5ちゃんねる ★スマホ版★ ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50  

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

<パート6>ジュドーとハマーン様はとことん続く

1 :通常の名無しさんの3倍:04/05/18 02:04 ID:Oeo/ovAG
容量オーバーで書き込めなかったので
新しいの立ててみたんですが・・・良かったのかな?
とりあえず、また神々が降りてくるのを祈ってます。

2 :通常の名無しさんの3倍:04/05/18 02:05 ID:???
ダメです。

3 :通常の名無しさんの3倍:04/05/18 02:08 ID:???
オマーン様のハマンコ

4 :通常の名無しさんの3倍:04/05/18 05:44 ID:???
>>1
乙。漏れも祈ってる。

5 :通常の名無しさんの3倍:04/05/18 07:23 ID:???
神降臨キボン。

6 :通常の名無しさんの3倍:04/05/18 09:29 ID:???
>>1
乙です。

7 :529:04/05/18 09:48 ID:???
容量オーバーだったのか!
てっきりアク禁と勘違いを・・・。
ただいま鋭意製作中っつーかレポートなくなって欲しい(--;)

8 :通常の名無しさんの3倍:04/05/18 12:06 ID:???
>1 乙です.
>529 降臨マッテマス!

9 :通常の名無しさんの3倍:04/05/18 16:47 ID:???
チラシの裏にでも書いてろよ

10 :通常の名無しさんの3倍:04/05/18 16:58 ID:???
>>9
オマエガナー

11 :通常の名無しさんの3倍:04/05/18 17:12 ID:???
>>10
お決まりのレスをありがとう


12 :通常の名無しさんの3倍:04/05/18 17:18 ID:???
オナニースレあげんなハゲ!

13 :通常の名無しさんの3倍:04/05/18 18:29 ID:GjX7GawG
ハマーソさま

14 :通常の名無しさんの3倍:04/05/19 01:53 ID:???
ミラーサイト
(仮題)ハマーンとジュドー<羊>
http://www9.plala.or.jp/delpippo/hamanhituzi.html
(仮題)ハマーンとジュドー<狼>
http://www9.plala.or.jp/delpippo/hamanokami.html
(仮題)ハマーンとジュドー<0093>
http://www9.plala.or.jp/delpippo/haman0093.html





15 :529:04/05/19 13:50 ID:???
この前ふと思いついた大学ifなネタ。当然続きはないけど。
どうでっしゃろ?

「先輩っ!」
「ん・・・ジュドーか。どうした?」
大学構内の銀杏の並木をハマーンが歩いていると闊達な声が後ろから聞こえてきた。
後輩のジュドーだ。
「先輩は経済学を専攻してるんスよね?」
「ああ、そうだが・・・それがどうした?」
「いや、教養の経済学でわかんないとこがあるんで教えて欲しいんですけど。
 教授がめちゃめちゃ厳しいらしくて」
「ふむ・・・よかろう・・・」
そういってハマーンはジュドーを眺めてわずかに笑った。
「え・・・どうしたの?」
ジュドーはアヤシイ雰囲気を感じて後ずさった。
「いや、物事には代償というものが必要だろう。
 社会の基本ともよべるものだ。わかるか、ジュドー・アーシタ」
「は、はい」
「私が教えるからには諸手を振ってテストに望めるわけなのだから・・・」
「だから・・・」
徐々にジュドーとの距離が狭まっている。
コツン
ジュドーの背中に固い感触が伝わった。
いつのまにか背中には木の幹が当たっていた。
ハマーンは手を木に添えてジュドーをサンドイッチにしながら囁いた。
「その分、代償も大きくなければ・・・」
「ハ、ハマーン?」
お互いの顔があと数センチの所まで迫っている。
「私と共に来るのだ。ジュドー・・・」
唇が近づく・・・
ジュドーは自然と目をつぶった。
・・・・・・
だが、予想していた感触はこなかった。
目を開けるとハマーンは少し離れたところに立って笑っている。
「冗談だよ、ジュドー。教えてやるよ。夕方、私の部屋へ来い。」
「あ、ああ」
ハマーンはそういうと颯爽と並木道を後にした。
なにかすごい喪失感の中、ジュドーはポツンと立っていた。
「先輩・・・チェッ」


16 :通常の名無しさんの3倍:04/05/20 14:51 ID:???
「チェッ」かよワラタ

17 :名無しさん2号 ◆sHaXf13KcI :04/05/20 16:31 ID:Crt8Tsu5
>>1
お疲れ様です。
頑張ってください、応援しています!

18 :ハマーン専用アッガイ:04/05/20 19:08 ID:Y1AQxavU
皆さん、すいませんでした。
前スレを落とした犯人は私です。
即座に新スレを立てようとしたのですが受け付けてもらえず。
直後パソが死んでしまい悲惨でした。
話の方は完結しましたので今夜あたりコソーリとアップします。

19 :通常の名無しさんの3倍:04/05/20 19:31 ID:8Ni+o8Nz
イラネ

20 :通常の名無しさんの3倍:04/05/20 20:21 ID:???
ヤター
楽しみにしてます♪

21 :通常の名無しさんの3倍:04/05/20 21:27 ID:???
今夜の更新を楽しみにしてます。

22 :ハマーン専用アッガイ:04/05/20 23:05 ID:???
それでは続きです。少しかぶってます。



「プルみたいな女の子が中にいたよー……でもちょっとだけ違うみたい」

 エルが気を取り直して、歩きながら“順番”に覗いて行く。

「プルが成長して…行ってる?…と言うか成長過程の…プルが順番?…に入っている……
……だんだん?…大きくなって!?…るってえー!!!!!!!!」

 エルは自分の目が信じられなかった。
あまりの衝撃に十二列目で見たAと書かれた最後の棺の前で動けなくなっていた。
ニールが申し訳無さそうに言う。

「ここで見たことは誰にも言わないで欲しい。エル君にもこんな物を見せてすまないと思う。」

「ニールさん!そろそろ、この設備について説明して貰えないでしょうか?」

そう言いながらブライトは強い嫌悪感を込めてニールを睨んだ。ニールが説明を始める。


23 :ハマーン専用アッガイ:04/05/20 23:11 ID:???
「これはハマーン・カーンと同じニュータイプ能力を持った兵士を生産維持するための
設備の一つ。そのニュータイプ研究所の狂気が生んだ犠牲者の墓地だ。 空の棺の主以
外は全てすべて無理な成長促進が祟って自ら動き出す事が出来なかった者達だ、解剖研
究用および、稼動しているクローンニュータイプ戦士の予備の生体部品として冷凍保管
されている。 アルファベット順にAからLまで十二段階、成長促進剤の投与量の多い
い順に並べてある。Aが最大でKが最小、Lは投与していない、成長の度合いは一年づ
つ違うが彼女らは全員十歳だ。
 この成長促進剤は強力だが酷い副作用を有する物だった。しかし研究の成果を急ぐニ
ュータイプ研究所はそれの使用に踏み切った。多数の失敗は予想どうりだったがそれは
数で対応した。 投与量が最大の“Aの人々”は二十体が用意された 一番少ない“K
の人々”は三体で 投与しない“Lの人々”は二体のみとなっている。
 酷い薬だよ94人に投与して30人しか生存出来ないのだから、Aの人々は20人の内1
人しか意識を持たなかった。生存率5%そして成功した1人も多くの障害を抱えた状態
だった」


24 :ハマーン専用アッガイ:04/05/20 23:15 ID:???
エルが恐々尋ねる。

「“Lの人々”の二体って!?もしかして?エル・ピープルとプルツーの事?ハマーンの
クローンなのね!それでジュドーに拘ったのね、あの子達!」

「そうだ、成長促進剤を使ってないので幼いが健やかだった。後にはI、J・ピープルも
数人が実戦配備されて量産型のキュべレイで出撃していたようだ、そちらは薬の副作用
が酷く自我が殆ど無くて、機械のような少女達だった。」

「こんな物を見せて我々にどうしろと言いたいのですか?ニールさん。それに貴方は只
の軍医さんじゃ有りませんね?
頼みたい事が有るならはっきり言って貰いたいものです。かかる事項の秘密は止めて頂
きたい。」

「“Aの人達”の容姿を見た君達に説明の必要も無いと思うが、彼女らは全員ハマーン・
カーンのクローンの目覚め無かった者達、遺体だ。ワシがこれの一つを格納庫にあるキ
ュべレイのコックピットに座らせて多少の細工をしておく。支援の艦隊が到着したらワ
シと一緒に警務隊に引き渡して貰いたいのだ。それで“ハマーン・カーンは死んだ”と
言う事にして貰いたい。そして彼女に今一度だけ、ジュドー君と人生をやり直すチャン
スを与えてやってくれないだろうか?


25 :ハマーン専用アッガイ:04/05/20 23:22 ID:???
それと、ワシの身分について君の疑念だが、医師の資格が有るのは本当だ、しかしも
う一つの身分がある。監視付きで活動を制限されていたとは言え肩書きはニュータイプ
研究所の所長と言う事になっている。つまり戦争犯罪人だ。警務隊に引き渡せばいくら
かでも君達に手柄になる。汚い事は全てワシがやる!たのむ協力してくれ!彼女を助け
てくれ!

「ねぇーブライトさん、協力してやろうよー、……ハマーンの事はもう勘弁してやろう
よ、プルやプルツーだってそう願ってると思うよ。」

そう言うエルはもう半泣きになっていた。腕を組み目を瞑りブライトはニールに言った。 

「そうだな、私もジュドーを敵にまわしたくは無い。」

 ニールは声にならない感謝の言葉を呟くと嗚咽しながら二人に頭を下げた。
 ブライトはニールがハマーンの死体として偽装に使うと言った肉体年齢21歳の“Aの
人達”の棺の前に来て中身を覗き込んだ。ピンクの髪、顔の作り、体型どう見ても、ハ
マーンにしか見えない。“全裸のハマーンが目の前に横たわっている” 今まで手強い敵
としてしか見てこなかった人間の姿を、こんな形で見ることを不思議に感じた。そして
目の前の彼女を不憫に思ってニールに呟いた。


26 :ハマーン専用アッガイ:04/05/20 23:24 ID:???
「こうして見ると、とても美しい女性ですね彼女は……可愛そうに名前も無いまま…」

 全裸の女性を見つめ続けるブライトにエルがひとこと言う。

「ブライトさん! あんまり見るとジュドーに悪いわよ!」

 “人前で全裸の女性を見つめる”あまりに異常な場所に居たのでその程度の事は今ま
で気にならなかったブライトだったが、エルに言われて恥じて目をそらした。 嗚咽の
止んだニールがブライトに答えた。

「命が宿る事が無かったそこの19人は“Aの人達”のままだったが5%の確立で命を
手に入れた1人は、“アルパ・ピープル”と呼ばれ特別に扱われたよ、85人中誰よりも

く意識をもったからな。彼女は…特別だ!能力的にも…今は行方不明だが…… 」

「アルパ・ピープル… 」

「そう…最初の二人目のハマーンだ……」

「…………………」


27 :ハマーン専用アッガイ:04/05/20 23:27 ID:???
「……それでは、二ールさん!早速ですが……私も手伝いましょう、エル!ブリッジに
行ってろ!!」

 ブライトの命令にエルが不服を言う。

「なんでさーあたしも手伝うよー」

「汚い事は大人に任せろ!何かあって上にバレてもおまえは知らなかった事にしろ!
当然ジュドー達にも知らせるな!」

 ブライトの言葉に頷いた二ールが言う。

「君達やハマーンのような若い人達に過酷な戦争を押し付けたのは我々大人達だ、
これくらいは任せたまえ!」

 ニールがそこまで話したとき、ブライトが問題点に気がついた。

「格納庫はブリッジから常に監視されている!ジュドー達に見つかる!」

「そうだった格納庫で人が動くとオートでカメラがブリッジに映像を送る」

 ニールの言葉で少し考え込んでから、ブライトがエルに指示を出した。

「エル、暫くブリッジはおまえが一人で見ろ!何もしなくていい、座っていろ! 
格納庫のモニターは消しておけ!」

「ジュドー達はどうすんのさ!?」

「そうだな……三人でガザとダブルゼータをネェル・アーガマの格納庫に運べと
伝えろ ガザは格納庫でライフルでもランチャーでもなんでもいい武器を装備する
作業をさせろ、もしもの時の戦力になる。ジュドーには暫くしたら百式での警戒任
務をルーと代わるように伝えろ」


28 :ハマーン専用アッガイ:04/05/20 23:30 ID:???
「分かったよー ブライトさん…それじゃあ」

 ブライトはエルがしょぼくれたように見えたのでもう一声かけた。

「これくらいはさせて貰わないとバランスが取れんのだよ!君達がアクシズで必死に
戦っているとき私は安全なグラナダにいたのだ」

 エルは振りかえって少し笑顔を作って言った。

「運ぶとき、へんなとこ触るんじゃ無いわよ!」

「早くブリッジに行け」

「…………………」

「やっと行ってくれましたよ…さて、ニールさん、私はこう言う事には経験がありま
せん。指示をお願いします。」

「先ずは通常の生理状態を造り上げる。三十分かかる それから二人でキュベレイの
コックピットに移す。それまで、ブライト艦長は美女に囲まれながら座って待ってい
てくれ 」

「5ダースのハマーンとプルにですか、……妙な気分ですよ 」



29 :ハマーン専用アッガイ:04/05/20 23:31 ID:???
「分かったら!さっさとダブルゼータ!ネェル・アーガマに持って行ってよね!!
作業用ガザだって武器持たせりゃ立派な戦力なんだからね!」

「そんな急かすなよエルー エゥーゴの支援が来たら使う事無いんだから!」

「その前に敵に発見されたらどーすんのさ!モビルスーツは百式しか無いんだからね!
これはねっ!ブライト艦長の命令なのよ!それとジュドー、帰ったらルーと警戒任務、
代わってやんのよ!」

「どーしたんだエルのヤツ なんか面白くない事あったのかな」

「おい!エル!俺が居ないからってハマーンいじめんなよ!」

「分かったわよ、後でお茶もって行ってやるよ!」

 怒鳴りまくるエルに三人はそそくさとブリッジを後にして、無茶なガザ三人乗りで
ネェル・アーガマに移動した。ブリッジで一人になったエルは研究室での事を思い出
していた。

「プルがハマーンのクローンなんてタマゲタよなー、ガラスケースの中で一年刻みで
プルがハマーンになって行くなんてさ、信じられないもん見せられたわ!ジオンって
酷いことするよなーあれじゃハマーンが少しくらいあーゆー性格になるのもしょうが
ないかも?  そろそろ、ブライトさん達始めてるかな?のぞいちゃおっかなー、…
……駄目、駄目、
これ以上変なもん見たくないわ……そうだ…ハマーンとこ、お茶持って行ってやるか!
ん、パックのコーヒーでいいや!」

エルがパックのコーヒーを持って病室に行くと、ハマーンとサラサは既に二人でお茶
を始めていた。逆にサラサがエルをお茶に誘う。

「エルさんも紅茶、如何ですか?」


30 :ハマーン専用アッガイ:04/05/20 23:32 ID:???
「アレー、せっかくコーヒー持ってきたのにー これエゥーゴの支給品の中で一番高
級なヤツなのよ豆なんかM&Mなんだから!」

 残念がるエルにハマーンが憎まれ口を叩く。

「貧乏なエゥーゴにしてはM&Mとは奢ったなそんな高級品を使うとは…」

「前の百式のパイロットだったクワトロさんて人がコーヒーにうるさい人で豆だけは
高いものを使うようになったそうよ」

「ん!それはおかしいぞ、ヤツはインドの紅茶が好みだったハズだが?」

「なんでアンタがそんな事知ってんのよ」

「いや、別に、気にするな!何でも無い」

「皆さん、M&Mのコーヒーはお好きですか?」
 サラサが嬉しそうな顔でエルとハマーン尋ねてきた。
エルが答える。
「とても美味しいし香りも素晴らしいけど高すぎよ、いくら手作りの有機栽培と言
っても!」

 ハマーンもエルに同意する意見を言う。
「そうだな、確かに高い。M&Mは野菜や果物も最高の品質だが、あの値段ではな、
……私とてミネバ様のご相伴が無ければそう安々とは口に出来なかった。ミネバ様
はM&Mのグレープフルーツが大好物だったからな 」

 嬉しそうな表情が消えたサラサが二人に謝り出す。
「ご愛顧頂いてる皆さんには大変申し訳ありません。私共の努力不足です。なるべ
く安く出荷するように努めているんですが」

 エルがサラサに尋ねる。 
「えー!M&Mってムーンムーンの略だったの! なんでそんな商売を?」

「ムーンムーンだってお金は必要です。ラサラと二人で行商から始めた唯一の現金
収入なんです。」 

 ハマーンも尋ねる。
「何処の業者に、いくらで卸している?」


31 :ハマーン専用アッガイ:04/05/20 23:34 ID:???
 サラサが答える。

「ルオ・ベジタブル・アンド・フルーツ・カンパニーさんに、コーヒー豆は一キロ
30クレジットで買い取って頂いています。高かったでしょうか?最近は水の代金
も高くこの値段でもあまり利益が無いのです」

 エル、ハマーン共に呆れた。エルが言った。
「ルオさんところ酷ーい!M&Mの豆、200グラム980クレジット、特売でも780
クレジットなんですけど。」

 ハマーンはアクシズで買っていた高級食材代金の大半がルオ商会の系列会社の利益
になっていた事に腹が立った。

「ルオ・ウーミンめ!ゆるせん!暴利を貪りおって!修正してやる必要があるな!!」

「それは…もうジュドーが……」

「なんだ!!」

「なんでもないです……」

 他愛も無いお茶の会話が続く中、突然ネェル・アーガマと連動させた警戒警報がエル
達の艦に鳴り響いた。そして警報が鳴ってから三秒も経たずに大きな爆発が起きてブ
リッジが吹き飛び、その横を一機のモビルスーツが高速で抜けて行った。

「爆発!?敵!?どこがやられたの!いや、そんな事より先ずノーマルスーツね!」

エルは素早く三人分のノーマルスーツを取ってくる。サラサと手伝いハマーンにも着
せた。

「作業は中止だ、取りあえずノーマルスーツを着て様子を見よう。そこのコントロー
ルパネルから艦の状況が解るはずだ。」
 
 ニールの示したモニターを見たブライトは愕然とした。
「ブリッジが大破している!そんな!エルが……」


32 :ハマーン専用アッガイ:04/05/20 23:36 ID:???
「いや、安心したまえブライト君、温度センサーによると三人共に病室に居る。皆、
無事のようだ既に皆ノーマルスーツを着ているようだ。さすがだ、素晴らしい子だ!」
 熱感知センサーで病室の動きを見ていたニールの言葉に胸を撫で下ろしたブライト
だが、エルがそう簡単に死ぬ訳が無いと思った。

「何故、敵に察知されたのだ、いや、それよりネェル・アーガマに全員移動だ!こん
な艦じゃもう一撃されたら終わりだ!」
 
そう言うとブライトは、ネェル・アーガマ、ブリッジのキースロンと連絡を取った。
攻撃を加えて来た黒い機影は横を抜けて行った後、一旦距離を置いた事やジュドーが
百式で護衛してくれる事を確認してランチで全員を移送させた。
 
 
ジュドーは焦っていた 一瞬だけ後ろ姿が見えたその機体は、間違い無くキュベレイ
だと解ったからだ。

「あのマシンに普通の人間は乗れない!間違い無くニュータイプか強化人間だ!ダブ
ルゼータでも相打ちがやっとなのに…この百式じゃ、さらに仲間でもを連れてこられ
たら…ネェル・アーガマを守り切れない!」
 「イーノ!敵は一機だがキュベレイだ、前に出たらメガライダーじゃ標的になるだけ
だ!百式の後ろに着いて援護にまわってくれ!…感じる…見てる!…何処からくる?!
……」

 暫くして、キュベレイは正面から現れた。百式に向かって、まっすぐに高速で突っ込
んでくる。

「馬鹿か!?」

 ジュドーは回避運動もしないキュベレイにビームライフルの狙いを付け、引き金を
引いた。狙いは正確で有った…が直前で反れた、二射、三射…いくら撃っても直前で
反れる。まっすぐ突っ込んで来るだけの敵を正確に狙っているハズなのに。その間に
も敵は接近してくる。

「Iフィールドってヤツか?モビルスーツなのに!?」

至近距離で、最後にビームライフルを撃った時、ジュドーは信じられない光景を見た。


33 :ハマーン専用アッガイ:04/05/20 23:37 ID:???
「サーベルでビームを弾いてる!!!」

 次の瞬間、百式はキュベレイにビームライフルを弾き飛ばされた。そして機体同士
の接触する衝撃がジュドーを襲った。百式の腕をキュベレイに掴まれた。

「なんだ!こいつ武器が使えなくなって格闘戦をしようと言うのか!?」

 ジュドーがそう叫んだ瞬間、ファンネルが一つ百式の頭をすり抜けて飛び、イーノ
のメガライダーのハイメガ砲だけを破壊した。

「違う?遊んでるのか!?」

 次の瞬間、百式のコックピットハッチをキュベレイの長い指が弾いた。百式のコッ
クピットが開いてしまった。外にキュベレイのパイロットが見えたのでジュドーは拳
銃を抜きかけたがパイロットがコックピット飛びこんで来るほうが速くて拳銃は撃て
なかった。飛びこんできたパイロットは自分でハッチが閉めると、ヘルメット脱いだ。
ジュドーはその見慣れた容姿を見て叫んだ。

「ハマーン!なの!?…どうして?…なんで?……」

“そのハマーン”は動けないでいるジュドーのヘルメットを脱がすと両手で頭を掴ん
で強引に唇を奪った。急減圧したコックピットで息が出来ないジュドーの肺を彼女の
息が満たす、ピンクの髪、甘い匂い、舌まで入れられてジュドーの頭は完全にシステ
ムダウンを起こした。三十秒位してジュドーが“もう勘弁して”よと彼女の背中を軽
く二回叩いた。
彼女はジュドーの唇を開放すると、膝の上に座ったまま、手にした紙にメモ書きをし
てバイザーに入れて閉めた。そして、華麗に身を翻すと百式のコックピットを飛び出
して行った。
 イーノが放心状態になったジュドーのコックピットに入って来た時には既にキュベ
レイは、病院船を粉々に破壊して遥か彼方に消えていた。不思議な事に ネェル・アー
ガマには被害はなかった。

「ジュドー大丈夫か!」

「あ、ああ、何とかな……それより皆は!?」


34 :ハマーン専用アッガイ:04/05/20 23:55 ID:???
「病院船が沈められたけど皆無事だよ。怪我人も出てない。………バイザーのそれ…
なんだ?」

 イーノがジュドーのバイザーからメモを取りだして読んだ

「“金色を虐めて嫌われるのはもうイヤだから、今日のところはこれくらいで勘弁して
あげる。”なんだ、まるで意味が分かんないよ。ジュドーには分かるのか?」

「分かる訳ないだろ!それより、あのパイロット、ハマーンだった!」

「なに言ってんだよ!ハマーンならネェル・アーガマでエルとサラサが面倒見てるよ。」

「でもハマーンだったんだよ ニールなら何か知ってるかもしれない イーノ戻ろう!」



 警戒任務をビーチャに代わってもらったジュドーがブリッジに入る。敵に発見され
てしまったネェル・アーガマは大慌ての状態だった。支援艦隊との合流を急ぐために
来たルートを全速で戻った。戦力で勝る二隻のエンドラ隊と今戦っても勝ち目が無い
からだ。

「敵艦隊の動きはどうか? 会合ポイントに付くまでの時間を計算しろ!」

 あわただしく指示を出すブライトにトーレスが答える。

「敵艦隊追って来ます。モビルスーツはまだ出していません。支援艦隊との会合ポイ
ントまでおよそ二時間」

 ブライトが呟く
「二時間以内に攻撃を仕掛けられたら終わりと言うことか」

 ジュドーがブライトに戦況を尋ねる。

「どうなんです?ブライトさん…こちらの戦力は……」


35 :ハマーン専用アッガイ:04/05/20 23:56 ID:???
 ブライトが有りのままを伝える。

「まともなモビルスーツは百式だけだ。メガライダーもハイメガ砲をやられて足とし
てしか使えない。ガザはビーム兵器は駄目だ右腕に溶接で無理やり付けたネモ用のマ
シンガンと古いザク用のミサイルポットだけだ。敵の戦力はザクVが九機とキュベレ
イだ。
ジュドー、敵は圧倒的に有利だ。こちらを取り逃がす心配のある暗礁空域を抜けるま
での三十分間は攻撃してこないはずだ。医務室に行ってハマーンの様子を見て来い…
……すまなかったなジュドーおまえ達を助けてやれないようだ」

 圧倒的な戦力差のため完全に諦めモードになったブライトにジュドーが言い返す。

「まだ負けると決まったわけじゃないよブライトさん。それにあのキュベレイのパイ
ロットはまともには戦闘に参加してこないかも知れない。それならまだチャンスは
有る。諦めるのはよそうぜ!……でも、医務室には行く!それじゃ三十分後!」

 そう言い終わると、ジュドーはハマーンの待つ医務室に急行した。
 医務室ではハマーンとニールが長年の誤解を解いていた。
 
「そうか…二ールは私を嫌って会ってくれなかったのでは無いのだな」 

「とんでもないハマーン様をお慕い申しておりました。つい最近まで自分は左遷され
ていたと思っておりました。まさかニュータイプ研究所の幹部連中がハマーン様と私
の間に入って両方に嘘の報告をしていたなど夢にも思いませんでした。
自分が正式にはずっとニュータイプ研究所所長のままだったのもグレミーの反乱後、
初めて知りました。」

「まったく!ニュータイプ研究所のやつら好き勝手をやってくれる。」

 そこにジュドーが入って来た。

「ハマーン具合はどうだい?今戻ったよ」

「だいぶいいようだ、骨折箇所はプレートで接合してもらった。傷口さえ塞がれば
普通に動ける。それよりおまえは病床の恋人に思いやりを見せないのか?」


36 :ハマーン専用アッガイ:04/05/21 00:00 ID:???
「あ、ちょっとまって、俺いまモビルスーツ降りたばかりで汗臭いから顔洗ってくる
よ!」

「気にするな!」

「うわっ!」

 洗面所に向かおうとしたジュドーはハマーンに腕を掴まれた バランスを崩したと
ころで今度は頭を掴まれた。
「これって、さっきと同じだ……」
などと考える間もなく唇を奪われた。ハマーンは舌まで入れてきてジュドーを離さな
かった。 そこに百式とメガライダーの通信記録から起こした敵パイロットの写真を、
ジュドーと二ールに見てもらう為にイーノが入ってきた。

「さっきの女性パイロットの写真出来たよー」
 
イーノは、持ってる写真と同じ光景を眼前にして驚いて口を滑らす。
「………えっ!ジュドーさっきと同じ事やってる!」

ジュドーを突き放しハマーンの眼が鋭く光る。
「イーノとやら、その写真 みせてくれないかな?」
 
ハマーンはイーノの手から素早く写真を奪い取ってそれを見て言う。
「ジュドーそこに座ってくれるか!説明してもらおうかな!」

「イーノなんで、こんなタイミングで言うんだよ!」

「ごめんジュドー驚いてつい……」
 
瞳を潤ませ、少し取り乱したハマーンはジュドーを締め上げながら叫ぶ。
「ごちゃごちゃウルサイ!説明しろと言っている!!」
 
ハマーンに首を締め上げられジュドーが苦しそうに言う。
「写真!写真!……良く見て!」

「えっ?!…え………こ、これは…私?……」


37 :ハマーン専用アッガイ:04/05/21 00:03 ID:???
「その説明は私が……」
 暫く様子を見ていた二ールが、語り出した。
「それは……、ハマーン様にも知らされず極秘に作られたクローンです。」
 
「馬鹿な、クローンはプルとプルツーの二人だけのはず!何よりも、その写真の者は
どう見ても私と同年代だ時間的に矛盾するでは無いか!」

「実はハマーン様あの……………使用禁止のはずの…あの薬が使用されていたのです。」

「クローンに!クローンにあの薬を使ったのか!……なんと言う事を!!……と言う事
は…何体作られたのだ…」

「あんな危険な成長促進剤を使うと言う事は10や20の数では有るまい!」

「…………………………………」

「何体作られたのか訊いている………何体作られたのだ私のクローンは!!」

「94体…です、生き残る事が出来た者が30体…… 」

「ニュータイプ研め!惨い事をする………そのクローン達はどうなったのだ?」

「皆、戦いで死にました。今生存しているのは恐らく1人………たぶん写真の
パイロットです。一番最初に意識を持った能力的にも飛び抜けた特別な個体です。
名前も有ります」

「なんと言う名だ?」

「アルパ・ピープル・オメガ………… 最後に残った最初の二人目の貴方です……
オメガは究極と言う意味です」


「なるほどな………………フッフフ………なるほど…………」

「……………………………………………」


38 :ハマーン専用アッガイ:04/05/21 00:05 ID:???
百式のコックピットでジュドーの唇を奪う自分のクローンの写真を見てハマーンは
思わず笑みを浮かべて言った。
「アルパか………さすが“究極の私”だ、ジュドーに目を付けるとはな!しかも私が
数ヶ月を要した唇奪取を、いきなり果すとはな しかしジュドー何故だ、まったく
抵抗してないようにみえるが?」

 ジュドーは頭を掻きながら言い訳をする。
「いや、ハマーンと思ったんだ俺…ヘルメット取ったときハマーンと同じいい匂いが
した 気持ち良くなって動けなかった ほんと、ごめん……」

「その、ハマーンいや、アルパは おまえに何か言ったか?」

「いいや、口が利けないようだった 意味不明のメモを書いて行った ハマーンは
解るか?これなんだけど………」

 ジュドーに渡されたメモを読んだハマーンが心の中で呟く。
「何故?クローンがこんな事まで知っている。戦闘に関係無い事までインプットされ
ている訳が無い。それにしても汚い字だな!まるで子供の字だ!私のクローンならも
う少し知的な字を書いてもらいたいものだ………」
 ハマーンは嫉妬から取り乱した直後に昔の男の話になるのは彼女のプライドが許さ
ないのでごまかす事にした。
「これはだな…まあ…気にするな!戯言だ!意味は無い……」
 ハマーンはそう言って一笑に付した。

 二ールがアルパについて付け加える。
「ジュドー君が思ったように彼女は口が利けない、好意を持った人にメモを渡すのは
彼女の癖だ。視力も殆ど無い、全て薬の後遺症だよ。」

ジュドーが驚いて尋ねる。
「視力無くてモビルスーツあんな操縦すんの!?俺、全く刃が立たなかったんだよ」

二ールが答える
「だから特別なんだ 実のところ彼女の能力は殆ど解析不能なんだが ミノフスキー
粒子が濃い場所ほどその能力を発揮出来る、良く見えるらしい、アルパのキュベレイ
の蝶や蛾のような触角は目の見えない彼女の発案指示で製作された物なのだが作動原


39 :ハマーン専用アッガイ:04/05/21 00:07 ID:???
理は不明だ 」

「レーダー妨害の原因が彼女のレーダーなのか?」

「さあどうかな、とにかく眼の見えない彼女だから見える何かが有る事だけは確かだ!」


 ブリッジではブライトがサラサに詫びていた。
「サラサさん 本艦はもうじき暗礁空域を抜けます。そこで敵は総攻撃を仕掛けて来る
でしょう。戦力比は十倍以上です。支援艦隊も間に合いそうもありません。あなたをお
守りする事が出来ないようです。軍人として責任を果たせない無力さを痛感します。
申し訳ありません。」

 サラサは微笑みながらブライトに言った。
「その様な御気使いは無用です。私もジュドーさんと同じ気持ちです。エルさん、
モンドさん、ビーチャさん達もいるのです。なんとかなると思います。最後まで希望
を持ちましょう。」

 モンドがサラサに続いて口を開く。
「俺もムーンムーンに行ってラサラの墓参りするまでは、どんな事があっても死な
ない!死ぬもんか!」

 ビーチャ元艦長代理が適当な作戦を語る。
「まあまあ、そんなに気負うなって、ジュドーの話じゃキュベレイはあまりやる気が
無さそうじゃないか、何とか逃げ回って支援艦隊を待とうぜ!」

「そんなにうまく行くかなー……まあ、やってみましょ!」

 皆の気持ちが盛り上がったところを見てブライトが指示を出す。
「そろそろ暗礁空域を抜ける。エル、可愛そうだが医務室のジュドーをハマーン
から剥がして来い。百式でスタンバらせろ!ルーはガザでジュドーを援護、イーノ、
モンドはメガライダーで陽動だ。トーレス!メガライダーはミサイルポッド付いた
のか?」

「完了してます。機銃弾装備も今完了!」


40 :ハマーン専用アッガイ:04/05/21 00:09 ID:???
「よし!全員配置に就け!敵ビルスーツ発進と同時にこちらも出るぞ!」

「了解!」
全員が声をそろえてブライトの指示に応えた、ルー、イーノ、モンドは格納庫へ
急いだ。

「キースロン!ミノフスキー粒子最大濃度散布だ!敵はすぐにも来るぞ!!!」

トーレスが叫ぶ。
「敵艦のモビルスーツ発進確認!」

ブライトの命令も大声になる。
「全機発進!ネェル・アーガマは支援艦隊の方角に全力加速をかけろ! トーレス
 敵の数と種類を確認しろ!」

「ザクV九機!三機編隊で来ます。それぞれの隊長機、それぞれの先頭はザクV改
タイプです。キュベレイの発進は確認されていません。」

「ジュドーの言ったとうりなのか?キュベレイがいなければ望みはある。いけるぞ!」
ブライトは一縷の望みに賭け、全員に発破をかける。
「主砲!各機銃座!敵が見えたら直ちに撃て!遠慮はするな艦に近付けさせるな!」

「ジュドーどうしよう まともな作戦じゃ無理だよ、強力なモビルスーツ9機だよ!」
イーノが心配そうな声で訊く。
「まず、出方を見る ひとまずネェル・アーガマの後方十五キロを維持だ ルー、ガザ
の調子はどうだ」

「動く棺桶ね!装甲はともかく加速性能悪すぎよ!メガライダーに乗せてもらうことに
する。イーノ、モンド頼むわ!」

「分かったルー、足をフットレストに乗せるとき気を付けてくれ、ハイメガランチャー
のところがミサイルポットに
変更されてる。横に出っ張ってるから蹴らないようにしてくれ!」

 ルーはイーノの指示でガザをメガライダーに乗せた。ガザの独自の形状のためしっく
りこなかったが何とかなりそうだった。乗ったままでマシンガンも撃てそうだった。


41 :ハマーン専用アッガイ:04/05/21 00:11 ID:???
乗せ終わった時、敵の動きを感知したジュドーが叫んだ。

「来た!二手に分かれた六機と三機だ!! 六機の方がこちら来る あの六機を引っ張
って暗礁空域まで戻るぞ!そこで数を減らしてからネェル・アーガマに戻る。そこで
主砲で挟み撃ちする作戦でいく!モンド、ブライトさんに伝えといてくれ!」

「分かったジュドー、伝える!それより長期戦になりそうだ百式は推進剤を節約しろ、
暗礁空域までメガライダーに乗るんだ!ガザの後に乗って追ってくる敵を狙撃してくれ」

「分かったモンドそうさせてもらう」

 モビルスーツ二人乗りのメガライダーはザクV六機を引き連れて暗礁空域に向かった。その途中、操縦する労力から開放されたジュドーは狙撃に集中出来て一機を撃破した、
その爆発は後続二機にダメージを与えた。

「ジュドーさいさき良いな!」

「まぐれさ!油断するな!暗礁空域に入るぞ、ジャンクにぶつかるなよ!入ったらすぐ
に俺は降りる。物陰から狙うからメガライダーは開けた場所で囮になってくれ! ルー
はメガライダーの護衛を頼む」

「了解した。その先にある大破したコロンブス輸送艦の陰で分離しよう」

 ダメージを受けたザクV二機は暗礁空域の中に入って来なかった。メガライダーを追
って中に突っ込んだ僚機を外から援護する形を取った。中に入って来た三機は素直にメ
ガライダーを追尾した。隊長機のザクV改が最初に発砲した。ビームは近くのジャンク
に命中して爆発した。

「私も分離して援護にまわるわ!」

 その爆発の閃光に隠れてルーもジャンクに隠れた。隠れ際に左足に付けていたミサイ
ルポットのミサイルを全弾発射した。高い機動力を誇るザクVにミサイルを命中させ
る事は難しかった。しかしジャンクとミサイルを同時によける その動きの予測は
簡単だった。

「頂き!」


42 :ハマーン専用アッガイ:04/05/21 00:12 ID:???
戦艦のジャンク横を直線的にリバースしたザクVをジュドーが見逃さ無かった。
バックパックを直撃されたザクVは爆発を起こした。その爆発で軌道がそれて高速
でジャンクに激突して大爆発を起こした。

「やった!これで二機落とした 次はどこだ…………」

 仲間が撃墜された事を知った二機のザクVはメガライダーと距離を置いて、ジャンク
に身を隠した。それを見てジュドーが残念そうに呟く。
「敵が慎重になった もう簡単には落とせない」 

 暗礁空域のジャンク中、一本道のように続く広めの空間、そこを低速で進むメガ
ライダー。深いジャンクの中に隠れるジュドーの百式、ルーのガザそして二機の敵ザク
V。ザクVはメガライダーを補足していたが囮と知って撃って来なかった。“撃てば自
分位置を知られてやられる”先ほどからのジュドーの狙撃の正確さは敵にそんな恐怖
を与えていた。そんな膠着状態が暫く続いた。

「心臓が口から飛び出しそうだよ、囮なんて引き受けるんじゃ無かった」

「今更言っても遅いよ 覚悟を決めて行こうよモンド ジュドーがうまくやってく
れるよ!」

 何時、敵から撃たれるか分からない状態に長時間放置されたメガライダーの二人は
精神的に辛かった。漂うように低速で進むメガライダーを、付近のジャンクに隠れな
がら四機のモビルスーツが追う展開が続いた。
 突然、予想もしない方向からのビームがルーのガザを襲った。ガザの右足がミサイ
ルポッドごと吹き飛んだ。

「しまった、暗礁空域に入らなかった二機だわ!」
 
 ルーは知らず知らずの間に暗礁空域の縁ぎりぎりのジャンクの薄い場所に来ていた
事を知った。それを合図にするように今まで我慢させられていた獲物に二機のザクV
が襲い掛かる。しかし、ジュドーはそれを予測していた。ガザの爆発と同時にメガラ
イダー前方のジャンクの少ない空間に狙いを定めていたのだ。案の定そこから一機の
ザクVが飛び出して来た。
 躊躇無く引き金を引くジュドー メガライダーのすぐ横で爆発が起きてそのザクV


43 :ハマーン専用アッガイ:04/05/21 00:14 ID:???
は暗礁空域の新しいジャンクの一つになった。一機残った隊長機のザクV改は、ここ
では数のメリットが生かせない事に今更に気が付いた。バーニアを吹かして機体を翻
し暗礁空域を飛び出して行った。外の二機と合流すると、ネェルアーガマを先に攻撃
する作戦に切り
替えた。

「ルー大丈夫か?イーノ、モンド、敵を追う!急げ!!」

三機は暗礁空域を出ると今度は百式を前に座らせて、メガライダー二人乗りで敵を追
いかけた。その時ネェルアーガマからの通信を受けたイーノが皆に言った。

「ネェルアーガマがかなりやばいみたい。エンドラ二隻に追いつかれて砲撃されて
るって!さらにザクV三機も行かしちゃったら皆死んじゃうよ どうしよー!
ジュドー!」

「ルー!降りてくれ!」

「何を言うのよジュドー」

「軽くしたいんだ!メガライダーのエンジン全開にして 百式のスラスターも全開に
する それなら間に合う ルーはエンドラの近くに行ってネェルアーガマを狙う砲撃
の邪魔をしてくれ、モビルスーツはいないはずだから出来るよ 頼む!」

「分かったわ それじゃ降りるわ 皆の事頼むわよ」

 ルーのガザを降ろしたメガライダーは高速で飛行を続け、先行していたザクV隊に
ジリジリと追いつき始めていた。その先に幾つもの閃光に震えるネェルアーガマが見
えて来た。モンドが泣きそうな声で言う。

「酷くやられてる エンジンが片側完全に停止してる ジュドー早くザクVを追っ払
ってくれよ!」

「ああ、今やるよ イーノ!ネェルアーガマにこちらの位置信号を送れ!そこに主砲
を撃たせろ!モンド!ザクVは真っ直ぐに向かっている こっちを奴らの真後ろに
着けろ! 」


44 :ハマーン専用アッガイ:04/05/21 00:16 ID:???
「分かったよジュドー発射と同時に避ければいいんだな 発射のタイミングも知らせる
ように言うよ 」

「十秒後だって……………………………」

「来た!左に避けろ」

「やった!」

 主砲は手負いのザクV改一機を撃墜したが残り二機は尚もネェルアーガマに向か
った。ネェルアーガマは苦戦を強いられていた。高い機動力を誇るザクVを前に手も
足も出なかった。ザクV部隊は攻撃を母艦の艦砲射撃と連携させ自身は回避運動に
注力して隙をみて攻撃したので対空砲火で撃墜されたザクVは無かった。さらに暗礁
空域から戻った二機が攻撃に加わる。動きが鈍くなった相手に対して敵艦エンドラの
主砲は脅威的である。それを感じたジュドーがイーノに言う。

「メガライダーはルーを手伝いに行ってくれ!今、戦艦の主砲が直撃したらネェル
アーガマは持たない!」

「いいけど ジュドーは一人で大丈夫なのか?五機もいるんだぞ!」

「いいから行ってくれ!」

「分かった!死ぬなよジュドー」

「まだ死ぬつもりは無いよ!」

 ジュドーはそう言うと、メガライダーから百式を分離させてネェルアーガマに向
かった。そして群がるザクVの一機に狙いを付けて引き金を引いた。ザクVの左腕
を吹き飛ばした。
 戦闘の様子はブリッジの他、医務室にも映像が送られていた。ハマーンは祈るよ
うな気持ちでモニターの百式を見つめていた。心の中で何回も叫んだ。
「ジュドー死ぬな!今お前が死ねば私はさらに深き寒き闇に落ちる事となるのだぞ!
私との約束を守れ!」

 百式がネェルアーガマの護衛に戻ってきたのを見た敵は、手負いのザクV二機を


45 :ハマーン専用アッガイ:04/05/21 00:18 ID:???
対艦攻撃に残し、無傷の三機が百式に攻撃を仕掛けて来た。ジュドーは連射される
ビームを掻い潜って三機に接近して隊長機と思われるザクV改にサーベルで切り付
けた。左脚部を切断するダメージを与えたがその際、頭部バルカンでサーベルを破壊
された。さらに一旦離脱する最中右ウイングバインダーを吹き飛ばされた。三機の
ターゲットが自分に移った事を悟ったジュドーはネェルアーガマから少し距離を置
いて敵を艦から引き離しにかかった。
 それとほぼ同時にネェルアーガマを狙うエンドラの砲撃が止んだ。少し余裕が出来
たブライト達がやっと対空砲火でザクV一機を撃墜した。

「メガライダーとガザの攻撃がぎりぎり間に合ったみたいだな戦艦の砲撃が沈黙して
くれた」

 ジュドーの喜びもつかの間、エンドラの砲撃が止み、対艦攻撃の一機が撃墜された
のを知って百式を追っていた片足のザクV改がネェルアーガマ攻撃に向かった。ジュ
ドーは焦った。

「もうネェルアーガマは沈没寸前だ!あいつを行かしたらハマーンが死んでしまう!
そんなのイヤだー!!」

 他のザクVの事を考え無い無茶な態勢からビームライフルを発射した。大きな爆発
がネェルアーガマまでも揺らす。
艦に向かったザクV改を撃破する事は出来た。しかし、次の敵にまるで対処出来な
い態勢になっていた。もう一機のザクV改の放ったビームに左腕を付け根から吹き
飛ばされた。さらにもう一機のザクVに右脚を吹き飛ばされた。その爆発で百式は
ネェルアーガマの前方まで流された。ザクV改とザクVが追ってくる。百式はもう
ぼろぼろで機動力は半減している。
それを見抜いた二機はビームライフルを撃つ事をせず。ザクVは百式を後ろから押
さえ込んだ。隊長機のザクV改はサーベルを抜いてそれをゆっくりと仕留めにくる。
自分達を邪魔する存在への憎しみが、仲間を殺された恨みが、ただ殺す事を躊躇わせ
る。なぶり殺しにする気なのである。
「俺達を邪魔するヤツはこうしてやる!おまえら!よく見ておけ!!」
その剥き出しの憎悪はネェルアーガマのクルーにも向けらた。

 目の前で行われるジュドーの処刑を止めようとブライトが叫ぶ
「機銃、主砲、ミサイルなんでもいい!ジュドーの百式を助けろ!」


46 :ハマーン専用アッガイ:04/05/21 00:20 ID:???
 キースロンが涙声で絶望的な状況を報告する。
「艦長!もう!この艦に前方に撃てる武器が有りません!」

 エルが叫ぶ
「ジュドー死なないで!ここまで来て死ぬなんて馬鹿よ!」

 ビーチャが泣きながら言う
「ジュドーまだなんか手が有るんだろ?!早くなんとかしろよ!」

 ジュドーの絶対絶命の状況に大粒の涙をこぼしながらハマーンが泣き叫ぶ。
「ジュドー、ジュドー、ジュドー私を置いて行かないでくれ!そんなの
イヤだー!!!!!」

 その時サラサはハマーンの側に来て言った。
「泣いている時ではありません この悪意からジュドーさんを救うのは貴方の
役目です 」

 ハマーンは泣きながらサラサに言う。
「今の私に何が出来ると言うのだ! どうしろと言うのだ!」

「もう一人の貴方が、呼んでくれるのを心待ちにしていますよ。」

「えっ?!…………そうか!分かった!感じる!」

 パニックから立ち直ったハマーンは、直ぐ近くで待っているもう一人の自分を感
じた。そして叫んだ。

「来い!アルパ!!来てジュドーを救ってくれ!!!来るのだもう一人の私っ!!!!」

 ハマーンの言葉が終わると同時にネェルアーガマを攻撃していたザクVが爆発した。
そして、ピンク色をした30個の小さなものが高速でブリッジの横をすり抜けて行った。
それら全てが一瞬光るとザクVとザクV改は爆発もしないで幾つかのバラバラの部品に
なった。ジュドーが、手だけで自分を掴み続けるザクVを振りほどいていると、ピンク
色達は一点に収束するように本体に戻って行った。突然現れたキュベレイは来た方向
から一度も向きを変える事無く飛び去って行った。


47 :ハマーン専用アッガイ:04/05/21 00:22 ID:???
10分か?20分か?ジュドーは無意識にキュベレイを追いかけていた。唯、唯、無心に追いかけた。
キュベレイは傷ついた百式が自分を見失わない程度の距離と速度を維持して飛んだ。二人が暫く飛ぶと、ブライト達が待ち
侘びていた支援のエゥーゴと連邦の大艦隊が見えてきた。近付くとキュベレイを発見したサラミスが対空砲火を開始する。
その時ジュドーの頭にハマーンの声が響いた。
 
「私の真後に付いて来て」

 ジュドーはそうした。そうする事に何の疑問も無かった。キュベレイは回避運動はせず、先ほどジュドーに見せたように直撃
コースのビームだけをサーベルで弾いた。そして、キュベレイはメッチャー提督の乗るサラミスの正面でファンネルを放出した。
自分に向かってくる途轍もなく巨大なオーラにメッチャーは恐怖で硬直しながら叫んだ。
「誰か!助けてくれ!!!!」

「何を!」
 ジュドーが叫ぶより早く ファンネルがビームを発射する。
最初のファンネルがブリッジ左のレーダーが吹き飛ばす。ジュドーがファンネルを狙撃する。サラミスの直近でファンネルが爆発する。
次のファンネルがブリッジ右のレーダーを吹き飛ばす。ジュドーがファンネルを狙撃する。サラミスの直近でファンネルが爆発する。
次のファンネルがブリッジ左の機銃を吹き飛ばす。ジュドーがファンネルを狙撃する。サラミスの直近でファンネルが爆発する。
次のファンネルがブリッジ右の機銃を吹き飛ばす。ジュドーがファンネルを狙撃する。サラミスの直近でファンネルが爆発する。
最後にキュベレイは背中のアクティブカノンでブリッジを狙った。ジュドーは何もしない。

「そうか…アルパ……それも、いいかもしれないな…………」

 キュベレイの真後ろに位置した百式のコックピットでジュドーは何もせずただモニターで彼女の行動を見守った。
しかし次に見た光景にジュドーは彼女の意図を知り涙ぐんだ。

「やめろよ……………そんなこと…………するなよ…………」

 キュベレイは真後ろに飛ばしたファンネルで自分の背中を撃った。ジュドーはそのファンネルを狙撃したが無意味だった。
自爆したキュベレイはサラミスにゆっくりと落ちて行った。そして仰向けになってデッキを滑ってブリッジに突き刺さった。
 ジュドーは百式をその横に着艦させるとコックピットを飛び出して、キュベレイのハッチを空けた。そこには穏やかな表情
のアルパが息絶えていた。手には幼い字で“ハマーンを悲しませないで”と書かれたメモ用紙を握っていた。
ジュドーはそのメモ用紙をポケットにしまうと眠るアルパに約束した。
 
 暫くしてサラミスの兵士が出て来て騒ぎになった。少し遅れてメガライダーとガザも来た。百式がキュベレイを狙撃したと思
ったメッチャーが出てきてジュドーに命を助けてくれたと礼を言ったが、耳には入らなかった。
 メッチャーはアルパをネオジオン総帥と思って侮辱するような事を言ったので、ジュドーは殴りかかろうとしたけれど、
ルーやイーノに取り押さえられてメガライダーに押し込まれてネェルアーガマに連れもどされた。
ネェルアーガマに帰ったジュドーは医務室に飛びこんだ。医務室に飛びこんでこの世に残された最後のハマーンの胸で泣いた。
暫く泣いてハマーンの顔を見上げると彼女はジュドーに微笑みながら言った。

「アルパは死んだのではない。プルやプルツーもそうだ。私に戻ったのだよ。つらく感じた運命を耐えるため大勢になった私は、
ジュドーが来てくれて楽になったからまた一人に戻ったのだよ。悲しむ事は無いのだよジュドー」

 そう言い終わるとハマーンはジュドーをきつく抱きしめた。そのまま二人は暫く動かなかった。





------------------------------------------ライトシード第一部完----------------------------------------




 初小説なので、誤字、脱字、乱文をご容赦下さい。題名はライトシードにしました。
光の種なので種だけに第二部では身が成るような事をバンバンやらせたいと思います。
Hシーン補給の為にハマジュの同人誌をネットでゲットして研究中です。
なんとか逆シャーまで引っ張りたいと考えています。



48 :通常の名無しさんの3倍:04/05/21 02:41 ID:???
どうも乙です!
初小説でビッグなデヴューを飾りましたね。
これからの作品も楽しみにしてます。

49 :通常の名無しさんの3倍:04/05/21 09:37 ID:???
乙です。
堪能させていただきました。

50 :通常の名無しさんの3倍:04/05/21 12:25 ID:???
アガーイサン イイ!(・∀・)
再降臨待ってます!

51 :通常の名無しさんの3倍:04/05/21 14:32 ID:???
すばらしいです!!
良かったです!
また再降臨してくださーい(*゚ー゚)

52 :529:04/05/22 01:43 ID:???
乙です!
俺が思うにすごいガンダム小説っぽくてうらやましいっす。
俺にはそういうの、書けないんで楽しみにしてます。
つーか、俺の、ガンダムじゃねぇ。
あと、制作速度が速いのがすごいです!
自分がヘタレって思うので頑張るとしか(^_^;)

53 :ハマーン専用アッガイ:04/05/24 00:33 ID:???
読んで下さる皆様ありがとうございます。
こんな下手でもアップする勇気だけは褒めてやって下さい。
是非とも皆さんのハマジュもアップして欲しいです。
部品状態でも歓迎です次回作に使わせて下さい。
予告編を新聞風にしてみました。

デイリーシャングリラ紙0089年1月27日号
ネオジオン紛争終結するもミネバ・ザビ行方不明!総帥は死亡!

0089年1月19日16時45分、同17日のアクシズ陥落後、逃亡先の暗礁空域、
独立系コロニー、ムーンムーンを占拠中のネオジオン総帥ハマーン・カー
ンは直ちに追討に向かったエゥ−ゴ(現在連邦軍に合併中)精鋭部隊のエ
ース、ジュドー・アーシュタに追い詰められ、直後に支援に来た艦隊司令
の乗艦に特攻を試みるも、寸でのところで同パイロットの活躍により撃破
された。撃墜された総帥のモビルスーツはメッチャー提督指揮の巡洋艦サ
ラミスのブリッジの直下に不時着(不時着時パイロット死亡)、大きな破
損を免れた。その偶然と、先行していたブライト艦長指揮下のネェルアー
ガマ巡洋艦にネオジオン・ニュータイプ研究所の大物が既に拘束されてい
た事により、本人確認の検証はサラミス艦上で速やか行われ、ネオジオン
総帥ハマーン・カーンの死亡が確認された。

総帥ハマーン・カーンを撃墜したパイロット、ジュドー・アーシュタは総帥
を始めとして自分が戦った敵エースパイロットの多くが子供を含めた若い女
性である事に大きな精神的ショックを受け、総帥撃墜後一時混乱して提督に
暴行を働きそうになり同僚に取り押さえられる異常事態が見られた。現在は
ムーンムーン付近で拿捕された病院船(直後事故で消失)で発見拘束された
総帥の影武者(クローン説有)と武装解除された旗艦サダラーンで拘束され
たミネバ・ザビの影武者を引き取り、同コロニー内に3人で暮らし、農業に
従事しながら、その償いと心のリハビリを行っている模様である。余りに若
い英雄の余りに大きな心の痛手を配慮するエゥ−ゴ広報部はマスコミ等には
静観を求め、直接取材には法的手段も辞さないと語った。


54 :通常の名無しさんの3倍:04/05/24 07:06 ID:???
キャ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!
早くも次回作!期待シテマス!!

55 :通常の名無しさんの3倍:04/05/24 22:44 ID:???
ワーーーー
早く読みたいよ〜〜〜〜!!!
三人暮らしが凄い気になる。

56 :通常の名無しさんの3倍:04/05/29 01:52 ID:???
ホシュナニ

57 :通常の名無しさんの3倍:04/06/01 23:12 ID:gFHIn1uy
hosyu

58 :通常の名無しさんの3倍:04/06/06 00:14 ID:???
hodyu

59 :通常の名無しさんの3倍:04/06/10 09:50 ID:???
ホシュ

60 :通常の名無しさんの3倍:04/06/15 17:37 ID:4qvzwGCj
hosyu


61 :通常の名無しさんの3倍:04/06/18 13:43 ID:???
ホシュ

62 :529:04/06/21 00:42 ID:???
一ヶ月以上放置していた529ですが、
みんないるのかな・・・?

とにかく続きできたので投下してみます。
もーガンダム小説じゃなくてもいいやバリでいってみます。

63 :心臓に繋がる指 1/5:04/06/21 00:44 ID:???
ダニエル・ブルーム。
南商店街の一角に構える「ブルーム精肉店」の主人である。
40過ぎのひげ面の巨漢で、でっぷりとした体格だが仕事は几帳面。
コロニーにおいては高価な肉を扱う職業であり、
自分のきちんとした仕事で周りの人が笑顔になる。
それはとてもうれしい事だし、雑多なこのバンチを彼は愛していた。
今日も様々な人が彼の前を通る。
彼はそれを生きがいに今日も働いていた。

彼は少しだけ心を痛めていた。
数ヶ月ほど前にここに越してきたカップルの娘が最近いないからである。
ハニエルというピンク色の髪の娘だ。
常に颯爽と歩き、切れ長で鋭い目をしている娘だ。
妻も息子もいるダニエルにとって、そういった対象ではなかったが、
頑なな態度の中にも光る逡巡、その美しさは彼の青春を思い起こさせ、
一日の気分をよくしてくれる存在がいなくなれば気分も落ちる。
心配している原因は以下のとおりである。
ハニエルは近所の宝石店の強盗を見事捕まえた礼として
懸賞としていた一週間旅行をゲットして彼氏(旦那?)と
一緒に旅立ったという話が商店街でも噂になった。
それはいいのだが、彼女が旅立つような事を言ってから
2週間以上姿を表していない上に、ランチで事故があったというのだ。
宝石店での立ち振る舞いを伝え聞くと彼女は只者ではないらしい。
何かの因縁があるのかとダニエルはいぶかしんだが
ハマーン・カーンであるという結論には達する事はなかった。
それだけ、まわりに与えている印象は昔とはかわっていたのである。
・・・あのぎこちなくはにかんだ笑顔が見れないのは寂しいものだ。
そうおもったが、だが彼には何もできないし、何もするわけがない。
彼の干渉すべき問題ではないのだから。


64 :心臓に繋がる指 1/5:04/06/21 00:46 ID:???
ダニエル・ブルーム。
南商店街の一角に構える「ブルーム精肉店」の主人である。
40過ぎのひげ面の巨漢で、でっぷりとした体格だが仕事は几帳面。
コロニーにおいては高価な肉を扱う職業であり、
自分のきちんとした仕事で周りの人が笑顔になる。
それはとてもうれしい事だし、雑多なこのバンチを彼は愛していた。
今日も様々な人が彼の前を通る。
彼はそれを生きがいに今日も働いていた。

彼は少しだけ心を痛めていた。
数ヶ月ほど前にここに越してきたカップルの娘が最近いないからである。
ハニエルというピンク色の髪の娘だ。
常に颯爽と歩き、切れ長で鋭い目をしている娘だ。
妻も息子もいるダニエルにとって、そういった対象ではなかったが、
頑なな態度の中にも光る逡巡、その美しさは彼の青春を思い起こさせ、
一日の気分をよくしてくれる存在がいなくなれば気分も落ちる。
心配している原因は以下のとおりである。
ハニエルは近所の宝石店の強盗を見事捕まえた礼として
懸賞としていた一週間旅行をゲットして彼氏(旦那?)と
一緒に旅立ったという話が商店街でも噂になった。
それはいいのだが、彼女が旅立つような事を言ってから
2週間以上姿を表していない上に、ランチで事故があったというのだ。
宝石店での立ち振る舞いを伝え聞くと彼女は只者ではないらしい。
何かの因縁があるのかとダニエルはいぶかしんだが
ハマーン・カーンであるという結論には達する事はなかった。
それだけ、まわりに与えている印象は昔とはかわっていたのである。
・・・あのぎこちなくはにかんだ笑顔が見れないのは寂しいものだ。
そうおもったが、だが彼には何もできないし、何もするわけがない。
彼の干渉すべき問題ではないのだから。


65 :心臓に繋がる指 2/5:04/06/21 00:46 ID:???


「父ちゃん」
「なんだ、タレン」
「ジュドー達、どうしちゃったんだろうね」
「ジュドーというと、ハニエルさんの彼氏だったよな?」
「うん。ラブラブの」
「どうもこうもできないさ。俺たちは関係ないんだから」
「なんか、それって冷たくない?」
「・・・」
「・・・」
「・・・いいか、タレン。関係ないっていうのは、必ずしも無関心って事じゃあないんだ。
 ハニエルさんはしっかりした人だと思う。
 だから、うちらが顔をつっこんでいいわけでもないし、
 心配する必要ないんてないんじゃないのか?」
「よく、そんなこと分かるね」
「無駄に年くってないさ。ほら」
「あっ!」

うわさをすればなんとやら。
通りの奥のほうに話題の二人が見えたのだ。
二人で歩いている。

「おーい、ジュドー!」

・・・

タレンはレジスターの前から手を振った。が、返答は帰ってこなかった。
ジュドーとハマーンは二人並んで歩いてはいるが、
どことなく距離をとっているように見えた。

「・・・あれ?なにかあったのかな?父さん?」
「・・・うーん、今度こそよくわからん・・・」

ダニエルはためらいがちにジュドーについていくハマーンを見ながら唸った。


66 :心臓に繋がる指 3/5:04/06/21 00:47 ID:???

おかしいことはよく続くものである。
この下町情緒あふれる区画にスーツに身をかためた男が数人訪れた。
彼らは様々な場所に踏み込んでだしぬけにこう聞いてきた。

「ピンク色の髪をした20代の女を見たことはないか?」と。

ダニエル・ブルームも例外ではなかった。
彼は一瞬で気分を害された。目つきのするどい男二人が
営業中に仕事場にいきなり入ってきたからだ。
彼はその瞬間からこのいけすかない黒い塊達をいつ追いだそうかと考え始めていた。

「おい!人が仕事してんだ!厨房にはいんじゃねぇ」
「・・・失礼。だが、質問には答えてもらいたい」
「?」
「ここ半年以内でピンク色の髪の女が越してこなかったか?」
「あー、ピンク色の髪の女なんてたくさんいんだろ?!
 アホな事を聞くな」
「20代だ。目つきが鋭い。身長は170cm程度。
 顔はハマーン・カーンに似ている」
「ハマーン・カーン?なんで死んだネオジオンの総帥が出てくるんだ?」
「たとえだ。」

ダニエルはこの気に食わないヤツラに協力する気など一切なかったが、
それでも一瞬考えてみた。
鋭い目、ハマーン・カーンに似ている・・・
ピンク色の髪・・・!

「・・・そうだな、やっぱり覚えがないな・・・」
「確かか?」
「ああ。おれは毎日にここに立って通り過ぎる人間をみているが、
 そんな女はみなかったぞ」
「そうか、協力感謝する」

ほんとにしてんのかよ、と思うダニエルの視線を受けながら男たちは去っていった。
ダニエルは当然嘘をついていた。
黙々と鶏がらの処理をしながら考える。
ハニエル?ハニエル??俺と名前が似ている、じゃなくて!
やっぱり訳ありだったんだな、ハニエルさん。
ハマーン・カーンとアンタがどんな関係か知らないが、
気をつけろよ・・・。
ダニエルは今度あったとき、男達が来た事だけは言おうと決心した。


67 :心臓に繋がる指 4/5:04/06/21 00:48 ID:???

それから数日後、彼の店にハマーンが現れた。
黄色いスカートにノースリーブのニット。どことなく明るい色が使われている。

「久しぶりだな、主人」
ハマーンは笑みを浮かべてダニエルに話し掛けた。
数日前の暗い様子とはあきらかに違っていた。
動きどころか纏うオーラまで変わっているようだった。

「よう!ハニエルさん。なんとかなったようだな」
「? 何がだ?」
「なんだろうな?とにかくアンタの機嫌がよくて無事だった、それでいいじゃねぇか」
「ああ、あれは・・・単なる事故だったのだ。問題はない」
「旅は楽しくできたかい?」
「ああ」
「・・・ハッハッハ、そうか。で、今日はどうするんだい?
 今日はアンタのためにとっておきがあるよ」
「用意がいいな。ローストビーフにするつもりなのだが」
「牛か。あるよ、待ってな」

そう会話しながらダニエルは何かに安堵しつつ、冷蔵庫のある奥の部屋に向かった。
カウンター越しに彼を待つハマーンの姿が見える。
?・・・なにか違和感がある。
・・・ああ。
いつもは背筋を伸ばし腕をまっすぐと下げているハマーンなのだが
今日は手を体の前で合わせていたのだ。珍しい。
「ん?」
とにかく、一番いい肉を手早く切り分け、固まり肉を包装する。
「あいよっ」
そしてダニエルは包みを渡す際に小声でハマーンに言った。
「ハニエルさん」
ハマーンも雰囲気を感じ取って小声になった。
「?どうした?」
「黒服数人がアンタを探している。
 俺の気のせいならいいんだが、心当たりがあるならなんとかしたほうがいい」
・・・
その言葉にハマーンは一瞬目を丸くした。
この男からこんな台詞が出るとは。


68 :心臓に繋がる指 5/5:04/06/21 00:49 ID:???

だが、数秒後にはいつものハマーンに戻り、彼女は静かにこう言った。
「ありがとう。あなたには感謝している。
 息子さんにはよろしく言っておいてくれ。お元気で」
力強い視線を浴びせながらハマーンは微笑した。返すダニエル。
「32番ドックで俺の名前を言うといい。そこにいるやつが力になってくれるはずだ」
・・・
すると、ハマーンは静かに笑い始めた。
「ふふふ、ここに来てそこそこ経つが、私は主人の名前を知らなかったんだな。
 知ろうともしなかったんだな」
「まぁ、そいつがソイツでありゃ、名前なんてどうでもいいってことよ。
 俺の名前も・・・アンタの名前も・・・」
「・・・・・・また会おう。・・・ええと」
「ダニエル・ブルームだ。」
「ダニエル・ブルーム。楽しい時間をありがとうと皆に言っておいてくれ」
「おう」
それを聞くとハマーンはくるりと体を翻して立ち去ろうとする。
「そうそう!」
「・・・?」
ダニエルは言い忘れたことがあったため、ハマーンの背中に言葉を投げた。
「その左手の指輪・・・似合ってるぜ」
「!」
すると、今まで落ち着いていたハマーンがウソのように顔を赤くし、
反射的に左手の薬指に光るものを隠していた。
あたかも心臓の鼓動が指輪に伝わっているような、そんな気分になったのか。
「・・・」
笑いながらダニエルは手を振る。そうしているとハマーンの姿はすぐに見えなくなった。
また一人で店番する時間がやってきた。
「・・・」
「・・・ハマーン・カーンなわきゃねーよなー・・・」
「・・・」
「・・・俺もあと15年若けりゃな・・・」
そうつぶやくとダニエル・ブルームは厨房に向かった。


69 :529:04/06/21 00:53 ID:???
というわけで変り種です。
なんだか単なる脇役が頑張りすぎちゃってますがスルーで。

さて、保守頑張るか・・・

70 :通常の名無しさんの3倍:04/06/22 00:35 ID:???
乙です!
こういう外伝ものもいいと思いますよ。
二人がコロニーの人達とうまくやっているというのが伝わってきましたから。
(うまく言えないけど(苦笑))

71 :通常の名無しさんの3倍:04/06/22 09:54 ID:???
久しぶりに乙です。
まってましたよ。

72 :通常の名無しさんの3倍:04/06/22 17:09 ID:GnxmcWQh
てすと

73 :通常の名無しさんの3倍:04/06/22 17:18 ID:9Q8YM44G
オレのID、Zzだ。

74 :通常の名無しさんの3倍:04/06/23 17:00 ID:???
>73 どれやねん?

75 :ハマーン様専用アッガイ:04/06/24 03:32 ID:???
やっと書き込めるようになりました。
529さん乙です。充分楽しいです。ハマジュ小説は人物描写が肝です。
モビルスーツは刺身のつまか、人によってはそれ以下です。
全然OKと思います。

既に某所(ここの大先輩のところ)に続きを掲載させて頂きましたが
こちらにも続きを保守代わりに少しずつアップしたいと思います。

76 :ハマーン様専用アッガイ:04/06/24 03:36 ID:OIISkZ6C
ライトシード6/24

ネェルアーガマは大勢の修理作業員で溢れ返っていた。
支援艦隊の輸送艦を左舷に並走させながら艦の大急修理と補給を受けていた。
修理を受けながらも反転して再度、ムーンムーンを目指していた。
その作業監督はアストナージ、彼の指示が溢れかえる作業員達を効率よく働かせる。
「そこ!その装甲板!それはもうだめだ!継ぎ接ぎ修理なんかするな!内側からボルトを外して捨ててくれ!そこらのネモに頼んでコロンブス輸送艦から新しいヤツ… 持ってきてくれ!」
ネモタイプ三機も作業用重機械代わり、大型部品の輸送係りとなって修理作業を助ける。艦隊の警戒任務は全て支援艦隊のモビルスーツ隊が受け持ってくれていた。今、ネェルアーガマで忙しいクルーはアストナージだけだった。
その頃、ブリッジ下の会議室では窓の外の修理作業を横目にブライト、ニ―ル、サラサの三人がジュドーとハマーンの今後を話し合っていた。


77 :ハマーン様専用アッガイ:04/06/24 03:37 ID:???
「 結局、我々が手を下さずともアルパが全部の始末を付けてしまった」
「 アルパの気持ちは大事にしたい ハマーン様には、どうしてもジュドー君と幸せに暮らしてもらいたい」
「 私に出来る事は何でも協力致します」
司令部を裏切って二人を助けようと言うのだ。ブライトは、ニール、サラサも同じ気持ちである事を再度確認してから話を続けた。
「 皆の気持は同じのようですね ところで、ニールさんアルパの正体が知られてしまう可能性は全く無いと言えるのでしょうか?」
「それは心配ない 現時点の連邦レベルではそう簡単には解らない筈だ、それにワシが逮捕され連邦の管理下におかれている限りにおいては、逆にニュータイプ研究やクローン技術をワシのコントロール下に置く事は可能だ 十年のアドバンテージを小出しにする方法だ!」
「二―ルさん………やはり連邦に身柄を拘束される道を選びますか………」


78 :ハマーン様専用アッガイ:04/06/24 03:38 ID:???
少し残念そうに話すブライトに、ニールが力強く語る。
「これだけは、譲れない!ワシはハマーン様の苦悩の元凶……ニュータイプ研究の第一人者だ、その責任がある。権力に接近してニュータイプ研究の"獅子身中の虫"となり"人の新しい可能性"を戦争などには利用させない責任があるのだ!」
「しかし、貴方が協力しなくても、残された研究資料も在るのではないですか?ネオジオンから逃亡した研究者、技術者だって少なからずいるのでは無いですか?」
「病院船に在ったモノが最後で、他はワシが全て処分した クローンの体はさすがに躊躇われたが…それも……アルパがワシの代りにやってくれた 」
「しかし、研究者が残っていたら意味が無いでしょう?」
「………………………………」
「そうは、思いませんか?」
「……………………それも………ワシが……G3で……ガスで……全員……始末した………」


79 :ハマーン様専用アッガイ:04/06/24 03:45 ID:???
ブライトは核兵器以上に忌まわしいその名を聞いて絶句した。
「!!!!……………………なんと言う事を!……貴方は……」
「そうさ!…そうさ!だからワシはもう、生涯娑婆に出る気など無いのだよ!!!…………本当は死んだっていいのさ、………それだけの事はしている、…………………ブライト艦長、これがワシの覚悟だ!…………………」
二―ルは柄にも無く、少し悪びれた風に言葉を吐き捨てた。
「………………………………」
「分かりました もう、その件に触れる事はしません…………」
「………………………………」
「………………………………」
「………………………………」
二―ルの決して軽くはい罪の告白が、暫しの沈黙を生んだ。間を置いてブライトから口を開く。
「ところで、相談なのですがサラサさん ムーンムーンに暫く二人を置いてやって頂けないでしょうか?ムーンムーンは連邦政府データベースに照合したところ、行政単位として正規に認められたコロニーだ、連邦政府から大幅な自治権も認められている。
しかも総督名はサラサ・ムーン!貴方となっている。貴方の権限なら、ジュドーの転居さらにはハマーンの新しい戸籍を作る事も難しく無い筈だ!是非とも御願いしたい」
「分かりました それは私が手続きをしましょう お二人のお住まいも私が ご用意させて頂きます でもこれだけの大事件です世間の方達への対応はどのようにするおつもりのですか?そちらは私には何も………」
「それは こちらで対処可能です エゥ−ゴの広報部にうまくやらせます 」
 ブライトはサラサにそう言って会釈すると、二―ルにも笑みを見せて、安堵の心境を漏らす。
「……ニールさん…やっと、若い者に対する大人の義務がはたせそうですね…………」
「……そうだな…………最低限は出来そうだな…………」
「そこから先は、ジュドーさんに任せて大丈夫だと思います 」
サラサも微笑みながら話しがまとまった事を婉曲に告げた。


80 :ハマーン様専用アッガイ:04/06/24 04:12 ID:???
ネェルアーガマは並走するサラミスから、修理と補給を受け続ける。
当直の軍医は、キュベレイが突っ込んだサラミスへ負傷兵治療の応援に出かけていた。
医務室のジュドーとハマーンには二人だけの静かな時間が流れていた。
ジュドーは、ベッドで休むハマーンの傍らで、彼女の手の平のやわらかさを確かめながら、モウサの一騎打ちで、彼女へ向けた言葉を思い出して詫びた。
「"存在そのものが鬱陶しい"なんて言ってごめんね、ハマーン………」
少し間を置いて、微笑を浮かべたハマーンが言葉を返す。


81 :通常の名無しさんの3倍:04/06/24 10:10 ID:???
グッジョブ!

82 :ハマーン様専用アッガイ:04/06/25 00:21 ID:???
ライトシード6/25

「…………少し辛かったぞ、ジュドー………でも……………おまえの言ったとおりだよ……………おまえが気になって、追いかけ、誘ったくせに、
言うに事欠いて"私に従え、さすれば、殺さずに済む" ………ではな……人の気持ちを考える余裕など失っていたのだな
………鬱陶しい女の見本だ………哀れだよ………嫌いになってくれと言っているようなものだ………こんなに好きなのに!
………こんなに!………こんなに!………好きなのに!」
二人だけが取り残されたような静寂が続く医務室に、ハマーンの声だけが響く、響く言葉が自分に跳ね返り、こみ上げる気持ちがたまらなくなったハマーンはジュドーを自分のベッドに引きずり込んで抱き締める。
「うわっ!」
「…今は、…今、暫くは…こう…していてくれないか……ジュドー……」


83 :ハマーン様専用アッガイ:04/06/25 00:22 ID:???
「ハマーン…………ハマーン?…泣いているのか……」
「そうだ………でも、悲しいからでは無い…おまえの顔を間近にしたら…………だって、やっと来てくれたジュドーが死にそうなるから!………」
抱きついて泣き出すハマーンに、一瞬とまどったジュドーだったが、アルパに約束した事を思い出して詫びた。
「心配かけてごめん!もう、悲しませるような事はしないよ」
ハマーンは、毛布に身を隠しながらも強くジュドーにしがみつく、こぼれる彼女の涙はすべて彼の胸が受け止めていた。
「………安心したら………止まらないのだよ、涙が…………涙など何年も…流したこと……無いのに………弱くなったのかな、私は……恥ずかしいから…見ないで………………」
今度はジュドーが、自分の胸で泣くハマーンを抱きしめる。


84 :ハマーン様専用アッガイ:04/06/25 00:23 ID:???
ゴクリッ!」
ブリッジでは、医務室の監視映像を見たエルとビーチャが同時に唾を飲み込んだ。エルが瞬きもせずモニターを見つめながらビーチャに言う。
「二人が"始めちゃったら"見るの止めんのよ!……じゃない!もう止めましょ!見るの!犯罪だわ!」
「えっ、何でだよ!……いや、そ、そうだな!ジュドーに悪い…」
ビーチャは少しだけ残念そうにモニターのスイッチを切った。
ブリッジも二人だけだった。支援の艦隊は修理中のネェルアーガマを取り囲む陣形を取りムーンムーンに向かって巡航する。
周囲の警戒は十数隻の艦艇と二十七機ものモビルスーツ隊が厳重に行ってくれている。月を出てからのネェルアーガマの航海で最も気が休まる時間が訪れていた。


85 :ハマーン様専用アッガイ:04/06/25 00:24 ID:???
安心できる状況になったのでブライトは、"元艦長代理"のビーチャだけ残してクルー全員に休息を取るように指示を出した。
"一人じゃ何か起きたら対処しきらないよ"と言うエルも残って、ブリッジは二人だけだった。ここでも静かな時間が流れていた。
エルとビーチャは任務中であるにも係わらず、医務室の二人のお陰でお互いを意識し合っていた。
エルがパックのコーヒーを二つ持ってきた。
ビーチャに「一緒にお茶しましょ」と言って手渡す。
エルがコーヒーを飲みながら上目遣いに言う。
「ねービーチャ、そろそろこの前、私に言った事……その……生きて帰った訳だし……もう一度聞かせてくれるかなー」
医務室の二人がビーチャに、この展開に対する心の余裕を与えていた。
お陰で、彼は少しだけ気が利いいた台詞が言えた。
「ああ!でも、二度目は言葉じゃないぜ!」
そう言うと、ビーチャはエルを抱き寄せ唇を重ねようとした。
「キザ過ぎー!でも、いいかもっ!」
エルもビーチャを抱きしめて気持ちに応えた。ビーチャは"二つの意味"でハマーンに感謝しながら、コーヒー味のキスを堪能した。


86 :ハマーン様専用アッガイ:04/06/26 02:45 ID:???
ライトシード6/26


艦隊は安全を最優先した。
暗礁空域の隕石やジャンクの一番少ないコースを選択して、大きく迂回したのでムーンムーン到着には12時間を要した。
ムーンムーンに残留するネオジオンに逃亡する時間を与え、戦闘を避けたいメッチャー提督がそうさせたのだが、
そのお陰でネェルアーガマの大急修理も終わり、余裕の在ったアストナージは廃棄処分を司令部から言い渡されたジャンク同然だったダブルゼータも"こっそり"と復活させていた。
ネモとジムVの一個中隊が警戒するムーンムーンの港に、ネェルアーガマがゆっくりと入港する。
「コロニーに被害は無いようだな 各員!入港準備急げ! 」
充分な休息を取ったクルー達を、キャプテンシートに座るブライトが指揮する。
「ネオジオンの奴らもここを使いたかっただけでしょうからね 」
トーレスも充分休んだ爽やかな声でブライトに答える。
「誰も怪我などして無いと良いのですが……」


87 :ハマーン様専用アッガイ:04/06/26 02:46 ID:???
サラサは少し心配そうだった。
「大丈夫みたいですよ、サラサさん!さっき、先遣隊のネモ小隊がコロニー内からサラミスと連絡しているのを傍受したけど、戦闘は一度も行われて無いそうですよ」
キースロンがサラサを安心させる情報を告げる。
「ムーンムーンの兵隊って槍くらいしか持ってないから返って良かったのかもしれない!ムーンムーンの人達みたいにすれば戦争なんか無いのに!」
イーノの理想論に即座にビーチャが反発する。
「平和の為なら目の前で自分や大事な人が危険になっても何もするな!黙っていろって事かよ!」
「そこまで言ってないだろビーチャ」
「二人とも喧嘩はよせ!イーノ、世の中全ての人々がサラサさんの様になるまで武器は手放せんよ!皆!着艦準備だ!持ち場に着け!イーノ、ルー!
艦を固定したらサラサさんを神殿にお送りする。
エレカを二台用意しておけ!」
「了解!艦長!」


88 :ハマーン様専用アッガイ:04/06/26 02:48 ID:???
ブライトが指示を出し、皆が動き出す。
エアロック部にはネェルアーガマとメッチャーのサラミスの二隻が入って他の艦艇はコロニーの外周警備に着いた。
間もなく、地響きと共に二艦は着底した。
「エル、ビーチャはブリッジで待機!ルーはエレカでサラミスに行き、メッチャー提督とミネバを迎えに行って来い!」
「えっ!?ミネバちゃんを?」
「そうだ!ジュドーとハマーンに引き取って貰う!」
「えっ?えっ?……………」
「いいから行け!」
「了っ、了解!…?…?…?……」
皆、驚いたが、寝耳に水の当事者、ジュドーが慌ててブライトに質問する。
「どう言う事だよ!ブライトさん?!」
「参謀本部、ムーンムーン総督共、協議の上で決断された!
すでに、決定事項だ!
お前に選ぶ権利は無い!」


89 :ハマーン様専用アッガイ:04/06/27 01:35 ID:???
ライトシード6/26

「意味分かんないよ!…………それに、ムーンムーンの総督って?…………」
「 総督はサラサの事だよ! 
ジュドーお前は心の病だ!
お前は、メッチャー提督に殴りかかった。
若く美しい女総帥を殺したトラウマで心を病んだと診断された。
エゥーゴの指定した心理療法士のリハビリプログラムを受けてもらう」
事態の飲み込めないジュドーが食い下がる。
「リハビリ?俺に入院しろって言うのかよ!俺どこもおかしくないぜ!」
ブライトが少し口元を緩めて話しを続ける。


90 :ハマーン様専用アッガイ:04/06/27 01:36 ID:???
「このコロニーの豊かな自然に親しみ、心を癒しながらトラウマの原因、即ち、おまえが殺害したハマーン、その容姿を持つ影武者の世話をしてもらう。トラウマの原因と向き合い罪滅ぼしをして心の負担を軽くする療法だ。
つまりだ、暫くはハマーン、ミネバの影武者二人と、ムーンムーンで土いじりでもして大人しくしていろって事さ!その間は基本給だけだが、給料も出るそうだ 」
「!…………………………………………」
何故、ミネバまで付いて来るのか少し引っ掛かるジュドーだったが、隠されたブライトの思いやりに感激した。
ブリッジの皆も感激した。
ジュドーはブライトの手を握り、目を潤ませ礼を言った。
「ありがとうブライトさん!影では俺達の事、考えていてくれたんだね!」
「痛いな!ジュドー私は手を怪我している そんな暑苦しいマネはよせ!」
照れるブライトは一歩下がった。


91 :ハマーン様専用アッガイ:04/06/27 01:37 ID:???
下がったブライトにジュドーが一歩踏み込んで尋ねる。
「ほんとに凄く嬉しいんだけど、なんでミネバもいるの?」
「それは、だな…………まあ、あれだ!監視役だ!」
「なんの監視?」
「………おまえはまだ若い!ハマーンのような女性と二人きりでは愛欲に溺れ不適切な関係になるとも限らん!幼いミネバがいつも側に居れば、そうそう淫らな事も出来まい。」
「ちょっと苦しいんじゃないの!」
「…まあ、あの子を引き取ってくれる施設が無い、と言うところが上の本音だろうが、ついでに面倒見てやれ!可愛そうな子だ!おまえに懐いている!
それに これはハマーンの希望でもある」
「ハマーンの…そうか…分かった、ブライトさん!俺、三人で家族やるよ!」
「そうか!引き受けてくれるか!」


92 :通常の名無しさんの3倍:04/06/27 10:56 ID:???
 

93 :ハマーン様専用アッガイ:04/06/28 01:29 ID:???
6/28ライトシード

「何言うんだよ!当然だろ!俺の希望じゃないか!?」
「ああ、だが本当に大変な二人だと言う事も忘れるなよ!
宇宙一危険と言われた女と最後のザビ、……お姫様だからな!………」
「心配するなって!任せてくれよ!ブライトさん!」
ブライトの大人の思いやりにクルーのみんなが感動した。
ネェルアーガマのブリッジが愛で溢れた。
そんな中で、ビーチャも明るい気持ちだったが少し考えたら、ふと心配になったのでジュドーに訊いた。
「凄すぎる家族構成だぞ!おまえの稼ぎで食わして行けんのか?
あの二人、ジュドーの年収で何日暮らせる?一週間持つか?マジで、」


94 :ハマーン様専用アッガイ:04/06/28 01:31 ID:???
ジュドーは、少し不安な気持ちになった。
いつもの調子でエルも調子に乗ってくる。
「二人が一回外食したら終わったりしてね!ジュドーの年収なんか!」
ジュドーは、凄く不安になった。


95 :ハマーン様専用アッガイ:04/06/28 01:32 ID:???
一行は二台のエレカに分乗してサラサの神殿に向かった。
運転するイーノの横に座ったブライトが、後部座席にジュドーと並んで座るハマーンに決定事項をあれこれ説明していた。
「――――――――という事です。後はジュドーに聞いて下さい」
「………そうか………すまない、敵だった私にそこまでしてくれるとは、礼の言いようも無い………ミネバ様のことまで………」
「ジュドーに言って下さい。私は彼の気持ち応えたかっただけです。細部まで絵を描いたのはニールさんです。戸籍や住居はサラサさんが………」
「………そう………皆、ありがとう…ほんとうに感謝する………」
ハマーンはピンクの水玉模様のパジャマを感謝の涙で濡らした。
農業重視の気候設定のムーンムーンは一年を通じて夏になっている。
エレカは暖かい南国の風の中を抜けて神殿に向けて走った。
暖かい風はハマーンの涙もすぐに乾かした。


96 :ハマーン様専用アッガイ:04/06/28 01:33 ID:???
エレカは途中、涼しげな夏物を売る露天商の前を通り、何回も馬車や牛車を追い抜いていた。皆、上半身は半そでシャツ一枚になっていたが、正規の軍人のブライトだけは、暑さを我慢して服装を乱さなかった。そのブライトが思い出してハマーンに言った。
「サラサが、貴方の新しい戸籍上の名前を見つけてくれた。同年代の行方不明者のリストからピックアップしたそうだ。公の場ではそちらを使うように!」
「なんと言う名だ?」
「地球に向かったまま、行方知れずのミンキー家、そこの次女で、……………モンスリーと言う名だそうだ 」
「フッ、そうか、今日から私はモンスリーか 」
新しい名前をジュドーがからかう。
「パジャマがよく似合うよ!モンスリー!」
「馬鹿はよせ!」


97 :通常の名無しさんの3倍:04/06/28 09:38 ID:???
乙です。

98 :通常の名無しさんの3倍:04/06/28 20:47 ID:???
ピピルマ・ピピルマ・プリリンパ?

99 :ハマーン様専用アッガイ:04/06/29 00:40 ID:???
母の髪の色と、父の目の色を引き継いだ魔法使いのような超NTが
再度アクシズを地球権に帰還させると世界は平和になります。(嘘)

6/29ライトシード

エレカが暫く走ると、まるで古代の遺跡のようなサラサの神殿が見えて来た。
「先に神殿に入ってメッチャー提督達を待つ事にしよう。」
ブライト達は神殿の前にエレカを止め、サラサの案内で入って行った。
「外は暑いのに、中は涼しいんですね。エアコンも無いのに、」
一人長袖の軍服を着るブライトが、快適な気温に保たれた内部に感心した。サラサが説明する。
「石と水と緑を工夫してあります。」
「うわっ、部屋の中に川の流れがある!すごいな!しかもエアコンよりずっと快適だ!」
「一緒に来たモンドも感心する」
「気に入って頂けた様なので、後から来る皆さんをここでお待ちする事にしましょう。」
サラサは皆にそう告げると、飲み物の用意をするように近くの者に言う。
六人は石で出来た円卓を囲むように座った。その時、ジュドーはハマーンの目が虚ろで熱っぽいのに気が付く


100 :ハマーン様専用アッガイ:04/06/29 00:41 ID:???
「ハマーン大丈夫か?」
「ああ、だいじょうぶ………」
そう応える火照った顔のハマーンは、どうみても大丈夫そうじゃ無かった。ジュドーはサラサに彼女を休ませる部屋を貸してくれるように頼んだ。
すると、
「こちらへどうぞ、お二人の部屋は既に三階の方にご用意してあります。」
サラサはそう言うとすぐに席を立ち二人を導くように階段を上がり始める。ジュドーは"慣れた手つきでハマーンをお嬢様抱っこ"しようとする。
彼女も自分から身体を預けて、そっとジュドーの首に手を回す、そしてサラサの後に続いて階段の上に風のように消えて行った。その間ほんの数秒、
予め振り付けをしていたかのような無駄なく素早い三人の動きにブライト達は呆気に取られて、ただ見ていた。
石造りでピラミット状五階建て、中央四階までが吹きぬけになったその建物の三階部分、階段を上がって少し歩いた所に、二人が暫くお世話になるその部屋は在った。
「こちらの部屋をお使いください。お二人の為に用意させました。」


101 :ハマーン様専用アッガイ:04/06/29 00:43 ID:???
ジュドー達が案内されたのは、今はもういないラサラの使っていた部屋だった。石造りの建物に相応した古代の王室を連想させるような内装が施されている。
石の床にはベッドとテーブルの下だけワンポイントで赤い絨毯が敷かれ照明はランプと、たいまつ、ベッドの横にはロウソクだった。窓際には石の机が置かれ、
部屋の中央には彫刻の入りの四本の柱で支えられた屋根と、レースのカーテン付きのまるで、クレオパトラでも寝ていそうな豪華なベッドが一つ置かれている。
妖しくプリミティブでいながら豪華な雰囲気もする不思議な部屋だった。
「お風呂はここ、お手洗いはこちら、何か有りましたら入り口右側の事務室に何時でも衛兵がいます。私の部屋はこの階の丁度反対側、対角になります。
時間には係りが食事をご用意します。それではごゆっくり。」
サラサは息もつかずに必要な事だけ言って、風のように部屋を出て行った。
「あっ!ちょっと、サラサ!」
ベッドが一つしか無い事を告げる為、ジュドーが追いかけようとするが、抱かれているハマーンが彼のシャツを引っ張ってそれを止めた。


102 :ハマーン様専用アッガイ:04/06/29 00:44 ID:???
「ジュドー、ベッドに連れ行って……」
「ああ、分かった……そうだ、まずハマーンを休ませないと」
けれど、ジュドーは今までテレビや本でしか見た事が無い屋根付きカーテン付きの妖しいベッドを目の前にして、
その何とも妖艶な雰囲気に圧倒され三十秒以上立ち尽くした。抱いているハマーンにまたシャツを引っ張られて、
やっとカーテンを捲った。そして毛布も捲って彼女をそこにそっと置いてジュドーが言う。
「それじゃあ俺、ブライトさん達の所にもどるね。」
それでもまだ、ハマーンはジュドーの首に回した手を離さなかった。そしてジュドーの耳元にささやいた。
「今夜、……約束を果たしてくれ!」
ハマーンは、そう言い終わると首に回していた手を解いて素早く毛布の中に消えた。
ジュドーは二分程ベッドの横にたたずんだ後、フラフラと一階ロビーに向かいながら呟いた。
「そうだった!ここはゴタゴタ片付けた後のムーンムーンだ……」


103 :ハマーン様専用アッガイ:04/06/30 02:22 ID:???
ライトシード6/30

一階の川が流れるロビーでは、四人が出されたレモネードで喉を潤していた。
「これ、凄くおいしいね!なにか特別な物がはいっているのかなぁー?」
「いや、何も入っていないだろ!ムーンムーンは高級果物、野菜の名産地だ、使ってるレモンが良いんだろ!おまえ達M&M知らないのか?」
イーノが驚く、
「M&Mってムーンムーンの事だったの!」
「M&Mって何?」
モンドは知らなかった。
サラサがニコニコしながら言う。
「皆さん!よろしければ、おかわりをどうぞ!」
「私も頂こうか!」
「僕も!」
「俺も!」
「ドテッ!」
「!」
後ろの階段で大きな音がして四人が振り向くと、階段を踏み外したジュドーが転げていた。
「何だ、ジュドー……もう戻って来たのか?」
「とうぶん戻ってこないと思っていたのに 」
「お二人でゆっくりされれば良いのに…」
イーノとモンド、サラサまでも同じような事をジュドーに言った。
席に戻ったジュドーはさっきのハマーン以上に発熱していた。


104 :ハマーン様専用アッガイ:04/06/30 02:23 ID:???
「やぁ!皆、遅れてすまん!」
妙に浮かれたメッチャー提督が兵隊二人とルー、ミネバを連れて神殿に入ってきた。その服装を見たブライトが呆れて言う。
「提督!そんなリゾート地みたいな格好をして、軍服はどうしたんですか?
ルー!それにミネバ!いや、影武者まで、アロハシャツにサングラス、麦藁帽子とは!………そんな買い物で寄り道して遅かったんですね…全く……」
「そう、硬い事を言うなよ、ブライト艦長、こんなに暑いんだ、仕方ないだろ!小さな子が日射病になったら可愛そうじゃないか、それに綺麗なお嬢さんのお肌に強い日差しは大敵だ。」
「ゴメン!ブライトさん!メッチャーさんが露天商でこれ見つけて、買ってくれるって言うもんだからつい……ミネバちゃんもどうしても欲しいって言うし……」
アロハにサングラス、麦藁帽子のミネバがジュドーの前でクルッと一回転して
尋ねる。
「どうだ?ジュドーかっこいいか?」
「ミネバとルーはかっこいいよ!似合ってる!でもメッチャーさんは怪しいおじさんにしか見えませんよ」
そう答えるジュドーの一言に、
「ほんとうか!嬉しいぞジュドー、メッチャーとやら礼を言うぞ、」
「当たり前よ!私みたいな美人は何着ても似合うのよ!」
「失礼な!私が買い与えたのに!」
嬉しそうなミネバを見てメッチャーも良いところあるものだと皆思った。ブライトも遅れた事をそれ以上何も言わなかった。


105 :ハマーン様専用アッガイ:04/06/30 02:24 ID:???
「後からきた皆さんも冷たいレモネード、如何ですか?そちらの兵隊さんもどうぞ!」
サラサが皆に飲み物を勧める。後から来た全員がそれを美味そうに飲む。
「それでは、ルー君!影武者ちゃんを外で散歩でもさせて来てくれたまえ。」
「了解です。提督!それじゃミネバちゃん!さっきのアイスクリーム屋さんに行きましょうか?」
「ルー、私はイチゴが良いぞ!」 
「有ると良いわねー、それじゃ行きましょう。」
「さっき、右端に赤っぽいのがみえたぞ、ルー」
「……………………………」

二人の後姿を見送りながらブライトが言う。
「すっかりリゾート気分ですね。だが子供はあの方が良い」
「それでは、ブライト君、早速、話しを始めようか 」
「――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――。」
「…………と言う訳で、このコロニーの総督であるサラサさんを脅かして申し訳ないが今後ムーンムーン近海の治安が悪化する事は避けられない見込みだ。
警備は強化しますが、自衛の為の武器も槍だけと言うのは、無謀過ぎると言わざるを得ない。何か方策を御願いしますよ 」


106 :ハマーン様専用アッガイ:04/06/30 02:25 ID:???
「大丈夫です。このジュドーさんが住み込みで守って下さいます。」
「ああ、なるほどね、ブライト艦長、このコロニー警備用にモビルスーツを2−3機、置いていってやりたまえ、」
「了解しました。…………ところで提督、諜報部はネオジオンの戦力の……どの程度が闇に消えたと見ているのですか?」
「この、ムーンムーンとコンペイ島の間の暗礁空域に全体の五割、アステロイドベルトに向かったのが三割、その他へ二割、合計約一万二千人、
百隻以上の艦艇に三百近いモビルスーツが散って行ったと推測されている、アクシズやコア3にいたのは全体の三分の一にも満たないからな、
他のコロニーや月に駐留していた奴らはほぼ無傷で逃げたからな 」
「……そうですか、そんなに多くの兵力を宇宙に散らしてしまったのですか、………………」


107 :通常の名無しさんの3倍:04/06/30 10:23 ID:???
乙、乙、乙

108 :ハマーン様専用アッガイ:04/07/01 00:46 ID:???
ライトシード7/1

「そうだ、ハマーン派、グレミー派、旧ジオン派、それに連邦に捕まると重罪に処されるティターンズの戦犯達。これら四者が暗礁空域とアステロイドベルトに潜伏する状況になった。だから今度の事件のような事は今後、度々起こり得ると考えねばならない。」
「大きな戦争が終われば即、平和と言う訳には行かないのですね 」
「そうだ!覇権を争う小規模の戦闘や海賊行為は返って増えると予測されておる。そこでブライト艦長の出番になるのだ!」
「どう言う事です?提督……」
「今後、暫く平和とは言えなくとも大きな戦争は無いと予測される。そこで必要になるのは、テロや局地紛争の防止と鎮圧を目的とする少数精鋭の機動力ある部隊だ。」
「しかし、それではティターンズと同じでは……」
「君なら……そうはなるまい!君の指揮するアーガマ隊が、スペースノイド達に悪名高いティターンズを倒した事は宇宙に住む者は子供でも知っている。君以外の者が指揮する部隊では反感を買ってまともな仕事は不可能だ。君しかいないのだよ!」


109 :ハマーン様専用アッガイ:04/07/01 00:47 ID:???
「私に、治安維持の独立部隊を率いろと言う事ですね 」
「そうだ、実を言うとこれは連邦とエゥーゴの協議で、既に決まった事なのだよ」
「本人に相談も無しに……ですか?」
「相談はするつもりだった。だが君がその前に、このコロニーに向かって飛び出してしまったので、相談も出来なかったのだよ 」
「それは……ジュドーの件も有りましたし………」
「いや、これは君にとっても良い話しの筈だ、エゥーゴが今回連邦に組み込まれる事は知っているな!」
「はい、それは聞いております」
「表面上は大きな組織に小さな組織が飲み込まれるように見えるし、世間にはその様に見せる!だがその現実は逆だ!連邦軍の実権を宇宙はエゥーゴが握り、地球はカラバが取る!」
「そんな事を連邦政府が認めるとは思えませんが」
「いや、彼らは認めざるを得ないのだよ!」
「それは、またどうしてですか?」
「これも君達のお陰だ、それとカラバのハヤト・コバヤシ達のな!」


110 :ハマーン様専用アッガイ:04/07/01 00:48 ID:???
「ハヤト………もしかして………ダブリンの事では?」
「そうだ、さすがブライト艦長だな、あのコロニー落としの一件では、
落としたネオジオン以上に市民を見殺しにした連邦政府高官が怨まれているのだよ。
それにカラバのアウドムラはその市民千人以上を救助した。
そのカラバ隊はハヤト艦長以のクルー全員がアウドムラのその人達を守って戦死した事と、
さらに墜落しかけたアウドムラを救ったのはここにいる子供達だと言う事は全世界に報道されて知れ渡っている。
市民感情を考慮したなら表に出る仕事はカラバやエゥーゴの人間に任せるしか無いのだよ。だから、
連邦軍の下に入ると言っても全て君の好きにやって良い。奴らは何も口出し出来ない。
それに、あのコロニー落としはどうも変だ。おかしな点が多すぎるようだ。」


111 :ハマーン様専用アッガイ:04/07/01 00:51 ID:???
「ブライトさん良い話じゃないか!引き受けたら良いよ!それに、
貴方がこの話を断ったのが原因でまたティターンズみたいのが出来たら、
どうすんだよ!そしたら、また戦争になる!」
「俺もそう思う!」
「僕もだな!」
「そう思ってくれるか皆!断る理由は無さそうですねメッチャー提督」
「そうか、既に嘗ての君の部下、
今はカラバのアムロ君も合流する手はずになっている彼も快く受けてくれたそうだ」
「アムロが!それは心強い」
「あっ!すまん。忘れていた。
返事をもらっといてから言うのは心苦しいのだが、
連邦が一つだけどうしても譲らなかった条件が有るのだ。」
「今更、何です?」
「ガンダムだ!」
「ガンダムが何です?」
「新造戦艦、
量産新型モビルスーツ全て最優先で君の隊にまわすと約束する代わりとして君の隊ではガンダムタイプは全て廃棄して今後とも開発、
保有をしないと約束して欲しいそうだ。これだけは譲れないと言うのだ。
ア・バオア・クーのアムロ、グリプスのカミーユそして今回アクシズを落としたジュドー君だ、
連中は、核兵器にも優る最強のニュータイプ三人が君の隊にそろう可能性が有ると見ている。
そんな隊にガンダムを持たせる事など怖くて出来ないのだろう。」


112 :ハマーン様専用アッガイ:04/07/01 00:54 ID:???
「ガンダムタイプと呼べるかどうか分かりませんが、ネェルアーガマにはもう片手片腕の百式しかありません。
それでよろしければ、どうぞ持っていって下さい」
「ならば問題無いな、それではブライト艦長、軍組織に空白の時間は許されない今から君は連邦軍の外郭部隊ロンドベル隊の司令官だ、
直ちにグラナダに戻り辞令を受けるように、話は以上だ!
………………そうだ、君がこれを受けてくれた礼としてジュドー君と影武者の件は今後一切、連邦政府には詮索させない事にするよ…………」 
「提督!………………」
「…………メッチャーさん!……知ってたのか…………」
「あんまり年寄りを馬鹿にするなよ!子供達!」
「…………ごめんなさい…………ありがとう…………」
「うむ、それではブライト君、我々は戻るか!」
「まいりましょうか、提督!それでは、サラサさんジュドー達をよろしく!」
「もう、行ってしまわれるのですか?夕食でもご一緒にと思ったのですが……」
「ジュドーがんばれよ!私達はここまでだが、おまえはこれからが大変なんだからな!
手に負えないときは遠慮なく連絡しろ!お前たちを狙う者は、自動的に私の新組織の取り締まり対象でもある。
………それと、港にネモかジムV、余ったやつで悪いが二機とスペアパーツ、その他を置いて行くから何か有ったら使え」
「メッチャーさん!ブライトさん!ほんとありがと!"影武者"達の分まで礼を言わせて貰うよ!」


113 :通常の名無しさんの3倍:04/07/01 20:32 ID:???
乙です。
凄いペースですね。

114 :ハマーン様専用アッガイ:04/07/02 02:18 ID:???
>>113
書き溜めたものを保守代わりにアップしてます。まとめて読んでくれる方は某先輩のHPにどうぞ盛りだくさんハマジュがあります。

>>529
新作お待ちしてます。

115 :ハマーン様専用アッガイ:04/07/02 02:21 ID:???
ライトシード7/2

「えっ!ブライトさんもう戻るのか?俺ラサラの墓参りしていきたいんだけど、時間くれないか?」
モンドが慌ててブライトに頼む。
「そうか…………出港は二時間後だ!それまでにはイーノ、ルーと一緒にネェルアーガマに戻って来い…………ラサラさんによろしくな!モンド…………」
「サンキュー、ブライト艦長、」
「達者でな!ジュドー!」
「ブライトさん達も!」
「…………………………………………。」
「行ってしまいましたね。ジュドーさん。あの人達とは、もっとゆっくりお話したかったのに…………」
「しょうがないさ、真実大人をやってる忙しい人だから、……ブライトさんは…………」
「あのー、……サラサさん。ラサラのとこ案内してくれないかな?」
「モンドさん……では、こちらにどうぞ…………」
「モンド!僕も行くよ!」
「俺も行かせて貰うよ」
イーノ、ジュドーも一緒に、お墓参りに行く事にした。三人はサラサの後について神殿前の林を抜けて小さな丘の上の墓地に来た。
月をデザインした小さな石碑にラサラの名が刻まれていた。サラサに促され、モンドがその前に跪き、その後ろにイーノとジュドーが並んで手を合わせた。数分の間、お祈りの姿勢のまま誰も動かなかった。
そよ風のざわめきと、鳥の泣き声と、モンドの微かな嗚咽とが混じって聞こえるだけだった。皆が顔を上げるとジュドーがモンドに語りかけた。
「モンド、俺がハマーン勝手に許した事、どうして何も言わないんだ?」
モンドは泣き顔のまま微笑んでジュドーに答える。
「俺だって成長するって事だよ……スタンパを倒して仇を討ってもラサラは嬉しそうな顔してくれなかった。………でもジュドーがハマーンを救ったよって今、ラサラに報告したら……そしたら、凄く嬉しそうな顔をしたんだ!だから俺もハマーン許す!」
「嬉しい!モンドさん!貴方はラサラの心を感じてくれたのですね。」
サラサは、そうモンドに言うと後ろから彼を抱き締めていた。
「モンドありがとう……」
ジュドーはそう一言礼を告げると、二人をその場に置いたままイーノと神殿
に戻って行った。


116 :ハマーン様専用アッガイ:04/07/02 02:23 ID:???
二人が林の小道を戻ると、神殿前は人だかりだった。
「サラサ様が呼んだ救世主様に違いない!いや、新しき女神様じゃ!」
神殿の前に人々が集まり、何かを見上げながら騒いでいる。
「何だろう?」
イーノとジュドーが人々の見上げる方向を目で追うと、神殿の通りに面したベランダに、夕方の風に桃色の髪をなびかせ、ハマーンが立っていた。
目を瞑り腰に手を当て何か考え事をしている様だった。瞑想する様にも見えるその姿は石造りの神殿と言う背景と相俟って偉大な女王の風格を湛えていた。
その余りの威容に仕事帰りの農家の人達が立ち止まり見とれていた。有難そうに拝んでいるお年寄りもいた。イーノが見上げて呟く。
「なんか、やっぱり凄い迫力あるなハマーンって、ジュドーがんばれよ!」
「何だよ!意味解んない事 言うなよ!イーノ!」
「いや、何か、濃い、凄く、綺麗だけど」
「誉めてんのか、貶してんのかも解んないよ」
揉める二人にハマーンは気が付いてベランダから声をかけた。
「ジュドー!風に当たったら気分が良くなった。今そっちに行く」
女王が消えると人だかりも消えてハマーンが現れた。
「ジュドー何か有ったのか?人が集まっていたようだが?」
「何でもない!それより、ハマーン熱下がったみたいだな」
「慣れない暖かさにのぼせてしまったようだ……いろいろな意味でな!……それにしても、ここの風はほんとうに気持ちが良い……」
「ハマーン!ジュドー!」
可愛らしい声が響くとルーと町を散歩していたミネバが戻って来た。ハマーンが駆け寄って荷物を引き受けて話しかける。
「ミネバ様!」
「ハマーン、ルーにアイスをいっぱい買って貰った。皆で食べよう」
「それは、それは、"ミネバ様の"お心使い有難うございます。それでは中へ!ミネバ様」
二人のやり取りを見たルーとイーノが目を合わせる。
「いろいろ直さないと駄目そうね。言葉使いとかさっ」
「それは、ジュドーが間に入って世間とのすり合わせするしかないよ。」


117 :ハマーン様専用アッガイ:04/07/02 02:24 ID:???
「そのつもりさ!ゆっくりやるよ!まあ、見ていてくれ。」
「それよりルー!アイス有難う。イーノ皆で頂こうぜ!」
「そうだな」
五人は、先程ブライト達と囲んだ円卓に着いた。神殿の人から食器を借りるとハマーンがアイスを分けた。五人分、アイスがそれぞれの前に並べられると皆一斉にスプーンを握り無言で食べ続けた。無言の理由は様々だった。
ジュドーとミネバはアイスが美味しいから夢中なだけだった。
ハマーンはこうしてまたミネバの世話が焼ける幸せに浸っていた。
ルーとイーノは何でこんな所で、元敵の王女、総帥と向かい合ってアイスなんか食べているのか不思議でしょうが無かった。
イーノが呟く。
「二日前には想像する事も出来なかったな!こんな事」
「私もハマーンにアイス奢るなんて夢にも思わなかったわよ!ミネバちゃんは全然オッケーなんだけどね!そうよ、……元敵でも、可愛い!可愛過ぎるわ!ミネバちゃん!」
ルーは暫くミネバを連れ歩く間にすっかり気入ってしまっていた。ハマーンとジュドーの間でアイスに夢中になりながらも、お行儀良くするミネバ、先程から視線が合うたびクリクリした目で微笑み返すミネバ、完全に心を奪われていた。
「もー、さらって私が育てようかしら!」
ルーが良からぬ事を考えたりしていると、慌てたモンドがロビーに飛び込んできて来て叫んだ。


118 :ハマーン様専用アッガイ:04/07/02 02:24 ID:???
「みんな!アイスなんか食ってる時間じゃないぞ!」
ルー、イーノも気が付いて時計を見て慌てる。
「あっ!大変だ!もう10分しか無い!」
「すぐに出発だ!」
「それじゃ!ジュドー元気で!」
突然の出来事に驚いたミネバが、ほっぺと鼻にアイスを付ける。
「それじゃ、みんなも元気で!」
別れの挨拶を言うジュドーの口の周りも、アイスでベタベタだった。
「 早く余計なのがいなくなって欲しい 」
それしか思っていないハマーンはルー達に背中を見せて挨拶もしない。
アイスを口の周りに付けたまま、仲良く並んで座るミネバとジュドー。
二人を子供の世話を焼くお母さんの様に丁寧にタオルで拭くハマーン。
可愛らしいすまし顔でミネバが拭かれている。
ジュドーは間抜けた顔で黙って拭かれている。
その光景を見せ付けられたルーは言い知れぬ怒りで動けなかった。
イーノとモンドはとっくにエレカに戻ったが、彼女は心の内をぶつけ無いでは去れなかった。
「ハマーン!独り占めはずるいわよ!どっちかよこしなさいよ!」
叫ぶルーに、ゆっくり振り返ったハマーンは一瞬だけ"全てを手に入れた者"の余裕の笑みを見せ、後は無視した。血が沸騰するルーに、外からエレカに乗ったモンドの声がかかる。
「 置いてくぞ、ルー!」
「 キッー!どっちか!もらいに戻って来るからね、ハマーン!」
「ルー!何に言ってんだよ!早くしないと間に合わないぞ!」
ジュドーの言葉でこの場の敗北を認め、最後に一言だけ言ってルーは去った。
「ミネバちゃんとジュドーは元気でね!サラサによろしく!」


119 :ハマーン様専用アッガイ:04/07/02 02:25 ID:???
みんなが去って、ムーンムーンに日が暮れた。
広いロビーに三人が、取り残された。
ハマーンがぽつりと言う。
「静かになったな…………ジュドー……」
席に着いたまま、みんなの消えた方を見つめながらジュドーは答える。
「急に静かになると…ちょっと寂しいかな、ハマーン」
「私は、ジュドーがいれば私は寂しくない」
ハマーンはジュドーにそう言うと、何やら改まってミネバを連れて彼の後ろに並んで立った。振り返ると頭を下げて言った。
「これから……ミネバ様と私……大変だと思うが、よろしく頼む。」
「ハマーンと私を可愛がって欲しいのだジュドー、よろしく頼む。」
ミネバも一緒にお辞儀して言った。
ジオンの亡霊も2人来てジュドーに頭を下げて願った。
「娘を、一生涯幸せにしてやってくれ……よろしく頼む……」
「娘を、立派な大人にしてやってくれ……よろしく頼む……」
ジュドーは、二人の後ろになにやら薄らと階級の高そうなジオンの軍人二人がそれぞれ立ち、自分に頭を下げる姿を見た。そして言葉を聞いた。でも、もう一度目をこすってよく見ると、それはもう見えなかった。
「何だよ、二人とも!堅苦しいのは止めてくれ、3人で暮らすの条件にブライトさんから許可もらえたんだから俺に頭下げるなんて筋違いだよ。御願いだから頭下げるの止めて!」
いつまでも頭を下げられて、困りはてるジュドー。
その両脇から二人が抱きつくと、ジュドーは左右の頬にキスを貰った。
そして、ジュドーは寄り添う2人に言った。
「これからは、三人で助け合って生きていこう!3人は家族だ!」
寄り添う二人をジュドーが抱きしめると、3人は家族になった。


120 :通常の名無しさんの3倍:04/07/02 19:54 ID:???
乙です
でも、リーナは〜?

121 :ハマーン様専用アッガイ:04/07/03 00:38 ID:???
すんません リーナはカナーリ 後から出します。
混ぜ様を思いつかないのでバックれました。
まだセイラとダカールに居ます。

122 :ハマーン様専用アッガイ:04/07/03 00:41 ID:???
ハマーンは一人、夜明けのベランダにいた。
戦闘艦の中では味わう事が出来なかった爽やかな朝の大気の中にいた。
眠るミネバとジュドーを起こさないように静かにベッドを抜け出して来た。
ハマーンはベランダに出て暖かなムーンムーンの朝を満喫した。
そして、もう一度ベッドサイドまで戻り、眠るミネバとジュドーにキスをする。
「…………………こんな可愛いお目付け役がいたのではしかたない…………………………ジュドー………………"タイミング良く"私を奪って…………」
二人にキスをして、眠るジュドーにそう告げると彼女は一人森へ散歩に出た。

昨晩は家族になった三人で同じベッドに寝た。
恨みはしないが、彼女はまだ約束の契りを果たして貰っていない。


123 :ハマーン様専用アッガイ:04/07/03 00:42 ID:???
子連れでジュドーの元に嫁いだのにハマーンは、まだ純潔の乙女のままだった。

神殿の前に広がる森の小道を抜ける、小道の両脇には樹齢の高い立派な木々が並び、このコロニー
の生態系が長い歴史を持っている事を彼女に告げる。その木々に触れながら彼女はゆっくり歩く、
少し開けた場所で立ち止まると彼女は目を瞑り、風の音と、鳥のさえずりを聞いた。昼間は暑い
ムーンムーンの気候も朝には返って爽やかさが際立った。彼女はコロニーにこれほどの自然が
再現されている事に感動した。そして朝霧の中、全身でそれを感じていた。ハマーンがその中に
愛しいものを感じたとき、ジュドーが彼女を後ろから抱いた。そして彼女の耳元でささやいた。
「お早うハマーン……"タイミング良く"来たぜ………」
「フフッ、聞いていたのか?……お早うジュドー……清々しい朝の空気を独り占めしようと思ってな!」
「そうか……俺にも分けてくれないか?」
ハマーンは自分を後ろから抱きしめるジュドーの手を握り耳元で唇を触れさせて喋る。


124 :ハマーン様専用アッガイ:04/07/03 00:43 ID:???
「フフッ、よかろう、今!約束を果たしてくれたらな……」
「!!…約束を今?…………えっ!ここでいいの?」
「まだ……夜は明けきっておらぬ……"今夜"の内だ!」
そう言うとハマーンは胸の膨らみにジュドーの手を誘導して、"返事"をした。
高鳴る鼓動と共に、薄らとしためまいを感じながら、覚悟を決めたジュドーが精一杯のアドリブを決め、
やや強引にハマーンの唇を奪った。
「こんな森で襲われ純潔を奪われる…我が身の不幸を呪うがいいハマーン…」
「ああ、ジュドー、この…俗物め………」
ジュドーは、羽織って来た赤いジャケットを柔らかそうな草の上に敷いて、"そっと" 彼女を押し倒した。
素直に押し倒されるハマーンの瞳は、情熱を深くに隠した藍紫に輝き彼を新しい世界に引き込む。
「ハマーン俺、初めてだからうまく出来るか、分からないぜ!」
「私も初めてだ…ジュドー我等ならうまく出来る…きっと…よろしく頼む…」
 ハマーンの考えは正しかった。モビルスーツの装甲越しにでも分かり合える二人が、裸で抱き合っている。
抱き合う二人のニュータイプは、なにも問題は無く結ばれる。お互いの気持ちはすぐさま相手に伝わり、
口に出さずともして欲しい事は全て互いに分り合えた。相手に与えた刺激が自分でも感じられる。
激情が瞬時に互いを往復してハレーションが起きた。彼女が登りつめるとジュドーも後を追った。
彼が身も心もハマーンに包まれて果てるとき、真っ白になる頭の中で不思議な光景を見た。


125 :ハマーン様専用アッガイ:04/07/03 00:44 ID:???
「?!……………………………………………………………」
それはジュドーを心の底から喜ばせてくれるものだったが、"終わった"その後にはそれを具体的には思い出す事は出来なかった。
唯、暖かい思いだけが心に残った。
まだ息も荒く、上気したハマーンの顔を明け切った朝の日差しが照らす。その光を反射する藍紫の瞳がジュドーを見つめる。
息を整えながら、ジュドーの腕の中で彼女が自嘲ぎみに言う。
「………ああ……ジュドー……やっと……我等は……しかし……森の中とはな……でも……良かったぞ……ジュドー……………」
「いつも機械に囲まれていたんだし、こんなのも良いと思うよ………ありがとうハマーン、とても良かった………」
ジュドーはかつて肉体に囚われるな!と、説いた相手の肉体に囚われた。男女の愛は心だけの物では無いと知った。"この状態"では
彼のふと思った事まで彼女に伝わる。彼が口にも出さない、思っただけのことにハマーンが答える。
「肉体が有るから…やれるのさ!……フフッ………思い知ったか?ジュドー」
「よーく解ったよ、ハマーンの肉体も大好きだ!」


126 :ハマーン様専用アッガイ:04/07/03 00:45 ID:???
ハマーンの肉体に溺れるジュドーだったが、溺れながらも気になってしかたがない、けれども思い出せない、その心で見た光景を彼女に聞いてみた。
「……でも不思議なんだ。二人で昇り詰めた瞬間、一瞬だけど何か何かが見えたんだ。それを………俺は、凄く嬉しかった、だけど思い出せないんだ!
……………確かに、素晴らしい何かなのに……………」
「そうか………まだ…………」
「えっ!ハマーンは知っているのか?」
「私が見せたのだ!」
「教えてくれ!」
「教えられない!」
「どうして?」
「見るチャンスは与える。努力してくれ。」
「…………。」
「早く、解れ!ジュドー……早いほどいい…………」
「………?」
「…………ところで今、気が付いたのだがここは………」
「あれ!しまった!ハマーンここは、その……正面の…ラサラだ……」
「そっ、そうか、それはマズイな…………次は何処でやればよいのか?…………ここ………気に入ったのだが……」
「なに?」
「なんでもない!」
ジュドーはハマーンの声が裏返るのを初めて聞いた。目が合った時から、"その気"だった二人は全てが終わるまで、
そこがラサラの墓前である事にすら気が付かなかった。墓前にとんでも無い"御供え"をしてしまった二人だった。


127 :ハマーン様専用アッガイ:04/07/03 00:48 ID:???
暫くして、二人が神殿のロビーに入ると、サラサとミネバが二人で朝食の準備をしていた。
ミネバもサラサからエプロンを借りて不慣れながらもけんめいに手伝っていた。
それを見たハマーンが慌てて言う。
「そのような事、私が致します。ミネバ様は座ってお待ち下さい。」
「ハマーン! 様付けは止めて!」
ミネバが強い口調できっぱり断る。
「しかし………」
口ごもるハマーンにジュドーも言う。
「家族で様付けは変だもんな、ミネバの言う事が正しいと思うよ」
「分かった、ジュドーがそう言うなら、そうする…」
「ハマーンどうしたのだ?何か変だぞ、具合が悪いのか?」
ハマーンの凛々しい部分が影を潜め、さっきからジュドーの腕を取って離さない態度を
奇妙に感じたミネバが心配する。そんなハマーンが言う。
「大丈夫、それより朝食にしましょう。ジュドーもここに座って…」
ハマーンがジュドーを席に着かせ、トーストの乗ったお皿をみんなの前に並べ終わると、
準備も全て終わって食事が始まった。何故か、ぎこちない手つきだった。
「ガシャ、カラン……あっ!…すまない!……」
ハマーンがジュドーのティーカップに紅茶を注ごうとするが手元を狂わせてポットを落とす。
紅茶がこぼれて、その上に漆器のフタが落ちて回った。ジュドーが素早くポットを立て直し
たので、少ししかこぼれなかったが彼女は動揺した。


128 :ハマーン様専用アッガイ:04/07/03 00:49 ID:???
「私は…もう少し部屋で休ませて貰う事にする。」
そう言うと、ハマーンはコップの水を一口だけ飲んで部屋に戻って行った。
ミネバがジュドーを睨み、少しキツイ口調で問う。
「ジュドー!ハマーンに何かしたのか?」
「えっ、いやっ、そのっ、あのっ、……」
真実を追究するようなミネバのつぶらな瞳に見据えられ、固まるジュドー。
サラサはジュドーを助けるようにミネバに言う。
「ジュドーさんはハマーンさんを虐めたりはしません。むしろ逆なのです。これは、とてもよい事なのですよ。また少し、
ジュドーさんとハマーンさんの絆が深まったのですよ、ミネバさん。」
それを聞いてミネバの表情が元に戻る。
「そうなのか?サラサ……ジュドー疑って済まなかった。」
「何を疑ったの?どうしたの?」
「さっき……ハマーンの叫び声が私に飛び込んで来たのだ!ハマーンの近くにジュドーも感じたからてっきり私は……」


129 :ハマーン様専用アッガイ:04/07/03 00:49 ID:???
焦りまくるジュドーは唾を飲んで聞き返す。サラサは黙って微笑みながら見ている。
「ゴクッ!てっきり何!?」
「ジュドーがハマーンを虐めたと思ったのだ。……疑ってごめんなさい。」
「ホッ!いや、いいんだよ!分かってくれれば…さあ朝食にしようかバター取ってくれる?ミネバ」
「ハイ!どうぞジュドー!」
「ありがとう。」
スクランブルエッグを小さな口に運びながらミネバが感じたままを言う。
サラサは黙って微笑みながら見ている。
「ジュドーがハマーンを虐める訳ないのだ 悲しそうじゃ無かったもの!」
「えっ……何が悲しそうじゃ無いって?」
「ハマーンの叫び…大きな叫びだった…驚いたのだ…でもあの感じは…むしろ、歓こ……」


130 :ハマーン様専用アッガイ:04/07/03 00:50 ID:???
「えっ!ガシャン!……あっ!…ゴメン!……」
ジュドーはティーカップを受け皿の上に落とした。サラサは黙って微笑みながら見ている。
「大丈夫かジュドー?ハマーンとも一体どうしたと言うのだ?」
「ははっ、何でもないよ!ト、トースト、もっ、もう一枚、もらおうかな。」
味も分からぬ状況で朝食を終えたジュドーは、階段を上がり、廊下を歩きながら思った。
「間違い無い!サラサとミネバは同じ種類の人間だ、隠し事は出来ない。これは気を付け
ないと…………しかし…………夜明けに起きて…………してしまったし……凄く良かった
けど……眠いな……なんでこんなに……眠いのか……俺も休もう…何か…朝からハード過ぎるな……」
部屋に戻ると、大あくびをしたジュドーは、昨晩三人で寝たベッドの前まで来て、背中には草の、
内側にはハマーンの肌の香りが染み付いたジャケットをベッドサイドのハンガーに掛けた。そして、
既に寝息を立てているハマーンの横に潜り込んだ。
「お休みハマーン…朝だけど…」
小さな声で挨拶すると二人そろって昼まで寝た。


104 KB
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

>>1>>1>>1>>1>>1>>1>>1
>>1★スマホ版★ 掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50

read.cgi ver 05.04.00 2017/10/04 Walang Kapalit ★
FOX ★ DSO(Dynamic Shared Object)