきた。こ
の女もヴァニラと同じようにキチガイだが、ヴァニラと比べると少し饒舌
だった。正直なところ、俺はこの女が嫌いだ。今日も何かいいたげに俺
の後ろにやってきて、俺が見ているDVDの画面を覗き込んだ。
「あら〜またこんな映画見てるのぉ?もっとこう、恋愛モノとかないのぉ」
 癪に障る。今日こそはガツンと言ってやらないと。
「へっへ。これはこれは。ランファさん。へっへ」
 なんだかんだ言いながらもランファは俺が見ている映画が気になった
ようだ。

60 :CC名無したん:04/03/05 23:50 ID:cEQOLNsR
 ころころころころ・・・
 
 俺の横にランファが車椅子で身体を運んできた。アニメキャラだからって、
調子に乗りやがって。畜生。俺は少々乱暴な手段に訴えた。
 ランファが見やすいように、少しプレイヤーの画面を向けてやったのだ。
 そうこうしているうち、おれの一番大好きなシーン、ロッキーがアポロ戦に
備えてトレーニングをしているところになった。俺はこぶしを握り締め、ラン
ファのことも忘れて映画に没頭した。
 ♪ちゃら〜ら〜ちゃら〜ら〜
 おなじみのテーマ曲に乗って、ロッキーが激しく身体を動かす。
 ああ、俺もシャバに出たらがんばろう、キチガイ病院のことなんて忘れて、
ロッキーのように。ハングリー精神だ!
 そんな俺の純粋で熱い感情を打ち破ったのは、やはりこの女だった。
「なにこれだっさぁ〜」
「なにおう?」
「だって筋トレ、自重のほかはサイドレイズとバックプレスしかしてないじゃん。
それも50レップとかで。ボクサーに必要なのは三角筋の筋持久力だけなのぉ?
それにうさぎ跳びとかやってるよぉ?ひざ痛めちゃったらどうすんのぉ」
「・・・・・・・・・」

61 :CC名無したん:04/03/05 23:52 ID:cEQOLNsR
「音楽よ、音楽!音楽にだまされてんのよ。キャハハ!うすっぺら〜」
「おいてめえ!」
 俺は切れた。もう我慢できない。
「てめえふざけんなよ!アニメキャラだから今まで我慢してきたけどなあ!もう
ゆるさねえ!ムカついた。こんなにムカついたのは江川のドラフトの時以来だ!
ロッキーなめんなよ!問答無用なんだよ!」
「ええ?ばっかじゃない?だいたい脳内パワーリフターの癖して。悔しかったら
私が健常者だった頃くらいの重量挙げてみなさいよ。あ、脳内は結構よ」
「この三国人!ぶっ殺す!」
 がしゃーん!
 俺はランファを車椅子ごと放り投げた。ランファの悲鳴が聞こえたような気が
する。そうして、ランファの腰からかかっていた毛布がぱらりと落ちた。



 俺はよく知っていることだったが、ランファの胴体は腰から下のところがなか
った。床にへたり込んですすり泣くランファをほうっておいて、俺は再びDVD
に没頭した。

62 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/03/06 20:47 ID:4pZRPpCs
閉鎖病棟の窓から見えた金髪の女の事を考えながら喫煙所で煙草を吸っていると、通りがかったフォルテさんに嫌な顔をされた。
彼女は煙草が嫌いらしい。
昔、なにかあったのだろうか。
俺は煙草を揉み消すと、閉鎖病棟の見える中庭へと向かった。
しかし、どうでもいいのだが最近また太り気味だ。
入院させられるまでは、一日に一食しか食べなかったり不規則な生活を送っていたのだが、ここに来てからは毎日三食を食べているためだろう。
花輪和一の「刑務所の中」でも、刑務所に入れられると一日三食ちゃんと食事が出るので太る、といった話があったのを思い出した。
生活に困ると犯罪を犯し、わざと刑務所に入る馬鹿がいるのもうなずける。
俺が現役の首都警だったら、そんな不逞の輩は即座に銃殺して生きる苦しみから解放してやるのだが。

63 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/03/06 20:49 ID:4pZRPpCs
閉鎖病棟の前に来ると、この間の窓を見上げてみた。
だが、そこには誰の姿も見えない。
そうタイミングよく会えるわけがないか・・・
そんな事を思いながら、格子の入った病棟一階の窓を覗き込んだ俺は驚愕した。
談話室らしい部屋の中で、ピンク色の醜い人形を抱いた少女を殴っている男がいたのだ。
少女は表情一つ変えていなかったが、殴っている男は何か筋力のトレーニングを行っているらしく、太くたくましい腕をしていたので、危険な状況であることは一目瞭然だ。
俺は振り返ると閉鎖病棟の入り口に向かって走り出した。
あんな少女をグーで殴るなんて・・・キチガイめ!!
だが、俺にあの男を倒せるのだろうか。

64 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/03/06 20:51 ID:4pZRPpCs
http://marimo.sakura.ne.jp/~hanyan/uploader/img-box/img20040306204634.jpg

65 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/03/06 20:52 ID:4pZRPpCs
閉鎖病棟の入り口に辿り着き扉を開けようとしたが、鍵が掛かっているため扉を開く事は出来ない。
「ちくしょう!!開けろ」
扉を叩き叫んだが、騒ぎを聞きつけ駆けつけた看護士によって俺は取り押さえられた。
「放せ!奴を止めなくては・・・俺に手を触れるな!!」
腕にチクリとした痛みが走り、意識が遠のいて行く。
薬を打たれたか・・・
薄れていく意識の中、俺は先輩の刑事が言った言葉を思い出した。

「正義を行えば、世界の半分を怒らせる」

犯罪者に銃を向け処分する俺たち首都警こそが、治安を悪化させる悪の根元であり、犯罪を増加させる要因を作っている。
世論の広がり、首都警察への武装解除命令・・・
そしてケルベロス騒乱が起こった。

66 :CC名無したん:04/03/07 01:32 ID:RXIj+Aam
 暇だ。ヴァニラを殴ることにした。こいつの横っ腹のやわらかさ、壊
れやすそうな儚さは俺にとってとても扇情的だった。いつものように
醜いぬいぐるみを遠くに放り投げてボディをお見舞いする。
 ボグ!ボグ!
 廊下の支柱の陰に隠れているので他人からは見えない。
 ヴァニラはそれでもぼんやりとした顔を俺に向けているだけだ。
 痛い、とも言わない。
 俺が哀れだと。そういっているように見えるその深い瞳。
 と、口から血が伝ってきた。口の中を切ったのか、もしかすると内臓を
痛めたのかも知れない。
 ヴァニラの白い肌、口元を流れる血は美しかった。
 俺はヴァニラの顔に唇を寄せると、その血を首筋からなめあげて、呑み
干していった。
 ざらざらと鉄の味と、少女の頬。
 ヴァニラは不意に私に目を合わせた。
「おいしい?」
 俺は頷いた。
「おまえは俺が憎くないのか。おまえのことを殴ってばかりいるんだぞ。
俺は卑劣な男なんだぞ」
 首を振るヴァニラ。
「憎いも憎くないもありません」
 なんだよ、そう思うと外が妙に騒がしくなった。入口ががちゃがちゃ言って
いる。
「やれやれ誰かのお迎えかな」
 ヴァニラはわれ関せずといったふうで、ぬいぐるみを引き上げると
自室へと戻っていった。

67 :CC名無したん:04/03/07 23:52 ID:PFCTlnLi
 夜中にウンコがしたくなったのでトイレに向かうと、看護士た
ちが男子トイレでヴァニラを輪姦していた。いつものことだが。
 男たちの歓声と、時折ヴァニラの荒い息遣いが聞こえてくる。
 なんだか気まずいので物陰で事が終わるのを待った。
しばらくすると、看護士たちが男子トイレから集団で出てきた。
ヴァニラは出てくる様子がない。俺はどうでも良かったのだが、
取りあえずウンコがしたかったので中に入った。
 一番奥のトイレの扉が閉まっている。俺はどうでも良かったので、
一番手前の部屋に入って、パンツを脱いだ。ちなみに俺はウンコ
のときはズボンもパンツも前部脱いで、下半身すっぽんぽんになら
ないと出来ないのだ。
 やがて、かちゃり、と奥のトイレの扉が開く音が聞こえた。ぺたり、
ぺたりと力なくヴァニラが歩く気配がする。



68 :CC名無したん:04/03/07 23:53 ID:PFCTlnLi
「心貧しきものに」
 ヴァニラが何事かつぶやいている。
「神のご加護を。彼らを救いたまえ」
 はぁぁぁぁぁあっぁあぁぁああぁぁぁ?俺はむちゃくちゃに腹が立って、
気がつくと外に飛び出していた。
「おいこら人間便器!おまえ何偽善者ぶってんだよ!レイプされても
あいつらの幸せを祈ってんのかよ!アニメキャラにもほどがあるぞ!
ええおい!過ぎたるは及ばざるが如しって知ってるか?」
 ヴァニラは俺を覚めた目で見ている。醜いぬいぐるみを引きずって
いるが、そのぬいぐるみも今日は小声で。
「ヴァニラさんが、汚された、汚された」
 としか言わない。
「そこに直れ、町人。手打ちにしてくれる」
 俺はヴァニラの肩を掴むとトイレの個室に突き飛ばした。ちょうど様
式の便座に腰掛ける格好でヴァニラはへたり込んだ。
 すばやく俺は個室の両壁の上に手をかけると大またを開き、脱糞した。
 
 人間便器の誕生だ
 アハハハハハ

69 :CC名無したん:04/03/09 23:13 ID:dOhEwKDw
さくら
キモッキモッキモッキモッキモッキモッ

70 :CC名無したん:04/03/10 01:39 ID:arPK3yHo
 暇なのでだるまチャンコロと会話する。キチガイ、変質者、なめくじおとこ、
両性具有、ロリ、ペド、アニオタ、デブ等散々な罵倒を受ける。どうやらこの間
車椅子を転がしたことを根に持っているらしい。狭量な奴だ。
 こいつはダルマの癖にまだ乙女チックな(死語)妄想を抱いている。キチガイ
のキチガイたる所以だ。白馬の王子様とか、お金持ちのチョー美男子とか。
 アホか。おまえ自分の立場わかってんのか?
 こういうことははっきり言ってやったほうが本人のためだ。
「おいよく聞け淫乱チャイナ。おまえは白人が道端のチャンコロを強姦して生
ませた精子ん異常者だ。三国人がアホみたいな妄想偉大てんじゃねーよ。
大体おまえまんこついてないだろ?そんなんじゃ子供とか産めねえジャン。
よくてフェラチオマシーンだよ、フェラチオマシーン。まあ自分でやるよりまし
かなってとこだ。いいから死ねや」
 快活だったランファがぐったりと動かなくなり、涙を流すのを見て俺は満足した。
 おまえがいけないんだよ。この売女。

71 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/03/10 21:53 ID:wak7jFLa
やぁやぁ、うへへへへ。
こりゃフォルテさん、ご機嫌麗しゅうございます。
へぇへぇ、ちょいと色々ありまして、気が付いたら数日も眠っていたようです。
なんか無理やり薬を注射されたみたいで。
投薬される度に、頭がボケていくような感じで、気のせいですかね?
いや、しかし、すっかり春らしくなってきましたね。
こうポカポカ陽気がいいと、なんだか落ち着きませんですな。
なんせ、ほら、春の3Kって言うぐらいですから。
花粉症、交尾、キチガイの3Kですよ。
野良犬も場所をわきまえず盛っているのが見られますな。
うへへへへ、セクハラですって?
あ、こりゃ失礼しました。
えーなになに、うさださんが閉鎖病棟に移された?
リストカットを?
こりゃ大変ですね。
なにせ、ほら、閉鎖病棟はキチガイだらけだと聞きますし。
先日もキチガイがキチガイを殴っているのを目撃しちゃいましたから。
おや、看護士さん達がやって来た。
こりゃ皆さん、よいお天気で。
あれ?あっしの腕を掴んでどうしたんですか?
ちょっと、放して・・・やめて、うわああああ。
そっちは閉鎖病棟じゃないですか。
やめろ、放せ、アワアワアワ、エベエベエベ・・・

72 :CC名無したん:04/03/12 05:15 ID:22hKXiC8
 辛い。もう何回も、この世界をやり直している気がする。
ランファが健常者の世界や、ミルフィーユが淫売の世界など、
いろいろな世界があったがヴァニラさんは常に高潔な思想と
優しさを保ちつづけていたように思う。
 どんな世界でもヴァニラさんは素晴らしく、そうして暖かい。
ヴァニラさんの懐に抱かれているととても安らかな気持ちにな
る。
 僕はヴァニラさんに酷いことばかりしてきた。そのことはと
ても償いきれることじゃない。看護師たちにレイプされるヴァニ
ラさんをみて、僕は何もできなくなってしまったのだ。
 ヴァニラさんは彼らの行いを一切拒まなかった。そして、敏
感な粘膜を触られると声を出したり、呼吸を乱したりした。
 ヴァニラさんにも性感があるのだということは、僕を酷く興奮
させた。僕はひそかにヴァニラさんが犯されるのが楽しくなって
しまったのだ。


73 :CC名無したん:04/03/12 05:16 ID:22hKXiC8
 キチガイはいつもヴァニラさんを殴った。ヴァニラさんは血を
吐いたり顔をしかめたりした。僕はそのキチガイを罵ったが、
それよりも苦痛に顔をゆがめるヴァニラさんが美しくて。
 陶然としてしまうほどに彼女は美しい。
 ああ、好きです。ヴァニラさん。
 
 今日、閉鎖病棟に患者が何人か担ぎ込まれてきたらしい。
 暴力をふるうような奴だったらどうしよう。無茶なことを言う奴だったら?
僕はヴァニラさんを守ることができない。目の前で陵辱される
ヴァニラさんをただ見ているだけなのだ、自分の無力に絶望しながら。
ああ。それでも僕はヴァニラさんを愛している。

74 :CC名無したん:04/03/16 03:10 ID:raLEfIie
 ヴァニラさん、一体どうしてこんな野蛮な辺境の星の、
そのまた最悪な施設に収容されることを望まれたの
ですか?あの時あなたが望んでいればもっと素晴らし
い生活、いいえ、富や権力だって。なのにあなたは夜
毎、夜毎…。ああ、ヴァニラさん。私は手をもちません。
脚をもちません。あなたを愛しても、あなたを抱くこと
すらできません。けれど、あなたを愛している。私はも
う気が狂いそうです。ああ、あなたがこの星で相されて
いるように、わたくしも。高性能コンピューターであるこ
の私の脳も。ああ。
 
 ヴァニラさん、、また、口から血が。ああ、おいたわしい。
酷い、切り傷ばかりだ、早く手当てを。あ、ヴァニラさん!
ヴァニラさん!

75 :CC名無したん:04/04/07 01:35 ID:NELtfJ1t
続編をあまり期待せずに待つ。

76 :CC名無したん:04/04/15 19:10 ID:k47f+ZCj
妄想さんと入院きちがい(仮名)さんはもうこのスレを忘れてしまったのか。

77 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/04/24 23:12 ID:wRKYlAWO
>>76
今度、入院きちがい(仮名)さんと合同で小説系同人誌を出すことになったので
しばらくそっちに専念したいと思っていますです。

78 :CC名無したん:04/04/25 01:12 ID:zqPnWnAL
妄想たんと村田たんの同人誌かよ
買うよマジで

79 :CC名無したん:04/05/08 21:37 ID:F8ZeaTUK
 閉鎖病棟から開放病棟へ移って3日。あの陰鬱な病棟から開放されたことが
何より嬉しく、そうしてすこうしだけ心残りでなりません。
 精神病院は、私にとって揺篭です。私はここでしか生きることを許されており
ません。ですから、ここで起こる事がすべてです。ここだけが私の世界なので
す。
 
 私はさくらちゃんを愛していました。心のそこから愛していました。ええ、そうで
す。歪な愛情と後ろ指を刺されることも、敢えて許容いたします。私はさくらちゃ
んとでしたら、たとい無間地獄のそのまた向こう、何万年という時間の彼方、暗黒
の空へ送られても悔いはありませんでした。むしろさくらちゃんと苦難をともに出
来るのでしたらこれ以上の喜びはありません。
 けれども、さくらちゃんはもうこの世にはいません。何故なら、無惨にも殺されてし
まったからです。そうして、私の虚言癖、妄想癖はそのときから始まり、幻覚、幻
聴の帳を常にこの身にまとい、そうして何時までも幻想の世界に身をゆだねて
おりました。
 酷い殺され方でありました。ああ、人間の持つ悪魔性、己が心の闇を見よ!
 ナチスや731部隊もかくやというように、さくらちゃんは恐ろしい目にあい、そうして
最後まで苦しんで苦しんで、死んだのです。痛かったでしょう、恐ろしかったでしょう。
ああ、そのことはまるで私の罪であるかのように感ぜられて、つろうございます。
 そのころに書いていた小説が手元にあります。
 「大道寺知世と12人のさくらちゃん」
 その世界で私はさまざまなさくらちゃんと手と手を取り合い、喜びも悲しみも分か
ち合い、そうして時には交接を繰り返しました。
 原稿用紙にして12万8千枚に及ぶその小説をお母様に見咎められ、そうして私は
有無を言わせずここにつれて来られました。ここにいたるまでの車中で、お母様は
ただただ泣いておられました。おじいさまも泣いておられました。それでもこの小説を
私の手元に残しておかれたのは、どういうわけなのでしょうか。

80 :CC名無したん:04/05/09 19:51 ID:/aCkTEFX
 閉鎖病棟で、改造手術を受けた。そのことをフォルテさんに相談したのだが、
「馬鹿だねえ、そりゃアンタ…」
 そういったあと、くすりと笑って、
「まあ、キチガイだからねえ、あたしたちゃ。しょうがないよ」
 寂しそうに呟いた。フォルテさんは壊れたラジオをばらしては組み立てている。その不毛な
作業を三回も繰り返した。フォルテさんに、いったい何をしているのか訊いたら、
「見てわからないかい?銃の手入れだよ」
 真剣な目つきで言う。
「でも、これはラジオじゃないか」
「銃だよ」
「ラジオですよ」
「銃だって!」
 そのうちなんだか俺にもこれが銃の様な気がしてきた。
「ああ、そうか、発射機だもんな。電波の」
 フォルテさんは一度は反駁しかけて、そうして頃合のいいところで手を打とうとしたのか、
そうそう、と気のない返事をして作業に戻った。
 あとで気がついたのだが、ラジオって受信機だよなァ。
 
 夕方、病棟から運動場に出てすこし散歩した。以前いた閉鎖病棟を見上げると、なぜだか
とても不吉な感じがした。閉鎖の金網の窓の中に、女がいた。その女に見覚えがあったのだが、
名前が思い出せない。日本人ではないのか、チャパツというか金髪と言うか、色素の薄い髪を
していて、そうして肌がとても白かった。
 その女はちらり、とこちらを見ると何か複雑な顔をして、そうして姿を消してしまった。
 俺はあの閉鎖病棟で、改造手術を受けた。それは間違いない。あれは夢ではない。

81 :CC名無したん:04/05/09 19:52 ID:/aCkTEFX
「ケダイノウチニシヲユメム」
 唐突に背後で声がしたので振り返ると、大きな花をあしらったカチューシャが目に飛び込んで
きた。えへへへ、と声を立てて笑っている。愛らしいと言うか、少し白痴じみていておかしかった。
「えへへへー。セイタカアワダチソウの花言葉なんですよぉ」
 また誰かが人のいいこの少女に嘘を教えたらしい。この娘はあまりにも純真すぎる。だから
人にだまされた挙句、心を壊されたのだ。
「俺はあそこで改造手術を受けたんだよ」
 そのカチューシャの持ち主、お人よしのミルフィーユに言ってみた。言いながら少し後悔した。
だって、こんなこと言ったらまるでキチガイみたいじゃないか。でもミルフィーユはいっそう破顔
して、
「わああー。なんだか恐ろしいですねえー」
 一瞬馬鹿にされているのかと思った。
「本当だよ」
 が、どうやら思い過ごしのようだ。我ながら被害妄想が強い。
「で、どんな改造をされたんですかー?」
 この子は本気で驚いている。それどころか心配そうに俺の顔を見上げてくるではないか。
「改造、そう、改造されたんだ。頭の中をいじくりまわされて…、ああ畜生、なんだってこんな
こと。ミルフィーユ、聞いてくれ、俺は精神病者だけれど、あんなふうに他人に酷いことはしない。
とても善人なんていえないけれど、でもあんなふうに他人のことを踏みにじったりはしないよ、
それに女の子を殴ったりしない。なのにあいつら人の頭の中弄り回して、頭の中ラジオみたいに
しやがってよう。俺のものじゃない誰かの記憶を押し付けやがった!ああ、畜生」
 そのとき。
 ぽん、と頭の上にやわらかい感触があった。気がつくと俺はうなだれて、少し涙を流していた。
「だいじょうぶですよぉ。大丈夫」
 ミルフィーユは俺を慰めてくれていた。にこにこと笑って、俺の頭を撫でてくれる。俺が顔をあ
げると、俺の頬を拭ってくれた。俺は母親の顔を知らないが、もし母親というものが物語とかで言わ
れるような存在であるとしたら、きっとこうするのだろう。
「改造を。改造を。ううううう」
「大丈夫大丈夫」
 ミルフィーユの慰めには根拠が無かった。それでも俺はそれに縋りたかった。

82 :CC名無したん:04/05/11 05:07 ID:Uj7gZ693
 入院した当初は、希死念慮で大変だったというミルフィーユ。その状態から
抜け出すと、今度は酷い抑鬱状態に陥ったのだそうだ。何を言っても答も返さず、
ただ黙々と料理の本を読んだり。
 だから、今のミルフィーユの明るさというのはとても貴重で得がたいもので、そう
してソレゆえの儚さを内包していた。ただ単に陽気なだけの女の子なら、俺はあま
りミルフィーユに感心を持たなかったのかも知れない。しかし。
 
 俺の心の中に、昏い感情がある。
 ――この少女を、壊したい。この儚さの壊れる一瞬をこの目に焼き付けて、一生
その思い出とともに行きたい。
 俺はかぶりを振った。なんでそんな風な邪悪な考えが頭をよぎったのか。
 改造手術?ああ、馬鹿な。あれは違う。あれは・・・本当の俺じゃない。

83 :CC名無したん:04/05/11 20:26 ID:ksWrpA0i
♪デテクルテキヘイミナミナコロセー
 
 
 

  ♪デテクルテキヘイミナミナコロセー
 
 
 

 おかしなラッパで目が覚めました。目覚めるたび、悲しくなります。だって、
目が覚めるとここは薄暗いきちがい病院で、そうしてここにはさくらちゃんは
いないんですもの。まるでがらんどうの世界ですわ。空っぽの世界ですわ。
 お母様、本当にいつもいつも有難うございます、食事の前はいつもそう唱え
て、そう、お母様は女でひとつでわたくしをお育てになって。そうして苦労し
て育てた娘がきちがい病院にいるなんて。きっとわたくしならおかしくなって
しまいますわ。
 あら。
 わたくしったらとっくにおかしいのに。
 わたくしきちがいですもの。
 
 とにかく顔を洗って、食事を頂きます。食事には味がございません。まった
く辛いも甘いも酸っぱいも苦いも熱いも冷たいもございません。わたくしてっ
きり病院の食事はこうした味のものなのだと思いまして、看護婦さんには、
「やはり食事の塩分などは控えめなのすね」
 などと申し上げまして。そうして、それが実はわたくしの味覚がおかしくな
っていて、お薬が悪いのやら頭の中がおかしいのやら、とにかくそういうわけで
お薬を変えていただいたりいたしましたが、どうにも味がいたしません。
 わたくしきちがいですもの。

84 :CC名無したん:04/05/11 20:28 ID:ksWrpA0i
 きちがいにやる餌などあるものですか!えい!
 気がつくとお皿を投げていました。どだいここは病院とはいっても脳病院で、
金属のお皿(刑務所みたい、などとおっしゃる人もいます)がからからと耳障り
に転がるだけ、もちろん中身も転がりました。
 どうにも自分のすることと目の前で起こっていることの区別が、つきません。
 
 
♪デテクルテキヘイミナミナコロセー
 
  ♪デテクルテキヘイミナミナコロセー
 
 喇叭の音が近づいてまいります。

 
 


85 :CC名無したん:04/05/11 20:29 ID:ksWrpA0i
「目標、前方砲弾孔!小隊躍進距離五十!突撃!前ぇ〜!」
 凛とした高い声が世界にこだまいたします。ああ、その美しい声は。
 まるでドンレミイ・ラ・ピュセルの教会で見たジャンヌダルクの絵のようにさくらちゃん
が軍刀を高く掲げて丘の上に。
 
 
♪デテクルテキヘイミナミナコロセー
 
  ♪デテクルテキヘイミナミナコロセー
 
 わたくしはさくらちゃんに続こうと走り出して、誰かに腕を捕まれました。
 離せ下郎、やあやあ我こそは大道寺コーポレーションが跡取り、大道寺知世なる
ぞ!ひかえいひかえい、ひかえおろう、ここにおわすはミト王子。地球人、イデオ
ンをよこせ!駄目だ、ダラム様の身体には核爆弾が!すぐにアニメの話になるこの
ボキャブラリー、話題の貧弱さ。アニオタ死ね!
 必死に喚きたてましたが、あっという間に意識が遠くなってしまいました。
 きっとまたセルシン静脈注射ですわ。
 わたくしきちがいですもの。うふふ。
 


86 :CC名無したん:04/05/13 01:09 ID:YPgpABSd
 薬が良く効いていて、わずらわしいくらいに思う。
 眠たいので、気分は落ち着いているというか、落ち込んでいるというか。
でも以前に比べればはるかにましかなあ。
 入院する前の俺は、あまり人と接触を持たないようにしていた。俺の心
は人前に出るにはあまりにも醜かったし、だから俺はあんな犯罪を。
 ソレに比べればここは別天地だ。ああ、ここは出る事のかなわないキチ
ガイ病院とはいえ。
 昼食後、病棟に挟まれた中庭に出る。示し合わせたわけじゃないのだか、
黄色いパジャマに麦わら帽のミルフィーユが植え込みに腰を下ろしている。
と、彼女は突然立ち上がって。
「お花、摘んじゃいましたあ〜」
 ミルフィーユが中庭のタンポポを3本ほど、ソレは大切そうに抱えて、
そうして幸せそうにこちらを見ている。俺はミルフィーユの麦わら帽を手に
取ると、帽子に結んであったリボンに花をあしらってみた。
 あまり華やかな花じゃないけれど。
「うん、ミルフィーユにぴったりだね」
 ミルフィーユはにっこり笑った。たんぽぽも、ミルフィーユも。愛らしい
じゃないか、そうだ、俺たちはそんなに・・・醜いばかりの人間じゃない。

87 :CC名無したん:04/05/13 01:11 ID:YPgpABSd
 もしかすると、病院の中のほうが俺にとって良い場所なのではないのだろうか。
 フォルテさんは頼れる人。ミルフィーユは愛らしい。
 なにかが。
 俺はもっとこの病院に。
「ミルフィーユは、彼氏とか、いないの?」
 はい、いません!とか、元気な返事を期待していたのだが、ミルフィーユの返
事はなかった。俺には彼女はいないのだ.では好きな人は?判らない。ただ金色の
髪を夕日に染めて病院を見下ろしていた女、おとなしいゆえに痛みに耐える少女。
俺は、彼女たちの事はどう思っていたのだろう。彼女たち?彼女たちって誰だ?
 と。ミルフィーユの様子がおかしい。

88 :CC名無したん:04/05/13 01:15 ID:YPgpABSd
「ミルフィーユ?」
 そのとき俺はこの少女のこんなにも痛ましく、悲しく、そうして―美しい涙をは
じめてみた。
「あ、その、ごめんなさい、わたし」
「いや、俺も軽率だったよ。ごめんね」
「そんな」
 ミルフィーユはすぐに泣き止んだ。俺たちはそれ以上何をするでもなく中庭でベ
ンチに腰をおろしていた。
 ミルフィーユの病の原因は、男なのだろうか。
 ああ、もう考えない。夕方まで二人並んでベンチに腰掛けていた。

89 :CC名無したん:04/05/14 00:14 ID:zilNH9XI
 病院の中にいても、あまり運動する機会はない。時々キャッチボールするだけだ。
といっても今日は相手もいない。フォルテさんなんかは時々付き合ってくれるのだ
が、今日はなにか強い薬を飲まされたとかで眠っているそうだ。仕方なく中庭で壁に
向かってひとりで壁あてをする。
 なんだか友達のいない小学生のようだ。むなしくなってきてやめようとすると、小柄な
青い髪の少女が近寄ってきた。
「まあ、一体何をされていますの?」
 12,3歳くらいだろうか。この年でこんなところに入れられるなんて大変だなあ。それ
にしても妙な格好だ。宇宙の中心に存在するはくちで盲目の、ぶよぶよの肉の塊であ
り見た人間はすべて失明し発狂する気ぐるみを身にまとっている。
「なんて格好だよ」
「あざとーすですわ」
 さすがきちがい。まるで意味不明。けれどその不気味な衣装とは裏腹に、少女の顔
は控えめに言っても整っている。まあ、かわいい部類に入るだろう。
「で、何をなさっていますの?」
「キャッチボール。相手はいないけど」
 少女は興味を持ったようだ。

90 :CC名無したん:04/05/14 00:14 ID:zilNH9XI
「このボールを投げますの?」
「そうだよ」
 少女は転がっていたボールを手に取った。
「何処に?」
「俺のグローブに」
「それはフロイト的な意味で?」
「なに言ってんだお前」
 とにかく少女はすこし俺から離れると、ボールを投げようとした。
 典型的な女投げ。とにかくスローイングになれていないのが見て取れた。
「あー、あぶな…」
 俺が暴投を恐れて周囲に人がいないか見渡すと、いきなり。
 少女が思いっきりボールを投げた。そのボールは実にとんでもない威力で、いや、
まったくフォームからは想像もつかなかいくらいすばらしいスピードで――
 俺の頭上を越えて行き、50メートルは離れていた閉鎖病棟の3階の窓に突き刺さっ
た。
 がしゃん!

91 :CC名無したん:04/05/14 00:16 ID:zilNH9XI
 ああ、きちがい病院でよかった。窓という窓には金網がついているのだ。しかし。
 その金網のむこうに、3っ日ほど前見た例の金髪の女の姿があった。女の表情は遠
くてよくわからなかったが、感情は見て取れた。なぜなら。
 何ということだろう。女は内側から分厚い閉鎖病棟の窓ガラスを叩き割り、大声で
叫んだのだ。手の辺りから赤いもの、おそらく血であろう何かが噴出しているのが見て
とれた。
「ミント!このフリークス!何するのよ!」
 ミント、と呼ばれた傍らの着ぐるみ女も言い返す。
「なんですってこの淫売!だるまチャンコロ!精液便所の分際で私のような高貴な生
まれのものを呼び捨てにしないでくださいます?っていうか閉鎖の中じゃ大好きなオ
ナニーも満足に出来なくて欲求不満なんじゃございません?この全身性器の…」
 そのとき閉鎖病棟の窓の中に異変が起こった。数人の看護士が中の女を取り押さえ
たのだ。暴れる女はなおもなにか奇声を上げていたが、もはや言葉にもならず部屋の
奥へと連れ去られていった。
 ミントと呼ばれた少女が呟く。
「まったくランファさんときたら、汚れにレイプさせただけじゃわからないのかしら…」
 俺は恐ろしくなってその少女から逃げ去るように走り出した。助けて天狗様!
 

92 :CC名無したん:04/05/14 20:26 ID:zilNH9XI
「KTX速いなー」
 フォルテさんと軍人将棋をしていたのだが、俺が長考しているあいだに
フォルテさんはわけのわからないことを言い出した。
「うわー、KTX速いなー」
 よく見ると両目を閉じている。居眠りを始めたようだ。それにしてもいっ
たいどんな夢を見ているのだろう。KTXってなんだ?
 よく考えるとこの軍人将棋には審判がいなかった。いったいなんでゲーム
が成り立っていたのか良くわからない。とにかく、フォルテさんが眠ってし
まったのでゲームは続行不可能になってしまった。まあ勝ち負けなんてどう
でもいいのだけど。賭けていたのはフォルテさんがてっぽうの弾だと言い張る
オートリメッサ製98年型RMX250S用のチャンバーだったし。かさばる
んだよ、バイクのチャンバーなんて。だいたいこんなでかいものが弾丸だった
として、いったいなんに使うんだ。対戦車ライフルか?全くきちがいはどうし
ようもないな。
「うわわー、KTXはやいなー、もうテグだよ」
 きちがいの寝言だ、ほうっておこう。あとになってミルフィーユに、フォル
テさんは昨日のくすりがまだ残っているみたいだから、などと頭を下げられた。
なぜミルフィーユがあやまるのだろう。
 今日は俺も眠たかったので昼寝をした。ミルフィーユに昨日の青い髪の少女
のことを聞くのを忘れてしまった。まあ、時間はいくらでもある。明日にでも
聞いてみよう。

93 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/05/18 19:42 ID:MibtQ0NZ
閉鎖病棟の保護室に移されてから数日が経過し、やっと室外へ出る許可が下りた。
病棟とは名ばかり、ここは唯の収容所だ。
解放病棟と違い監視の目も厳しく、当然だが屋外へ出る事は出来ない。
コンクリートの壁は汚れ、赤茶色い染みが所々に付いている。(この染みが何なのか、想像するだけで気分が悪くなった)
こんな所に長く居れば本当に気が変になりそうだ。
唯一気が休まるのは、中庭の見渡せる談話室にいる時ぐらいである。
この部屋は窓も広く、日の光も良く差し込んでいるので気分が落ち着く。

昼になり看護士が食事を載せた台車を押しながら談話室に入ってきた。
患者達は虚ろな様子でノロノロと歩きながらトレーを受け取っている。
俺もトレーを受け取ると適当なテーブルに着いた。
食事はミートソーススパゲッティと、茹でた野菜の盛り合わせだ。
スパゲッティと言っても、学校給食のソフト麺みたいな細いウドンのような物で正直不味い。
解放病棟に居た頃も食わされた事があるが、フォルテさんがケチャップヌードルと言って悪態をついていたのを思い出す。
食欲は全くわかず、プラスチック製のフォークで麺を突付いたり掻き混ぜたりしていると、突然何かの割れるような音が室内に響き渡った。

94 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/05/18 19:43 ID:MibtQ0NZ
「ミント!このフリークス!何するのよ!」
振り返ると車椅子に座った金髪の女が窓ガラスを叩き割り、血まみれになった両手で宙を掻きながら絶叫している。
前に中庭から見たことがある女だ。
他の患者達はこの騒ぎに全く無関心らしく、誰一人顔を上げる事もなく一心不乱に食事を続けている。
呆然としながら見ていると、振り向いた女と俺の目が合った。
「なによ・・・」
「はい?」
女は俺を睨みつけ、目を見開き怒鳴り散らす。
「なに見てるのよ!このキチガイ!あんたたち全員キチガイよ!キチガイ!キチガイ!キチガイ!」
やばい、この女キチガイだ。どうしていいのか分からず焦りまくる。
すると、騒ぎを聞きつけた看護士が数名やって来て女を取り押さえると、警棒で腹や背中を殴り車椅子から引きずり降ろした。
「ったく、毎度毎度世話を焼かせやがって」
「また、こいつを打たれたいみたいだな」
看護士と共にやって来た医者らしき男が女の腕に注射を打つ。
「い・・・いや・・・薬はいや!やめて!助けて!」
注射器の中の液体が、ゆっくりと腕の中に入っていき、女はどんよりとした虚ろな目になり大人しくなった。
「助けて・・・たす・・・け・・・」
口の淵から涎を垂らし、ぐったりとした女を車椅子に乗せると、医者と看護士達は談話室から出て行った。
どうやら俺はとんでもない場所に来てしまったようだ。
そういえば、うさださんも閉鎖病棟に入れられたらしいが大丈夫なのだろうか。

95 :CC名無したん:04/05/19 00:03 ID:RZIIwUFL
 昼休み、日の光を浴びに外に出る。
 精神病院というと鉄格子やら高いフェンスやら、刑務所じみたものを想像する
かも知れないが、実のところ開放病棟においてはほとんど普通の病院と変わりは
ない。鍵もついていないし、基本的に出入りは自由だ。
 時々廊下でラジオ体操をしている人がいたりするけれど、それも別段奇異な光
景ではないだろう。ただ、そのラジオ体操を延々8時間にわたって行っていたり
するところがきちがいのきちがいたる所以だと思う。
 グラウンドに出て軽く走ってみると、あっという間に息切れした。やはり運動
不足、そう考えかけてはたと思いついた。
 改造。
 俺はきのうの診察のとき、先生にそれとなく聞いてみた。あのう、僕の脳って
外科的になにか処置をされてるんでしょうか、みたいな。先生はいいや、と軽く
首を振って、なにかカルテに書き込んでいた。その日、レボトミンの分量が増え
ていたのはやはり、俺を…。
 

96 :CC名無したん:04/05/19 00:04 ID:RZIIwUFL
 昼食はスパゲッティだった。麺類が大好きな俺だが、この味には閉口する。し
かしとにかく食事をきちんと摂ってエネルギーを蓄えないと、何時までも退院で
きないし。ぱさぱさの紙みたいな味のそれを口に押し込む。
「あーあ、いい加減にしてくれないかなあ、このケチャップヌー…」
「だめですよお、フォルテさぁん。きちんと食べないと」
「何言ってんだい。こりゃ人間の食べ物じゃないよ。おでん食べたいなあ、あー、
おでんおでん」
 俺の席からはなれて、フォルテさんとミルフィーユがわいわいと食事している。
フォルテさんもすっかり体調を取り戻したようで、良かった良かった。
 食後、ぼんやりとしているのに飽きてきて、私物の整理をしてみた。こういう
ことが出来るようになったというのは、良い傾向かなあ。
 DVDプレイヤーとかソフトとか。カシオの電子手帳には仕事をしていたときの
予定が残っていた。落ち込むのは間違いないので電子手帳の内容は見なかった。
 DVDのドライブに入っていたロッキーを見る。たまには映画も良いものだ。

97 :CC名無したん:04/05/19 20:29 ID:RZIIwUFL
 先日の青い髪の少女のことを訊くや否や、フォルテさんとミルフィーユは顔をそむけた。
夕暮れの作業療法室は静かで、俺たちのほかは小柄な少女が何かをノートに書きつけて
いるだけだ。その少女も今さっき部屋に入ってきたところで、挨拶も何もなくいきなり部屋の
隅の机につくと何かに取り付かれたようにシャープペンシルを手にしたのだ。
 ついさっきまで太極拳の講座を受けていたのだが、そのときから彼女たちは浮かない様
子だった。ミルフィーユが元気がないのもヘンだったし、フォルテさんに至っては俺を蹴っ
てきたりした。いくらなんでもきちがいがすぎますよ、だいたい太極拳を習っててなんで八
極拳の奥義とか出してきますか。
「むしゃくしゃするんだよ、こういうのやってると」
 などとフォルテさんが言う。むしゃくしゃするのはいいが、俺を壁まで吹っ飛ばすのはや
めてほしい。こんなことしているとまた保護室行きですよあなた。
 
 

98 :CC名無したん:04/05/19 20:30 ID:RZIIwUFL
 それはまァいいとして、青い髪の少女のことだ。
「えーと、確か名前はミントとかって」
 ミントという名前を聞いて、ビクン、とミルフィーユが肩を
震わせる。相変わらず黄色いパジャマが目に刺さる。
「しらないねえ、そんな奴。だいたい髪の毛が青いって、染
めてんのかそりゃ?ここにいるやつでそんなめんどくさいこ
と出来る奴がいるかなあ。あ、もしかしてアニメキャラとかか
よ、まったくおまえはオタクだよなあ」
「いや、フォルテさんもミルフィーユも面白い髪の毛の色し
てますけど」
「……」
 沈黙。
「と、とにかく知らないよっ!あたしゃ知らない!そう、そう。
きっとアニメキャラか何かだよ、夢でも見てたんじゃないの
か、アニメの夢とか。あー、アレだ、アーヴだよアーヴ。遺
伝子操作で」
「あの、わ、私っ!彼女のこと」
 フォルテさんをさえぎって、それまで黙っていたミルフィー
ユが突然叫んだ。
 

99 :CC名無したん:04/05/19 20:31 ID:RZIIwUFL
 ばか、よせ、という声とミルフィーユの説明とが交錯する。ミル
フィーユはフォルテさんに口を塞がれながら、途切れ途切れに
話した。ミルフィーユの目には涙が浮かんでいる。
「最近は妄想が激しくなって…」
 その青い髪の少女―ミントという少女は妄想癖があり、最近で
は取り返しのつかないレベルまで行っているのだそうだ。以前か
らおかしな格好で病院をうろついていたので周囲にも良く知られ
ていたのだが、最近では。
「あのう、それで、カードを集めるとかで」
「はぁ?カード?」
 説明が進むと、フォルテさんももうミルフィーユを止めなかった。
「なんの妄想なのかわからないんですけど、夜になるとカードを集
めるために病院を走り回っているとかって。先週は、ええと、イリュ
ーシン?のカードを手に入れたって大喜びでした。何でも第二次大
戦中の東部戦線で歴戦のドイツ兵から「黒い死」と恐れられたカー
ドで」
 と。そのとき、がたん、と背後で物音がした。振り返るとさっきまで
机に向かってノートに何かしら書いていた女の子が立ち上がって
いた。
 
 

100 :CC名無したん:04/05/19 20:32 ID:RZIIwUFL
 
「おかしいですわ、そんな、そんな」
 まるで幽霊でも見るような目で彼女は俺たちを見た。そうし
て、何事か呟きながら長い髪を振り乱して作業療法室から出
て行った。
 がららら、がしゃん。扉の閉め方も乱暴で。大慌てで走り去
っていく。さっきまで熱心に何かを書きつけていたノートもなに
も置きっぱなしだ。
 まあここはキチガイ病院なのでその手の奇行には慣れてい
た。ノートはあとで届けてあげることにしよう。それよりも今は。
「なるほど、だいたい事情はわかったけど、ひとつだけ疑問が
ある」
 俺はミルフィーユに言った。
「なんでそのことを隠したりしたんだ?別に妄想癖が酷いのな
んてヘンじゃないぞ、ここじゃあ」
「これ以上は勘弁してくれよ、な?」
 フォルテさんがあわてて間に入った。それを合図にしたように
、ミルフィーユは声を上げて泣き出した。こうなったらもう話を聞
くどころではない。ただミルフィーユはごめんなさい、ごめんなさ
いと繰り返すばかり。フォルテさんはそれを宥めるばかりで。
 ここはいいから、とフォルテさんに半ば追い出される形で作業
療法室を出た。手にはさっきの女の子が残したノートを持って。
さて、さっきの子、すぐ見つかるといいが。それにしてもさっきの
子も若かったなあ。幼いっていったほうが良いかも知れない。
 俺は名前を確認しようとノートの裏を見て、そうして何気なくぱら
ぱらとページをめくった。
そう。何気なく。

101 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/05/20 21:07 ID:m7jWVNsG
ここ数日、天気の悪い日が続いているので気分が滅入る。
雨が降ったり止んだりの繰り返しで、気温も湿度も高くなっているようだ。
ふっ、ベトナムを思い出すぜ。行ったことないけど。
気分転換に煙草が吸いたくなったので、看護士さんに預けてあったショッポとライターを返してもらうと喫煙室に入った。
ライターで放火をしたり、煙草の葉を飲んで自殺を図ったりするキチガイがいるので、危険な患者は喫煙も許可されないらしい。
常に監視されているが、俺はまだマトモな方なのかもしれない。
二本立て続けに吸ったあと、看護士さんに礼を言い煙草を預けてから談話室に向かった。

談話室の中では、眼鏡でおさげ髪の少女が一人窓の外を見ていた。
「やぁ、うさださん。久しぶり」
声を掛けるとうさださんは俺の方を見たが、すぐに顔を背けてしまった。
相変わらず嫌われているらしい。
これ以上嫌われるのも嫌だったので少し離れた窓際まで行くと外を見た。
「ぬはっ!」
窓から中庭を見た俺は思わず息を呑んだ。
雨の降る中、フォルテさんがホウキを抱えて匍匐前進を行っている。
泥まみれになって何をやっているのかと思ったが、ずっと前にホウキを磨きながら言った言葉を思い出した。
「これはM1ガーランドライフルって言うんだ。旧式だけどいい銃だぞ。あー、カランタンの攻防戦を思い出すよ」
あれか、軍事訓練をやっているつもりなのか。キチガイ。

102 :CC名無したん:04/05/22 21:22 ID:srWtmjLi
「大道寺知世と12人のさくらちゃん」
第6部・中部ソロモン編第25話(第1264話)
”さくらの素敵なレンネル島沖海戦”


 南方の焼け付くような日差しも届かぬ薄暗く緑の濃いジャングルの中、
白い肌が交錯している。木の根元で激しく争う二人の少女の姿はいっそ
美しくもあった。見れば片方の少女は完全に服を脱がされ、手錠で身体
の自由を拘束されている。ボーイッシュな短めの髪は少し幼い印象を与
えた。もし彼女に乗っかっているのがむさくるしい中年の男であれば、そ
れはおそらく少女性愛者による強姦にしか見えなかっただろう。しかしそ
の幼い少女の上に身を乗り上げているのは黒髪も麗しい、同じ年のころ
のほっそりした少女なのだ。
 
 

103 :CC名無したん:04/05/22 21:23 ID:srWtmjLi
「満・願・全ッ席〜〜〜〜〜!」
 知世はさくらちゃんの脇腹に噛み付いた。ああ、知世はいけない子で、
駄目な子で、本当にほんとうに駄目な子で。ああ、いけませんわ。これは
小説なのに、またわたくしのいつもの日記のように自分を責めてしまいま
す、いけませんわ、きちんとしないと。ああ、とにかく、知世にはさくらちゃ
んのことを食べちゃうことしか頭にないのだ。だってあまりにもさくらちゃん
が愛らしいから。
 パプアニューギニアの密林の中を彷徨すること一ヶ月有余。米軍の攻
撃、現地人の襲撃。そして何より、知世の奸計。やがて訪れた食料の欠
乏と飢餓。一人、また一人と命を落とし、けさ最後の4分の1合の米を炊
いて食べたのだ。そう、さくらちゃん率いる「第2次さくらちゃんカード捜索
隊」は全滅の危機に瀕していた。
 


104 :CC名無したん:04/05/22 21:24 ID:srWtmjLi
「ああ、満願全席〜!ですわ!」
「ほええええええええ!」
 絶叫。ああ、密林に木霊するさくらちゃんの悲鳴すら、甘美な香辛料
のように知世の耳に届き、知世の舌を麻痺させた。
「さくらちゃん、ああ、さくらちゃんのここ…おいひいい。プックリしてて、な
んだかコリコリしてる」
 さくらちゃんの下腹部に喰らいつき、局部を噛み千切る知世。恍惚の
表情を浮かべているが、その瞳にはいまだに理性が宿っていた。
「やっぱりさくらちゃんのおまんこですわ。ああ、とてもきれいなおまん
こをわたくしかみしだいて…」
 さくらちゃんは意識を失うことも発狂することも許されず、だた知世に
オマンコを咀嚼されるのみ。
 


105 :CC名無したん:04/05/22 21:24 ID:srWtmjLi
「ひく…う…くっ…やめてよう、知世ちゃん、いたいよ、痛いよう」
「うふふ…そうは行きませんわ」
 知世は自らの下腹部に手をやると、自分で自分を慰め始めた。
 元はといえばさくらちゃんが言い出したことで、知世はやむなく
ついてきたのだ。そんな知世の献身も知らず、さくらちゃんは不貞
を。
 ―許せませんわ。 
「泣いても、叫んでも、だあれも、きませんわ、よ」
 知世の息が荒くなる。さくらちゃんのかわいらしいツルツルの、ま
るで穢れを知らないおまんこを何度も何度も噛み千切りながら知
世は徐々に徐々に興奮の度合いを高めていくのですわ。ああ、あ
あ。いけませんわ。さくらちゃんのことを思いますと、私、体が火照
ってきて。
 
 

106 :CC名無したん:04/05/22 21:25 ID:srWtmjLi
---------------------------------------------------
「大道寺知世と12人のさくらちゃん」
第2部・友枝小学校編第1話(第6855話)
”さくらと素敵な突起物”
 
 キーンコーンカーンコーン
 友枝小学校に朝のホームルームの予鈴が響き渡る。
「ほええええ、知世ちゃん」
「まあ、どうされましたの?」
 席に着いた知世に、さくらちゃんがあわてた様子で近寄ってきた。
「なんだかあそこにヘンなものが生えちゃったよう」
「まあ、ヘンなものって?」
「ううう」
「きちんとおっしゃってくださいな」
「あの…おち…」
 
 

107 :CC名無したん:04/05/22 21:27 ID:srWtmjLi
 勿論知世にはおおよその見当はついているのだ。なぜなら昨晩眠り
についたさくらちゃんを運び出し、大道寺コーポレーションの総力を結
集して岸○田児童虐待事件のK野容疑者のチンポをさくらちゃんに移
植したからだ。
 でも。さくらちゃんに言わせたい。
「あの、何が?」
「おちん…おち、おち…」
「さあ、ちゃんとおっしゃって!」
 さくらちゃんは真っ赤になってうつむきながら、小声で、しかしはっき
りといった。
「おちんちんが生えてきちゃったの…」
「ええ!」
 わざと大げさに驚く知世。
「さくらちゃんにおちんちんが生えてしまったんですって!」

108 :CC名無したん:04/05/22 21:28 ID:srWtmjLi
 ざわり、とクラス中がざわめく。
「ほえええええ!だめだよ、だめだよう、知世ちゃん!」 必死で否定しよ
うとするさくらちゃん。でも、もう遅い。
「なんだ、木之本。おまえチンポが生えてたのか」
 クラスの男子、李小竜がいつの間にかさくらちゃんの後ろに立っていた。
「違うの、シャオランくん、ちがうのー」
「変態め」
 さすが三国人。差別意識がすごい。
「ちがうのー」
 なみだ目のさくらちゃん。ああ、そんな。悲しまないでくださいな。これから
毎晩わたくしがお慰め申し上げますわ。
 
 

109 :CC名無したん:04/05/24 19:53 ID:IU2riYOU
 さくらちゃんのおちんちん。
 さくらちゃんのおちんちん。
 さくらちゃんのおちんちん。
 さくらちゃんのおちんちんさくらちゃんのおちんちんさくらちゃんのお
ちんちんさくらちゃんのおちんちんさくらちゃんのおちんちんさくらちゃ
んのおちんちんさくらちゃんのおちんちんさくらちゃんのおちんち
 
 
 丸一ページ、そんな意味不明の言葉で埋め尽くされていたかと思う
と、女の子の名前か、「さくら」という子供が腹部にエイリアンの卵を植
え付けられてそれが羽化する様子を描写していたり、そのようなおぞ
ましい文章が書き連ねられていた。分量が半端ではない。ノートの罫
線に3行ずつ、ようやく判別できるほどの大きさでその”呪い”とでも言
うべき文章は刻まれていた。
 俺は目を回し、危うくふらふらと其の場で倒れるところだった。
 つい目を通してしまった。俺は女の子の日記を読むほど悪趣味では
ない。ただこのノートの持ち主を確かめたかっただけなのに。

110 :CC名無したん:04/05/24 19:54 ID:IU2riYOU
 ぱたん。俺はノートをたたむと、決してそれに視線を落とさないようにした。
もはや日は暮れて、廊下は薄暗くなっている。気がつくと人っ子一人いない。
ミルフィーユがまだ泣いているのか、フォルテさんともども俺に追いついてい
る気配もない。
 ―俺は。見ていない。何も。そうだ、いくらここがきちがい病院だといっても
あまりにもでたらめ過ぎる。あんなおとなしそうな子が、このような恐ろしいこ
とを書くなんて。いくらなんでも。
 そこまで考えて、背筋に悪寒が走った。気配というのだろうか、自分はそん
なにカンが良いほうではない。なのに反応できたのは、薬のせいか物音に敏
感になっている身体と思う。とにかくその気配というか悪い予感にしたがって、
俺は振り向きざま身体を右に捻った。その、つい数刻前まで俺の頭部があっ
たところを、ヒュン!となにかが通過していった。

111 :CC名無したん:04/05/24 19:55 ID:IU2riYOU
 
 かっ、と壁にその何かが突き刺さる。手裏剣かと思った。いくらなんでも
そんな馬鹿な。そう思ってよくよく見てみると、パンにマーガリンを塗る奴み
たいな金属の何かが壁に刺さっていた。
「見ましたわね」
 透き通った声が、廊下に響いた。まったく、嫌になるくらい良く響く。
 恐る恐る振り返ると、さっき作業療法室から出て行った娘が、今度はス
モックを着てイーゼルやらスケッチブックやら、画材と思しき何かを肩にか
けてこちらを見ていた。表情は随分とにこやかだ。
「見たんですわね」
 ちょっとまて。そんな涼しげな表情で君は俺にペインティングナイフを投
げつけたのか。正直こんなものが頭に刺さったら、血が出るくらいじゃすま
ないぞ。
「見てない。見てない」
「嘘はいけませんわ」
 少女はなおも笑みを浮かべつつ、しかし酷薄に言い放つ。肩にかけてい
た荷物を床に下ろし、そうしてキャンバスを廊下の壁に立てかけた。俺は
その様子を見ながら、背中に冷たい汗をかいているのを感じた。
 

112 :CC名無したん:04/05/24 19:56 ID:IU2riYOU
 殺される。このままでは、殺される。
 なんでこの少女にそのような予感を持ったのか。先ほどのパンにマーガリン
を塗る奴の切れ味。いや、それだけではない。なにか、こう、鬼気迫るものをそ
の少女に感じたのだ。怖い。この子は、恐ろしい。
「さくらちゃん、ここで見ていてくださいな。このような泥棒猫、変質者があなたを
殺したんですわ。酷い目にあわせたんですわ。さあ、いまここで私がその恨み
を晴らして差し上げますわ」
 キャンバスには、彼女と同じくらいの少女の肖像。栗色の短い髪を髪留めでま
とめて、海辺で素肌を晒して無防備に立ちつくす少女。絵の中に封ぜられた少女
はあどけない表情で笑っている。それは妖精のように美しくもあった。ただの一箇
所をのぞいて。
 美しい肌と未成熟な少女の肉体には酷く不釣合いな、その恐ろしいもの、すな
わち。
 絵画の中の少女の股間には、男性の性器が異常なまでに恐ろしく精緻に描か
れていたのだ。

113 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/05/24 21:24 ID:IJZfsGvV
「金ちゃんヌードル食いたいなー」
最近、考えるのは食い物のことばかりだ。
豚の餌みたいな飯ばかりを食わされているので、ジャンクフードですら御馳走に思えてくる。
そんな事を考えていると、コロコロと音を立てながら車椅子に乗った金髪の女が談話室に入ってきた。
この間の女だ。鼓動が早くなり緊張する。
キチガイに対する恐怖からなのか、別の感情からなのか俺には解らないが、先日の凶暴性は無く穏やかな様子なので少し安心した。
「あたし蘭花。蘭花・フランボワーズ、よろしくね」
「え、あ、ああ。うあ、あわあわあわ、えべえべえべ」
突然話しかけられ、緊張のあまり唖みたいな返事をしてしまい後悔する。これじゃ、まるでキチガイみたいじゃないか。えべえべえべ。
「うーん、あんた大丈夫なの?頭とか言語系とか」
つか、お前に言われたくないな。
蘭花と名乗った女は少し怪訝そうな顔をしたが、直ぐに元の表情に戻ると何かに取り憑かれたように勢い良く喋りだした。
「・・・で、そのとき言ってやったのよ。そうそう今度の土曜日に巡回映画上映会があるのよ。
ほら子供の頃に夏休みになると学校の校庭とか農協の駐車場でやっていた無料上映のやつ。
あれって今でもやっているのかな?夜店なんかも出ていて杏飴とか買ったことがあるわ。花火も楽しかったわよね。最近やってないなぁ・・・」

30分程経過した頃だろうか。
蘭花さんは休む暇も無く喋り続けていたが、窓の外に視線を向けた瞬間、表情を曇らせ、親指の爪をカリカリと噛みながらブツブツと何かを呟き始めた。
「だ、大丈夫か?少しは休んだ方が・・・」
「ミントミントミントミント、アイツサエイナケレバ、アイツサエイナケレバ、コロスコロスコロス・・・」
視線が泳いでいる。一体どうしたのだろうか。
俺は窓の外、中庭の方を見た。
そこには3mの宇宙人の着ぐるみを着た青い髪の少女が、不気味な笑みを浮かべ、俺達のいる病棟を睨みつけていた。

114 :CC名無したん:04/05/25 22:47 ID:4TZsDUIr
「待ってくれ、俺には、君の言うことがさっぱり―」
「うふふ、さくらちゃんの唇は、そう、血のように真っ赤でしたわ。どうしてもその色が出せなかったのですけれども」
 彼女はわけのわからないことを呟きつつ、俺の全身を嘗めるように見つめた。俺の言うことなどまるで耳に入っていない。
 視姦されるというか。少女の外見からは想像も出来ない、なにか禍々しい別の生物ににらみつけられているような気がする。蹂躙されているような気がする。
 ああ、なんだか興奮してきたぞ。
「あなたのどこを切ればあの色が出るのかしら。静脈?動脈?手首?首?」
 彼女は懐からペインティングナイフを取り出した。それも3本。手の甲をこちらに向け、まるで鉤爪のように指のあいだに挟む。
「待ってくれ、お願いだ。後生だから、あの」
 言いながら俺はどんどん気持ちが昂ぶってくるのを感じた。何でだろう、こうして俺は今殺されるか犯されるか、とにかくめちゃくちゃにぶん殴られるか切り刻まれるか、それは確定した未来だというのに。
「このキャンバスを、あなたの血で染めて差し上げますわ。光栄に思いなさいな、あなたはさくらちゃんの血となり肉となるのですわ」
 
 

115 :CC名無したん:04/05/25 22:48 ID:4TZsDUIr
 少女の身長は、低い。彼女の歳がわからないので歳相応のものなのかはわからないが、少なくとも俺よりはかなり低い。それに華奢だ。
 体のつくりが、こう、儚げな感じがして。身体はあまり丈夫なほうではないだろう。病院暮らしをしているのだから、これは当然のことなのかもしれない。
 ではなぜ俺は目の前の少女に恐怖を感じているのか。相手は刃物を持っているのだ。キチガイに刃物。俺が彼女を叩き伏せても、誰も非難は出来ないだろう。全力で以って彼女に襲い掛かり打ち倒してしまえば。そこまで思いつめて、改めて目の前の少女に向き直る。そして。
 駄目だ。
 絶対に、殺される。俺と彼女のあいだににあるのは絶望的な種の違いのような。そう、例えるなら、ライオンと草食動物とのあいだにあるような、きわめて特殊な関係だ。
 狩るものと、狩られるもの。
 だめだ。どうしようもなく興奮している。じりじりと少女が間合いを詰めてくる。
「うふふ。さくらちゃん、見ていてくださいな。今からこの愚劣な男を贄としてあなたの祭壇に捧げますわ。そうしてわたくし一生あなたに祈り続けますの。あなたを神として崇め奉りますわ」
 おう、おう、おう。俺は股間に暖かいものを感じ、思わず小便を漏らしたのかと思い、そうしてそれが別のものであると知って愕然とした。俺は射精していたのだ。
 
 

116 :CC名無したん:04/05/25 22:48 ID:4TZsDUIr
 
「ヴァニラさん、ヴァニラさん!」
 意識が混濁する。いつまでも続く射精感。その嵐のような感情の昂ぶりのなか、何かが俺の頭の中でざわついている。
 世界が裏返る。なんだろう、いきなりじゃないか。頭がざわざわして。こんなにも現実とは脆弱だったのか。まるで実感がない。目の前の少女が消えた。廊下が消えた。病院が消えた。空が消えた。地面が消えた。
「ヴァニラさん!」
 俺は叫んでいた。100億キガヘルツのCPU。その能力の全てが何かの解を求めて全力で動いている。そうして、ただただ何事かを叫んでいた。
 なんだ。何が?ヴァニラサン?
 俺の脳は電子部品。
 そうして身体は。手もなく、足もなく。
 気がつくといつも殴られたり銃で撃たれたり。
 でも死ぬことはなかった。恐るべき計算能力と死なない肉体。俺は神にも似た至高の存在だったのかもしれない。
 人々が望んで病まないもの。
 高い知能と、不死。
 しかし俺はそのことを以って良しとしなかった。
 何十年、何百年。星星を越えて俺はさまよった。そうして、俺は出会ったのだ。
 ヴァニラさんと。
 俺は彼女の懐に抱かれていることだけを望んだ。それで全ては解決。万事オーケイ。そのはずだった。殴られようがけられようがかまわない。最後にはヴァニラさんが俺を拾い上げてくれるのだから。
 では。
 何が問題だったのだ?
 
 

117 :CC名無したん:04/05/25 22:49 ID:4TZsDUIr
 
「バン、バンバーン!」
 銃声とか炸裂音、ではない。人の声だった。その声で俺は我に帰ろうとする。
 ―ああ、少しだけヴァニラさんの横顔が見えた。ヴァニラさんは少し寂しげなように見えた。儚げで、切なげで。一見無表情に見えるヴァニラさんの微妙な感情の変化を読み取ることが出来るのは、この私の。
「バンバンバン!」
 騒がしい。周囲に音が戻り、そうして色が戻った。地に足が着き、そうして世界が帰って来た。俺が帰ってきたのか、世界のほうから俺のほうへと歩み寄ってきたのか。
 夢の中にいたのは、どのくらいだったろう。はっ、と気がつくと。フォルテさんが掃除のほうきをまるでライフルを構えるように捧げもって、
「バンバンバンバァーン!」
 と叫んでいた。俺は病院の廊下に仰向けにひっくり返って、フォルテさんが叫んでいるのをぼんやりと見つめていた。
「フォルテさん」
 やっと、声が出た。ああ、よかった。ちゃんと声が出る。俺の身体だ。
「おい、大丈夫かい?心配すんな、キチガイはあたしたちがおっぱらってやったよ」
「追っ払ったって、何を」
「何をって、おまえ」
 フォルテさんが俺の方を見やって、唖然として言う。
「自分でわからないのか…あ!あの女!バン!バァーン!」
「フォルテさん」
「なんだい、今忙しいんだ、後にしてくれ」
「いや、何してんの?」
「見てわからないのかい?あんたを助けるために、騎兵隊よろしく駆けつけて銃撃戦の真っ最中さ!」
 バンバンバァーン!ほうきを手にしたフォルテさんが叫ぶ。自分の口で。まあ、キチガイのすることだ。黙って感謝しておこう。
 

118 :CC名無したん:04/05/25 22:50 ID:4TZsDUIr

 フォルテさんが銃撃している―今はそういうことにしておこう―方向に、必死になって走り去る少女の姿があった。
「あなたたちきちがいども、皆殺しですわ!」
 物騒な捨て台詞を残して。
「フォルテさん」
「バン!…バ…」
 突然叫ぶのをやめたフォルテさんがほうきを激しく揺さぶった。真ん中のあたりを右手で引っかくような動作をする。
「フォルテさん、どうしたの?」
「ジャムった。全く、これだからアーマライトは信用できないんだ!」
 芸の細かい妄想だなぁ。フォルテさんはほうきを放り投げた。
「それよりも手当てが先だな。傷は浅いぞしっかりしろ!衛生兵!衛生兵!」
 フォルテさん、いつまで妄想にふけっているんだ。もういい加減に―
「衛生兵はともかく、今病院の人を呼んできましたから!」
 あれ、ミルフィーユが走ってきた。血相を変えている。どうも今日はミルフィーユらしくない表情をさせてしまっているなあ。泣かせたり、心配させたり。
「やあ、ミルフィーユ。さっきはごめん」
「そんなことはいいですから、とにかく動かないでください。こんな酷いこと、どうして」
 それで、ふっと、理解した。俺はフォルテさんの妄想の境目を見極められなかったようだ。つまり俺は少しばかり怪我をしている、ということらしい。
 恐る恐る俺は視線を足元にやり、そうして、自分の身体を見た。
 あれ。真っ赤だ。
(あなたのどこを切ればあの色が出るのかしら。静脈?動脈?手首?首?)
 俺の身体は切り傷だらけになっており、全身から血を流していた。俺の身体はまさに血の海に横たわっている、といった形容がぴったりで。情けないことに、俺はまた気を失ってしまった。
 

119 :CC名無したん:04/05/29 20:13 ID:ISgTFYRb
 大道寺知世。12歳。
 俺をなます切りにした少女について、医師から知りえた情報はそれだけだった。病院にとっても重大な不祥事だしずいぶんといろんな人がかわるがわる俺に会いに来たが、結局きちがい同士のすることなのでなんだかんだともみ消されるに違いない。
 彼女が鋭い刃物のようなものをもっていたことなど、いくらでも聞きたいことはあるのだけれど。
 何しろ俺の脳を改造してしまうような病院だ。あまりややこしいことを言ってしまうと閉鎖病棟にぶち込まれて、また改造されてしまう。それは避けたいところだ。それに俺自身、彼女についてそれほど腹を立てているわけではない。
 守秘義務、というのは理解しているし、俺が大道寺知世に会うことはしばらく、あるいは一生ありえないだろう、だから彼女について知ったところで無意味だった。きちがいのすることだし、それ以前になんだかあそこまで激しく人を憎んでいる彼女が少し哀れに思えたというか。
 思い上がりであることは承知の上だが、不思議と詮索をする気にはなれなかった。もしかすると薬物でごまかされているのかもしれないが、そうやって考えていくときりがないのでやめることにする。
 怪我はそうたいしたことはなかった。派手に出血していたものの、全て皮膚を薄く切ったという程度で、腱や太い血管に達しているものはなかったのだ。体中にみみずばれのようなかさぶたが出来ていたが、今日は痛みもなく、ほぼ回復したといってよかった。
 
 


120 :CC名無したん:04/05/29 20:14 ID:ISgTFYRb
 午後、大道寺園美という女性が俺を尋ねてきた。上品できりっとした人で、ぱりっとした高価そうなスーツを着こなしている。ずいぶんと恐縮していたものの、その表情には強い意志のようなものを感じさせた。
 病院の応接室だろうか、ずいぶんと上等な部屋に呼び出されたことも驚いた(普通面会といえば病棟内の面会室かロビーかだからだ)。あとで話をしている最中に知ったことなのだがずいぶんと大きな会社を経営しているのだそうで、道理で、などと納得した。
 その応接室で向き合って席に着いた私に、彼女は持参した菓子折りのようなものを差し出して、そうして名前からも察せられるように、大道寺知世の母親であることを私に告げた。
 そのいかにもキャリアウーマン然とした面持ちの淑女があまりにも平身低頭するので、自分もなんだかしどろもどろになって、とにかく自分としても気にはしていないし別段どうするということもないことを一生懸命伝えたのだが、なかなか納得してもらえず。
 示談、などと言う単語まで飛び出してきたので面食らった。
 
 


121 :CC名無したん:04/05/29 20:15 ID:ISgTFYRb
 結局夕刻まで話をしたあと、いくばくかの金銭的補償を受けるということで納得した。
 精神病院の中にいて金銭感覚が乏しくなっていたのだが、よく考えると入院費とかいろいろ必要だし、自分にも一応のたくわえはあるのだけれど、悪い話ではない。
 第一いい大人が自分の子供のしたことに対して謝罪に出向いておいて手ぶらで帰ると言うわけにもいかないだろう、一応首肯しておいた。
 金額に関しては尋ねなかった。
 
 病院のロビーまで彼女を見送りに行ったのだが、最後まで彼女は頭を下げていた。いくらきちがいの娘がしでかしたこととはいえ、俺みたいなきちがいに頭を下げるのは、ずいぶんと屈辱的だろう。彼女の心境を思いやると、少々複雑だった。

122 :CC名無したん:04/05/30 22:09 ID:C05D9xSM
 大道寺知世は閉鎖病棟に送られたのか、保護室に入れられているのか。彼女を見かけることもなく、誰かに所在を尋ねることもしなかったので不明のままだ。もしかすると転院しているのかもしれない。
 中庭をほっつき歩きながら、数日前の奇妙な出来事について考えてみた。
 年端も行かない少女に襲われるというのも大変なことだったが、それよりも俺がおちいった感覚失調のほうがはるかに不可解だった。何しろいろいろ思い当たることが多すぎて。
 まず、俺はきちがいだ。これは今俺がここにいることが何よりの証拠である。医師の診断では統合失調症(精神分裂病)とされている。少なくとも世間にはそう認知される状態である。
 つまりきちがいの一症状として、過度のストレスによって幻覚を見た、というのが適切な判断であると思う。
 
 

123 :CC名無したん:04/05/30 22:11 ID:C05D9xSM

 それと、改造手術の後遺症。なにしろ脳をいじられて、ラジオみたいになっているのだ。いつ何処から電波を受信するかわからない。まあ、これもきちがいだからなんだけど。
 最後に。薬物の投与。副作用によるものか、主作用なのかもしれないけど、とにかくせん妄状態におちいった。これも俺がきちがいだからなんだけど。
 結局きちがいだからあんな夢か幻をみた、などというつまらない結論に達するのだ。そう、普通はそうなのだが。
 しかし、それなら”ヴァニラサン”とはなんだ?夢にしろなんにしろ、俺が経験したり見聞きしたりしていたものでなければ俺は心に思い浮かべることも出来ないのではないだろうか。
 なら俺の経験の中に、”ヴァニラサン”というもの、ひと、状態があったのだろうか。あるとすればそれは一体なんだろうか。だめだ、わからない。
 ヴァニラサン。ヴァニラサン。ヴァニラサン。
 心の中で唱えてみる。しかし、むなしく心の闇の中を反響して、元の疑問へと形を戻してしまう。日が高くなるにつれ、気温が上がり汗ばむほどになった。
 
 


124 :CC名無したん:04/05/30 22:12 ID:C05D9xSM
 俺が中庭の木陰で考え込んでいると、奇妙なものが立っているのが見えた。
 なんだ。刃物?
 俺はこの間のことを思い出してぎょっとした。だが、それは刃物であるにはあるのだが、あまりにも巨大で人が扱うものではない。
 そう、ちょうど人間くらいの大きさで。ゲッタートマホークみたいな感じだな。いや、実際にゲッタートマホークとか見たことないけど。とにかく巨大な戦斧で、無骨なデザインの柄の中ごろ、丁度俺の胸の辺りに顔が…って、おい。
「またお前か、えーと、ミント」
「まあ、よくも私の変装を」
「なにが変装だ。大体なんだよこのかっこう」
「ラスコーリニコフの斧ですわ」
「ラス…なに?」
「この斧であのきちがいの頭を叩き割って貧乏人どもにお金をわけてやるんですの」
 ミントはそういうと閉鎖のほうをじろりと睨んだ。まさか、と思って振り返ると閉鎖病棟の窓の中から、例の金髪の女がこちらをすさまじい形相で睨んでいた。

125 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/06/01 19:00 ID:PEiHrN7O
一体、どれぐらい意識を失っていたのだろうか。
ひょっとしたら数日かもしれないし数分なのかもしれない。
横になっていたベッドから起き上がると後頭部に痛みを感じた。
指先で触れると髪の毛にこびり付き乾燥した血液がボロボロと剥がれ落ちる。
酷く殴られたらしい。
頭が変になったらどうしてくれるのだ。
少しばかりイラついたが、室内を見回すと自分の病室だと分かり僅かながら安心する。
保護室に閉じ込められるのは、もう懲り懲りだったからだ。
時計を見ると夕方の四時を過ぎている。
俺はふら付く足取りで病室を出ると談話室に向かった。
談話室には誰も居らず、夕暮れの日差しが室内を赤く染めている。
たしかここで・・・記憶の糸を探り、ここで起きた出来事をゆっくりと思い出した。

126 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/06/01 19:01 ID:PEiHrN7O
「三メートルの宇宙人!・・・のコスプレか?なんだあいつは」
窓の外、中庭には奇妙な格好をした青髪の少女が俺達の方を睨んでいた。
いや、睨まれているのは俺ではない。蘭花さんの方だ。
「イイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
突然、蘭花さんは奇声を上げると窓ガラスを殴りだした。
先日のようにガラスを叩き割られると危険だと思った俺は、両手を掴むと暴れないように押さえ込んだ。
「お、おい!蘭花さん落ち着け。しっかりするんだ」
「ミント殺す、殺してやる。あいつの所為で、あいつの所為で」
いくら話し掛けても声は届いていないらしく、逆に身体を揺さぶって激しく暴れだす。
うぎゃあ、どうすればいいんだ。暴れないでくれよ。やめてくれよ。
予想以上に蘭花さんの力は強く、バランスを崩した俺は彼女を押し倒して床に倒れこんだ。

キィキィキィ・・・
倒れた車椅子のタイヤが回転する音が響き渡る。
「いてて・・・大丈夫か?」
起き上がろうとした俺は硬直してしまった。
俺と蘭花さん、お互いの顔は僅か二十センチ程の距離にまで近づいていたのだ。
しかも、右手にはやわらかな感触、ふくよかな彼女の胸を掴んでいた。
うわ、アニメみたい。こんな状況になるのはアニメかエロゲーぐらいだぞ。
さすがはキチガイ病院だ。一般常識では計り知れない事が平然と起こる。
倒れたショックで彼女も正気を取り戻したらしいが、いきなり目の前に俺が居たので驚いているらしい。
心臓の鼓動が速くなり息が詰まりそうになる。
それは俺だけでなく蘭花さんも同じらしく、手に平を通して彼女の心臓の鼓動が伝わってくる。
そして、何故だか解らなかったが、俺達は無意識のうちに目を閉じると口付けを交わそうとしてした。

127 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/06/01 19:04 ID:PEiHrN7O
「きゃーーー!強姦魔!両足の無い女の人が犯されそうになっている!」
背後から耳を裂くような悲鳴と叫び声が上がる。
振り返ると、うさださんが震えながら俺達を指差していた。
何か勘違いをされているようだ。
「いや、待ってくれ。これは違う」
「そ、そうよ。そうじゃなくって・・・っていうかいつまで上に乗っかっているのよ。胸さわるなー!」
蘭花さんも相当焦ったらしく、動揺しながら悪態を付き始めた。
やばい、元首都治安警察特機隊、正義の為にはどんな悪も許さなかった俺が犯罪者にされてしまう。
しかも強姦魔。
弁解をしようと立ち上がった俺の後頭部に衝撃が走った。
ボゴッ!!
目の前が真っ赤になり、俺は再び床に倒れこんだ。

128 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/06/01 19:06 ID:PEiHrN7O
「こんなところで盛るな。このキチガイ患者ども」
意識を失いかけたが、どうにか耐え頭を上げると、警棒を手にした看護士が俺を見下ろしていた。
どうやら、うさださんの悲鳴を聞きつけた看護士が俺を殴り倒したらしい。
「どうせこの淫乱チャイナが誘ったんだろ。よくこんなダルマと犯ろうって気になるな」
もう一人の看護士が蘭花さんの頭を靴の先で小突きながら言った。
「あ、あたしは何もしてない。ただの事故よ」
「ごちゃごちゃうるさい、メスブタ。お前が騒ぎを起こす度に始末しなくちゃいけない俺達の身にもなってみろ」
ボグッ!!
蘭花さんのみぞおちに蹴りが入れられる。
「がっ」
搾り出すような声を上げ、蘭花さんは白目を剥いて気を失った。
酷い、なんて事をしやがる。こいつら殺す。

俺は頭を押さえながら立ち上がると看護士の元へ歩み寄った。
殴られた部分から流血しているらしく、首筋に生暖かいものが感じられる。
目が霞み相手が良く見えなかったが俺は殴りかかった。
だが、看護士はかるくよけると警棒で再び俺を叩きのめした。
看護士達は何かを怒鳴りながら俺を袋叩きにしたが、それから先の事は覚えていない。

129 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/06/01 19:07 ID:PEiHrN7O
こんな所にいつまでもいたら殺されるか、完全に発狂してしまうだろう。
彼女を、蘭花さんを連れて脱走するしかない。
談話室の窓から夕日を見ながら俺は思った。
「おじちゃん、なにしているぴょ?」
突然、袖を引っ張り話し掛けられたので驚いたが、相手が小さな女の子だと分かり安心する。
こんな小さな子供が、こんな場所に入れられているのか?
白いパジャマ着た女の子の手には、首の無いパンダのヌイグルミが握られていたのが気になったが、人懐っこい感じで好感が持てる。
「おじちゃん、けがはだいじょうぶぴょ?」
看護士に袋にされたところを見ていたのか。
ショックでトラウマになったらどうするのだろうか?
「あのおねえちゃんは、いつもああだからきをつけるぴょ」
蘭花さんの事を言っているらしい。
でも、さっきのはどう見ても看護士の暴力が行き過ぎていると思うが。
「あぁ、そうだね。でも、あのお姉ちゃんは悪くないよ」
「どうしてぴょ?おじちゃん、あのおねえちゃんにいっぱいたたかれていたぴょ。ちもたくさんでていたぴょ」
なんだって?
俺をボコボコにしたのは看護士じゃないのか?
蘭花さんが俺を?
目が眩む・・・意識が・・・再び遠のいていく・・・

130 :CC名無したん:04/06/01 21:22 ID:x8JNYQHI
 少々暑いが大過なく過ごす。開放病棟というところは平和で、よく言えば落ち着いている、悪く言えば退屈な場所だ。この間のことはあくまでもイレギュラー。
 何事も起きない。まるで揺り篭だ。
 昨日、ミントを見かけたのだが、結局会話は出来なかった。いや、会話は試みたのだが成立しなかったのだ。
 彼女が集めているカードとやらについてもすこし興味があったのだが、とにかく会話の取っ掛かりもつかめないのではどうしようもない。
 まあここではあまり人の過去を穿鑿するのは無意味で、作話症とか誇大妄想とかいろんな症状のこともあって、本人の弁はあてにならないのだ。
 ごつい気ぐるみをきたままで立ち去るミントを其の場に留めておくこともできない。だいたいあの気ぐるみは普段何処にしまってあるのだ。
 
 
 
 夕食後、看護婦さんから薬を渡される。俺がきっちりと薬を飲むのを見届けていた。ふだんはにこにことやさしい感じのお姉さんなのだけど、監視の目だけはきっちりとしている。


131 :CC名無したん:04/06/01 21:22 ID:x8JNYQHI
 
 
 実のところ少々薬が効きすぎていて眠たくて、ごまかして飲まずに済ませようかと思っていたのだが、そうもいかない。ちょっとあてつけがましく、手のひらを看護婦さんにむけて、
「ほら、ないよ」
 と薬を飲み干したことを伝えた。看護婦さんは厳しい表情をやめていつもの優しい顔に戻って、うんうんと頷いた。まあ、仕事熱心な人なのだろう。
 けれども俺達みたいなきちがいの世話なんて大変だなあ。あまり揉め事を起こさないようにしないと。
 
 いい病院に入院できたのだと考えるようになっていた。改造だなんて、とんでもない妄想を持っていたものだと思うようになっていた。頑張って退院できるようになろうと思っていた。
 


132 :CC名無したん:04/06/01 21:23 ID:x8JNYQHI
 その夜、ミントがひらひらの魔法少女のような格好をして病院の中を飛び回っている夢を見た。薄暗い病院の廊下で、レリーズ!などというアホみたいな掛け声とともに杖を振りかざす。
「何時のあるべき姿に戻れ!」
 振り下ろされた杖の先端に光が集まる。凝集してゆく。それはやがて個体となって、一枚の紙切れとなった。
 と、そのとき。ミントの背後からひとりの少女がビデオカメラを構えて歩み寄ってきた。
「素晴らしいですわ――」
 
 
 うわあああああ!
 俺は慌てて飛び起きた。酷く汗をかいている。あのビデオカメラを持った少女、あれは確かに。
 俺は恐怖を鎮めるため、呪文を唱えることにした。
 
 よかった。動く。素晴らしいことだ。
 社会福祉公社。私はここの生活を、とても気に入っている。

133 :CC名無したん:04/06/04 21:59 ID:y7PJeKVN
 ようやく私は安寧の地へとたどり着いたような気がいたします。ええ、ええ。ここは地獄のようなところでございます。地獄こそが私の約束の地、永遠の時の連鎖の向こうの、彼岸のかなたでした。
 あの日、私がさくらちゃんの復活の儀式を行うべく病院の廊下であの醜い男を(私にとって男とはすべて醜いものとしか言いようがございません)生贄として、旧支配者たるさくらちゃんの祭壇に捧げようとして。
 私は目的を果たすことが出来ませんでした。
 そうして、その結果として私はこの薄暗い閉鎖病棟の、そのまた狭苦しく、昼なお暗い”保護室”とは名ばかりの、懲罰房とでも言いましょうか。そう、刑務所の独房のような。そんな場所に放り込まれてしまいました。
 そうして私は、この場所で、およそ人間が行いうるもっとも陰惨で、惨めな行為を受けることとなりました。
 息の臭い、およそ知性というもののかけらもないような看護士、医師、時には事務員の方でしょうか、とにかくかわるがわるに私のこの狭い部屋にやってきて。私にそうした動物じみた行為を強要したのです。
 その行為ははじめたいへんな痛みを伴いました。はじめは泣き叫んだ私も、すぐにそうした痛みの表情こそが彼らを昂揚させるのだと知って、そうして、ある一つの方法を思いつきました。
 はじめは、痛みから逃れるため。そうして、暫く後には、私自身の快楽のため。

 

134 :CC名無したん:04/06/04 22:00 ID:y7PJeKVN
 この身体は、さくらちゃん。この肌も、この乳房も、この性器も。血に塗れた。いいえ、この血すらも自分ではなく。全てがさくらちゃん。
 私が、さくらちゃん。
 ああ、なんて甘美な。美しい響き。さくらちゃん。すべての血、肉、体液。細胞の一つまで。
「おい、気持ちいいんだろうが!この淫乱○学生よう!」
 気持ちの悪い、やせたかまきりのような看護士が私をののしります。乱暴に私の体の上を動きます。私はその男の下劣な行為には全く感じるところはありませんでした。
 ええ、肉体的な意味ではなく、精神的に。ただ、
 私が。
 さくらちゃん。
 なんて素晴らしい。ああ。その思いに身体になにか電流でも流れたみたいに。
「…………ほぇ」
 ああ、言ってしまいましたわ。私さくらちゃんみたいに。
「ほえええええええ!」
 叫びましたの。
 きっとさくらちゃんもこうして汚されて、踏みつけられて、殴られ、詰られ、辱められて。愛玩動物として飼い殺されたのですわ。
 ああ、もっと私を切り刻んで。ばらばらにして。私、ちっとも痛くない。
 だって、わたし。
 さくらちゃんなんですもの。

135 :CC名無したん:04/06/04 22:02 ID:y7PJeKVN
「大道寺コーポレーションもおしまいだってなあ。なんだ?リコール隠しで大道寺トイズも返品の山だってなあ。ありゃいけねえ。
”ふたりはプリキュア”の食玩の製造工程で間違って水銀が入って、小学生女児1万人と成人男子15万人がイタイイタイ病だっ
てなあ。お前の母親も自殺したし、もうお前はここで一生精液便所だよ」
 
 
 あれから何日たったのでしょう。ある日、薄汚れた男が薄汚れた行為のあとで、そんなことを言いました。
 うふふ。なんのお話かしら。わたくしさくらちゃんですから。いつでも元気いっぱいですわ。
「絶対大丈夫、何とかなりますわ」
 男はあきれたような顔をして、そうして部屋を出るとき廊下で待っている男に、頭のところに輪をかいて見せました。
「おい、こいつ駄目だよ、おかしくなってやがる」
 そんなことを言っていました。まあ、なんでしょう。そんな当たり前のこと。だって、わたくし、とっくにきちがいですのに。
 きちがいの、さくらちゃん。
 うふふ。

136 :CC名無したん:04/06/07 21:32 ID:BX9a/2tu
 梅雨入り。湿気が多くじめじめしている上外に出ることも出来ず、悶々としてくる。一時の無気力状態に比べればましなのだが、その分例の妄想が頭にこびりついてはなれない。俺の脳が。メルトダウン。
 気分転換に昔買って来た「大逆転!連合艦隊桶狭間にタイムスリップして織田信長死亡!でも陸上なので弾が尽きた時点で全滅」を読む。実にくだらない内容だったが、金剛型戦艦の改装工事についていろいろと書いてあったので最後まで読んだ。
 竣工当時は巡洋戦艦だったのだが、度重なる改装により防御力や速力が向上し、高速戦艦として生まれ変わった。特に戦艦「比叡」は大和型戦艦に搭載する各種装備の実験のため最新の設備を…
 改装工事。改装。改装。
 気持ち悪い。本なんか読むんじゃなかった。まーでも戦艦だって大規模な改修工事を受けたりするんだから、俺が2,30年に一度そのようなことがあってもおかしくないんじゃないか。
 俺はいつからこんなに寛容になったんだろう。そういえば電波の囁きもこのところとまっている。病院で受けている治療の効果だろうか。このまま社会復帰できるのならありがたい。

137 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/06/10 21:47 ID:s0uDUD9g
今日も薬を飲まされては眠る日が続いている。
投与されている薬の所為で睡眠時間が異常に長くなっている所為だろう。
談話室のホワイトボードに書かれている日付を見ないと、混乱して何月何日なのか分からなくなる事すらある。
日付を確認するため談話室に入ると窓の外を見ている蘭花さんの姿があった。
相変わらず凄い形相で外を睨んでいる。
先日の事も気まずく思え、声を掛けずにホワイトボードの前まで行くと、小さな女の子が背伸びをしながら何かを書き込んでいた。
蘭花さんとの一件を教えてくれた、語尾が少しおかしい女の子だ。
「こんにちは」
「ぴょ?」
挨拶をすると振り向いて丁寧にお辞儀をしながら返事をした。
「こんにちはぴょ」
「何をしているの?」
「ぴよこはおえかきしているぴょ」
「ぴよこちゃんって言うんだ。何を描いて・・・」

138 :妄想 ◆GqVfLUITBY :04/06/10 21:48 ID:s0uDUD9g
ホワイトボードを見た俺は凍りついた。
そこに描かれていたのは、数多くの死体の中心でカッターナイフを手に笑っている少女の姿であった。
(子供の描く絵なので酷く下手であったが)
いや、少女の背中には翼がある。天使なのだろうか。
「さくらちゃん!!」
突然、澄んだような大きな声が談話室に響き渡る。
いつの間に居たのか、後ろで一人の少女が震えながらホワイトボードを見ていた。
年齢は小学生高学年か中学生ぐらいだろうか。
透き通るような白い肌、黒く美しい髪、大人びた雰囲気がする。
「そんな・・・殺戮のカードは・・・殺戮のカードは封印されたはずなのに・・・どうして!!」
唖然としている俺とぴよこを無視して、少女は意味不明な事を叫ぶと部屋を走り出て行った。
後に俺は知る。彼女が大道寺コーポレーションの一人娘、大道寺知世であることを。
そして悪夢のような惨劇が起こるとは、この時の俺はまだ知らなかった。

139 :CC名無したん:04/06/16 23:01 ID:gk6wE3nC
「過去のない男。なんだか、少しかっこいいね」
 ミルフィーユにそんなことを言ってみた。なるべくにこやかに言ったつもりだったのだが、自虐的というか、そうしたネガティブなものとしてミルフィーユには聞こえたらしい。ミルフィーユは俯いてしまった。
 俺には過去の記憶がない。いや、あるにはあるのだが、その過去について確信がもてないのだ。俺に繋がりのある人間もいない。病院にはだれも訪ねてこない。俺を知っているのは、このきちがい病院の中の人間だけ。
 そうして、俺は。
 この病院で改造手術を受けたという疑念を拭いきれずにいた。
 勿論俺の経歴というか、確信のない、記憶のような何かは、ある。
 幼い頃の事故で天涯孤独の身の上となった俺は働きながら大学の夜間部を卒業。製薬会社に就職した俺は営業部に配属された。
 擦り切れるような日常の激務の中、俺はいつの間にか酒に溺れるようになり、そして。
 きちがいとなり、満員電車の中でカッターを。
 

140 :CC名無したん:04/06/16 23:01 ID:gk6wE3nC
「――」
 ミルフィーユが口をぱくぱくとさせながら俺に何かを言おうとしているが言葉にならないようで。俺も別にミルフィーユに何かを求めているわけではなかったのだが。
「その過去を証明することが出来ない。ここはきちがい病院で、俺は当面ここから出れそうな気配はない。俺が今いるのは比較的自由な開放病棟だが、病院の敷地から出ることは出来ない」
 入梅したというのに、やけに天気がいい。そうして、暑い。中庭の木陰のベンチは涼しかったが、ミルフィーユの白い肌が日に焼けてしまいそうで少し心配だった。
「客観的に過去を証明できず、脳病院で脳や記憶をいじられたのかもしれない。今の俺は、一体なんなのか、何者だったのか証明する手段もないし確信ももてない。
俺は今ここに存在しているのか、もしかすると俺はほんの一瞬あとに消え去って、俺という存在がなかったことに」
 そのとき、不意にミルフィーユが俺の手をとった。―いけません、とそのようなことをいったような気がするが、確信はもてない。とにかくまっすぐな瞳で俺のことを見た。そうして、握った手に力を込めた。

 俺はこの白痴のような女に慰められているのだ。同情されているのだ。
 
 殺したい。今すぐ、ミルフィーユを殺したい。俺が存在しているのかどうなのか。ミルフィーユを殺せばきっと。 その瞬間、俺という存在がこの世界に認められ、俺は存在できる。誰でもいいんだ。誰でも、殺せば。めった刺しにすれば。
 
 死ね。ミルフィーユ。

141 :CC名無したん:04/06/20 17:58 ID:pMT26qEW
玩具のように弄られ、壊される日々が続きます。私は、さくらちゃん。汚され、痛めつけられ、辱められる。無限の時の中でそれを繰り返すのでございます。
 ようやく保護室から出ることが許されました。とはいえ私にとって閉鎖病棟の中もまた、危険と汚歪に満ちた牢獄でございます。保護室にいるほうが良いとでもいうのでしょうか、江戸時代の女郎屋というのが丁度ああしたもので、そ
れは何かで読んだのですけれども、とにかくそうして飼われていることもまた私にとって牢獄でございました。
 ああ。そうして罰せられているというよろこび。私は生き残り、さくらちゃんは、死にました。自分ばかり生きてしまって、という罪悪感は夜毎私の胸を締め付けるのです。
 私はここでさくらちゃんになりました。夜は娼婦のように振る舞いました。すべての痛みを心の奥にしまいこんで。
 さくらちゃんの苦しみをすこしでも私のものとするため、さくらちゃんの無念を心に刻むため、病院の人たちに犯され続けてきました。ええ、ええ。私は慎みのない女です。汚れた女です。とんだ、あばずれです。
 さくらちゃんには及びもつかない。ですからせめてこの苦痛だけでも。心の痛みも、身体の痛みも、さくらちゃんと同じだと思うのです。痛いということだけは、さくらちゃんと同じだと思うのです。そう願うのです。
 
 しかし、そんな私の自己満足は、長くは続きませんでした。結局はすべて欺瞞だったのです。偽りの、贖罪でした。心のこもらない謝罪には、決まってしっぺ返しが待っているのです。
 
 

142 :CC名無したん:04/06/20 17:59 ID:pMT26qEW
 その幼い女の子に会ったのは、何かの運命のいたずらだったのでしょうか。
 年のころは私よりも4つか5つ、もしかすると小学校に入学しているのかどうか。とても幼い感じの少女で、このような幼子が親元からこのようなところへ閉じ込められたのだ、きっと酷い親なのに違いない、(結局これはただの早合点でした)そう思って私、
「まあ、すてきなお人形ですわね」
 などと取って置きの笑顔を向けまして、その少女に話しかけました。少女がなにか人形のようなものを右手に持っているように見えたのでございます。
 他人に私のほうから話しかけるなど何年振りでしょう。薄暗い閉鎖病棟の廊下には往来もなく、他人に関心を持つということ自体が奇異なことのように感ぜられたのですが、けれども私の言葉は自然に出ました。
 なにやら聖人君子になったように、とてもすがすがしい気持ちで。
「おねえちゃん、だれぴよ?」
 何処かの方言でしょうか。おかしな言葉で少女が応じました。私は大道寺知世、と自分の名を告げると、さらに少女に近寄りました。
 そのときでございます。少女が持っている人形に奇妙な違和感を感じました。その人形、よく見るとそれは人形ではなく何かの動物のぬいぐるみで、そうしてその動物の頭部は完全にもげてしまっていたのでした。
 やはりこの少女もきちがいなのだ、自分と一緒で。
 よりいっそう哀れに思い、慈母のような表情でいた私に、この少女は爆弾を投げつけてきたのです。
「おねえちゃんは人殺しのキチガイぴよ。この星の連中はみんなそうぴよ」
 ざぶん、と冷や水をかぶせられたようでした。私のさっきまでの暖かな感情はあっという間に凍りつき、そうして自分のあさましさを思い知らされたのです。
 私は何も言えなくなって、彼女からはなれました。
 わあっ、と叫んで走り出したい衝動を抑えて、なるべく静かに。
 恐怖。私はその少女に対して底知れない恐ろしさを覚えました。その恐怖感は、さほど日を空けず具体化することになりました。
 
 

143 :CC名無したん:04/06/23 02:19 ID:V1XbIE3v
期待あげ

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