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【漫画】創作ストーリースレへようこそpart14【SS】

1 :作者の都合により名無しです:04/05/12 23:05 ID:FHIyCnAx
「バキ死刑囚編」ネタから始まったこのスレ。
現在はバキや男塾、JOJOなど漫画ネタ全般を扱うSS総合スレになっています。
色々なキャラクターの新しい話を、みんなで創り上げていきませんか?

◇◇◇新しいネタ・SS職人は随時募集中!!◇◇◇
SS職人さんは大歓迎です。
普段想像しているものを、思う存分表現してください。

前スレ
【総合】漫画SSスレへいらっしゃいpart13【SS】
http://comic4.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1079281359/
まとめサイト  
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/index.htm

2 :作者の都合により名無しです:04/05/12 23:08 ID:DUz/DTUl
2


3 :作者の都合により名無しです:04/05/12 23:08 ID:ee+5ivcn
ついに2get!

4 :作者の都合により名無しです:04/05/12 23:10 ID:ee+5ivcn
2とか馬鹿じゃねえの
なんでそんな意味無いことしてんだよ

5 :現在連載中の長編作品:04/05/12 23:44 ID:ZbLmPC1M
■ドラえもんの麻雀教室(ドラえもん他) VSさん

■ドラえもん のび太の地底出来杉帝国 
(大長編ドラえもん他) うみにんさん

■DIOの世界(ジョジョ) 殺助さん

■2・15の夜(男塾) ○さん

■バキの奇妙な物語(バキ他) 世界さん

■転生(ダイの大冒険他) 転生(◆KOjwvN52Y2)さん

■4×5(ジョジョ) ◆jxmVRmKxVcさん

■他短編多数

抜けてるのあったら補完よろ。
次からこういうの1に貼った方がよくない?
何が読めるのか一目でわかるし。

6 :作者の都合により名無しです:04/05/13 01:09 ID:iN817LxC
もう一回評価キボンヌ。
http://minatuki38.hp.infoseek.co.jp/sinsengumi.htm
http://minatuki38.hp.infoseek.co.jp/sinsengumi2.html
http://minatuki38.hp.infoseek.co.jp/sinsengumi3.html
http://minatuki38.hp.infoseek.co.jp/sinsengumi4.html
http://minatuki38.hp.infoseek.co.jp/sinsengumi5.html
ちなみに漏れのサイトの小説で元ネタはピスメだ。
しかし、鈴は出てこないし、ドリーム小説とかでもないのでご安心を。

7 :ふら〜り:04/05/13 10:37 ID:SDquJyv7
>>1さん
おつ華麗様です。このスレタイもなかなか、間口広そうで良いかと。

>>うみにんさん
「ジャム太郎」
おじいさん&おばあさん、殺伐ってますな。にしても鬼と戦う為に生み出された英雄、とか言うと
アンパンマンがエラくかっこいいですが、手紙とその反応を見る限り、肝心の鬼が忘れられているような。
「出木杉帝国」
いやはや。今回はゾクゾクし通しでしたよ。リルルとのやりとりにしても、「え。もしかして実は敵?」
とか思ってしまいましたが、
>あの恐ろしい“パーマン”
>焼け焦げ倒れ伏すドラえもんの姿
この辺も、それぞれ違う意味でゾクゾクというか、ヒヤリというか。そんな気分になりました。
この調子で、児童方面の作品のキャラたちが出てくるとなると……次は何が来るのか? 話の展開
ともども、その辺も楽しみです♪

>>殺助さん
お久しぶりです! 正直、もう読めないのかと思ったりもしたので、嬉しいですっっ!
今回は、拷問(と言っていいものやら?)のシーンよりも、ラスト四行が重いですね。ここまで
極まってるガイルが、「更に上」を認めている。「主人」と呼んで、様づけまでして。二人の出会い
と、その後ガイルが「主人」と認めるに到る経緯。DIOの帝王っぷりに期待です。

>>6さん
「会話文が減ってる」とのことですが、別に気にはなりませんよ。これぐらいでもいいかと。
欲を言えば、もっとオリジナル要素が欲しい気がします。極端な話、義経とか沖田とかが
性転換してる作品があるでしょう? あそこまでいかずとも、ああいう方向性は好きなので。

8 :作者の都合により名無しです:04/05/13 17:18 ID:Qnb6fAUo
>>6
会話文は逆に多く感じました。特に序盤。
SSではなくある程度の長編を考えているのならば、
時代背景とかの説明をもう少し入れた方がいいかと。

>>5
そういえば世界さん来ませんねえ…


9 :ぽん:04/05/14 01:32 ID:Ed0dJqLR
こんばんは。
調子に乗ってまた捻り出してみました。
少年漫画というカテゴリがどこまで含まれるか分からなかったので
とりあえずナルトで作ってみました。
サスケが里をでるあたりの心情を妄想です。

動きもせりふも無くてすんません。
もっと日本語も修行します・・・

10 :ぽん:04/05/14 01:34 ID:Ed0dJqLR
うちはサスケはうずまきナルトが心底嫌いである。
あの軽い性格、負けず劣らず軽い頭、そして見事なまでの落ちこぼれぶり。
どれを取ってもサスケの嫌いな要素を兼ね備えている。
そしてなによりも。
奴の腹の中にはアレがいるから、なのである。

四代目とアレの闘いの話なら知らないものなど里に居ない。
サスケも物心付いたときから当たり前のように聞かされている。
里に大打撃を与え四代目までも葬り去ったモノ。
その禍々しいモノを腹に封じ込められた赤ん坊。
それ故里の人間たちに忌み嫌われた孤独な少年。
だからこそ。
幼いサスケは奴に会ってみたいと思ったのだ。
何故ならサスケの身体にもまた禍々しいモノが備わっていたからである。

あの時から……イタチがあの事件を起こしてから、
サスケは兄を憎み、そして己に流れている禍々しい血を呪った。
この里で唯一人、あの男と同質の血が流れる己の身体を呪った。
里で最も忌むべき存在は自分だと思った。
しかし、その時サスケは気が付いたのである。
木の葉にはもう一人、禍々しい存在がいることに。

11 :ぽん:04/05/14 01:35 ID:Ed0dJqLR
会ってみたい、とサスケは思った。
生まれながらに強大な災いを背負わされた少年は
いったいどのように生きてきたのだろう。
自分のように捻じ曲がっているだろうか。屈折しているだろうか。
しかし、アカデミーでサスケは失望した。
呪われた少年が、あまりにも「真っ直ぐ」だったからである。

(サクラちゃん!! オレの話聞いてくれってばよ!)
何故人を好きになることが出来る。
(あのさ! オレさ、オレさ、)
何故笑うことなど出来る。
(大丈夫だってばよ!)
何故、人を気遣うことなど出来る。
……あれだけ人に忌み嫌われて。
彼は屈折していないのだろうか。
捻じれていないのだろうか。
苦しんでは、いないのだろうか。
きっと、とサスケは思った。
奴は頭が軽いのだ。馬鹿だから自分の状況を分かっていないに違いない、と。

ナルトと自分は光と影だとか。
実は自分は羨ましいのだとか。
そんなことは考えたくも無かった。
それから、サスケはナルトを相手にしないことにした。
それでサスケは安心した。
例え、影は光に焦がれるモノだと分かっていても。

12 :ぽん:04/05/14 01:37 ID:Ed0dJqLR
そして。
いつの間にか奴の周りには人が溢れるようになった。
みんな笑顔だった。楽しそうだった。
皆サスケにも話しかけてきたが素直に笑えなかった。

それでも、サスケはまだ自分を保てた。
奴が落ちこぼれの役立たずだったからである。
あの事件のときに何も出来なかった自分が
エリート呼ばわりされるとは笑ってしまうけれど、
忍術を磨くのは敵討ちの為だけれど、
それでもサスケの忍術はナルトと違い里に貢献した。
同じ禍々しい存在でも奴と違ってサスケには里での存在意義が有った。

はず、だったのだが。
いつしかサスケは成長の壁にぶち当たった。
あれだけ必死に修行してもイタチに適わなかった。
一方奴は物凄い速度で成長し続けた。
奴には、壁など無かった。
……サスケは、里での存在意義を失った。

そうして、うちはサスケは木の葉の里を出奔した。

13 :作者の都合により名無しです:04/05/14 03:05 ID:D9GgpcsR
乙。
ぽんさんは心の内面を書くSSが得意のようですね。

14 :作者の都合により名無しです:04/05/14 05:36 ID:KZM4LfDf
乙〜

15 :作者の都合により名無しです:04/05/14 10:38 ID:BbUMrWAB
ナルトなんて漫画知らん。
もっとちゃんと考えて書け馬鹿野郎。氏ねよ。

16 :夜王:04/05/14 13:11 ID:dSPFbj5Q
>>1
新スレ乙。
私もそろそろ復活します。


17 :ぽん:04/05/14 14:21 ID:q/YSxlcw
すみません。
このスレの許容範囲が分からなかったので
とりあえずジャンプ辺りの人気が有りそうなものにしたつもりだったのですが・・・。
まあ自分も雑誌で一回読んだきりですので細かいところは忘れましたけれど。

スレの空気読めなかったみたいですんませんでした。
以後大人しくさせて頂きます。

18 :作者の都合により名無しです:04/05/14 14:48 ID:xWP7sbyA
ただの荒し相手にしおらしいな
>スレの空気
空気といってもスレの方向性を代表してるって意味の空気じゃないな
空気みたいにスルーすべきって意味での空気だよw

19 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国:04/05/14 18:40 ID:D4++S9oK
新スレ乙です。他の方に習ってあらすじ等書いてみました。
バレ様、保管庫のアドレス貼らせていただきます。訂正ありがとうございます。

前回までの話はこちらの保管庫からご覧下さい。(出木杉帝国その1〜その9まで)
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-long/index.htm

☆これまでのあらすじ

未来世界。のび太としずかの結婚式の夜、出木杉が豹変する。

舞台は現代、のび太たちの世界。
不穏な動きを見せる地底の竜人世界を調べるべく意を決して乗り込むドラ一行。
そこで彼らが見た驚くべき光景とは・・・!?

いつものメンバーに天才・出木杉が加わって今回の冒険は安心だ!
と思いきやジャイアンの暴走により一行は窮地に陥る。
地底帝国の巨大な戦力の前に分散して逃げることを余儀なくされた一行。

のび太の窮地を救ったのはメカトピアにいるはずの少女リルルであった。
出木杉としずかは潜伏していた竜騎士バンホー率いる反乱軍に救われ、
参謀として反乱軍に参加。バンホーと共に打倒帝国に立ちあがる。
ジャイアンとスネオは逃げ込んだ森の中で伝説の英雄に遭遇する。
しかし、戦闘機に撃墜されて落下していった頼みの綱のドラえもんは・・・
帝国のボス、ロード・キスギーのもと、とらわれの身となってしまった!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

うーん。自分で書くとなんか気恥ずかしいですが、あらすじはこんなもんかな。
では続きを・・・

20 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・41:04/05/14 18:41 ID:D4++S9oK
気ががつけばすっかり夜は明けてしまっていた。
かなりぐっすり寝込んでいたらしく体の疲れはすっかりとれてしまっている。
太陽の眩しさに思わず目を細める。いや、太陽ではない。
地底世界特有の光りゴケ。しかし、その光量は太陽と変わらない。

ふと、隣を見やれば・・・一緒に眠っていたはずのリルルがいない。
「あれ?リルル・・・!リルルは!?」
辺りをざっとを見渡す。が、やはりいない。
「どこへいったんだろ。」

「ザンダクロス。ちょっと僕を乗せて上のほうを旋回してくれないか?」
ザンダクロスの肩に乗って空高く舞いあがり改めて辺りを見渡す。
ザンダクロスはここにいる。一人でそう遠くには行ってないと思うがリルルのことだ。
「わりとムチャする子だからなぁ。」
心配しながら、もう少し遠くも探してみようとザンダクロスに頼もうとしたその時・・・

「キャアー・・・!」
リルルの悲鳴。少し離れた森の中だ!
続いてなにか光線銃を撃つような音。敵・・・!?

「大変だ!あいつらの軍隊かもしれない!ザンダクロス!
急いで森に向かってくれ!!」

悲鳴の聞こえた辺りに行ってみると・・・
森の中、逃げ惑うリルルの姿。木々が邪魔して上手く飛べないらしい。
指先からめちゃくちゃにビームを乱発している。

「ジュドー!のび太さん!助けて・・・!おっきなトカゲが!!」

21 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・42:04/05/14 18:42 ID:D4++S9oK
「トカゲ!? ・・・違う!恐竜だ!」
リルルを襲っているもの。それをようやく視界に捕らえたのび太が叫ぶ!

らんらんと凶暴な眼をギラつかせ迫り来る恐竜は3匹。他にもまだ、どこかに
潜んでいるのかもしれないが、まずはこの3匹をなんとかしなければならない。
ティラノサウルスなどに比べればそれほど巨大ではないが、おそらく俊敏で獰猛。
かつ頭の良い、もっともやっかいな類の恐竜だろう。

その推測を裏付けるがごとくリルルが叫ぶ!
「動きが早過ぎてビームが全然当たらないの!
 ・・・ジュドー!砲撃して!!」
その声に応えて不気味に目を光らせ砲撃を開始しようとするザンダクロス。

「ま、まま、待ってザンダクロス!こんな森の中を砲撃したら森が燃えちゃうよ。」
その声に発射しかかった砲撃をとりやめるザンダクロス。
「それに殺しちゃうのはあんまりだ。」
「でも・・・。このままじゃやられちゃうわ。」

「ここは僕にまかせて!」
リルルを後ろ手にかばい、突然、自信に満ち溢れた勇ましい顔になるのび太。
その思わぬ凛々しい横顔に少しドキリとするリルル。

のび太は集中し3匹の恐竜を見据える。
じっと様子を伺っていた恐竜たちがしびれをきらしたように襲い掛かってくる!
俊敏なのは予想していた。が、3匹の俊敏さは想像を大きく超えていた・・・。
立ちはだかるのび太に一瞬で迫り、その肉に食らいつこうと大きく口を開く・・・!

「のび太さん!!」
一瞬の出来事に思わず叫ぶリルル!

22 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・43:04/05/14 18:43 ID:D4++S9oK
その凶暴な牙がのび太の四肢を・・・喉笛を食らわんとする、
まさに刹那の瞬間・・・3匹の竜は・・・ ドサリ・・・!
まるで電池の切れたおもちゃのようにその場に倒れ伏した・・・!

唖然とするリルル。何が起こったのか瞬時には理解できない。

「な?大丈夫だっただろ、リルル!どんなもんだい!」
会心の笑顔。その両手には2丁のショックガン!それぞれ両手で器用に
クルクルと回しながらホルスター代わりのポケットにそれをおさめる。
そのかっこよさはいつものドジでおっとりしたのび太とはまるで別人である。

「・・・す、凄いわ!のび太くん・・・」
目を見開き、ポカンと口をあけて・・・・
初めて見るのび太の勇姿に驚くリルル。無理もない。
あまりにも別人すぎる。

「へへへ・・・。昔からあやとりと射撃だけは誰にも負けたことないんだ。
宇宙の果ての凄腕のガンマンに勝ったことだってあるんだぞ!」

「そうだ。リルルにもひとつあげるよ。
ドラえもんの秘密道具をみんなで分けていくつか持ってるんだけど・・・
僕は射撃が得意だからショックガンを多めにもらっておいたんだ。」
「でも私、指先に仕込んだレーザーしか使ったことないから・・・。」

それを聞いたのび太。唐突に思いつきを口にする。
「じゃあ、僕がコツだけ教えてあげるよ!
さっきの場所に戻ろう!秘密道具を入れた袋もそこにあるし。
なあに。片手撃ちは難しいと思うけど、両手撃ちならそんなに難しくないから。
たぶん指から撃つよりは命中度が上がると思うよ。」

23 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・44:04/05/14 18:44 ID:D4++S9oK
「そうね。これからも危険が待ってるのなら・・・教わっておいた方がいいかもね。
・・・・うん!私、やってみるわ。 でも・・・ちょっと待って・・・。」
そう言いながら森の少し奥の方でなにかを探すリルル。そして・・・
「あった。あったわ。」
大きな袋を抱えて戻ってくる。袋の中を覗けば木の実や果物がギッシリと・・・!

「これは・・・?」
「のび太くん疲れてよく眠ってたから、起きるまで待ってたんだけど・・・
その間に食料を探しておこうと思って・・・人間だからおなか減ってるでしょ?」
「・・・そうだったのか。それで一人で森へ・・・。ありがとう、リルル。
でも、もう一人でムチャしちゃダメだよ。」
「うん。ありがとう。恐竜も殺さなかったし・・・優しいのね。のび太さんって。」
ボッ・・・! またまた火のついたように赤くなって照れるのび太。
リルルと再会してからというものこれで何度目だろうか。

そして・・・元いた安全な場所に戻り・・・朝食兼昼食をとりながらの射撃の練習。
二人ともちゃっかりホルスターを装備していっぱしのガンマン風の恰好である。
すっかり射撃特訓に夢中になっていく二人。
なにやらいつのまにかみんなの救出も忘れて・・・そして・・・・

辺りはすっかり朱に染まり・・・

遠くに置かれた小石に見事にショックガンが命中する。
「やったわ!もう10回に9回は命中するようになったわ!」
「うふふ。ありがとうね。・・・のび太“先生”!」
「せ・・・先生?先生だなんて・・・。照れちゃうじゃないか!リルルったら・・。」
「うふふふふふ・・・・」
楽しげに笑い合う二人。のび太はすっかりデレデレしている。

しかし、二人とも明らかに大事なことを忘れている。
二人がそれに気付いたのはもう少ししてからのことであった。

24 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・45:04/05/14 18:51 ID:D4++S9oK
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…・

行方のわからなくなった仲間達の捜索。
そんな大事なことをすっかり忘れている。

ようやくそのことに気付いた瞬間、髪の毛が爆発するほど焦るのび太。当然だ。
「ハッ!? もう夕方!? 一刻も早くみんなを見つけ出して・・・
打開策を見つけなくちゃいけないのに・・・!」
「わたしも・・・つい楽しくて、すっかり忘れちゃってたわ。ごめんなさい・・・。
どうする?今日は夜中まで探索して見る?」
「うーん。暗くなったらちょっと無理かも。仕方ないから今日は
もう二度とこんなことのないように明日の計画を練って休もう。」

結局、すぐに日が落ち暗くなり・・・探索は不可能になった。
元々、あてのない捜索。敵の軍隊との接触を避け、リスクを避け・・・
今日一日を半ばお遊びじみた射撃特訓に費やしてしまい、まともに捜索でき
なかったわけだが、どちらにしてもこのままでは進展があるとも思えない。やはり、
リスクを冒してでも、もっと敵陣営に深く切り込む必要があるのかもしれない。
リルルはそんなことを考えながら隣にいるのび太を見やる。

昨日はリルルの寝姿にドキドキして中々眠れなかったのび太だが、得意の
ガンアクションで心地よく疲れた今日はリルルより先に眠ってしまっている。
充電中のショックガンの横で、満足そうな笑みを浮かべ眠るのび太。

25 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・46:04/05/14 19:02 ID:D4++S9oK
夜もふけ光りゴケが完全に最後の光をも失いかけている。地底世界の光の源。
光りゴケは、地上の太陽の昇り降りと同じサイクルで光の供給を調節している。
太陽の光の届かないこの地底世界の昼と夜は天井に隙間なくびっしりと生えた、
この光ゴケによってもたらされているのだ。

その薄明かりに、のび太の寝顔を見つめ独りごちるリルル。
「どうしよう。なんだか胸がドキドキして・・眠れないわ・・・。
・・・どこか・・・故障したのかしら・・・?」

そして辺りが完全に闇に沈んだころ・・・
リルルはようやく眠りについたらしい・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

地上世界。

ガタリ・・・! 誰もいないはずの、のび太の部屋。
なのに突然開いたのび太の机の引出し。

ニュッ!中からまん丸いなにかが飛び出してくる。
手?そしてそれに続いてもっと丸くて大きな頭と胴体。
のび太の部屋にやってきたのは・・・

ドラえもんに似た姿恰好。同じようにずんぐりしてはいるがしかし、
その雰囲気・イメージは全然違う。頭にはチェック模様のリボンのような飾り。
耳カバーだろうか。ポケットの柄もも白の無地ではなくも可愛らしいチェック模様。

26 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・47:04/05/14 19:10 ID:D4++S9oK
そう。のび太の部屋にやってきたのは、ドラえもんの妹。
22世紀の猫型ロボット、ドラミちゃんであった。

まん丸くて大きな頭とずんぐりした胴体。
こんな表現だけでは、ドラミちゃんに失礼かもしれないのでフォローを
入れておこう。ドラミちゃんはドラえもんと同じ22世紀の猫型ロボット。
ドラえもんと同じような体型ではあるがよくタヌキと間違えられる兄の
ドラえもんと違って実に少女的なイメージの可愛らしいロボットである。
持っている秘密道具も兄の安物より良いものをたくさん持っているのだが、
なによりドラミちゃん本人が兄よりもかなりのしっかり者で、なおかつ
数段性能がいいときている。兄の威厳もへったくれもない。

誰もいないはずの二階の物音に気付いたのび太の母、
タマ子が部屋を覗き込み、いぶかしげに声をかける。

「のび太?帰ってきてるの?」

「お久しぶりです。タマ子さん。ドラミです。」
「まぁ〜♪ ドラミちゃんお久しぶり。元気だった?」
礼儀正しくあいさつするドラミ。
久しぶりに会ったタマ子が嬉しそうに声を弾ませる。こういう礼儀正しくて
しっかりものの女の子は大抵、どこの家のお母さん方にも評判がいいものである。
子供が男の子しかいない母親にとってはなおさらであろう。
タマ子もその例にもれずドラミにはまるで自分の娘であるかのように
かなり好感を抱いていたりする。

「兄に用事があって来たんですけど・・・お兄ちゃん今います?」

27 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・48:04/05/14 19:15 ID:D4++S9oK
「いないのよ。それが。ごめんなさいねぇ。うちののび太が
突然、みんなと調べものしたいからキャンプに行くなんて言い出して・・・
それでドラちゃんもいっしょについてっちゃったのよ。
ちょうど夏休みに入ったばかりだったし、ドラちゃんもついてるし・・・
今回はお勉強だっていうから行かせてあげたんだけど・・・。
まだ戻って来ないのよ。行き先もわからないから心配で心配で・・・。」

「わかりました。私も兄に用事があるのでしばらく探して見ますわ。
見つかったらすぐにその旨伝えて連絡さしあげます。」
「まあ、ありがとう。でも、本当に申し訳ないわ。」
「いえ、こちらこそ兄がお世話になりっぱなしで・・・。」

挨拶を終え、笑顔でタマ子が1階へと、降りていく。

のび太の部屋で一人になったドラミが不安そうに呟く。
「虫の知らせアラームが鳴ったから心配で来てみたんだけど・・・
またなにか大変な事に巻き込まれてるのかしら・・・。思い過ごし
だったらいいんだけど・・・。・・・あら?あれはなにかしら・・。」

押し入れからなにやら布切れがはみ出ている。
引き出して見ればそれは・・・
ヘタクソな字で『しずちゃん防衛血盟軍』と書かれたハチマキ。
そして・・・その奥には数百枚にも及ぶ写真の山・・・!
「これは・・・!?・・・地底世界・・・竜人・・・多奈川・・?
なんだかよくわからないけどやっぱりなにかに巻き込まれてるようね。」

ドラミは大きくため息をつくと・・・
ドラえもんの居場所を突き止めるべくその場で写真を分析し始めた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

28 :うみにん:04/05/14 19:29 ID:D4++S9oK
更新終了です。また一気に投下してしまった。
あー、なんかのび太とリルルがバカップルみたいになってるなー。w
まぁ、この二人のバカップルぶりは多分これで最後(の予定)なので
我慢してあげてください。先のことなのでまだわかんないですけど。

29 :作者の都合により名無しです:04/05/14 20:46 ID:D9GgpcsR
>うみにんさん
 大量更新乙かれ様。確かにバカップルだ。。。

>ぽんさん
大人しくなる必要はないですよ。
ああいう荒らしは付き物ですし。

30 :作者の都合により名無しです:04/05/15 00:55 ID:koltPbwR
15じゃないけど、ナルトとかハンターとかはこのスレでは場違いだと思う。
ドラとかの大衆モノや、男塾やバキの硬派モノに比べると、どうしても腐女子臭が出てくる。ってか出てる。

31 :作者の都合により名無しです:04/05/15 01:08 ID:mHY604VO
>>30
なるとは何かここのSSの題材になってる他の漫画とは違うような気がしてたが
それか!!>腐女子
でも一応漫画ネタ全般を扱うSS総合だからええんとちゃう?

32 :作者の都合により名無しです:04/05/15 01:18 ID:rOi0ao/a
元がバキから始まったからねえ・・漢臭いほうが受けるのかも。
個人的には全然OKだけど。



33 :作者の都合により名無しです:04/05/15 02:24 ID:b1Reth6o
こち亀+パトレイバー+逮捕しちゃうぞで警察ものはどうよ?

34 :真・マンコ:04/05/15 12:43 ID:JfFHKQGI
現代の若者の性についてのSSを書きたいと思っています。
もちろん漫画のキャラを利用して。
よろしいでしょうか?

35 :作者の都合により名無しです:04/05/15 15:47 ID:rOi0ao/a
エロパロ板の方がいいんじゃないの?

36 :作者の都合により名無しです:04/05/15 17:15 ID:8hstUUD8
>>17
ぽんさんがんがれよ。期待してる。うみにんさんいつもお疲れ様。
何書いてもいいと思うけどな。ヤムチャ主役とやおい以外。

37 :作者の都合により名無しです:04/05/15 17:21 ID:JoUI5JAg
ぽんさんがんがれよ。期待してる。うみにんさんいつもご苦労様w
何書いてもいいと思うけどな。ナルトとかハンターとかワンピ以外。

38 :作者の都合により名無しです:04/05/15 23:28 ID:tC4UhA+n
世界さんは忘れた頃に(失礼)復活してくれると思う。

39 :作者の都合により名無しです:04/05/16 00:15 ID:nLKvM64T
作者さん降臨期待あげ

VSさんや世界さん来なくなったなあ
サイトではパオさんも来なくなった。かなしい


40 ::04/05/16 00:57 ID:eTxw6TFJ
すいません。
文章を少し修正しましたので、また一からアップします。

41 :2.15の夜:04/05/16 00:59 ID:eTxw6TFJ
>>http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-long/index.htm
あらすじ:教官を殺害して男塾を飛び出した伊達は、謎の男、雷電と出会う。
  雷電が東京豪学連の参謀長であることを知った伊達は、その本拠地へ行く事にした。

―夢―

 少年時代の伊達が闘っている。
 向かってくる少年達を片端から殴り倒し、怯んだ所を更に張り倒す。
傍にあった石を掴み、倒れた相手の頭部に叩きつける。動かなくなるまで、何度も。
 ――勝たなければ餓死――
 極限の飢えのため、伊達の心は獣となっていた。
完全に動かなくなるのを待って、相手の懐から食料を奪い、噛り付く。次第に飢えが満たされる。
 同時に、己の心に人間としての正常な感覚が戻ってくる。
 『殺人』『強奪』こみ上げる嘔吐感を必死で抑える。
 その時、自分が殺した少年と目が合う。少年の顔が、飛燕の顔へと変わる。
 驚く伊達。周囲を見る。
 周囲にいたはずの少年が皆、飛燕の姿となり、自分を見ていた。
………
……
「駅についたでござる」
 雷電に揺さぶられて、伊達は目を覚ました。
 どうも、うたた寝をしていたようだ。
(チッ…また夢に見たか)

―2章―

42 :2.15の夜:04/05/16 00:59 ID:eTxw6TFJ
 九段下・靖国神社――
 先の闘いから四時間後。
 地下鉄で「九段下」駅を出た伊達臣人と雷電の二人は、駅前の靖国通りを歩いていた。
 視界の先には、夜空に混じり靖国神社の大鳥居が見えている。

 靖国神社。明治二年に明治天皇の命により建立。戊辰戦争から大東亜戦争までの、国内外の
戦乱に殉じた日本の軍人、いわゆる国に尽くした英霊が祀られた神社である。
 伊達自身は神仏は信じてはいない。しかし靖国神社の参拝は男塾の月間行事であったので、
何度か来たことはあった。
 靖国神社の大鳥居をくぐり、雷電はそのまま正門へと歩いていく。
「おい、どこへ連れて行く気だ?」
 伊達は雷電に問いかけた。
 雷電は歩みを止め、伊達の方を振り向いた。
「この先に、我が豪学連の拠点があるのでござる」

43 :2.15の夜:04/05/16 01:00 ID:eTxw6TFJ
「どういう事だ? まさか、靖国神社が豪学連の本拠地だというんじゃないだろうな」 
 この疑問は当然である。
 伊達は何度かここを訪れているが、靖国神社の敷地内に荒くれ者の拠点となるような場所など
どこにもない。仮にそんなものを作ったとしても、すぐ警察が撤去してしまうだろう。
 しかし雷電は伊達の疑問に答えず、先へ進む事を促した。
「口で話した所で信じられぬであろう。着けば説明いたし申す」
 それだけ言って、雷電は再び歩き始めた。伊達も不承不承ながらついて行く。

 数分も歩くと、神社の正門へ辿り着いた。
 門は固く閉ざされている。当然である。既に時間は午後9時を回っている。
 正門の前で雷電は歩みを止め、後ろの伊達に告げた。
「着いたでござる」

44 ::04/05/16 01:00 ID:eTxw6TFJ
続きは明日。

45 :作者の都合により名無しです:04/05/16 01:37 ID:ge0TjB3l
乙。
だけど、単なる書き直しってのは悲しすぎる。
明日に期待々々。

46 :作者の都合により名無しです:04/05/16 08:33 ID:gtRHkPW+


47 :作者の都合により名無しです:04/05/16 11:39 ID:aLdGRONh
漫画でよく首斬られる敵とかいるけど、痛かったんだろうなぁ・・


http://dolby.dyndns.org/foo/



48 :ふら〜り:04/05/16 12:59 ID:5ICrIXxy
VSさんは何だか、豪華に復活して下さりそうなので期待。
世界さんも多分、また充電期間を置いたら、が〜っと書いて下さると期待。
○さんや殺助さんも書くと予告して下さってますし。うみにんさんやぽんさんもおられますし。
……となるとやはり。パオさ〜ん! まだでしょうかぁ〜っっ!

>>ぽんさん
今回のは詩的、ポエムちっくですね。前回のブルマのもそうでしたが、一人語りの自分語りで、
隅々まで自分一人の心の中だけで、でもその中でちゃんと話の展開がある。感性&技術、お見事です。
この調子でどんどん、いろんな作品に挑戦していって下さい!

>>うみにんさん
……のび太がこんなに、いいことずくめでいいのかと、不安になるやら腹立つ(?)やら。のび太の
くせに。どうしても急転直下を期待してしまう私は邪悪なのでしょうか。にしてもリルル、純粋に
味方っぽいですね。これは素直にホッとしてたりします。

>>真・マンコさん
>>35さんも言われてますが、板違いにならない範囲でしたら、ぜひここで
お願いします。

49 :作者の都合により名無しです:04/05/16 16:54 ID:L+IHacg4
>>48
相変わらず荒らしにレスしてんじゃねーよ!
「持ち前の人の良さからついつい荒らしにも優しい言葉をかけてしまう純朴コテハン」
をあくまで演じたいのは分かるが、いい加減ウザいんだよ!
分別のつかないキチガイが!

50 :作者の都合により名無しです:04/05/16 17:19 ID:ge0TjB3l
           、
           ζ  ,
           _ ノ
        ( (   (. )
       . -‐ ) ‐- .
.      ´,.::::;;:... . . _  `.
      i ヾ<:;_ 毒_,.ン |
  _   l      ̄...:;:彡|  まあまあ、
,.'´  `ヽ}  . . ...::::;:;;;;;彡{   お茶でも飲んでマターリと♪
i  从V从   . . ...:::;;;;;彡|  
| l ゚ ヮ゚ノ|   . .....:::;::;:;;;;彡{
レつ iYi!!つ    . .:.::;:;;;彡j
 く/_|〉  ト ,  . ..,:;:;:=:彳
  し'ノ   ヽ、.. ....::::;;;ジ

51 :2.15の夜:04/05/16 20:24 ID:pIHgo58C
>>43


「着いたはいいが、どうやって中に入るつもりだ。インターホンでもあるのか?」
「その必要はござらぬ」
 伊達の皮肉を受け流すと、雷電は門の左手にある水舎(神社境内にある、手を清める場所)
へ向かい、横の灯篭の下へ手を差し込んだ。
「何をして……!!?」
 突然、ゴゴゴゴゴ…という音が伊達の足元から鳴り響いた。
 水舎の前の地面が突然せり上がり、観音開きのように二つに分かれていく。割れた地面は
そのまま蓋が開くように左右に別れた。
 ようやく振動が収まった時、最初に地面があった場所には半径2mほどの穴が出現していた。
 呆然とする伊達に、雷電が説明する。
「この穴の地下30mに作られた軍事施設『裏靖国神社』。ここが我ら豪学連の本拠でござる」
 『裏靖国』その言葉に伊達は少なからず驚愕する。
「裏靖国神社…軍事マニアの噂話と思っていたが、本当に存在していたとは」

52 :2.15の夜:04/05/16 20:26 ID:pIHgo58C

///////////////////////
『裏靖国神社』

 昭和15年、西洋列強との一大決戦の危険がさし迫る中、日本政府の判断により
本土決戦時の作戦本部として作られたのが、この裏靖国神社である。
 地上の靖国神社をカモフラージュとして地下30mに作られたこの施設には、
1万人の兵士が半年間活動できるだけの黄金と武器・食料が蓄えられており、
その資金は使われぬまま、今もそこに眠っていると言われている。
 戦後60年たった今でも、この埋蔵金を狙うマニアは後を絶たず、彼らの合言葉は
「裏靖で金塊を」であった。
 余談ではあるが、この埋蔵金発掘を夢見た漫画家が、その想いをタイトルを込めて
『浦安鉄筋家族』という作品を発表したということは、業界では有名な話である。

(民明書房刊「埋蔵するなら金をくれ!」)
///////////////////////

「さあ、入りなされよ」
 そう言って雷電は地面に出現した裏靖国神社への入り口に入っていった。

53 ::04/05/16 20:27 ID:pIHgo58C
ちょっとふざけ過ぎたかも。
続きは週末です。

あと、昨日書き忘れましたが、>>1スレ立て乙。

54 :作者の都合により名無しです:04/05/17 01:40 ID:Y9qbBUiQ
乙です。
何つーか、民明書房か。

55 :作者の都合により名無しです:04/05/17 08:26 ID:yGNlzpGi
お、○さんお疲れ様。民名書房はいろいろネタにしやすそうですね。

56 :作者の都合により名無しです:04/05/18 01:24 ID:JKkZWSSc
今日は誰も来なかったか。
GW明けてからローペースになったなあ。

57 :作者の都合により名無しです:04/05/18 01:26 ID:JKkZWSSc
そういえば過去ログ貼ってないジャン

part12【バキ】漫画SSスレへようこそpart12【スレ】
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1075538328/
part11【バキ】漫画SSスレへようこそpart11【スレ】
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1072026298/
part10【バキ】漫画SSスレへようこそpart10【スレ】
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1068742694.html
Part 9【バキ】漫画SSスレへようこそpart9【スレ】(「少年漫画板」移転)
http://ruku.qp.tc/dat2ch/0311/23/1065104594.html
Part 8【総合】バキスレへようこそ Part8【SSスレ】
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/kakorogu/08.htm
Part 7【バキ小説スレPart7】
http://comic.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1061813099/l50
Part 6【バキスレだよ!! SS集合! Part 6】
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/kakorogu/06.htm
Part 5【「バキ」等の漫画SSスレPart 5】
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/kakorogu/05.htm
Part 4【俺たちでオリジナルストーリーをつくろうぜ】
http://1983.rocketspace.net/html/20030806/44/1054870798.html
Part 3【俺達で「バキ死刑囚編」をつくろうぜ 3】
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/kakorogu/03.htm
Part 2【俺達で「バキ死刑囚編」をつくろうぜ 2】
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/kakorogu/02.html
Part 1【俺達で「バキ死刑囚編」をつくろうぜ】
http://page.freett.com/dat2ch12/030718-1040997079.html


58 ::04/05/18 08:39 ID:ibcFv9M8
>>57
乙。そういえば忘れてた。すみませんm(__)m

VSさん近々やっと復活してくれるらしい。
なんかエンディングのムービーとか作ってるらしい。すげえ(@_@)

59 :作者の都合により名無しです:04/05/18 13:17 ID:AS5go8yM
いつものギャグだろ。
信じるなよ。

60 :作者の都合により名無しです:04/05/18 13:23 ID:9ZWun0Jc
じゃあVSさんのSSを元にパパゲーム作っちゃうぞ。

61 :作者の都合により名無しです:04/05/18 19:51 ID:WX5EC4cd
出来ない事いうなよ。








嘘です。
麻雀ゲーム作ってください。
おながいします。

62 :作者の都合により名無しです:04/05/18 20:48 ID:bWf6XvIB
RPGツクールでパオ死刑囚編つくるから待ってろ

63 :作者の都合により名無しです:04/05/19 00:17 ID:JKW7Wm5w
>>60
パパゲームかと思った
みてらんない。

64 :作者の都合により名無しです:04/05/19 00:50 ID:9BdwcCFr
こんなんあった
肉スレに貼るべきか?
http://www108.sakura.ne.jp/~fun_bolt/data/IMG_001959.png

65 :作者の都合により名無しです:04/05/19 01:22 ID:JKW7Wm5w
>>64
きにいった

66 :作者の都合により名無しです:04/05/19 16:30 ID:60XShame
久し振りに来たらVS氏はお休み中か。早期復活を願う。

67 :作者の都合により名無しです:04/05/19 16:44 ID:ujF7KIN7
誰かたけしの続きでも書いてくれんかなぁ

68 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・49:04/05/19 20:54 ID:F0OxRBDE
>>19-27の続き

のび太とリルルが眠りにつく少し前・・・

「ひゃあ!うんまいうまい!!」
涙さえ浮かべながら食事をむさぼり食っているジャイアンとスネオ。
皿の上、湯気をたてるカレーライスはいかにもおいしそうだ。
「パンも美味しかったけど、こんなおいしいカレー食べるの生まれて初めてだ!」
「う〜ん。ママと食べにいった一流レストランのカレーより上だね。こりゃあ。」

「そうだろ。そうだろ?オレのカレーは最高だろ?
まだまだあるぜ。おかわりどうだい?」
「いただきまーす!!」
空になったお皿を手に元気良く叫ぶジャイアンとスネオ。
ニコニコしながらおかわりをついであげるのはカレーパンマン。
アンパンマンの仲間でやはり空を飛べ、アンパンマンと同じくらい強いらしい。

「うんうん。遠慮せずにたーんとお食べ。」
カレーパンマン以上にニコニコしながらジャイアンたちに優しく声をかけるのは、
ジャムおじさん。アンパンマンやカレーパンマンをも生み出したパン作りの達人らしい。
パン作りだけでなくメカにも強く、彼らを地底世界に運んできた武装完備の万能型
超ハイテク高性能マシーン・アンパンマンカーもジャムおじさんが作ったらしい。

ふと、アンパンマンカーのとなりの白い車、しょくぱんマンカーを見やって
アンパンマンが思い出したように呟く。
「あれ?そういえば、しょくぱんマンはまだ帰ってこないの?」
「うん。なんだか突然お昼前に、『ムッ!?女の子の悲鳴が聞こえる!』
って、こーんな顔で言って飛び出していったきり・・・。」
と、アンパンマンの問いにしょくぱんマンの顔まねをしながら答えたのはバタ子さん。
ジャムおじさんのパン工場で助手を勤める心やさしい女性だ。

69 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・50:04/05/19 20:55 ID:F0OxRBDE
50

「う〜ん。オレにはそんな悲鳴全然聞こえなかったけどな。」
と、カレーパンマン。アンパンマンも、
「僕も聞こえなかったよ。でも、しょくぱんマンは女の子には特別
やさしいからねぇ。女の子の声には僕らより敏感なのかもしれない。」

「うふふ、そうかもね。」
「ワン!」と、これは名犬チーズ。犬ではあるが決してペットではないらしい。

その時・・・・

「あっ!しょくぱんマンが帰ってきたわ!」
遠くから空を飛びしょくぱんマンが戻ってくるのが見える。
ジャムおじさんが大きな声で叫ぶ。
「おーい、しょくぱんまん。女の子は無事だったのかい?」

しょくぱんマンは白地の衣装に赤い“S”の一文字。そして純白のマントを
なびかせながらさっそうと戻ってきた。どこか素朴な感じがするアンパンマンや
カレーパンマンらと比べてみると、なぜか妙に垢抜けてかっこよく見える。

しょくぱんマンはヒラリとみんなの前に降り立つと・・・
「それが、結局何も見つからなくて・・・。確かに悲鳴が聞こえたと
思ったんだけど・・・思い過ごしだったのかなぁ。」
「でも、もしもしょくぱんマンの思い過ごしじゃなかったら・・・
その女の子が心配だわ・・・。」

そのバタ子の言葉に少し考え込むしょくぱんマン。そして・・・
「そうですね。もう一度探してきます。」
と、言うやいなや再び飛び立つしょくぱんマン。
あっと言う間に空の彼方に見えなくなってしまう。

70 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・51:04/05/19 20:57 ID:F0OxRBDE
「あ・・。しょくぱんマンまた行っちゃった。なにもそんなに慌てなくてもいいのに・・・。」
「よっぽど気がかりなんだろうなぁ。なぁアンパンマン。
オレたちも探しにいった方がいいのかなぁ?」
「そうだねぇ。しょくぱんマンのことだから本当に誰か女の子のピンチなのかも・・・。」

一連のやり取りを眺めながらポソリとジャイアンが呟く。

「なあ、スネオ・・・。」
「なんだい?ジャイアン。」

「バタ子さんってきれいな人だよな。やさしいし。」
ブホッ・・っとカレーを吹き出すスネオ。
「そ、そうかい?まぁやさしい人だとは思うけどさ。」

「そりゃアイドルや女優さんみたいな美人じゃないかもしんないけどさ・・・。
あんな素敵な人、オレ初めてみたよ。」
「へぇ〜、そりゃよかったね。運命の出会いだね。」
棒読み調の気のない返事を返すスネオ。しかし・・・

「運命の出会い・・・? そうか!このトキメキは運命だったのか!」
なにやら、一人で燃えあがっているジャイアン。
と思いきや、ふとバタ子と目があって真っ赤になってみたりと忙しい。

しょくぱんマンがまだ戻らないまま日が(光りゴケではあるが)沈んでいく。
「うーん。しょうがないなぁ。探しにいってみるか?アンパンマン。」
アンパンマンとカレーパンマンが顔を見合せ、しょくぱんマンを探しに
飛び立とうとした、ちょうどそのころ・・・

・・・不穏な人影が・・・!

71 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・52:04/05/19 21:15 ID:F0OxRBDE
暗闇にまぎれ、彼らの元へと近づく数人の人影・・・。
みな竜に騎乗し騎士のような恰好をしている。

「どうやらここのようですね・・・。」
数人の不穏な侵入者はついにジャイアンたちの元を訪れた。

彼らの格好を見てかみつくジャイアン。
「・・・竜騎士!?もうここをかぎつけていやがったのか!」
「むぅ・・。一体、彼らは何者なのか・・・?」
ジャムおじさんたちは警戒しながら様子を見守っている。

「あわてないでください。我々はあなたの味方です。
ジャイアンくんにスネオくんですね。」
「な、なんで僕らの名前を・・・!? まさか・・・みんな捕まっちゃったのか!?」
大きくため息をつきながら一人の竜騎士。
「あわてないでと言っているというのに。我々は帝国反乱軍。
キミの友人である出木杉さんとしずかさんは我々と行動を共にしている。」
「!? 出木杉と・・・」
「しずちゃんが・・・!?」

「リーダーであるバンホーさんと参謀である出木杉さんの要請で
ようやくここをつきとめました。・・・いっしょにきていただけますか?
あなた方も友人たちと合流したいでしょう。」

「バンホーさん!? そうか。バンホーさんなら信用できるかも。」
と、スネオの顔を覗き、同意を求めるジャイアン。
「でも、バンホーさんは信用できても・・・
こいつらが本当にバンホーさんの部下なのかどうか・・・。」

72 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・53:04/05/19 21:16 ID:F0OxRBDE
「一緒についていきなさい。彼らは恐らくウソは言ってないと思うよ。」
と、迷うジャイアンたちに声をかけてあげるジャムおじさん。

「万一に備えてアンパンマンとカレーパンマンもついってっておやり。
それなら安心だろう?キミらもはやく仲間に会いたいだろうしな。」
「はい。でも、しょくぱんマンはどうするんです?」

「そのために私とバタ子とで留守番をしておくよ。
なぁに。しょくぱんマンなら一人でも大丈夫だよ。
我々はここでしょくぱんマンを待って、そちらに向かおう。
アンパンマンたちは彼らが無事仲間たちと合流できたらまた、
ここへ戻ってきてその場所を教えておくれ。」
「はい!ジャムおじさん。」

「どうやら話はまとまったようですな。それでは我々についてきてください。」

「君たちだけ歩きになっちゃうから、僕らが乗せていってあげるよ。」
アンパンマンたちの背に乗り旅立つジャイアンとスネオ。

ジャイアンはバタ子との別れを惜しんでいる。
「バタ子さん。しばしの別れを・・・!」
「うふふ・・。大げさね。またすぐに会えるわよ。」
少し涙ぐみながらジャイアン。
「おお。バタ子さん。なんておやさしい。」

それを見て、ため息まじりに胸中で呟くスネオ。
「ハァ〜。もうどうでもいいよ。なんだ?このジャイアン?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

73 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・54:04/05/19 21:19 ID:F0OxRBDE
ジャイアンたちが出ていったその後・・・
アンパンマンカーを覗いたバタ子が軽い悲鳴をあげる。
「きゃ!?」
「どうしたんだい?バタ子や。」

「もう夜も遅いし、ベッドの準備しておこうと思ったら・・・中に・・・!」
「どれどれ・・・?・・おやおや・・・!」
ジャムおじさんが中を覗き込むと・・・カーの寝台の中には一人のなにやら、
みやびなお子様が眠っていた! 実にぐっすりと眠りこんでいる。
「この子・・・いつのまにか潜り込んでついてきてたんだ。
気が付かなかったわ。・・・ひょっとしてずっと眠りっぱなし?」
「アン!」なぜか力強くうなづくチーズ。
「しかし、バイキンマンのモグリンを追っかけてる途中、
大分ゆれただろうに・・・。その間もずっと眠っておったのかのう。」

二人が眺めているうちにおだやかな寝顔が一転、
眠るお子様が急にうなされはじめる。目にはうっすらと涙が・・・。
「おお、おおぉお〜・・・。カズマ〜・・・」

「かわいそうに。こんなにうなされて・・・。
はやくバイキンマンからシャクとやらを取り返してあげなきゃなぁ。」

「カズマ〜・・まろのプリンが落っこちたでおじゃるぅ〜・・・」
寝顔のまま泣き出すみやびなお子様。
「プリン・・・?」
「はっはっは。シャクのことで泣いてたんじゃなかったのか。」
思わず笑うジャムおじさん。

そして、お子様は目覚めた。
「おっほ? ここはどこじゃ?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

74 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国:04/05/19 21:29 ID:F0OxRBDE
今回の分は更新終了です。
>>69の「50」は単なる番号消し忘れです。う〜ん。なんとか完結させ
たいけど100レス以内に終わるかどうかも怪しくなってきた。
しかし、このスレ読んでる方はみやびなお子様を知ってるのだろうか?

75 :作者の都合により名無しです:04/05/19 22:17 ID:9BdwcCFr
うみにん氏乙。
ドラえもんとアンパンマンは雰囲気が合うな。どっちも子供向けスタンスだし。
個人的には追加で怪物クンを出して欲しい。

みやびなお子様は知りません。

76 :作者の都合により名無しです:04/05/19 22:28 ID:v9psfiKs
最近作品投下こないなあ
期待age

77 :ふら〜り:04/05/19 23:16 ID:YJS+Su6G
>>○さん
うぉう。まさか本当に地下基地で来るとは。しかし豪学連がここまで凄い組織だとは……
世界、とまではいかずとも、日本征服ぐらい狙ってるんでしょうか? 雷電を抱えつつ、伊達の勧誘も
してますし。何を企んでいるのやら。

>>うみにんさん
のび太に続いてジャイアンまで、らぶらぶな雰囲気に入り始めましたねぇ。原作でも何度か、
一目ぼれとかしてた彼ですが。いやはや微笑ましい。♪恋をいたしましょう〜♪ってとこですかね、
みやびなお子様としては。にしても、かなり凄まじく予想外なゲスト参加。先が読めませんな。
……で。ジャムおじさんは知ってるみたいですね、この子のこと。その辺もどうなるのか?

>>76
近々、また短いのを献上予定です。内容にはあまり期待なさらず、お待ちあれ。

78 :作者の都合により名無しです:04/05/20 03:54 ID:uqGvFQCe
>>75
地底世界だから登場はさせやすいかもね。>怪物くん
怪物ランドって地底だったっけ?それとも異次元みたいな世界?

79 :作者の都合により名無しです:04/05/20 20:01 ID:z5+wxjzD
誰も批評はやらないのでつか?
なら僕がちょっときついの書こうかと思うんだけどいい?


80 :作者の都合により名無しです:04/05/20 21:22 ID:Fno5H8qI
やっても意味ないからやめとけ。
住民は加護するか、荒らしに変貌するだけ。
当の本人は「参考になりましたー(w」 内心「あっそ。あんまり五月蝿いと連載止めるぞ」

81 :作者の都合により名無しです:04/05/20 22:03 ID:X3o3mvNx
殺伐としたスレに救世主が!
ようかんマン
 .__
 | 'A` |y━~~ ダリィ 
 |ヘ_ヘ|

82 :作者の都合により名無しです:04/05/20 23:19 ID:934I6mC2
>>79
ガツンとお願いしますよ。ヌルかったら興醒めだけどね。

83 :作者の都合により名無しです:04/05/21 00:52 ID:7RoabZV/
こっちでやれば?
http://comic4.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1082108242/

>>80
そんな「読ませてやってる」みたいな職人や
「読ませてもらってる」って読者ばっかじゃないだろ

84 :作者の都合により名無しです:04/05/21 15:52 ID:DhHDZ1WE
最近は一日おきか二日おきだな、SS投下。
かつての暴走状態が懐かしいな。

85 :作者の都合により名無しです:04/05/21 18:27 ID:9XUsa+Rd
>>84
あの状況が異常だったと思う。今が普通。でも懐かしいな。

パオさんもやっと復活したし、
早くVSさんも復活しないかな。

86 :作者の都合により名無しです:04/05/21 21:11 ID:ZMyXsDp+
>>85
VS氏もそうだけど、転生&世界両氏も復活しないなあ。
ここらでザク氏辺りが復活しないだろうか、と虫のいい期待。


>>81
        lヽ
        l 」
        ‖
    _, ,_  ∩
  ( ‘д‘)彡   スパーン
∠二i=⊂彡   .__
          | 'A` |y━~~ ダリィ 
          __
          |ヘ_ヘ|

87 :ドラえもんの麻雀教室:04/05/22 00:09 ID:1sjh3/K9
すんまへん、めんどくせーめんどくせー言ってたら
しっちゃかめっちゃかに忙しくなっちゃいました。
週一回のバキのウソバレすら遅れ気味なんであります。
余裕ができるまでもう少しかかるであります。

88 :左の拳A:04/05/22 10:15 ID:IzJpy4Ji
二千二百年前の中国に、文字通りの一騎当千……一人で千人を倒せると謳われた、いや実際に千騎の
軍隊を単身で壊滅させた男がいた。始皇帝の護衛長官、「帝王拳」の創始者、秦王龍である。
王龍は武術のみならず妖術にも精通しており、不老不死の秘術を研究していた。が、完成直前に
なってそのことが始皇帝に知られ、それが元で一族もろとも処刑されてしまう。
王龍の遺した「秦の秘伝書(全三巻)」には全てを滅する帝王拳の究極奥義が記されている、
あるいは不老不死の秘術が書かれている、あるいは始皇帝の財宝の在り処が……などなど
様々な伝説が飛び交いつつ、二千二百年の時が流れた。
王龍と共に処刑された双子の息子、空龍・海龍の亡霊が、同じく双子の少年に取り憑くことで現代に
復活した。帝王拳を振るう二人は、秘伝書三巻を集めることで不老不死の完全体となって全世界を
支配しようと企む。
一方、香港の暗黒街で十年の時を過ごした山崎(&寄生生物ヒダリィ)は、始皇帝の財宝目当てで
秘伝書を探していた。そして空龍・海龍の所在を突き止め、陜西の山奥にある廃寺にやってきた。
のだが…………

「空龍と海龍なら、もう居ませんよ」
山奥の廃寺、の割にはだだっ広い境内。夜明け前の闇の中、いくつもの篝火が焚かれ、祭壇まで築かれ、
何やら怪しい雰囲気が漂っている。そんな中、山崎を出迎えたのは地面に横たわる二人の少年と、
「たった今、二人ともこの世から退去させました。この僕の手で」
紅く長い髪をした、一人の女だった。本人は「僕」とか言ってるが、立派過ぎるほど「女」である。
何の飾りもない、無地のボディコンシャスな衣装が、女の女らしい、起伏に飛んだプロポーションを
際立たせている。胸元は大きく開けて豊満なバストを誇示し、タイトミニの丈などは下着のライン
スレスレで、いつ見えるかと心配になってくるほどだ。正直、こんな状況でさえなければ、
「男」の一員である山崎としては、一も二もなく欲情しているところである。
「……で、何者だてめぇは?」
さすがに欲情はせず、山崎は油断なく警戒しながら、少しずつ女に近づいていく。
女は祭壇に置かれている巻物をちらりと見て、
「僕の名は秦天龍。王龍の長男で、空龍・海龍の兄です。……戸籍上は美神令子、ですが」

89 :左の拳A:04/05/22 10:17 ID:IzJpy4Ji
「? どういうことだ」
「空龍・海龍と同じですよ。僕はこの女性に憑いているんです。この人の、並外れた霊能力の
おかげで、帝王拳の能力(ちから)を完璧ではないにしろかなりの部分、駆使できた。そのおかげで
弟たちを倒せました。そして極楽へイカせて、もとい地獄へ送ったのです」
足下に倒れ伏す二人を見下ろして、美神令子……に憑いた天龍が、美神の顔と声で言った。
二人の少年は、まだ息がある。どうやら憑いていた悪霊、空龍と海龍だけを除霊したようだ。
「僕らや秘伝書を知っているということは、あなたは帝王拳のことも知っていますね? ならば、
これから僕のすることを邪魔しないで下さい」
天龍が、祭壇に置かれていた巻物を手に取った。事前に調査済みの山崎は、それが何だか知っている。
秦の秘伝書・全三巻の内の、第三巻である。
「これは、世に争いと災いをもたらす呪いの書物。あってはならないものなのです」
と言って天龍が、秘伝書を引き裂こうとした瞬間。ぱしっ! と音がして、ひったくられてしまった。
驚いた天龍が秘伝書を眼で追うと、軽く三メートルは離れている山崎の左手に握られていた。
「え、えっ? そんな、どうやって?」
「へへっ。俺の左手には、ちょいとヒミツがあってな。そんなことより、破り捨てちまうモンなら
俺にくれよ。有効活用してやるから」
「……たった今、言ったはずですよ。僕は帝王拳の使い手、その僕の邪魔はしないで下さい、と」
静かに燃え始めた天龍の気迫が、美神の艶やかな美貌を通じて山崎の前に示された。
その美しさと凄絶さに、つい山崎は見惚れてしまう。唾をごくりと飲み込み、息を詰まらせた。
「それを渡して下さい。帝王拳も、不老不死の秘術も、人の世に遺してはならないものなのです」
思わず一歩、下がりかけた山崎だったが、何とか踏みとどまって返答する。
「悪いが。そいつは、お断りだ。拳法も不老不死も興味ねぇが、財宝には興味シンシンなんでな」
「ではあなたは、帝王拳の史上最後の犠牲者になりたいのですか?」
天龍の殺気が、山崎に鋭く突き刺さった。が、こうなると逆に山崎は強い。
なにしろこの十年間、反町を失った孤独感・喪失感を、香港の闇の中、ひたすら殺気のやり取りで
埋めてきたのだ。殺すこと、殺されかけること、その二つは山崎にとって今や糧なのである。

90 :左の拳A:04/05/22 10:18 ID:IzJpy4Ji
「ヘ……ヒヒッ、いい感じだ、いい感じだゼ女ぁ……いいぜ、ヤッてやるぜぇ」
一気に戦闘モード、というより発狂モードに入った山崎。秘伝書を、ぽとりと足下に落とす。
「オラよ。這いつくばって拾えよ。できるモンならな。ほら拾え、拾えよ。ひぁははははッ!」
天龍は、仕方ないと呟いて構えを取る。と思ったら、いきなり胸を押さえて苦しそうな息を吐いた。
「ぐはっ!? そ、そんな、こんな時に……こんな、時にっっ!」
「ぁん? 何だ、何だってんだ、おい」
天龍は、亀のように蹲って動かなくなってしまった。ヤる気満々だった山崎が気を削がれて、
首を傾げる。と、いきなり天龍が、がばっ! と立ち上がって叫んだ。
「ああああぁぁ〜! ハラ立つっ! このあたしが! このあたしが! このあたしとも
あろう者が、一生の不覚だわ! 二千二百年も前の、カビの生えた悪霊に操られるなんてっっ!
こら天龍! 出てきなさいこの卑怯者っっ!」
天龍が、自分のその豊かな胸に向かって呼びかけている。いや、これはどうやら天龍ではなく、
「お前、もしかして美神令子、か?」
美神が、長い髪をなびかせて振り向いた。取り乱していたのが恥ずかしいのか、ひとつ咳払いをして、
「そうよ。日本、いえ世界最高のGS(ゴーストスイーパー)、美神令子とは私のこと」
「それが今、悪霊に憑かれて完璧に操られていたと」
「か、完璧じゃないわよ。事実、こうして支配から抜け出したんだし。……と、それはさておき」
天龍、ではなく美神が、つつっと山崎に近づいた。
「ねえ、実は聞こえてたんだけど。秘伝書を集めて、始皇帝の財宝がどうとか」
「それがどうした。秘伝書なら渡さねぇぞ」
「そうじゃなくて、あたしと手を組まない? 財宝探しの相棒ってことよ」
美神が、自分を指差して言った。
「今ね、天龍の記憶とあたしの記憶が混ざり合ってるの。例えば秘伝書は一巻でも欠けると本当の
解読ができないよう、妖術で封印がかけられている、とかね。あたしのこういう情報、価値あるわよ」
「俺と手を組んで、財宝を手に入れた後は山分けってか」
「そう。悪くない提案だと思うけど?」

91 :ふら〜り:04/05/22 10:22 ID:IzJpy4Ji
「美神」はアニメ版しか知りませんので、能力や人物関係などについては
最初期のものと思って下さい。

>>VSさん
忙しい時はしょうがないですよね。私も、今夜から明日の朝まで出勤です。
お互い、頑張りましょう。……で、余裕ができたら書いて下さい。待っております!


92 :作者の都合により名無しです:04/05/22 14:13 ID:ume5Xciv
美神…
どんなんだったっけ?
サンデー漫画だったことしか分からない…

とにかく、乙。

VSさんも、ちゃっちゃと仕事片付けて復帰するのを待ってます。

93 :作者の都合により名無しです:04/05/22 15:13 ID:Gl47Faqw
>>ふら〜り
tumaranainndesukedo

mousukosi channto kousouwo nettekara kaitekudasai

nannka omoitukide kaitayouna iikagennna sakuhinnni miemasu

yorosikuonegaisimasu

94 :作者の都合により名無しです:04/05/22 18:22 ID:ume5Xciv
J( 'ー`)し ヤムチャへ きょうはなんじにかえりますか

(`Д)   外食してくるからいらねーよ ブルマの癖にメールすんな殺すぞ

J( 'ー`)し きょうはヤムチャのすきな にくじゃがです

(`Д)   悟空とカラオケ行くから今日は帰らねーよ うるせー

J( 'ー`)し ねえ! 今夜ヤムチャ帰ってこないんだってヽ(∇⌒ヽ)(ノ⌒∇)ノ♪
      久しぶりにHしましょう(*≧▽≦)ノ キャー

J( 'ー`)し ベジータへのメールでした まちがいました ごめんね

('A`)tanasinn....


95 :作者の都合により名無しです:04/05/23 01:28 ID:S5UcF35O
ヤムスレにもこの改変コピペされてたな。というか、ヤムスレ向きネタだと思う。

ふら〜り氏乙。

96 :しけい荘物語:04/05/23 02:29 ID:As/pfo+y
第一話「最凶アパート」
 
 都内某所に佇むアパート「しけい荘」は、古きよき木造建築で彩られた都会のオアシス
だ。二階建ての計六部屋という、非常に小さな規模ではある。しかし、ここに住む面々は
いずれも劣らぬ個性派揃い。東京中の人間と比べても釣りが来るような住人達である。

 まず101号室。大家のビスケット・オリバが暮らしている。その規格外の筋力と知力
で、アパートの住人をまとめ上げている父親的存在でもある。とは言っても、やはり苦労
は絶えないようで最近抜け毛が増えたらしい。
 そして102号室。アパート周辺の草刈りが日課の、柳龍光の部屋である。礼儀正しく、
なかなかの人物なのだが、師匠の腕を台所に飾るなどの奇行で変人がられている。ちなみ
に、大の暗器コレクターでもある。
 103号室に住むのは、ドリアン海王。職業はペテン師らしく、毎日どこかの誰かを騙
して生計を立てているらしい。また、唐突に大声で歌うという悪癖も持っており、その度
に近隣の人々からオリバへと苦情が殺到するとのこと。

 二階へ移り、201号室。ここにはイギリス人のヘクター・ドイルが暮らしている。コ
スプレマニアで、婦警や消防士に変装することがある。この前は囚人に扮していた。世界
一のマジシャンになるのが夢らしい。
 202号室には、アパート一の巨漢スペックが住居を構える。家賃滞納の常習犯で、も
う半年近く払っていない。そのくせ自分は96歳だと主張し、電車では必ず優先席に陣取
っている。趣味は万引きで、近くのコンビニが多くの被害に遭っている。
 最後は203号室。ロシアからの留学生、シコルスキーが住んでいる。何故か皆にいじ
められる、愛すべき若者だ。彼から発せられるオーラは、他のアパート住民の闘争本能を
刺激するらしい。

97 :しけい荘物語:04/05/23 02:30 ID:As/pfo+y
 「しけい荘」の朝は早い。朝日が昇る前から、柳龍光が近所の草刈りを行っている。鋭
く研ぎ澄まされた鎌で、雑草を一本一本丁寧に刈り取っていく。やがて、大家のオリバも
目を覚まして挨拶を交わす。
「グッモーニン、Mr.ヤナギ。毎朝精が出ることだぜ」
「お早うございます、大家さん。私にはこれくらいしか出来ませんからな」
 オリバと柳が談笑していると、103号室からスーツ姿のドリアンが出てきた。ペテン
師の朝も早い。朝から晩までペテンを続け、ようやく人並みの生活が出来るのだ。法から
外れた職業ではあるが、彼はなかなかの努力家なのである。
「もう出かけるのかい。今日はどうするんだね」
「ガラスの指輪をダイヤだと偽って売りつけるつもりだよ。ウマくいけば、五万円くらい
稼げるハズだ。フッフッフ……」
 不敵な笑みを浮かべつつ、ドリアンは出かけていった。ちなみに昨日は毛糸をアラミド
繊維と言い張ったらしいが、全く売れなかったという。彼としては、今日は何としても成
果が欲しいところだ。
 午前七時を過ぎると、二階の部屋からドイルが降りてきた。もちろん普通の服装ではな
い。今日はどこから仕入れたのか、ナース姿だ。
「ハローMr.アンチェイン、Mr.ポイズン」
 挨拶されたにもかかわらず、二人はドイルを無視する。冷たいようだが、少しでも反応
すると強制的にコスプレ自慢ショーが始まってしまうのだ。結局、今日はショーが開かれ
ることはなく、ドイルはそのままアパート敷地外へと消えていった。
「大家さん……彼はいったい何がしたいんでしょうか」
「ワカらん」

98 :作者の都合により名無しです:04/05/23 02:30 ID:zX+kmcTc
結局18号とクリリンを書くとか言ってた奴は言うだけ番長だったな。

99 :しけい荘物語:04/05/23 02:31 ID:As/pfo+y
 その後、草刈りを終えた柳も会社に出かけ、残るは二人。
 十時頃、陽気に飛び出してきたのはスペック老人だ。年寄りなのに朝が遅い。高笑いし
ながら、オリバに話しかける。
「ハハハハハッ! 老人会ノ連中トゲートボールニ行クゼッ!」
「丁度良かった。家賃を払ってくれんかね」
「ハハハハハッ! 明日払ウゼッ!」
 明日払うぜ、これがもう半年間続いている。そのままスペックは笑いながら、猛スピー
ドで駆けて行った。とても96歳とは思えない体力である。老人会とやらで死人が出ない
のであろうか。
 そして、最後に部屋から出てきたのはシコルスキー。日本には何かの論文を書くために
来ているらしいが、そんな様子は微塵も見せない。今日は上機嫌なのか、いきなりオリバ
の目の前へやって来た。
「ダヴァイッ! ダヴァイッ! ダヴァイッ! ダヴァイッ! ダヴァイッ!」
 反復横跳びを繰り返しながら、叫びまくるシコルスキー。そんな彼の熱意に応えようと、
オリバも右腕を振り上げる。そしてラリアット。ゴムまりのように吹き飛んでいくシコル
スキーを見上げながら、オリバが一言。
「一件落着ダ」

100 :サナダムシ ◆fnWJXN8RxU :04/05/23 02:35 ID:As/pfo+y
久しぶりに書かせていただきます。どうぞよろしく。

101 :作者の都合により名無しです:04/05/23 02:35 ID:w7QUMkEh
オモロイ

102 :作者の都合により名無しです:04/05/23 02:45 ID:zX+kmcTc
乙。今回はいつもの下ネタじゃなかったね。
なんか世界さんの作品みたいな感じだ。楽しめた。
またお願いします。

103 :作者の都合により名無しです:04/05/23 03:12 ID:j4UNs5tf
やはしシコルはオチ要員なのか
ワロタ

104 :作者の都合により名無しです:04/05/23 03:12 ID:EMidrD05
良かった。おもろかった。乙彼。

105 :作者の都合により名無しです:04/05/23 03:54 ID:e3NCe7vk
ども。前の続きっす。
http://minatuki38.hp.infoseek.co.jp/sinsengumi6.html

106 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国:04/05/23 09:09 ID:kkFI7ag3
>>68-73の続き(このスレでの最初は>>19-27

107 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・55:04/05/23 09:11 ID:kkFI7ag3
「わっはっはっは! ろおど・きすぎい殿。
この稗田(ひえた)八方斎率いるドクタケ忍者部隊が加わったからには
地上制圧はもはや、なったも同然!お互い笑いがとまりませんな。
わっはっはっはっはっはっはっは・・・・は・!?」
『八方斎さま!?』
ドクタケ城の忍びの頭領、稗田八方斎は、その巨大すぎる頭を
笑いに没頭するあまり、後ろにそらしすぎて地面に後頭部から激突。
そのままおきあがれず足をバタバタさせている。それを慌てて救助する、
赤い忍者服の男たち。これがドクタケ忍者部隊なのだろう。

「ふふふ・・・。期待してますよ。ゲリラ戦ともなれば忍びという戦力を
擁する効果は計り知れませんから。」
(・・・こいつら想像をはるかに超えて頼りないのだが大丈夫か・・・・?)
内心、別のことを考えながら八方斎と固く握手するロード・キスギー。

キスギーは地底に帝国をかまえて以来、ドクタケ城城主木野小次郎竹高とは
内密に接触し、同盟を築いてきた。そして、地上制圧のための軍事拠点が
完成しつつある今、援軍として送り込まれてきたのがこの忍者部隊であった。

「あなた方に紹介したい精鋭が数名いるのですが、あいにく
現在、重要な任務のため送り出している最中でして・・・。」
「なあに。かまいませんよ。任務遂行の後でゆっくりと・・・・
わっはっはっはっは・・・・・は!?」
『八方斎さま!?』
再び頭から倒れ、置きあがれなくなる八方斎。助ける忍者部隊。

それらを眺め一筋の冷や汗を流しながら若干の、いや、多大な不安を
覚えるキスギー。
(こいつらは当てにはできんな・・・やはり戦力として信頼できるのは
パーやんたち・・・・・そして、気まぐれな“あの男”だけのようだな・・・)

108 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・56:04/05/23 09:12 ID:kkFI7ag3
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ガサリ・・・真夜中に物音。

眠りについたばかりのリルルが敏感に反応する。
枕もとで充電中のショックガンを手にとって身構える。
「誰?・・・恐竜・・?それとも・・・・」

のび太はまだ間抜けな顔でぐっすりと眠り込んでいる。
その眠っているのび太に、ふいに声がかかる。
「なんや。いい雰囲気でんなぁ。のび太はん。しずかちゃんにいいつけまっせぇ」

(・・・敵?)
さらに警戒を強めるリルル。

「うひょー、暗くてよくわかんなかったけど、近くでよく見りゃすっげぇかわいこ
ちゃんじゃねえか!源しずかなんかよりよっぽどかわいいんじゃねえか!?」
と、また別方向から粗暴なおっさんじみた語り口。かわいこちゃんとはまた古い。

「クソッ!のび太のくせになまいきな!」
さらに別方向から、こちらはなにやらひねた子供のような声。

(囲まれている。敵は3人・・・!)
刹那!
リルルの思考を遮るがごとく突如、数本の暗闇を切り裂く光線が走る!
そして一瞬にして三人の敵がドゥと倒れ伏す。

「のび太くん!」
リルルの視線の先には両手にショックガンを構えたのび太の姿。
そう。のび太は眠っているふりをしてチャンスをうかがっていたのだ。
「いくら僕だってこれだけ空気が緊迫してたら目覚めるさ!
・・・しかし、こいつら一体何者なんだろう?」

109 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・57:04/05/23 09:13 ID:kkFI7ag3
倒れ伏す敵のもとへ近づき確認するのび太とリルル。
そのうち最初の一人はのび太のよく見知った顔の男であった。
「ズル木!?ってことはやっぱり、他の二人も・・・・うわぁっ!?」

ガシィッ・・・!そのとき背後からのび太の足首をつかむ者。そのまま
のび太を持ち上げ、地に叩きつける。あっさりと舌を出してのびるのび太。
それはのび太に撃たれて倒れていたはずのげんごろうであった。

「の、のび太くん!・・・あなた・・・?撃たれたのに・・・。」
「このくらいの威力じゃ、このげんごろう様には通用しねぇぜ・・・!」

さらにムクリと一人の男が起きあがる。暗闇の中よく見ると奇妙なヘルメットに
奇妙なマント。ひょっとしてのび太が語っていた恐ろしい“パーマン”であろうか。
「かなんなぁ。早撃ちっちゅーのはなんや、えらいやっかいな特技やな。
のび太はんちゅうたら一番ドジで間抜けなお荷物くらいに聞いてましたで・・・。
でも、わてらの動きを止めるには威力が小さ過ぎましたな。」
「う〜ん。」
と、その時かすかなうめき声。見ればまだ、ズル木は倒れ伏したままだ。
「って、大丈夫じゃない人もおましたようやな。ズル木はん。起きなはれ!」
ペシペシとズル木を起こすヘルメットの男。

その間にリルルはショックガンの威力を最大にアップする。
が、しかし・・・
「おっと、そんな危ないものはしまってくんな。」
準備が整うその前にすばやく、回り込んだげんごろう。

「キャアッ・・・・!」
ショックガンをもつ腕をつかまれ思わず悲鳴をあげるリルル。

110 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・58:04/05/23 09:16 ID:kkFI7ag3
「ジュド・・・・・・・・・たす・・・・・!」
ボフッ! その腹部に強烈なボディーブローを浴びせるげんごろう。
なにかを言いかけたまま――恐らくはザンダクロスを呼ぼうとしたのだろう――
しかし、ザンダクロスにその声は届かない。・・・そのまま静かに崩れ落ちるリルル。
その一撃はロボットとはいえ、その機能を一時停止させるには十分な衝撃であった。
「痛ぇな。なんだ?こいつの腹。すげー固かったぞ?」
思いもかけぬ不自然な手応えに少し戸惑うげんごろう。

その間に目覚めたズル木がなにやら一人で顔を真っ赤にして怒っている。
「クソ!のび太ごときがよくもやってくれたな!」
「落ちつきなはれ。ズル木はん。まずは、のび太はんをUFOに運んでからや。」
気絶したのび太を運ぶヘルメットの男。どうやら近くに乗り物をとめてあるらしい。

・・・・・・・・・・・・・

その頃、上空を旋回していたしょくぱんマン。完全に光りが消え
捜索はあきらめていったん引き返そうかと思い始めたその時・・・

「・・ァッ・・・」

遠くから聞こえる小さな悲鳴!
「ムッ・・・!?女の子の悲鳴!やはり空耳じゃなかったのか!!」
目をつぶりじっと耳をすます。かすかに聞こえる人と人の会話。

「・・・あっちだ!!」
そう叫ぶやしょくぱんマンは、凄まじいスピードで声のする方向へと向かって行った!

・・・・・・・・・・・・・・

111 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・59:04/05/23 09:18 ID:kkFI7ag3
のび太を運び終えた3人。再び先ほどの場所に戻り、なにやら話し込んでいる。
どうやら、リルルの処遇について悩んでいるようだ。

「のび太はん連れて来いとは言われたけど・・・
こんな子いるとは聞かされてなかったしなぁ。」

「ねぇ・・・!」
なにか邪悪な事を思いついたような凶悪な笑みでズル木が口を開く。
「せっかく、なかなかお目にかかれないようなかわいい子なんだからさ・・・。
このままいたずらしちゃおうよ。ね?ね?」
この上なく下品でしまらない顔で提案するズル木。
「あんさんも好きでんなぁ。まぁ・・・確かにこの子、かわいおますけどな。」
「ズル木!そんな男らしくねぇこと・・・。 ・・・大いに賛成するぞ!!」

「ヒョ―!そうこなくっちゃ!ハァハァ・・・とりあえず服脱がしちゃえ・・・」
目を血走らせてハァハァ言いながらスカートに手をかけようとするズル木。
震える手でスカートのスソをつかみ・・・

同じく目を血走らせ、ゴクリとつばを飲むげんごろう。
「じらすなよ!ズル木!もっとガーッといけ!ガーッと!!」
そう言いながら自ら手を加える度胸は実はなかったりもする。

「シッ!起きちゃうだろ。ハァ…ハァ…」
震えるズル木の手が、元々短いリルルのスカートをさらにゆっくりとめくりあげ・・・
その白いふとももがあらわになりかける・・・・!

112 :作者の都合により名無しです:04/05/23 11:10 ID:px32Y5SA
うみにんさん頑張るな。いつもありがとう。
しかし大長編になったねー
>>98
俺自信ないけど、代わりに18号の話チャレンジしてみようかな。
多分やらないと思うけど、もし書いたら甘めに見てください

113 :作者の都合により名無しです:04/05/23 15:27 ID:if7JGWvA
こうちょっとでも盛り上がってると荒らしたくなってくるね。
みんなもそう思うだろ?

114 :作者の都合により名無しです:04/05/23 15:35 ID:iqeaOWXG
全然盛り上がってないから。

115 :作者の都合により名無しです:04/05/23 19:41 ID:BAR2k5NH
>>114
(',_>`)

116 :作者の都合により名無しです:04/05/24 00:02 ID:mgokJN4l
今はクラシックのヤムスレの方が盛り上がってるな。
以前は逆だったが…
>>112がんがれ

117 :2.15の夜:04/05/24 00:30 ID:HN5IuywQ
>>52
(あらすじ)教官を殺害して男塾を飛び出した伊達は、謎の男、雷電と出会う。
  雷電が東京豪学連の参謀長と知った伊達は、雷電とともにその本拠地『裏靖国神社』への
  入り口を潜っていった。


「さあ、入りなされよ」
 そう言って雷電は地面に出現した裏靖国神社への入り口に入っていった。
 伊達もその後に続き、地下へと潜っていく。
 
 地下は半径2m程の筒状になっており、その中を下へ降りる螺旋階段が続いていた。
 階段の所々に燭台が立てられている。電灯に慣れた目には多少薄暗いものの、行動に支障が出る
ほどではない。
 十段ほど降りたあたりで、地上への出入口がばたんと閉まる。
「心配ござらぬ。一定時間がたつと勝手に閉まるように出来ておる」
 訝る伊達に説明し、雷電はそのまま階段を下へ降りていく。

118 :2.15の夜:04/05/24 00:31 ID:HN5IuywQ
 しばらく降りると広い通路に出た。
 広い、といっても人が4人並んで通れる程度の幅だ。舗装された通路には、やはり一定間隔で
燭台が立てられている。
 地下の密閉空間でこれだけの火を焚いているにもかかわらず、空気によどみが無いのは、よほど
優秀な空調設備が備え付けられているのであろうか。
 旧日本軍が本土決戦の司令部として作ったといわれているが、確かにここなら空爆をうけても
全く平気だろう。
 東京の地下にこのような施設があると、地上を歩いている人の何人が予想しているだろうか。
「日本敗戦時に、ここに関する資料は秘密保持の為に焼き捨てられ申した。そして極東軍事裁判に
よって、裏靖国神社に関わっていた軍人は戦犯として悉く処刑されたため、政府を含めてここの
存在を知る者は全くおり申さぬ。それを2年前に我ら豪学連が偶然発見し接収したのでござる。
…どうでござる? 軍事史三大伝説の一つ、裏靖国神社に入った気持ちは」
 雷電が感想を聞いてきた。

119 :2.15の夜:04/05/24 00:34 ID:HN5IuywQ
「予想以上だ」
 伊達は率直に意見を述べた。
 裏靖国神社は文献で読んだが、てっきり徳川埋蔵金のような与太話の類いだ、物資の窮乏する
戦前日本に地下施設など建てられるはずがないと思っていた。
 しかし目の前には裏靖国神社が、予想を遥かに上回る規模で存在している。
 現代技術でも容易ならぬ規模の建造を戦前に完遂させた事に、伊達は少なからず驚嘆していた。

 しかし、一つ気にかかる点があった。
「ここは静かだな。防音設備でもあるのか?」
 確かにここは地上から遮断された地下30mの施設。地上の喧騒は全く聞こえず、聞こえるのは
伊達と雷電の二人の足音と会話の声だけである。 
 しかし伊達の問いかけはそれとは別の意味がある。
「静か……確かに静かでござる」
 雷電も伊達の言葉の裏に気づき、周囲を確認する。
(おかしい。静か過ぎる…)
 誰の気配も感じられない。
 そう、『本来いるはずの門番』の気配さえも。

(侵入者か…それもかなりの手練れのようでござるな)

120 ::04/05/24 00:37 ID:HN5IuywQ
ここまで。

121 :作者の都合により名無しです:04/05/24 01:16 ID:R59YpAwD
>>115
その絵文字の崩れ具合に思わず吹き出したw

122 :作者の都合により名無しです:04/05/24 01:50 ID:mgokJN4l
週末に一気に来たな。

123 :しけい荘物語:04/05/24 01:51 ID:FJOjf0Xr
第一話>>96

124 :しけい荘物語:04/05/24 01:52 ID:FJOjf0Xr
第二話「生き抜く男たち」

 ビル風と雑音とが支配する都会のど真ん中で、ドリアンは眼鏡と付けヒゲで変装し、客
の呼び込みを行っていた。
「さぁ……五万円のダイヤの指輪、堪能してみないかね。現実だ。催眠術ではない」
 もう六時間以上になるが、一向に客が寄り付かない。テーブルの上に置かれたガラス製
の指輪が、彼をあざ笑うかのようにキラリと輝く。流石のドリアンにも疲れの色が見え始
めてきた頃であった。
「今時の女性はダイヤ程度ではなびかないのだろうか……」
「ちょっと見せてくれないか」
 今日初めての客が現れた。テーブルの前に立っていたのは、街中にもかかわらず制服姿
の女看護士だった。もっとも誰であろうとかまわない。ドリアンは歓喜して、手揉みしな
がら接客へと移った。ナースは日頃から患者を相手に奮闘する職業。宝石の類には免疫が
ないはずだ、そう判断したのである。
「どうにも装飾品の類には疎くてね」
「それはもったいない。アナタにはダイヤモンドこそ相応しい。いえ、ダイヤの方が見劣
りしてしまうかもしれませんな」
 歯の浮くような甘い台詞が踊る。ペテン師ドリアンの本領発揮だ。

125 :しけい荘物語:04/05/24 01:53 ID:FJOjf0Xr
「もっと安くできないのかい」
「いえ、これ以上は……。何しろ最高級のダイヤモンドですから……」
 看護士は思った以上に手強かった。ドリアンの甘い言葉には耳を貸さず、ひたすら値切
りだけを敢行してくる。忍耐強いドリアンもこれには参った。
「そろそろお買い上げいただけませんかね?」
「フリーでないのならば、いらぬ」
 三時間も粘ったあげく、看護士の返事はこれだった。最初から金を払うつもりなどなか
ったのだ。ルール違反とも思える看護士の態度に対し、ついにドリアンも紳士の仮面を破
り捨てた。
「看護士よ、君はクレバーではない……」
 ドリアンは殺気を放ちながら、繊維付きライターを取り出した。と同時に、相手の看護
士も全身の関節部から刃を弾き出した。この瞬間、二人は互いの身分に気づく。
「君はドイルじゃないか!」
「そういうアンタはドリアン……なんという偶然!」
 ペテン師とナースはしばし笑い合った後、居酒屋へ寄ることにしたのだった。

126 :しけい荘物語:04/05/24 01:54 ID:FJOjf0Xr
 ちなみに、スペックはゲートボールを早々に切り上げていた。もちろん、彼本人の意向
ではない。老人会会長の郭海皇が負けそうになった途端、「ゲートボールとは、ゲートが
なければ成立せぬもの」とのたまい、全てのゲートを引っこ抜いてしまったのだ。
 一方、柳は大手企業「株式会社クードー」の社員である。商品開発室の室長で、彼自身
が考案した「六パーセント未満酸素」は全国で好評発売中だという。今日は特に仕事がな
かったらしく、一日中和紙を手で吸い上げていた。

 そして、シコルスキー。オリバに吹っ飛ばされた彼は、先の四人が平穏に見える程の恐
ろしい目に遭っていたのであった。

127 :サナダムシ ◆fnWJXN8RxU :04/05/24 01:55 ID:FJOjf0Xr
第二話終了です。

128 :作者の都合により名無しです:04/05/24 08:43 ID:9GHag5ie
○さん、サナダムシさん乙。楽しめました。
ところでサナダムシさんって以前他の職人名乗ってなかった?

129 :作者の都合により名無しです:04/05/24 12:28 ID:/k0zhk4J
>>○氏
話の内容がちょっと地味だな〜
盛り上がりを期待。

>>サダナムシ氏
ギャグ作家として秀逸。
これからも頑張ってください。
ものすごく期待してます!たまにはうんこSSもいいよ!

130 :作者の都合により名無しです:04/05/24 20:08 ID:EqTw/7Xt
>>129 >>サダナムシ氏
これってうけ狙いか?

○氏は邪鬼か赤石を書いて欲しいな。伊達はいまいち好きになれない。
でももちろん応援してるので頑張ってね。
サナダムシ氏はうんこねたより直球のギャグの方が面白いと思う。センスいい。


131 :左の拳A:04/05/25 00:09 ID:AqXFJXjt
>>90
むう、と山崎は考えた。GS美神令子の強欲ぶりは聞いたことがある。自分が憑かれていながら、
それすら利用して財宝探し、というのはこの女ならやりかねない。いや、積極的にやるだろう。
頭もいいらしいし、肉体的・霊能力的な優秀さについては天龍が保証済み。強力な相棒になるかも。
とか考えていると、いきなり山崎の左手が、山崎の耳を引っ張った。そのまま、引きずるように
美神から引き離していく。
「いててててっ、こ、こらっ」
美神から少し距離を取ったところで、左手の平が山崎の耳に押し当てられる。そこに口が出現して、
「りぅちゃん。まさか、あんな女と組む気じゃないでしょうね」
「ちょっとその気になりかけてるが。有能そうだし、何たって極上のいい女だし……ててててっ!」
ヒダリィが、山崎の耳に噛み付いた。それとは別にもう一つの口を左手の平に作って、
「りぅちゃんのバカっ! ああいうタイプの女はね、男を騙して弄んで骨の髄までしゃぶって、
最後にはポイってタイプよ! ♪少年は 少しずつ 女の奴隷になる〜♪って歌、知らないのっ?」
「あのなヒダリィ。三十過ぎのヤクザに向かって、少年はねぇだろがよ。つーかお前、もしかして
妬いて……ててっ、噛むなこらっ!」
左手を耳に押し当てて、一人で大騒ぎしている山崎。それを見て、美神は一歩、後ずさった。
『何コイツ。ひょっとして、ちょっとアブない?』
と、そこへ。今にも泣き出しそうな少女の声が響いた。
「見つけたあぁ! 探しましたよ、美神さんっ!」
巫女の姿をした幽霊の女の子と、高校生くらいの少年が駆けて来た。
美神の事務所で助手として雇われている二人、おキヌちゃんと横島である。
「あ、あんたたち。もしかして追いかけてきたの?」
「当たり前じゃないですか! 心配したんですよ……っ」
おキヌちゃんが、もう離すまいとばかりに美神に抱きついた。続いて横島も抱きつこうとするが、
こちらは美神に蹴り倒される。美神は横島を踏みつけつつ、おキヌちゃんを優しく撫でて、
「おキヌちゃん、ほら落ち着いて。あたしならもう大丈夫だから。ってまあ、天龍の奴はまだ
いるんだけどね。のうのうと、あたしの中に。でも、今度出てきたら絶対押さえつけて捻じ伏せて、
土下座させてやるわ。で、それはそれとして、今はね……」

132 :左の拳A:04/05/25 00:11 ID:AqXFJXjt
美神は、おキヌちゃんに現状を説明した。おキヌちゃんは山崎と、そして美神を見比べて、
「やめて下さい! 帰りましょう、今すぐ!」
きっぱりと、言い切った。
「か、帰りましょうって、このまま引っ込んだらあたし、丸損の大損で」
「そういう問題じゃありません! 美神さんのことですから、どうせ最後にはあの山崎って人を
出し抜いて、財宝を独り占めしようとか考えているんでしょう?」
「お、おキヌちゃんっ」←図星
「でも、あの人ってどこからどう見ても立派なヤクザ屋さんじゃないですか! 危険ですよ!
それにわたしの視る限り、普通の人間じゃない気配も混じってますし……」
「ほほ〜う」
山崎の、声がした。美神たちを見て、見下したような視線を向ける。
「絶大な信用を寄せられてるな、美神令子。お仲間からまでそう言われるとなると、俺としては
どうしたもんだか。なぁおい?」
「い、いや、これはその」
困ってる美神。ヒダリィが得意げに、
「ほら、ご覧なさい。第一、天龍って秘伝書を処分しようとしてたでしょ? そんなのと
同行してたら、財宝探しどころじゃないわよ」
「確かにそうだ。となると、この女はもう敵にしかならねぇ、か……ヒヒッ」
山崎とヒダリィの意見が一致した。ざわり、と二人の殺気が高まって、美神を重く冷たく、
包み込む。その重圧は、修羅場慣れした美神のみならずおキヌちゃんまでをも押し潰した。
幽霊であるはずのおキヌちゃんが、まるで首を絞められて窒息しているかのような声を出す。
「み、かみ、さん……」
「おキヌちゃん、横島君と一緒に下がってて。って、あんたはいい加減に起きなさいっ!」
自分で蹴倒して今の今まで踏みつけていた横島を、美神が怒鳴りつける。横島は起き上がって、
「み、美神さん、あの、かなりヤバそうっスけど。逃げませんか?」

133 :左の拳A:04/05/25 00:13 ID:AqXFJXjt
「今こいつに背中を向けたら、その瞬間に殺られるわ。おキヌちゃんの言う通り、こいつは
霊体でも妖怪でもないけど、普通の人間でもない。得体の知れない力を持ってるみたいね」
「そ、そんなの相手にして大丈夫なんスかっ!?」
「あたしなら大丈夫。だから二人とも下がってて」
「でも……」
「早く!」
後ろ髪を引かれながらも、二人は後退した。山崎を睨み続ける美神に、山崎が口笛を吹く。
「いい度胸してるな美神令子。俺のことを見抜きながら、一人で殺り合おうたぁ。えぇおい?」
「能書きはいいから、さっさとかかってきなさいよ。こうなった以上、財宝は完全に独り占め
させて貰うからね。実力で」
「けっ。……ナメるな、女ぁぁ!」
山崎が、美神に向かって突進していく。美神は、すっ……と目を閉じて、
「天龍? 今出てきてくれないと、あたしは殺されてこの男が秘伝書集めちゃうわよ? いいの?」
山崎の岩のような拳が美神の顔面を叩き潰す、その寸前に、美神の体が掻き消えた。
まるで氷の上を滑るかのような動きで、山崎の攻撃をかわし、間合いを取ったのだ。美神が。
いや、美神の顔と体をした天龍が。
「美神さん、あなたって人は……えい、仕方ない! でも、もう邪魔しないで下さいよ!」
「けっ、出てきやがったか天龍! まぁいい、その方が面白いってモンだ! いくぜヒダリィ!」
「うん! 任せて、りぅちゃん! こんな女、ボロクソにしてあげるわっ!」
かたや現代に蘇った伝説の最強武術、帝王拳を使う地上唯一の拳士、天龍(美神)。かたや香港の
暗黒街を舞台に、たった一人で殺し続け磨き抜かれた喧嘩空手&寄生生物ヒダリィがいる山崎。
超人二人の力と技が激突する!
「いくぞぉ! シャアアアアァッ!」
山崎の左の拳が、軽く三メートルは伸びて天龍を襲った。その速さと正確さ、そして
破壊力・殺傷力は、ヘタな拳銃を上回る。
だが天龍は、その攻撃を紙一重でかわしつつ大きく踏み込む。そして、
「帝王天耳拳っ!」

134 :ふら〜り:04/05/25 00:16 ID:AqXFJXjt
昔出た公式小説版では、ちゃんと「おキヌ」と表記してます。が私はどうしても、
彼女を呼び捨てにはできず、「おキヌちゃん」にしました。お許しを。

>>うみにんさん
ドクタケ城か……NHKシリーズが続きましたな。次の児童分野は、「てちてち」辺りか?
>そんな男らしくねぇこと・・・。 ・・・大いに賛成するぞ!!
いや、ある意味男らしいかと。リルル可愛いですし。私としては「魔界大冒険」の
美夜子ちぁんなんかも捨て難いですが。

>>○さん
あ〜、それであそこへ繋がるワケですか! パオさんとかにも言いましたが、こういう
のって何か嬉しくなります。と同時に自分でも書きたいが能力的に無理、と悔しくもなったり。
にしても、これで伊達が「彼」と再会するんですよね? 汗握り締めて待ってますっっ!

>>サナダムシさん
変な言い方ですが、雰囲気が楽しいですな。スペック贔屓の私としては、「彼本人の
意向ではない」が好きです。がっかりした彼の表情を想像すると、なんとも可愛いなぁと。
ちゃんとバキネタを使ってるところ、きっちりヒキをしていることなど、お見事です!

135 :作者の都合により名無しです:04/05/25 08:34 ID:xYiHlMKA
ふらーりさんおつかれ。しかしいろいろ漫画読んでますねw
しかし1日1回とは言わないけど、2日に1回は作品こないかな。

136 :作者の都合により名無しです:04/05/25 22:47 ID:ANv7jdck
ふら〜りさんの作品は落ち着いて見られるね。
これからも頑張ってね!

137 :作者の都合により名無しです:04/05/25 23:37 ID:j38rNDdC
なんか盛りあがりかけてはGWに突入したり
鯖が落ちたりとタイミング悪く水を差されてしまいますなぁ。
うみにんさんも最近ペースダウン気味だし、そろそろ
VSさんや転生さんの復活が欲しいところ。
がんがれ職人軍団!

138 :作者の都合により名無しです:04/05/26 00:26 ID:5M6AdTaz
殺助さん、世界さんも復活きぼん
出来れば大僧正やトモ氏も

139 :作者の都合により名無しです:04/05/26 12:03 ID:D484/h9a
>>138
最近そんなレスばっかだから、ここの住民がいやしく思えてきた。

140 :作者の都合により名無しです:04/05/26 13:13 ID:BC2nX/EL
SSが来ないときのSSスレなんてそんなもんよ。

141 :作者の都合により名無しです:04/05/26 15:05 ID:JwVdx0MO
過去の職人よりもぽんさんなど新人の台頭に期待しれ。

142 :作者の都合により名無しです:04/05/26 16:45 ID:ZXE6m1lf
>>138
それどころじゃねえんだよバカ!
そのうち書いてやるからおとなしく待ってろ!!

143 :作者の都合により名無しです:04/05/26 16:57 ID:5M6AdTaz
スレ違いだが。
セブンイレブンの新作メロンパン





常識を覆す逸品。雄山の評価を聞きたいところ
ttp://www.google.co.jp/search?q=cache:Tp__a3JLgiIJ:https://www.sej.co.jp/shohin/new/item06.html+%E3%83%A1%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%9B%E3%82%A4%E3%83%83%E3%83%97&hl=ja&ie=UTF-8&inlang=ja

144 :作者の都合により名無しです:04/05/26 17:59 ID:1VF15GFa
>>143
偶然他スレでもみかけた。
常識を覆している。

145 :しけい荘物語:04/05/26 18:51 ID:+pBYxBn+
第二話>>124

146 :しけい荘物語:04/05/26 18:51 ID:+pBYxBn+
第三話「公園の惨劇」

 オリバに殴られたシコルスキーが着陸したのは、近所の公園だった。激痛に耐えながら、
自分の置かれている状況を確認する。
「公園まで飛ばされちまったか……」
 その刹那、シコルスキーは背後に迫る強烈な殺気を感じた。後頭部目掛け、振り下ろさ
れる日本刀。素早い前転でそれを避ける。
「いきなり何しやがるッ!」
「それがし、本部以蔵と申す者。公園の平和を乱す輩……生かしては帰せん」
 再び日本刀を構え、襲いかかってくる本部。シコルスキーも紙一重でかわすが、とても
反撃には移れない。真剣独特の風を切る音が、彼の心に恐怖感を植えつけていく。
「ワカった! 出て行くから勘弁してくれェッ!」
 命乞いも空しく、本部は静かに言い放った。
「自ら領域を侵し、立場が危うくなった途端に態度を翻すとは──もはや救い難い」
「ヒィッ!」
「まぁいい、右腕一本で勘弁してやるわッ!」
 本部の修羅さながらの表情に、シコルスキーは即座に背を向けた。元々この公園に自分
を飛ばしたのはオリバなのだ。右腕一本とて、持っていかれる訳にはいかない。
 逃げるシコルスキー、追う本部以蔵。錯乱状態に陥っていたシコルスキーは、公園内の
公衆便所に逃げ込んでしまう。そして、入った瞬間に我に返った。狭い便所の中ではかえ
って逃げ場のないことに。

147 :しけい荘物語:04/05/26 18:52 ID:+pBYxBn+
 だが、神はシコルスキーを見捨ててはいなかった。便所の中には人がいたのだ。それも、
頼りになりそうな二メートルを超える大男が。無我夢中で助けを求める。
「サムライソードに襲われているんだッ! 助けてくれェッ!」
「レディゴー……」
 大男は問答無用で殴りかかってきた。丸太のような豪腕が、シコルスキーを突き刺さん
と飛んでくる。が、かろうじてシコルスキーもそのパンチを見切る。当たっていれば、お
そらく勝負は決まっていただろう。
 便所内も安全ではないと悟ったシコルスキーはすぐさま引き返そうとする。しかし、入
口には既に先の本部が待機していた。絶望的な挟み撃ち。
「終わったな、小僧。トイレに逃げ込んだのが運の尽きよ」
 どうやら、二人は仲間同士のようだ。それを知ったシコルスキーは焦燥のあまり天を見
上げる。その時、閃いたのだ。この絶体絶命のピンチを打開する方法を。
 本部は刀を振り上げ、大男は大きく息を吸い込んだ。真剣と鉄拳の同時攻撃。

148 :しけい荘物語:04/05/26 18:53 ID:+pBYxBn+
 タイミングを見計らい、シコルスキーは跳んだ。そして強靭な指の力を利用して、便所
の天井に張り付く。そのままヤモリのように天井を移動し、便所から脱出してしまった。
 この立体的逃走劇に面食らった二人は、ついシコルスキーを見送ってしまう。
「しまったッ!」
 本部と大男も後を追うが、もはや公園に彼の姿はなかった。取り逃がしたのだ。苛立ち
を叩きつけるように刀を地面に突き刺し、本部が吼える。
「小僧ッ! 必ずや貴様を見つけ出し、その右腕を頂戴してやるぞッ!」

 その頃、命からがら逃げ延びたシコルスキーはどうにかアパートへ戻っていた。公園で
の出来事について相談しようと、早速オリバの部屋をノックする。
 出てきたオリバ、シコルスキーのただならぬ様子を察してか神妙な面持ちとなる。そし
てラリアット。ゴムまりのように吹き飛んでいくシコルスキーを見上げながら、オリバが
一言。
「今度は戻ってこれぬだろう」

149 :サナダムシ ◆fnWJXN8RxU :04/05/26 19:00 ID:+pBYxBn+
>>128
名無しで一発ネタ書いたり、は結構やってました。

うんこSSは漫画とのコラボが難しいですね。
まとまったのを書き上げたら、再開したいと思っています。

150 :作者の都合により名無しです:04/05/26 19:06 ID:ps4w1Mux
>>149
あなたは何でうんこSSを書こうと思ったのですか?
やはり真うんこ氏の影響ですか?

151 :作者の都合により名無しです:04/05/26 19:27 ID:ps4w1Mux
154 名前:真うんこ :03/07/15 12:00 ID:???
ガノタは
  |       __     ヽ 二工二、  /  ヽ
  ̄| ̄     / /  \   ヽ 二土二「   |    |
  ̄| ̄    /  /    |      -┼┬     し 
   \_ノ   ヽ丿    ノ    ノ  └┼ 

  / ̄/   |   │      │ ゝ 
   |二二|  |  ─┼─   ─┼──
   |二二|  |    |      人  
   / \  し  ノ    _/ \_ 
うんこーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
うんこーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
うんこーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
うんこーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
うんこーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
うんこーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
うんこーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
うんこーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
うんこーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
うんこーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
うんこーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
うんこーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
うんこーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
うんこーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
うんこーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
うんこーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!


( ゚∀゚)ア━━━━ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!
るんるん♪


152 :作者の都合により名無しです:04/05/26 22:09 ID:5M6AdTaz
しけい荘、面白い。
このテンションで続けて

153 :作者の都合により名無しです:04/05/27 00:32 ID:3roS6gAp
過去のうんこネタの方が圧倒的におもしろいが
とはいうもののこっちも十分おもしろい。
つーわけでうんこネタくらいのクオリティに期待

154 :作者の都合により名無しです:04/05/27 10:54 ID:pmVfYgkG
うみにん氏、ふら〜り氏、サナダムシ氏ともに面白い。
これからも楽しませてください。

>サナダムシ
たまには下ネタもいいけど、食糞とかはやめて。
面白くても生理的に受け付けられない。

155 :しけい荘物語:04/05/29 00:45 ID:9KlHFEvW
第三話>>146

156 :しけい荘物語:04/05/29 00:46 ID:9KlHFEvW
第四話「家賃取立て騒動」

 アパート住民にとって、今日は例外なく一ヶ月に一度の特別な日だ。二万円の家賃取立
て日。大家のオリバ自ら、五部屋全てを訪ね家賃を徴収していくのだ。もっとも、アパー
ト住民は一癖や二癖ある者ばかり。すんなり回収が済んだことは一度たりともない。
 戸棚に残っていたワインを一気に飲み干してから、オリバはゆっくりと腰を上げる。
「今日こそ、全員がマトモに払ってくれるといいが……」

 部屋を出たオリバは、まず隣の102号室を戸を叩く。まもなく、柳龍光が出てきた。
「家賃をもらいに来たのだが……大丈夫かね」
「ちゃんと用意してありますよ」
 柳はオリバに古びた封筒を渡した。その中には家賃二万円がきちんと入っていた。封筒
の表面に「果たし状」と書いてあるのが気になるが、これはおそらく送りそびれた果たし
状を再利用したためだと思われる。とにもかくにも、102号室の回収は成功した。
 続いて、103号室。オリバが催促すると、ドリアンは何枚かの紙幣を手渡した。手触
りや透かしを確かめたが、本物の紙幣のようだ。何せこのドリアン、偽札で家賃を支払お
うとした前科があるのだ。流石はペテン師。
「文句のない……家賃だったハズだ……」
 やけに偉そうなドリアンの態度はともかく、きちんともらう物はもらったので、オリバ
は頭を下げてから部屋を後にした。103号室の回収、成功。

157 :しけい荘物語:04/05/29 00:47 ID:9KlHFEvW
 ここまで順調に来たオリバ、今度は階段を上って二階へと向かう。まずは201号室か
らだ。
 戸を叩くと、学ランを着たドイルがドアを開けてくれた。マニュアル通り、オリバはコ
スプレについては触れない。用件だけを簡潔に話す。
「家賃を払ってくれんかね」
「いいとも。ただ払うのもつまらんから、新しいマジックをお見せしよう」
 そう言うとドイルは、右手の小指を曲げた。すると、「コキン」という音が鳴り、ドイ
ルの耳から大量の一円玉が溢れ出してくるではないか。オリバはその一円玉群を丁寧に数
え、きっちり二万枚あることを確認した。
 時間はかかったものの、201号室の家賃も回収することが出来た。ちなみにドイルが
学ランの入手経路について話そうとしたが、それに関しては無視した。
 さて、202号室。今日ここで回収しなければ、家賃滞納期間が七ヶ月を突破する。深
呼吸してから、オリバがゆっくりと戸を叩く。
「Mr.スペック、今日こそ払ってもらうよ」
 しかし、いくら待っても出てこない。不審に思ったオリバが、その怪力でドアを強引に
こじ開ける。中ではスペックが口から煙を吹いて倒れていた。部屋にはいくつもの弾丸が
転がっている。
「撃たれたのかね、しっかりしろッ!」
「ハハ……元気イッパイダゼ」
 話によると、彼はスナック菓子と間違えて弾丸を購入してしまったそうだ。そして、口
に含んだ瞬間に炸裂したらしい。お年寄りにありがちなミスだ。
 オリバは持ち前の知力で、彼を重傷だと判断。すぐさま救急車を呼び、どうにかスペッ
クは一命を取り留めた。思わぬアクシデントで、スペックの家賃を回収することは出来な
かった。202号室は失敗に終わった。

158 :しけい荘物語:04/05/29 00:48 ID:9KlHFEvW
 残るはシコルスキーが住む203号室。戸を叩くと、またしても反応がない。念のため
ノブをいじると鍵はかかっていなかった。
「不用心な……」
 普通ならば外出中だと判断する場面だが、スペックの前例があるのでオリバはドアを開
けることにする。
「シコルスキー君、いるかね?」
 中にはシコルスキーがいた。全裸のまま頭にバケツを被り、部屋中を右往左往している。
そんな彼もオリバの存在に気づいたのか、情けない声で絶叫する。
「頼むッ! このバケツを外してくれェ〜〜〜〜〜ッッッ」
 オリバはそのままドアを閉めた。今日は疲れたので早く寝よう。きっと明日は、もっと
楽しいことに出会えるに違いない。

159 :サナダムシ ◆fnWJXN8RxU :04/05/29 00:55 ID:9KlHFEvW
>>150
はい、あのSSがきっかけとなったのは確実です。
汚いけれども、絶対に逃れられない身近なテーマですから。

160 :作者の都合により名無しです:04/05/29 01:17 ID:UzLYGFv/
乙です
やっぱうんこ物と比べてしまい物足りなさを感じてしまう
サナダムシさんガンガレ

161 :ドラえもんの麻雀教室 最終回:04/05/29 04:08 ID:mt0ov1VA
誰 と 打 つ ?

01:ケンシロウ
02:ISAMI組
03:
04:
05:
06:
07:
08:
09:
10:
11:
12:

162 :ドラえもんの麻雀教室 最終回:04/05/29 04:08 ID:mt0ov1VA
 ノースウエストに集まったカス共の品定めをするのび太の目の前を、一陣の
風が吹き抜けた。右から左へ、左から右へ。時おり激しい火花を散らしながら
風は雀荘内を所狭しと暴れ回る。
 浅葱色の風が言葉を発した。
「死ねー!」
 黄色い風がそれに応える。
「貴様こそ死ねー!」
 風はISAMIとドラミであった。ISAMIの日本刀とドラミのビームサーベルが光
芒を描いて交錯し、攻守が目まぐるしく逆転する。雀荘のマナーもへったくれ
もなく死闘を繰り広げる二人を、ドラえもんとのび太は実に面白そうに眺めて
いた。アカギは麻雀さえ打てればそれでいいので、誰が何をしていようと別に
興味はない。
「あのオッサン、麻雀打てるのかな?」
「さあね。本人に聞いてみたら?」
 ドラえもんものび太も、ISAMIとはこれが初対面である。ドラミに怨み骨髄
であることは察しがついたが、麻雀の実力は依然として未知数のままだ。のび
太はISAMIへのアプローチを試みた。
「オッサーン。ボクら今から麻雀打つんだけど、一緒にやるー?」
「うおー!」
 ISAMIは全然聞いていない。ドラミに対して一心不乱に刀を打ち込んでいる。
「うおーだって。ここが雀荘だってことも理解してないんじゃないか?」
「何か投げつけてみたら、危険を察知して反応するんじゃない? 刀持ってる
んだし」
「そうだね。よいしょっと」
 ドラえもんはポケットから特大のピザを取り出して、ISAMI目がけてぶん投
げた。トマトとチーズの素敵なハーモニーが、ISAMIの背後から襲いかかる!

163 :ドラえもんの麻雀教室 最終回:04/05/29 04:09 ID:mt0ov1VA
「攘夷じゃー!」
 ISAMIは振り向きもしなかった。ピザは見事に命中し、溶けたチーズでISAMI
の後頭部にペッタリと貼りついた。ISAMIはピザなどお構いなしに、バカの一
つ覚えで日本刀をメチャクチャに振り回してドラミを追い回している。
「切れよ」
「食べやすい大きさにカットしろよ」
 大事な夜食をムダにして不満タラタラのドラえもんとのび太の前にHAJIMEが
やって来て、アカギを含めた三人にチョンマゲ臭い頭を下げた。
「それがしの連れがご迷惑をおかけして、面目次第もござらぬ」
 HAJIMEに謝られたってISAMIがおとなしくなる訳ではないし、さりとて金で
事態を丸く収めようという誠意も見られない。小判の詰まった電子ジャーでも
持ってきているのかと思ったら、このクソチョンマゲは物の見事に手ぶらであ
る。ドラえもんとのび太の怒りは最高潮に達した。
「ダメ。絶対に許さないでござる」
「口だけだったら何とでも言えるでござる。さっさとISAMIをとっ捕まえてく
るでござるでござる」
 明らかに人を小馬鹿にした口調で焚きつけると、HAJIMEは踵を返してドラミ
と交戦中のISAMIに向かって歩き出した。なぜかアカギもついて行った。

164 :ドラえもんの麻雀教室 最終回:04/05/29 04:10 ID:mt0ov1VA
 ISAMIとドラミの闘いは、新たな局面に突入していた。刀での斬り合いは一
段落ついて、お互い劇薬の瓶を手に持って相手の口をこじ開けようと顔を真っ
赤にして頑張っている。ロボットのドラミが毒で死ぬとは思えないのだが、攘
夷に夢中のISAMIはそんな事には全く気がつかない。後頭部に張り付いたピザ
の香りが食欲をそそるクリスピーなISAMIに、HAJIMEが後ろから声をかけた。
「おい、そこのチョンマゲピザ」
「なんじゃい! チョンマゲにチョンマゲと言われる筋合いは……」
 唇の端から絞り出すように返事をしかけたISAMIの口が、その時パカリと開
いた。開いた口から突き出た日本刀の切っ先からは、真っ赤な血が滴り落ちて
いる。HAJIMEに刺し貫かれたISAMIの手からこぼれ落ちた劇薬が床の血だまり
と混じり合って、凄まじい臭気を部屋いっぱいに振りまいた。
「なによ! 今さら助けにきてくれたって、絶対謝礼なんか払わないん……」
 ドラミの頭がUの字に陥没した。アカギがHAJIMEの刀の鞘で手加減なしにぶ
ん殴ったのだ。大口を開けて昏倒したドラミを引きずり起こして、ISAMIのぶ
ら下がったHAJIMEの刀に突き刺した。新巻鮭みたいになった二人の体を鍔まで
押し込んで鞘をかぶせて、アカギとHAJIMEで刀の両端を肩にかついで戻ってき
た。初対面のくせして恐るべきコンビネーションである。
 変わり果てた姿となったドラミとISAMIを雀卓の上に投げ出して、HAJIMEは
ドラえもんとのび太に言った。
「これでよろしいでござるか」
「よ、よろしいでござる」
「ござる」

165 :ドラえもんの麻雀教室 最終回:04/05/29 04:12 ID:mt0ov1VA
ずいぶん間隔が空いてしまったので、冒頭からアップしちゃいました。
推敲とか全然してないので、ホームページ掲載時にはとんでもなく
文章が変わっているかもしれませんが、そん時はごめんちゃい。

166 :作者の都合により名無しです:04/05/29 06:57 ID:AdhCcbjq
おおーVS氏復活おめ。
量が少ないのは、まだ本調子ではないのか。

サナダムシ氏もお疲れ。
しかし人大杉うざいな。

167 :作者の都合により名無しです:04/05/29 07:35 ID:Zz2Qmbdc
専用ブラウザ入れろよ・・・いい加減

168 :作者の都合により名無しです:04/05/29 12:45 ID:zqMxmxKg
                   負
                   け
       /⌒\     オ 犬
      ノ)´・ \・`    h の
     (/ (   ▼ヽ    ボ
       / \_人_)    エ
      /|\ソ ヽ\
     /  ̄L\|∩)
     | \ /\)\\
      \ 〆  /  | \\
       |\/ ∧゚ |  \\_
       |   / \|_  | /
     _|_ ノ  ̄\  \ レ  プ〜〜♪
     .|\\__レ  |  |
     .|  | ̄   |  | | | |
     .|  |    |  | | | |
     \|    |__|_|___|_|
        ̄ ̄  | | | |
            ヽ_ヽヽ_ヽ

169 :しけい荘物語:04/05/30 02:39 ID:AV0IVykW
第四話>>156

170 :しけい荘物語:04/05/30 02:40 ID:AV0IVykW
第五話「消えたキャンディ」

「キャンディがない……」
 ドリアンはその場に立ち尽くした。あれだけ買い込んでいたキャンディが全てなくなっ
ているのだ。部屋中をくまなく捜索したが、全く見当たらない。日頃のペテンで疲れてい
る心身を癒してくれる、魔法の道具キャンディ。怒りに打ち震えたドリアンが行動に出る
のは早かった。アパート住民全員を、自分の部屋へ来るよう呼びつけたのだ。

 三十分後、103号室に六人が勢揃いした。少々窮屈だが、かまわずドリアンは話を進
める。大量のキャンディが消失した事件についてだ。
「今朝まであったキャンディが、ついさっき見たら丸ごとなくなっていた。あまり言いた
くはないのだが、はっきり言おう。私は君達を疑っている……」
 ドリアン以外の表情が曇る。無実の罪を着せられた不快の念でか、はたまた図星である
ためか。それはこれから明らかになっていくだろう。
「今のうちならば、私のキャンディを盗んだ罪を咎めはしない」
 誰一人として返事をしない。この沈黙が、緊迫した空気をよりいっそう重くする。そん
な中、スペックがドリアンに対し苦言を呈する。
「ハナッカラ俺達ヲ疑ッテルミタイダガヨ。チャント探シテナイダケナンジャネェノ?」
 さらに、シコルスキーと柳も続く。
「こういうやり方はよくないと思うぜ」
「私も同感だな。さらに言わせてもらうならば、私は和菓子しか食べないから西洋の飴を
盗む理由がない」
 オリバとドイルは何も言わないが、不満を持っているというのは表情を見れば明らかで
ある。彼らが盗んだという証拠はないのだ。状況はドリアンにとって悪くなる一方だった。

171 :しけい荘物語:04/05/30 02:40 ID:AV0IVykW
 結局、一時間も経たないうちに議論はドリアンの勇み足に過ぎなかったという結論に至
った。容疑者でなくなった住民達は立ち上がり、次々に帰ろうとする。その時だった。
「キャンディ……」
 ドリアンの瞳に怪しい輝きがこもる。その視線の先にあるのは、玄関の裸電球だった。
「キャンディ見つけた! あんなにでっかいの、僕初めて食べるよ!」
 抑えられぬ欲求が暴発し、電球を食べようと暴れまくるドリアン。自我を失っているた
めか、普段では考えられないような底力を発揮している。スペックでも抑え切れない。こ
こに来て、ようやくオリバが動いた。
「こういう時はどうするべきかね」
「首筋ニチョップシテ気絶サセタリスルヨナ」
「……では、そうするかな」
 オリバはその腕力でドリアンを難なく捕らえ、彼の首筋に軽くチョップをした。首の骨
が折れた。
「オイオイ、折レチャッタゼッ!」
「ノープロブレムだ。ワインとステーキを食させれば治る」

172 :しけい荘物語:04/05/30 02:42 ID:AV0IVykW
 ワインとステーキでは治らなかったドリアンは、近くの総合病院で入院することになっ
た。三日後、面会謝絶が解けた個室に五人が向かう。もちろん、大量のキャンディを手土
産にだ。
 パジャマ姿でベッドに横になるドリアンが、皆に申し訳なさそうに呟く。
「すまないね……心配をかけてしまって」
 大きな体に似合わず、落ち込んでいるドリアン。そんな彼を励まそうと、皆は温かい言
葉を惜しみなくかける。少しずつ笑みが戻り始めたドリアン。だが、異変は突然起こり始
めた。
「オ、オ、オ、オ、オ……!」
 腹を押さえ、ドリアンが苦悶の表情を浮かべ始める。そして、口の中から何かを吐き出
した。吐き出した物の正体は、なんと大量のキャンディが入った瓶であった。先程までと
は一変、いきなりドリアンが大声で笑い始める。呆然とする一同。
「そうだった、そうだった。失くすと大変だから、キャンディは全て私の胃袋に入れてい
たのだったよ」
 あまりに意外なタネ明かしに、手品師を目指しているドイルも思わず苦笑する。
「こんな見事なマジックをされては、俺の顔が立たないじゃないか」
 このジョークに、他の五人も大爆笑。住民を疑ってかかったドリアンの罪も、そのドリ
アンを半殺しにしたオリバの罪も、全てが水に流れていった。「しけい荘」の面々は小さ
なことなど気にしない。むしろ覚えていない。キャンディ消失事件、これにてお開き。

173 :サナダムシ ◆fnWJXN8RxU :04/05/30 02:45 ID:AV0IVykW
コメントありがとうございます。

とりあえずキリのいい五話までいけたので、またうんこSSを書いてみようと思っています。
食事中の方はすみません。

174 :作者の都合により名無しです:04/05/30 03:25 ID:TfWxRLG0
楽しみに待っています

175 :作者の都合により名無しです:04/05/30 08:33 ID:9qo6Dqtl
楽しみに待っています

176 :ドラえもんの麻雀教室 最終回:04/05/30 09:46 ID:lxGHYxZ/
 忽然とノースウエストに現れた二人の男に、訊きたいことは山ほどある。ド
ラえもん達はISAMIとHAJIMEを伴って、入り口脇の待合室に移動した。ドラミ
とISAMIのケガは雑巾で拭いたら治った。
「アンタら、一体なんなのさ」
 のび太の漠然とした質問に、HAJIMEは大真面目な顔をして答えた。
「武士でござる」
 それぐらいは格好を見れば誰だって分かる。
「それぐらいは格好を見れば誰だって分かるんだよボケ。どこのどんな武士様
なのかを聞いてんだよ」
「おお、それは失礼いたした。拙者ども、京都の治安を回復すべく江戸より派
遣された、ISAMI組の局長および副長でござる」
「エド? どこそれ? 大陰唇の外側あたり?」
 武士は知っていても江戸は知らなかった。若者の学力レベルの低下を一身に
担う鉄人のび太に、ドラえもんが日本の歴史を懇切丁寧に講義してあげた。
「のび太くん。江戸ってのは、日本に昔あった都市の名前なんだよ」
「そうなんだ。ってことは、今はもうなくなっちゃったんだよね。どうして?」
「文明が発達して宇宙を征服できる程の武器とか作ったんだけど、それで人々
の心が荒んで、みんなやる気をなくして自殺しちゃったのさ」
「へー! 昔の人って頭よかったんだねー」
「でもね、テクノロジーの進化は必ずしも人間を幸せにしてくれるとは限らな
いんだよ。のび太くんも肝に銘じておこうね」
「はーい。それで、その江戸の人間がどうして雀荘にいるのさ? ドラミちゃ
んとも何だか知り合いみたいだしさ」
「それは俺から説明しよう!」

177 :作者の都合により名無しです:04/05/30 10:53 ID:9qo6Dqtl
>>176
乙です。
一度にうpする分量が少ないのが少し気になるけど。

SSのまとめやってるサイトみつけた。
http://www2.strangeworld.org/roms/ss/index.html

178 :作者の都合により名無しです:04/05/30 14:00 ID:bS0sPGmp
>サナダムシ
お疲れさま。面白かった。またうんこか、残念。

>VS
乙。忙しいんだろうな。

>>177
やめとけ

179 :ドラえもんの麻雀教室 最終回:04/05/30 20:23 ID:lxGHYxZ/
 セワシがこちらにやって来た。オタマとフライパンを両手に持って、22世紀
デザインの最高にオシャレなエプロンを颯爽と風に翻すその姿は、厨房の主た
る威厳と迫力に満ち満ちている。ケンシロウにど突かれたケガはタマネギをす
り込んだら治った。
「ブヒーン!」
 HAJIMEの隣でコーヒーをすすっていた二頭の馬が、セワシを見て嬉しそうに
いなないた。馬にとっては百数十年ぶりの再会になるので懐かしくもあろうが、
セワシごときに喜んでいるのは馬だけである。特に空腹のドラえもん、ドラミ、
のび太の三人は歯をむき出して怒っている。
「テメーはおとなしくカレーを作ってりゃいいんだよ。いちいちでしゃばって
くんなボケ!」
「あと10秒でカレー持ってこなかったら、アンタ自身が食卓にのぼることにな
るからね。覚悟しときなさいよ」
「どの精子がセワシになるのか、僕はちゃーんと分かってるんだからな。エロ
本のシミになりたくなかったらとっとと厨房へ帰れ!」
「へーい」
 セワシはいともあっさり厨房へ引き下がった。最初から説明する気などなく、
ただの顔見せの登場だったらしい。馬がセワシの後を追って厨房へ駆けていっ
た。
「ドラミ殿とセワシ殿には、京都で非常によくしていただきまして」
 何事もなかったかのようにHAJIMEが答えた。ISAMIに向かって光線銃をぶっ
放すドラミを見て、話を続けた。

180 :ドラえもんの麻雀教室 最終回:04/05/30 20:23 ID:lxGHYxZ/
「ドラミ殿。拙者とISAMI、あの時空を飛びましたな」
「そうね。セワシさんにボコボコにやられて、泣きべそかいて逃げ出したわね」
「ちょうどよい機会だったので、あのまま久しぶりに江戸へ戻ろうということ
になりまして」
 ドラミのあけすけな物言いにも、HAJIMEは恬然としている。ドラミの光線を
手鏡で跳ね返していたISAMIが苦々しげに反応した。
「そうじゃったのう。あれがそもそもの間違いだったんじゃい!」
「江戸に到着するとすぐに浴衣を羽織った大男が近づいてきて、アメ玉をやる
から一緒に来い、と拙者どもに申すので、陸路を走ってきた馬と共に男につい
て行ったのでござる」
「武士がアメ玉なんかに釣られんなよ」
「あの時分、甘い物は貴重品でござったからなあ。案内された畑の真ん中には
立派な台座がしつらえてあって、拙者どもは台座に登ったでござる。アメ玉を
持ってくるからしばし待て、と男はどこかへ消えてしまい、なかなか帰ってこ
ないので麻雀でも打って待つことにしよう、と麻雀牌を積んだところで……」
「ずっと隠れていたその男にコールタールをぶっかけられたんじゃい! ワシ
ら、それで今まで身動きがとれなかったんじゃい!」
 ISAMIの手に力がこもり、持っていた鏡にいくつものヒビが入った。ドラミ
の光線を乱反射して室内の壁や天井に無数の穴を開けたが、客は無傷であった。
ISAMI組の局長たるもの、無益な殺生はご法度なんである。HAJIMEの話をロク
に聞いていなかったのび太だが、お愛想で適当に相槌を打った。
「へー、世の中には悪い人もいるんだねえ。結局その人の正体は分からないま
まなの?」
「本名かどうかは分からないでござるが、男はSAIGOと名乗っていたでござる」
「サイゴー?」
「おいどんのことですたい」

181 :ドラえもんの麻雀教室 最終回:04/05/30 20:24 ID:lxGHYxZ/
 またセワシか、と誰もが一瞬考えたが、声は真上から聞こえてきた。天井に
目をやると、タヌキの置物が宙に浮かんでいた。ゆっくりとテーブルに降りて
きて、ドロンと煙に包まれると、置物は人間の姿になった。恰幅のいい巨体に
白地の浴衣を引っ掛けて一匹の犬をつれたその男は、どこかの公園に建ってい
る眉毛の太い男の銅像にそっくりだった。
「そうそう、この御仁に間違いござらん!」
 HAJIMEが手を叩いて歓声ををあげた。のび太はSAIGOとは何の係わり合いも
ないので、タヌキが人間に化けたという以外に別段感動はない。
「さ、本人登場でスッキリしたところで、いい加減に麻雀を始めようよ」
 一同は大いに頷いて、雀卓に戻って闘牌の準備を整えた。まずはISAMIがメ
ンツに入ることになり、HAJIMEは試合を観戦しながら出番を待った。SAIGOは
何をするでもなく、雀卓のそばにボケっと突っ立っている。
 東一局、親はISAMI。ドラは中。最終決戦の先陣を切ったのはのび太だった。
「リーチ!」

西一六白(2)(1)←リーチ

 残りの人生の運を使い果たしたようなのび太の六巡目リーチに、ISAMIは全
く怯まない。
「知るかボケ!」
 ISAMI、無スジの打七索。ここで退いたら武士ではない。男は決して背中を
見せない。負けても銭は払わない。
 ドラえもんが現物の西切りの直後のアカギ、ドラでションパイの打中。一見
無謀なアカギの打牌に、ギャラリーのHAJIMEの顔がわずかに曇った。
「あちょー!」
 のび太、無念の打九筒。一発ツモはならなかった。リーチですべての運を使
い果たしたのだから、一発と言わず生涯ツモアガることはないだろう。
 ISAMIの打三筒、ドラえもんの打六萬ときて、アカギにツモ番が回ってきた。
ツモを手牌に収めて右端の牌を無造作に切った。中である。アカギの手の内に
は、ドラの中が二枚あったということになる。

182 :ドラえもんの麻雀教室 最終回:04/05/30 20:25 ID:lxGHYxZ/
「バカめ、ドラを笑うものはドラに泣くんじゃい! リーチじゃボケ!」
 のび太とドラえもんの現物で、アカギはもはや問題ではない。ISAMIは何の
ためらいもなく西を横に曲げ、おっかけリーチを宣言した。
「ロン」
 十三枚の牌が軽やかな音を立てて倒れた。アカギの手牌だ。

五五九九(7)(7)11南南中中西

「チートイツドラドラ。6,400点」
「うがー!」
 ISAMIとのび太が同時に叫んで手牌を崩した。ISAMIの後ろで戦局を見守って
いたHAJIMEがヒュウと口笛をふいた。
「アカギ殿、中を四枚持っていたでござるか」
「ククク……」
「ドラのトイツ落としで自分へのマークを緩めるその打ち筋、只者ではござら
んな」
「ククク……」
 アカギの正体はクククばかりのただのウスバカなのだが、アカギと初対面の
HAJIMEは素直にアカギを褒め称えた。褒められてもアカギはやっぱりクククの
一点張りである。
「なんの! 勝負はまだまだこれからじゃい!」
「そうそう、ISAMIさんの言う通り。のび太くんも僕も、このままじゃ終わら
ないからね。さてと」
 嵐の予感をはらみつつ、東一局はつつがなく終了した。牌山を崩して、回収
穴に落とし込み、新しい牌山をセットして、四人で居住まいを正して、
「せんせーい!」
「死ねー!」
 歓喜のドラえもんと怒りのISAMIが、同時にSAIGOに飛びかかった!

183 :ドラえもんの麻雀教室 最終回:04/05/30 20:27 ID:lxGHYxZ/
ども。続きはいつ書けるかまったくわかりまへん。

184 :作者の都合により名無しです:04/05/30 21:24 ID:bS0sPGmp
ということは書く気はあるんだ。良かった

185 :ふら〜り:04/05/31 01:04 ID:e21zlurs
>>サナダムシさん
これだけの長さの作品で、全員きっちりと出番・見せ場があるのが凄いです。今回一番
ツボったのは、>>171>>172の谷間ですね。「治る」「治らなかった」と間髪入ってない
ところが。オリバの常識、世間の非常識。ま、このメンツでは全員に当てはまりますが。

>>VSさん
今更のようにアカギをウスバカと断言しましたな。確かにクククばかりですが。ある意味
桐山っぽいのかも。虚無の悪魔。でもちゃんとアカギらしい打ち方もしてたりして。
あと。さらりと流されて、もう出番はないかと思っていたSAIGOどんの最期やいかに。
いや最期と決まったわけではないですが。


186 :作者の都合により名無しです:04/05/31 23:46 ID:mDcPgDyN
支援age

187 :作者の都合により名無しです:04/05/31 23:52 ID:koQpW4Jp
<機械仕掛けの人魚姫 第一話>

『人魚姫は禁忌の実を食べてしまいました。
 人間の青年に、恋をしてしまったのです。
でも、しょせんは人魚と人間。
決して叶うはずの無い哀しい恋。
ですが人魚姫は決めました。
たとえ、どんな運命になろうとも。
あの人の近くに。あの人の近くに。
     そう。
たとえ、この身がどうなろうとも。』


白濁した水滴から、ツンとした硫黄臭が微かに漂っている。
炭鉱が近い。おそらく刺激臭はその影響だろう。決して豊穣な地ではない証拠。
それでも彼女はもう10分以上シャワーを浴び続けている。
艶やかなプラチナブロンドが極め細やかな白い肌に、ベットリと付着する。
泥や汗はとうに流れ落ちたはずだ。それに彼女はほとんど汗は掻かない。
彼女は人間ではないからだ。否、完全な人間ではないからだ。

人造人間。ドクターゲロ、という狂気の科学者が生み出した戦闘生物。


188 :作者の都合により名無しです:04/05/31 23:53 ID:koQpW4Jp
美しく整った細面。絹のような美肌が滑らかなに描く女性的なフォルム。
美を競う世界中のどのコンテストに参加しても、彼女は確実に入賞するだろう。
しかしその女神のような外観とは裏腹に、その膂力は想像を絶している。
腕を掃えば山が崩れる。蹴りを放てば海が割れる。超常の強者。

最高の美と、最強のちから。
およそ人が羨む2つの力を得、それでも彼女は悩み、迷っている。
一年前のあの日より、彼女の心に始めて男が棲んだのだ。
世間では醜男のカテゴリーに入るその男は、彼女の心に初めてのものを与えた。
安らぎと温もりである。

その男の前で強がって、飛び出した事を今は後悔している。
それ以来、まるで小さなトゲが刺さっているかのように、彼女の心は痛むのだ。
逢いたい、と。
一年前、『セル』という怪物(彼女にとっては兄妹だが)が打ち倒されて以来、
ずっと彼女はその男を思い続けている。

想われ人の男の名はクリリン。想い人の女の名は18号。



189 :作者の都合により名無しです:04/05/31 23:55 ID:koQpW4Jp
ある日、意を決し18号はクリリンを尋ねに行った。だが彼は居なかった。
彼の師匠も友人も、彼がどこに消えたか分からないというのだ。
師匠の姉の世界一の占い師ですら、居場所を掴めないという。
18号に嫌な予感が走った。       …大きな敵に、捕らわれた…?
そして彼女は旅立った。クリリンを探す為に。突き動かされるように。
その激情が何であるか、今の彼女には判らない。

そして一年後。彼女はこの小さな炭鉱の町『ガラ』を訪れた。
この一年、クリリン捜索の手掛かりは全く何も見付からなかった。
だが、何故か18号には確信があった。
大きな事件の近くにいけば、必ず彼に近付ける。
クリリンは、今まで世界の危機を何度も救った者たちの一人である。
その彼が動けないとすれば、大きな動きに巻き込まれているからだろう。
世界中を飛び回り、北の都で出逢った妖しい老婆。彼女が言った。

「北の炭鉱の町では、人が化けるそうじゃ」

シャワーを浴び続けながら18号はある言葉を頭で反芻している。
 『ソコナイ』…『ソコナイ』…『ソコナイ』。
多分、それがキーワード。この奇怪な町の、そして多分クリリンへ通ずる。
話は3時間前、この町『ガラ』唯一のバーでの出来事へ遡る。


190 :作者の都合により名無しです:04/05/31 23:56 ID:koQpW4Jp
特有のくすぶった臭いが、この酒場の一見客へのよそよそしさを形容している。
テーブル席では、安いギャンブルに興ずる炭鉱夫が下卑た嬌声を上げている。
床に酔っ払いがだらしなく寝転んでいる。男は自堕落さを気にも掛けていない。

おそらく、このバーのごく日常的な風景なんだろう。
死んだような目のバーテンが、面倒臭そうに客に酒を振舞っている。
活気の欠片も無い町に相応しい酒場。大きな絶望に諦めすら感じる盛り場。

18号は足を踏み入れた。暗闇を蹴散らす太陽のように、堂々と。

ヒュウ、と口笛が鳴った。スラムに舞い降りた絶世の美女である。無理も無い。
だが好色そうな視線を意に介さず、18号はカウンターへと座り、言った。
 「何でもいい。アルコールの高いやつを」
バーテンは18号の容姿にも無感動に、緩慢にカクテルを造って言った。
 「未成年だろう、あんた」
一応言ってみただけの言葉だろう。酒はもう18号の前に差し出されている。
 「年は3分の一以下でも、わたしはあんたの10倍の人生を生きている」

人生か。そう言って18号は心で自嘲する。化け物が、『人生』か。
 「お嬢さんみたいな美人がこんな町にいちゃいけない。帰んな」
 「そうはいかない。 …この町で、変わった事は無いか?」
 「売るほどある、この町は。だからお嬢さん、帰った方が良い」


191 :作者の都合により名無しです:04/05/31 23:58 ID:koQpW4Jp
空虚な瞳のまま、バーテンは独り言のように言った。一応忠告らしい。
 「そうはいかねえよ。よう姉ちゃん、一緒に呑もうや。楽しめそうだぜ」
荒くれ者どもが3人ほど、18号にからみ始めた。だが彼女は無視して聞く。
 「…この辺りに、おかしな話があると聞いて来たんだが」
聞かれたバーテンは一瞬ハッとした表情を見せる。始めて見せる心情の動きだ。
 「おいおいねーちゃんよ、そんな話してねえで楽しもうぜ」

18号の肩に腕を回し、臭い息を吐く巨漢。それでも18号は相手にしない。
すると男はますます調子に乗り、胸を揉みほぐし始めた。18号の視線が動く。
 「今なら許してやる。さっさと消えな」
形の良い切れ長のまなじりから、セルリアンブルーの瞳が刺す様に男を見る。
一瞬、怯む巨漢。だが18号を少女と侮ったのか、それとも人数を頼ったのか。
巨漢は自殺行為のような陵辱を止めようとしない。 …すると。
 「止めなよおじちゃん、せっかく新しいお客さんなのに」

10歳くらいの少女が、巨漢の服の裾を引っ張って儚げに笑っている。
こんな錆付いた酒場に、似付かぬような品の良さが顔に出ている。
片手に盆を持っているところを見ると、この酒場の家族であろうか。
だが巨漢は無遠慮に少女の尻を撫で回すと、顔の紅くなった少女に言った。
 「レック、おめーは5年後たっぷり可愛がってやるよ。今はこの女だ」
バーテンの顔色が変わるが動かない。その代わり18号の右手が動いた。
 「ぐぎゃあああっ」
 「な、何だ、何が起こったんだ?」
 「まさかあの女も、あの山奥の村の『ソコナイ』か?」


192 :作者の都合により名無しです:04/06/01 00:03 ID:LEj8QKkk
騒然とする酒場。18号にしてみれば、軽くパンチを振るっただけの事だが。
狂乱した残りの2人が襲い掛かる。だが彼女は酒を傾けながらその場を動かず、
軽く右腕を振る。男の方すら向いていない。が、2人は店の端まで吹き飛んだ。
シン、とする店内。18号は静かにグラスを傾けながら、バーテンに聞く。
 「『ソコナイ』っていうのは、何だ?」
だが次の瞬間18号は目を疑った。男の一人が立ち上がって襲って来たのだ。

 (おかしいな。並の人間なら2、3日は寝込むはずだけど)
頭を疑念がよぎるが、瞬く間に再度掛かって来た男を返り討ちにする18号。
今度はかなり強めに打った。死にはしないが、入院だろう。
ムクリ。その思いを他所に、男が再度立ち上がる。18号は始めて動揺した。
…立ち上がった男の耳の穴から、細長い肉のようなものが顔を出したからだ。

 「退けえ、小娘っ」
バーテンの怒声が店内に響く。見ると口径の大きな猟銃を構えている。
 「ば、馬鹿止めろ、殺す気か」
18号はバーテンを止めようとしたが、発砲が一瞬早かった。
どん、どん、どん。

3発。銃弾は的確に男の顔面を捉えた。爆発するように飛び散る肉片。
18号は咄嗟にレックという少女の目を隠す。以前からは考えられない行動だ。
だがそれが多分、クリリンが18号に与えたものなのだろう。

男の首から上は、完全に吹き飛び即死した。 …はずだった。


193 :作者の都合により名無しです:04/06/01 00:10 ID:LEj8QKkk
18号とクリリンのお話です。
続きます。

194 :作者の都合により名無しです:04/06/01 01:12 ID:omC8ELYx
ふいんきが違う
期待

195 :作者の都合により名無しです:04/06/01 01:23 ID:Jpsyb4vj
前スレのメロンパンですか?
乙。

196 :作者の都合により名無しです:04/06/01 08:19 ID:H0L9Zowh
お疲れさま。
クリ×18号ってらぶらぶのコメディかと思ってたのに
なんかハードなふいんきで期待大。がんがれ。

途中で投げるのだけは勘弁してくれ。

197 :作者の都合により名無しです:04/06/01 12:09 ID:H0L9Zowh
支援あげ。


198 :作者の都合により名無しです:04/06/01 14:45 ID:omC8ELYx
>途中で投げるのだけは勘弁してくれ。
一言多い
いちいち言わなきゃ気が済まないのか。

199 :作者の都合により名無しです:04/06/01 18:31 ID:ohr7tJmm
想像してたクリリンと18号のラブストーリーと
全然違う暗い感じだが、久々に期待できそうな作品だ。
ラストまで頑張って下さい。

もちろん、VSさまやうみにんさん、サナダムシさんやふらーりさんたちもね。

200 :作者の都合により名無しです:04/06/01 21:24 ID:DpJTxOQ2
案外人大杉の方が常時ageで賑やかになってるね。
怪我の功名ってやつだな。リスクはあるけど人大杉直ってからも
常時ageで新規を増やすのもアリかもしれんな。深夜早朝は変なの
紛れ込みそうだから夕方から夜11時くらいまでで。

201 :作者の都合により名無しです:04/06/01 21:37 ID:leSKnpPw
>>192の続き
機械仕掛けの人魚姫 第二話

酒場の中は粛然としたまま、誰も動こうとはしない。一人を除いて。
バーテンが更に首なし死体に向けて猟銃を構えた。慌てて止める18号。
 「何やってるんだ、これ以上何するんだ」
 「この程度では死なんのじゃ、こいつら『ソコナイ』は」
 「…え?」
ぐじゅるぐじゅじゅじゅ。
何処からか不気味な音が沸き上がる。音の方へ目をやる18号。ぎょっとした。
弾け飛んだ首の付け根。そこの肉片がうぞうぞ蠢いている。
まるで原始生物のように、細胞そのものが意思を持つかのように胎動している。
猟銃を持ったバーテンが狂ったように叫ぶ。
 「ガソリンじゃ、レック、ガソリンを持って来いっ、焼き尽くさねば」

だがその言葉より早く、首なし死体はむっくりと起き上がった。
しゅこー、しゅこーと意味不明な声?を上げながら、両の足でしっかりと。
そして先程蠢いていた、首付け根の肉片は、いつの間にか触手状になっている。
18号はおぞましさに吐き気を覚える反面、喜びに身悶えした。
 (これが『ソコナイ』か。やっと見つけた、あの人への手掛かりを)


202 :作者の都合により名無しです:04/06/01 21:39 ID:leSKnpPw
もぎ取られた首の付け根から肉片が屹立し、独立した生命体の様にぜん動する。
触手が信じられない成長速度でその身を伸ばす。既に本体の胴の数倍長い。
毒々しい花弁に見えるその付け根から、触手がうねうね18号に襲い掛かった。

 「逃げろお嬢さん、逃げるんじゃっ」
バーテンは弾込めをしながら18号に叫んだ。
どん、どん、どん。
更に3発、触手と胴体に向かって発砲する。だが、効いていない。
弾丸は2発胴体を突き抜けた。しかし男(だったと言うべきか)は堪えない。

元は首だった場所から生えている触手をうねらせながら、近付いてくる。
一発は触手に当たったが、何故か貫通はしなかった。肉の中に吸収され、
撃たれた銃創の痕はあっという間に塞がれてしまっている。
 (自己再生能力があるらしいな)
18号は冷静さを取り戻しながら分析する。触手がついに彼女の首に巻き付く。
その柔らかな肉感に反し、底知れない締め付けの強さを感じる。
相手が並の人間ならば、窒息どころか首の骨が簡単に折れるだろう。

だが相手は18号である。金髪の艶かしい美獣に怯えは無い。


203 :作者の都合により名無しです:04/06/01 21:40 ID:leSKnpPw
近くのバーテンが真っ青な顔をし、遠くからレックが泣きながら見ている。
客は既に全員逃げ出しているが、18号にはそんな事はどうでも良かった。
彼女は事態を読んでいる。敵の戦闘能力を測っている。
首に巻きつく大蛇のような触手から、得られる情報を引き出しているのだ。
そして2秒後。18号は斬れるような美しさを帯びた氷の微笑で言った。
 「面白いおもちゃだな。今度のクリスマスにでも売れ」

そっと巻きついた触手に手をやり、そのままブツリと無造作に引き千切る。
切られた触手の先は地に落ち、びちびちと音を立てて暴れまわる。
18号はそのまま前に進む。散歩しているような優雅な立ち振る舞いで。
その彼女を、触手が再度襲った。切られた先は瞬時に復活している。
 (戦闘能力はともかく、再生能力はかなり高い)

他人事のようにそう思いながら、18号は男の胴体にそっと手を置く。
ほんの少し逡巡した。彼女は1年前より、殺しはしないと決めたからだ。
 (しかしもうこいつは人間じゃない。いいよな、クリリン)

彼女の手が光ると、目の前の肉体が消失した。高濃度のエネルギー波である。
そして床で暴れ回る触手の一部を始末すると、カウンターに再度座った。


204 :作者の都合により名無しです:04/06/01 21:41 ID:leSKnpPw
 「マティーニだ。出来るだけドライにしてくれ」
怪物退治をした直後の18号の言葉から、既に数十分が経過していた。
奇妙な沈黙が店を包んでいる。店内にはもう3人しかいなくなったからだ。
バーテンのスミスと、その娘のレック。そして18号である。
先程までの野卑た喧騒は欠片も無く、ただ淡々とした時が流れている。
18号の前には何杯目かのグラスが置かれたままだ。そして彼女が沈黙を破る。
 「『ソコナイ』っていうのは、何だ?」

有耶無耶になった先程の質問を再度バーテンのスミスにぶつけてみた。
 「さっきの奴だ。化け物だよ。 …あんたみたいな、な」
超絶の力を見せたこの美女に対して、挑発的な言葉である。
再度沈黙。レックは固唾を呑んでカウンターの片隅で成り行きを見ている。

 「確かにわたしは化け物だ。否定はしない。更に付け加えれば悪党だ。
  多分、地獄に指定席が用意されているほどの、とびきりのな」

18号はまっすぐスミスを見て言った。
凛とした視線は有無を言わせぬ強さを秘めている。スミスは初めて笑った。
 「いや、そういう奴が必要なんだ。この神に見捨てられた場所ではな。
  あんたに頼む。あの化け物を狩ってもらいたい」


205 :作者の都合により名無しです:04/06/01 21:42 ID:leSKnpPw
スミスの言葉に熱がこもり出す。この美しい死神に希望を見出したのだ。
 「引き受けてくれるな。それにどうやら、あんたも用有りらしいし、な」
 「化け物を狩るには、化け物って事か」
チクリと胸の疼きを感じながら応える。好きで人造人間になった訳じゃない。

 「一年ほど前から、山奥の炭鉱地にあんな化け物が増え始めた。それ以来、
  この町はこんなザマだ。昔はもう少し、まともだったがな」

一年前。その部分が引っ掛かる。ちょうど、自分にとって全てが終わった頃だ。
ドクターゲロから始まった奇妙な道程が。そして始まった時期でもある。
はげ頭の小男への、もどかしくも温かい激情が。

スミスは18号に語り出した。挑発するように、哀願するように。
 「『ソコナイ』ってのは、死に損ないって意味だ。悪魔に魅入られて
  死ぬ事すら出来ん。化け物としていき続けるんだ。意思も無く、な」
 「悪魔? 何者だそいつは? それをわたしに狩れ、と?」
 「悪魔を狩るには、それ以上の悪魔が必要なんだ。希望という言葉が
  ジョークにしか聞こえない、この終わった町ではな」
 「それでわたしをご指名か」
 「まあな。どうやら、悪魔の中でもとびきり美しい魔女らしいが」


206 :作者の都合により名無しです:04/06/01 21:48 ID:leSKnpPw
メロンパンさんじゃないですよ。

今週あと2回くらいうぷします。
もう5回分書き終わってます。
この量だと12回位で終わる予定です。

人大杉直るといいですね。

207 :作者の都合により名無しです:04/06/01 21:57 ID:SSeCTnY7
18クリの人乙。このペースで12回ですか。なかなかの力作になりそうだ。
>>199
しかし、そうやって名前あげるとけっこう人材揃ってきたね。
なんだかんだでこのスレ実力派職人が集まるよね。
これで鯖復旧して人増えてきたら黄金期再来も夢じゃないんだがなぁ。
ようやくVSさんが戻ってきたと思ったら今度はうみにんさんが来ないと。
なかなかうまくはいかないもんだな。

208 :作者の都合により名無しです:04/06/01 23:05 ID:ndsJlJXi
全職人が同時にハイペースでSS書きまくるようなカオス状態はもう無理なのかもな。
VS・うみにん・○らの長編組はとにかくゆっくりでも完結さえしてくれればいいよ。
機械仕掛けの人魚姫もな。

209 :作者の都合により名無しです:04/06/01 23:24 ID:ucxZzzyn
VSとうみにん以外は正直いらん。
あーだこーだ能書き垂れるし。

210 :作者の都合により名無しです:04/06/02 00:26 ID:W6YAauq+
面白くなりそうな新作も来たし、久し振りに盛り上がりそうだ。
人魚姫作者氏おつ。期待してるけど、無理の無いペースで頑張ってくれ。

>>208
あの頃は逆に作品が来過ぎて読み辛かったくらいだったからね。
いま思えば異常だったけど、懐かしい。
でも現在のバキスレも雰囲気が良くなって来てるよ。嬉しい。
ヤムスレと肉スレも盛り上がって欲しいけどな。
ヤムスレは割と雰囲気良いけど、肉スレがかつて無いほど酷いな。
3つ一度に盛り上がるという事は、職人の数的に難しいのかな。
それに長官スレもSS来なくなって久しい。

とにかく職人さんたち頑張って下さい。俺は応援しか出来ないけど。


211 :作者の都合により名無しです:04/06/02 02:29 ID:LRLSux+5
人魚姫乙。
スレ活性化してきたね。
しかし人大杉のときにこうなるとは皮肉なものだ。
あげとくよ。

212 :左の拳A:04/06/02 13:33 ID:e14YdxIx
>>133
斜め前方に跳び上がりながら手刀を放った。美神の細い腕、しなやかな手が、
鞭となり刃となり、山崎の首筋を周囲の大気ごと斬り裂こうとする。
だが今度は山崎が、体を後方に反り返らせて、辛うじてかわした。しかし体勢に
無理があったせいか、完璧にはかわしきれず、頬に僅かな切り傷をつけられる。
「! ってェじゃねぇかよおおおおぉぉぉぉッ!」
反り返らせた上体を元に戻しながら、その背筋のバネをフルに使って、山崎が右拳を
突き出した。天耳拳の下降中だった天龍はかわせず、両腕を交差させて何とか防御する。
『ぐっ……!』
天龍の、美神の軽い体はその一撃で簡単に飛ばされて、宙を舞った。何とか体勢を整えて
着地するものの、腕は派手に内出血を起こして、赤黒くなっている。
どうやらこの戦い、山崎&ヒダリィに分があるようだ。やはり元になる肉体が、格闘技の
プロでもなんでもない、普通の女のものだからだろう。多少運動神経がいい程度では、
伝説の帝王拳(未完全覚醒)がついていても、寄生生物つきの山崎には抗しきれないのか。
押されている美神を見て、おキヌちゃんが不安げに横島の袖を引っ張った。
「よ、横島さん」
「なななな何だよ。まさか、加勢しろとか言うなよ、こんな超人バトルに」
「加勢しましょう」
「だから、できるわけねーだろっっ! 俺はか弱き一般市民なんだぞ!」
「でもでも、このままじゃ美神さんが」
「だからって……おっ? そ、そうか、よぉぉし」
横島は、人差し指を立てて唇に当てた。おキヌちゃんに、「しーっ」のポーズだ。
それから、静かに抜き足差し足、そ〜っと……そ〜っと……到着!
「っしゃああぁぁ! くぅおらっ、そこのヤクザ! これを見ろ!」
山崎が、攻撃を止めて振り向いた。その目に映ったのは、篝火の上で秘伝書を
広げている横島の姿。
「動くなよ! ちょっとでも動いたら、こいつを焼き捨てる!」
「て、てめえっ!」

213 :左の拳A:04/06/02 13:34 ID:e14YdxIx
戦いに熱中して、すっかり忘れていた。秘伝書はさっき、調子こいて足下に置いて、
そのままだった。
この状態では、ヘタにヒダリィを伸ばしてひったくろうとしても、その際に炎を
掠めてしまう恐れがある。それで秘伝書にかけられている妖術が乱れでもしたら……。
歯軋りしながら、動きを止める山崎。その時、天龍が動いた。手の平に気を
集中・凝縮させて、
「今だっ! 帝王天眼拳!」
超高速の、小さな気弾を投げつけた。標的は横島の持つ秘伝書だ。完璧に素人な
横島は全く反応できていない。仮に反応して、ビックリして秘伝書を篝火の中に
落としでもすれば、それで秘伝書は焼失する。どちらでもいい、秘伝書を始末
できればそれでいい、と天龍は思ったのだが、
「何てことするのよっっ!」
天龍が叫んで、ダッシュ! 目にも映らぬ速さで駆け抜け、自らが放った気弾を
追い越し、その前方に回り込んで両腕を広げ、自分の体を盾にして気弾を受け止めた。
「ぐはぅ……っ!」
唾液と胃液の霧を吐いて苦しむ天龍。いや、これは火事場のクソ力を出した美神だ。
「ぅぐぐっ、さ、さすがに効くわね……って美神さん、何をやってるんですかっ! 
……それはこっちのセリフよ! 財宝をパァにするつもり? ……そんな場合じゃ
ないでしょう? 世界の平和が、それ以前にこの場で貴女自身の命が賭かって
るんですよ!? ……財宝の為なら、んなもの知ったこっちゃないわよ! 
……知って下さい! お願いしますからっ!」
「! 美神さん、前っ!」
一人で口げんかを繰り広げていた美神に向かって、おキヌちゃんが叫んだ。はっ、と
美神が前を向くと、山崎の太い足、硬い革靴が振り回されて眼前に!
「ぁうっっ!」
美神は軽々と蹴りっ飛ばされ、豪快に吹っ飛んで壁に叩きつけられた。
「ど〜も、そっちはチームワーク悪ぃな。おかげでこっちは助かるがよ。ヒヒッ」
ニヤリ、と山崎が笑う。その左手が、ろくろっ首のように伸びて、吹っ飛んだ
美神の喉を握り締めた。
そのまま絞首刑よろしく、ぐぐっと持ち上げつつ、引き寄せる。

214 :左の拳A:04/06/02 13:35 ID:e14YdxIx
「形勢逆転だな。おい小僧、秘伝書を持ってこい。さもなきゃ、こいつの
首の骨、握り砕くぜ」
「ダ……メ、渡し……たら、許さ……な……」
「お前は黙ってろっ!」
「そーよ。黙ってなさい」
メリメリと音を立てて、山崎の指が、つまりヒダリィの指が、万力のように
美神の喉に食い込む。寄生生物の力を持つその指は、その気になりさえすれば
一瞬で、美神の頚をコナゴナにできる。
それを見て、躊躇する横島。確かに今、秘伝書を渡さなければ美神は殺される
だろう。しかし渡したら渡したで、自分が後で美神に殺されそうだ。
「ど、ど、どうすりゃいいんだ、俺はっ!?」
「どうするもこうするもねぇだろ。さっさと渡せ」
山崎、絶対優位のその時。ヒダリィが気付いた。
「あれっ。りぅちゃん、あの巫女さん姿の女の子がいなくなっ……あっ!」
「? どうした」
山崎が左手に目をやると、そこにおキヌちゃんがいた。持ち上げられ、
首吊り状態になっている美神のところに。そして、
「天龍さん、加勢します! 戦って下さい!」
美神の中に、潜り込んだ。途端に美神が暴れだす。
「!? ちょ、ちょっとおキヌちゃん、何を……美神さんは引っ込んでて
下さいっ! さあ、天龍さん! ……やめなさいってばっ! 離しなさい! 
……ダメですっ! 天龍さん、今の内に! ……ありがとうございますっ!」
目つきの変わった美神が、自分の喉を掴んでいるヒダリィに手をかけた。そして、
「ぬぅおおおおぉぉ……っ!」
「!? そ、そんなバカな、人間にこんな力が?」
寄生生物ヒダリィが、珍しく慌てた声を出した。人間などより遥かに強力なはずの
寄生生物である自分が、今、生身の人間に力負けしているのだ。
美神の喉を締め付けている指が、美神の手によって、いや天龍の手によって、
引き離されていく。
「ぇぇええいっ!」

215 :ふら〜り:04/06/02 13:43 ID:e14YdxIx
賑やかになってきたのはいいんですけど……人大杉、いつ治るんでしょうね。

>>人魚姫さん 
18号が美しくカッコ良く、ヒーロー(ヒロイン)っぽいですね。人形姫ってネーミングも
好きです。で、彼女が「斬れるように」綺麗な分、触手のおぞましさも一層引き立ってて。
そんな彼女と、醜男ではげ頭で小男なクリリンとのハッピーエンド、楽しみです!

216 :作者の都合により名無しです:04/06/02 17:56 ID:LRLSux+5
ふらーりさん乙。
しかしふらーりさんは漫画の守備範囲広いな。

217 :作者の都合により名無しです:04/06/02 19:52 ID:OvUla841
乙かれ。
人多杉+しけい荘終了で死に掛けていたのに、
ageで持ち直したな。
きっかけを作った>>186よ、褒めて使わす

218 :作者の都合により名無しです:04/06/02 20:14 ID:4vnFOnic
>>205の続き
機械仕掛けの人魚姫 第三話

山奥の炭鉱地の場所と聞ける情報を全て聞き、18号は再度グラスを傾ける。
大した情報は得られなかったが。そのままボンヤリと琥珀の液体を見る18号。
18号を見て何を思ったのだろう。スミスは料理用の金串を持ち出して来た。
そしてしみじみと言う。
 「強くて、美人だが。どうやら独りぼっちみたいだな、あんたは」
彼女は応えない。だが弟の17号とも、既に袂を分かっていた。当たっている。

スミスは金串を18号の前に出す。怪訝そうな顔をする18号に彼は言った。
 「一年前まで、この町はこうして生きてきた。ほれ、この一本の金串」
そう言うと思い切り金串を折り曲げた。金属音を発しボキリと折れる金串。
 「一本だとこんなもんだ。だが、こうやって沢山重ねるとな」
今度は五本ほどまとめて折ろうとするスミス。
だが金串は彼の腕力に耐え、ビクともせず原形を保っている。
 「何本か集まると、折れない。人間が生きてゆくとはそういう事だ。
この町も1年前まではそうだった。こういう生き方をしたらどうだ」
思わず苦笑する18号。先程まで魔女、と言った女に対してご忠告か。

…繋がり。協力。そして仲間、か…


219 :作者の都合により名無しです:04/06/02 20:15 ID:4vnFOnic
何故かその言葉に僅かな苛立ちも覚えた。白く美しい指をゆっくり伸ばす。
そして人差し指の腹を、金串数本の束に置いた。スミスは目を見張る。
大して力も入れたように見えないのに、金串が全て真ん中から折れている。
 「世の中にはね、100本集まろうが容易く折れる奴もいるんだよ」

そう言って呑み明かしたグラスにゼニ―札を数枚ねじり込んだ。
 「これは多すぎるよ、お嬢さん」
優に一ヶ月分の売り上げはあるだろう。スミスは未練気に返そうとする。
 「いいから取っておけ。酒代と宿代だ。わたしは明朝すぐ出発する。
2階の部屋を貸してくれ」

18号は立ち上がり階段を上り始めた。レックがぼおっと見上げている。
その背中に、スミスが小さな声で言った。少し哀れむような声で。
 「あんたは、一本でも決して折られないんだな。大したものだ。
だがそんな強いあんたが、そんな目をして何を探している?」

階段の踊り場で立ち止まる18号。その言葉に感ずるものがあったのだろう。
形の良いピンクの唇から、まるで呼吸音のような微かな声量で呟いた。

 「とっくに折られてる。 …そしてその折った男を、探してるのさ」


220 :作者の都合により名無しです:04/06/02 20:17 ID:4vnFOnic
シャワーを浴びている。もう10分以上シャワーを浴び続けている。
目は虚ろのままである。頭の中を様々な思いが駆け巡り、思考出来ないのだ。

 (下らないな。あんなチビのおっさんのために、わたしがこんな場所まで)
 (でも、逢わなければいけない気がする。何よりわたしが、逢いたい)
 (何の為に? あんなおっさんにあってどうするんだ?)
 (敵だった男だぞ、ましてわたしは人造人間だ)
(人間のかたちをしているだけの)
 (人を殺し、街を壊した)
 (呪われた)
 (怪物)

人間のかたちをした怪物。その怪物が超人とはいえ人間の男を求めている。
何故かは分からない。だがその男の事を思うと体が熱く火照ってしまう。
右手を下腹部に指を這わせる。黄金色の奥は熱く濡れそぼっている。
「んっ…」  
思わず吐息が漏れる。自然と尻を突き上げる形になる。
秘所の突起物がぴんと張り詰め、男を受け入れる状態になっている。

人間の、女の生理。わたしはその男に貫かれたいと思っている。
下半身の突起を柔らかく指の腹で摩りながら、左手で乳首を転がし始める。
息が荒くなり声が大きくなるが、シャワーがなんとかかき消してくれている。
右手の指の動きが激しくなり、秘所のヒダを、そして深奥の部分を愛撫する。
 「あっ、んくっ、ああっ、うっ、気持ちいいっ、クリリン…」
思わずその男の名を叫び、達した。何度虚しい自慰を繰り返しただろう。

そのつかの間の肉体的快感のあと、18号は泣いた。


221 :作者の都合により名無しです:04/06/02 20:20 ID:4vnFOnic
2階の部屋は割合に清潔であった。勿論、想像よりという程度ではあったが。
ベッドにぼんやりと横たわり、呆けた顔で天井を見上げる18号。
その時、トントンと誰かがノックする音が聞こえて来た。ドアに声を掛ける。
 「えへ、お姉ちゃん。お水持って来たよ」
ノックの主はこの酒場の娘のレックだった。無邪気な顔でグラスを差し出す。
無言で受け取り、口を付ける18号。ニコニコ笑ってそれを見ているレック。

 「用は済んだろガキ。邪魔だからどっかに行け」
 「お姉ちゃん。あたしレックっていうの、よろしくね」
 「知ってる。さっき客がお前の名前を言っていた」
 「お姉ちゃん強いんだねえ。私びっくりしたよ」
 「お前には関係ない。もう一階へいけ」

愛想の無い18号の態度に、涙目になるレック。チッと舌打ちをする18号。
カバンからチョコレートを取り出すと、それを少女へ放り投げる。
 「わあ、ありがとうお姉ちゃん、優しいんだね」
 「ふん」
顔を背ける18号。だがその頬は少し紅く染まっている。

背けた顔の方向の窓ガラスに、不気味な男の顔がべっとりと貼り付いていた。


222 :作者の都合により名無しです:04/06/02 20:22 ID:4vnFOnic
何故か脳裏を過ぎる違和感を無視して、18号は少女に言った。
 「レック、わたしの側から離れるな。お客さんだ」
バリンと窓が割れる。男が暗い顔で侵入する。その目に知性の光は無い。
レックは慌てて18号の後ろに隠れる。
2階の窓からの侵入者。これだけでも怪しいが、それ以上に両腕が異常である。
 「両腕が触手か。タコみたいだな。まあいい、寝る前の運動だ」

ひゅるん。軽く風を斬り、タコ男の右の触手がうなる。
18号は不動のまま受け止める。いや、ガードすらせず顔面で攻撃を受けた。
レックが瞬く間にしゃくり始める。殺されたと思ったのだろう。
だが違う。18号は意図的に身動きひとつしなかった。
動けばレックに攻撃が当たりかねないと思い、18号は動かなかっただけだ。

 (甘いな。いつからわたしはこんなに甘くなった。こいつならともかく、
  山奥にいる悪魔とやらが強敵なら…。死ぬぞ)
タコ男の触手を手繰り寄せ、力尽くで本体を近づかせながらそう思う18号。
すぐそこまで引き寄せたタコ男を前に、唐突にクリリンの顔が思い浮かぶ。

 (そうか。あの人は、わたしから偽りの強さを奪い……。
  きっと何か、もっと他の大事なものを、 …くれたのか)


223 :作者の都合により名無しです:04/06/02 20:27 ID:4vnFOnic
続きは週末にアップします。
それまでに人大杉直るといいな。

224 :作者の都合により名無しです:04/06/02 21:18 ID:bq0dJzO7
人魚乙。ていうかパオさん?

225 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・60:04/06/03 02:13 ID:Tz8tXHit
リルルのピンチ!
しかし、その時!上空から凛とした声が響き渡る!

「やめたまえ!!」
その声は澄んだチャペルの鐘の音のように気高く美しく、そして力強い!

慌てて上空を見上げる3人。
見上げればそこにはさっそうと凛々しく宙に浮かぶ謎の人影!
その姿は暗闇の中でもはっきりとわかるほどに・・・そしてその秘めたる
正義の心を象徴するかのように鮮やかな純白のマントを翻し・・・

上空から高速のパンチがうなる!
「 しょく☆パーンチ!! 」
しょくパンチと叫ばれたそのパンチがズル木を襲う。
「うぎゃあ――――――――――――――!」
避ける間もなくパンチを食らったズル木は元来た帝国に向かって一直線に飛んでいく。

それを見たヘルメットの男が慌てて叫ぶ!
「あかん。あら妖精や!勝ち目は薄いでっせ。のび太はん連れてさっさと逃げまひょ。」

「冗談じゃねぇ。やられっぱなしで気がおさまるかよ!オレは戦うぜ!」
「ほな、わては任務遂行でのび太はん連れて行きまっさかい、
一人で帰ってきなはれやー。バイキンUFOは置いときま。」
猛るげんごろうにそう言うや、そそくさと宙に飛び立つヘルメット。
のび太を乗せた乗り物の元へとあっという間に見えなくなってしまう。

「なにをビビってやがるんだ。あの野郎!おい!真っ白野郎!
今度はオレが相手だ!かかってきな!」
ヘルメットの男に毒づきながらしょくぱんマンに声を荒らげ挑発するげんごろう。
それに答えるかのごとく立ちはだかるしょくぱんマン。
「一人逃がしてしまいましたか・・・。しかし・・・
彼女へのこれ以上の手だしはこの私が許しません!」

226 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・61:04/06/03 02:15 ID:Tz8tXHit
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

のび太を連れて必死に逃げるヘルメットの男パーやん。
その後ろから・・・・
「うぎゃあ――――――――――――――――――!!」
先ほどのズル木と全く同じ悲鳴をあげながら飛んでいくげんごろう。
そして・・・あっという間にパーやんを追い越し・・・・
キラリ・・・地上の夜空の星のように輝いて消えていった・・・!

「あーあ、だから逃げた方がいいって忠告したったのに・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

げんごろうたちを撃退したしょくぱんマンはリルルの元へかけよると・・・
「大変だ!はやくジャムおじさんの所へ連れていって手当てしてあげなきゃ!」
まるでドラゴンにさらわれた姫を助け出した勇者のようにリルルを抱きかかえ、
飛び立つしょくぱんマン。

「・・う・・ん?」
空中で一瞬、意識を取り戻すリルル。
うっすらと開いた瞳からぼやけた視界がわずかに開け・・・
(・・・のび太・・・くん・・・?)
「あっ、気がつかれたのですか?おじょうさん。」
それに気付いたしょくぱんマンが優しく笑いかける。
(・・・違う・・のび太くんじゃない・・・誰・・・?
 だけど・・・優しい・・・笑顔・・・)
そして、そのまま・・・しょくぱんマンの腕の中、再びリルルは気を失った・・・・!

「また気を失ってしまった・・・。いそがなきゃ・・・!」
しょくぱんマンはリルルに負担をかけないよう気を使いながら
暗闇の中を迷いもせずにジャムおじさんの元へと戻っていった・・・。

227 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・62:04/06/03 02:18 ID:Tz8tXHit
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

しょくぱんマンとリルルがジャムおじさんの元へ無事に辿り着いたそのころ・・・

キスギーの要塞。その大広間。壊れたドラえもんの入ったオリが天井から吊るしてある。
しょくぱんマンにやられたズル木とげんごろうが憮然とした表情で立っている。あれだけ
派手に殴り飛ばされたにも関わらず、特に怪我もなく、なぜかピンピンしている二人。
その二人に向かって、だから言わんこっちゃないとばかりにパーやんが喋りかける。

「な?わかったやろ?妖精ちゅーもんが。パワーは大差ないと思うんやが、妖精だけに
ボクらの物理攻撃は効きにくいんや。唯一いいところはどんだけ派手にやられても
ボクらは死ぬことがないことくらいや。まぁ、無理して戦わん方が利口ちゅーことやな。」
「ボク?」
微妙な違和感を感じてズル木が呟く。
「おっと。わてちょっと前まで一人称はボクいうてましてん。まあどうでもええ話やがな。」

「だが、あいつが敵に回ったらどうすんだよ?」とはげんごろう。
「なあに。妖精ちゅーのはやっかいな弱点も合わせもっとるもんや。極端に火に弱いとか
水に弱いとか・・・。まぁ、当面は妖精は妖精同士、戦わせとけばええ。」
「妖精同士?」

「なんや、気付いてなかったんかいな。こないだロードはんが連れてきたバイキンマン。
あら、妖精でっせ。妖精が戦いにからんでくるのを見越して雇いはったんや。」
「そうだったのか?なんであんなやつを加えるのか不思議でしょうがなかったんだが・・・。
そういうわけだったのか・・・。」
「・・・あの人は恐ろしい人や。どうやら、目的は単なる妖精対策だけではないようでっせ。
妖精やらなんやら使ってもっと大きな計画を練ってはるようや。」

228 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・63:04/06/03 02:23 ID:Tz8tXHit
「しゃべりすぎだぞ。パーやん。」
わずか2名の供を従え、大広間に入場してくるのは、ロード・キスギ―。
供のものは一人のぐったりとした少年を抱えている。

まだ機能が停止したままのドラえもんが閉じ込められたまま、
吊るされたオリが降下してくる。扉が再び開く・・・。
その中に無造作に投げ入れられたのは・・・・
パーやんに連れ去られた野比のび太!
その虚ろに見開かれた瞳孔。どうやら、まだ気絶したままらしい。

「素晴らしい仕事だったぞ。パーやん。」
「おおきに。」

いまだ意識を失ったままののび太とドラえもんを眺めキスギーが呟く。
「ククク・・・。殺しはせん・・・・。
お前たちには良質のエサだ。反乱軍をおびき寄せるための・・・な。」

よく見れば焼け焦げたドラえもんのその胴体についているはずの
四次元ポケットが見あたらない。やはり彼らに既に奪われてしまっているようだ。
キスギ―はパーやんたちに告げる。
「開発室へ向かうぞ。そろそろいくつかの秘密道具の調べがついてるはずだ。」

キスギ―たちが立ち去り、大広間の明かりが全て消えうせる。
のび太たちは闇の中・・・・いまだピクリとも動かない・・・・・・・・・!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

229 :作者の都合により名無しです:04/06/03 09:08 ID:t7jw8UgX
人魚姫作者氏、うみにんさんお疲れ様。
VSさんがこれで本格復帰すれば、何度目かの黄金期になるかもね。
あと人大杉は当分直らないのかな?

230 :深夜蘭:04/06/03 14:46 ID:6Yz92bC5
いいの書けたよ^^
[『テニスの王子様』妄想やおい物語<不二周助VS深夜蘭>]
http://happytown.orahoo.com/midnight-run/
これなら、女子学生も満足じゃろう^^




231 :作者の都合により名無しです:04/06/03 14:54 ID:N2hmFYP0
人魚姫さん、うみにんさん乙。

人魚姫さんの18号はかっこいいね。オナニーもするし。
更新も早いし、このままラストまで頑張って下さい。
うみにんさんお帰りなさい。相変わらず楽しいです。
でもリルルというキャラがどんなのか判らないw

232 :作者の都合により名無しです:04/06/03 17:39 ID:YBzXZpPK
>>231
リルルは映画ドラえもん最高傑作と呼び声の高い鉄人兵団の
ゲストキャラでドラファンの間ではかなり知名度が高い。
つーかその映画では完全にドラたちを食って主役になってた。
1作限りのキャラにも関わらず今だ人気は高く人気投票をやれば
必ずベスト10には入ってくる。そんなキャラ。
ちなみに最近のドラ雑誌の映画ドラのベストゲストキャラ賞みたいなので
バギーやピー助や最近のゲストキャラを差し置いて1位だった。
以上全部狭い範囲で得た情報だから正確かどうかはわかりません。
だいたい合ってると思う。

233 :作者の都合により名無しです:04/06/03 19:29 ID:0voJgvLC
>>228
うみにんさんおかえり。賑やかになってきてうれしい。人大杉のおかげかな。
しかし出木杉帝国が始まった頃はここまで長編になるとは思ってなかったな。
肉スレのついでくらいに思ってた。(失礼)
ここまで長編になると逆に投げだしが怖くなるオレは心配性なのだろうか。
いや、煽りでもなんでもなくね。頼んます。うみにんさん。

234 :作者の都合により名無しです:04/06/03 20:41 ID:M2vfMwXZ
人魚姫とドラえもん乙。映画の2本立てみたいでいいね。
かたやハードボイルドなセクシーバイオレンスアクション。
かたや夢とスリルと謎に満ちた冒険大作って感じで。

235 :作者の都合により名無しです:04/06/03 23:58 ID:kqFUQLs2
>>222の続き
機械仕掛けの人魚姫 第四話

タコ男が目の前にいる。手を伸ばせば届く距離である。
先ほどの化け物と同じように、手を添えた状態でエネルギー波を撃てば
後ろのレックに危害を与える事無く、一瞬で風化させる事が出来るだろう。
実行しようと右手を伸ばす18号。だが何故か空中でピタッと止まる。
声が聞こえたのだ。小さく、か細く聞き逃してしまいそうな声が。
 「殺・シ・て、ク・れ。たノ、む、殺し・て、く・れ」

ハッと目の前のタコ男の顔色を探る。
無表情。いや、微かに破壊衝動に魅入られた恍惚の表情を浮かべている。
しかしそれに反抗するように、口元は絶えず同じ動きを繰り返している。
微かな声でこう言っている。小さいが18号にはハッキリと聞こえた。
殺してくれ、と。

悪魔に魅入られた時。残った人間性がその口元に張り付いたのだろうか。
18号は瞬間、この知らぬ男に対して、締め付けられるような痛みを感じた。
以前は知らなかった痛みだ。あの男に出逢う前までは。

意を決し、18号は右手をそっと男の胸に添えて、優しく語り掛けた。
 「分かってる。お前が、悪い訳じゃない」
ほんの少し男の表情が緩んだ、ような気がした。
「大丈夫だ。痛みの無いように、一瞬で葬ってやる。
 ……お前の為には、わたしは涙を流せない。 
  でもせめて、魂が安らげる場所へ行くのを祈ってやる」

男はそれまでと少し違う発声をした直後、この世から消えた。
18号には男の最後の言葉が、 ……「ありがとう」だった気がした。


236 :作者の都合により名無しです:04/06/03 23:59 ID:kqFUQLs2
18号は首を振り、感傷を払い除けた。無理にいつもの冷静な自分に戻った。
 (大した相手じゃなかった。だけど)
18号は床に目を落とす。コブシ大の塊がびちびちと跳ねている。
生物の細胞を数千倍に大きくしたような、そんな不気味な形の物体である。
 (威力を絞ったとはいえ、この部分だけわたしの攻撃を耐えるとは)

先程のタコ男との対決。18号のエネルギー波一撃で全て焼き尽くした。
だが、灰となったはずの肉体からこの肉塊のみが生き残っていた。
 (もしかしたら、この肉塊が本体で、人間はただの媒体か?)
ぞわりと背筋に冷たいものが走る。18号の推理が外郭を固め形を成してゆく。

異常な自己再生能力を持つ、細胞。
急に現れ始めた、『ソコナイ』という化け物。
全ての元凶の炭鉱地に住む、『悪魔』と呼ばれる怪物。
そして、全ては、一年前、から、始まった。

いい。明日、山奥の炭鉱地に行けば分かる。わたしの推理が正しいかどうか。
結論を先延ばしにし、ベッドへ体を滑らせる。だがそれに倣って、少女も
ベッドに潜り込んできた。悪戯っぽく笑う少女に18号は困惑する。
 「こら、わたしは寝るんだ。お前も下へ戻っても寝ろ」

だが少女は動かない。逆にどぎまぎしているのは18号の方だ。少女は言った。
 「今夜はここで一緒に寝させてよ。『ソコナイ』がこんな時間に2階まで
  襲って来るなんて始めてだもん。お姉ちゃん強いから、一緒なら安心」
強い、か。少女の言葉に心が揺れる。そして自分に言い聞かせるように行った。
 「お前が思うほどわたしは強くない。 …仕方ない、今晩だけだぞ」


237 :作者の都合により名無しです:04/06/04 00:01 ID:51jsjalj
掛け布団を頭に被りながら呟く18号。少女は嬉々として語り掛ける。
 「こんな町に、お姉ちゃんみたいなきれいな人が何しに来たの」
 「ある男を、探しに、だ」
 「ふーん。ねえその人、恋人?」
 「なっ……?」
少女の言葉に、一瞬声を失う。だがすぐ平静を装った。相手は子供じゃないか。
 「ち、違う。ただ気になってるだけだ。 ……それに」
 「そ・れ・に?」

興味津々の面持ちで18号の顔を覗くレック。子供ながらこういう話題に
関心深い年頃なのだろう。それが18号には少し不憫に思えた。
今のこのささくれ立った危険な町では、少女の純潔はそう長くは保たれまい。
何故かその無邪気な顔に哀しさを感じ、18号は思わず心情を吐露してしまう。

 「たとえどれだけ、わたしがその男を想おうと、決して結ばれないからな。
  だってわたしは、 …人間じゃないから」
 「ふーん?? たとえば、『ソコナイ』みたいな?」
 「違う。 …でも、似たようなものだな」



238 :作者の都合により名無しです:04/06/04 00:02 ID:51jsjalj
化け物、という点はな。だが最後のその言葉は声にならずに呑み込んでしまう。
代わりに唇をかみ締める18号。愛らしく首を傾げているレック。
 「でも、お姉ちゃんは『ソコナイ』なんかじゃないよ。すごくきれいだもん。
  それに、死んだお母さんみたいに、優しいし」
 「わたしが? 優しい? おまえのお母さんみたいに?」

虚を突かれ一瞬呆然とした後、大きく笑い出す18号。自嘲の哄笑だった。
こんな破壊兵器を、優しいだと? 人造人間が、お母さんだって?
自らを傷付けるように狂ったように笑う18号。少女はぷぅとふくれている。
馬鹿にされたと思ったのだ。少し不貞腐れながら言った。

 「本当だよ。死んだお母さんと一緒の匂いがするもん。それにね。
  お姉ちゃん、きっと『ソコナイ』なんかじゃなくて……。
  そうだ。おとぎ話の、『人魚姫』なんだよ」


239 :作者の都合により名無しです:04/06/04 00:06 ID:51jsjalj
週末上げれないかも知れないので、今日上げました。
今週もう一回更新出来たらしたいと思います。

来週中か再来週には完結します。

240 :作者の都合により名無しです:04/06/04 00:46 ID:hWPU8lOy
人魚姫ナイス。
バキスレは人大杉の中、何故か絶好調だな。

241 :しけい荘物語:04/06/04 01:52 ID:5yNG7pBQ
第五話>>170

242 :作者の都合により名無しです:04/06/04 01:53 ID:msbh70nZ
サナダムシさん→ふら〜りさん→VSさん→人魚姫の人→うみにんさん
と実力派職人のいい仕事が続いてるからな。みんながんがれ!

243 :しけい荘物語:04/06/04 01:55 ID:5yNG7pBQ
第六話「ペットブーム到来」

「ハムスターだ。私の部屋にいつの間にか住み着いていたんだが……けっこうカワイイも
んだぜ」
 懐に抱いたドブネズミを撫でながら、シコルスキーが得意気に自慢話をしていた。彼の
無知ぶりはともかく、アパート住民はそのペットという存在が羨ましかった。癒しを与え
てくれる動物の相棒。一人暮らしをする上では、どうしても憧れてしまう。
「しかも、芸までするんだ」
 シコルスキーがネズミに指を近づけると、ネズミはその指に容赦なく噛み付いた。指か
らは血が滲み出る。
「ちゃんと見えたか? 私の指にキスをしたんだ」
 もはや、彼を説得するのは不可能だ。完全に自分とペットだけの世界に入り込んでいる。
だが、そうした面にも、他の住民にとっては惹かれるものがあったのである。
 実は「しけい荘」ではペットは禁止なのだが、そんな規則は既成事実を作ってしまえば
どうにでもなる。大家のオリバは旅行に出かけていて、明日までは帰ってこない。チャン
スは今のうちだけ。シコルスキー以外の四人は各地へ散った。

 最初に戻ってきたのはドイル。捕まえてきたのは、昆虫のナナフシだ。彼曰く、「木の
枝にコスプレする姿に心を打たれた」そうである。ネズミに比べるとはるかに地味だが、
ナナフシと戯れているドイルは実に幸せそうだった。
 二番手の柳が選んだのは、猛禽類の代表格である鷹。古きよき日本男児の柳らしく、実
に渋い選択である。師匠の名を取って「国松」と名付けられたこの鷹はなかなか賢い。柳
が「獲物を狩ってこい」と命令すると、まもなくシコルスキーを捕らえてきた。
 そして、ドリアンが連れて来たのはヒグマだった。身体中に弾痕が残っており、狩人と
の戦いを幾度も制してきた歴戦のクマだというのが容易に想像出来る。しかし、そんなク
マもドリアンの敵ではなかったようだ。

244 :しけい荘物語:04/06/04 01:56 ID:5yNG7pBQ
 皆で楽しそうにペット自慢をしていると、ようやくスペックが戻ってきた。その隣に位
置するのは、百獣の王と名高いライオンだった。
「動物園ノ檻ニ捨テラレテタカラ、連レテキチマッタヨ」
 明らかに機嫌の悪いライオンは、来るなりドリアンのヒグマに襲い掛かった。そこへ柳
の鷹も加わり、闘争はヒートアップする。ペット同士の戦いは、飼い主の戦いに昇華され
ていく。動物と人間の入り乱れた大乱闘の幕開けだ。
 ヒグマに噛まれたスペックがドリアンを殴り、殴られたドリアンは鷹に火を吹く。鷹は
ドイルに空から爪で奇襲を掛け、ドイルも負けじと柳に蹴りを見舞う。そして柳はヒグマ
に掌底を浴びせる。
 一方、ロシア随一の身体能力を持つシコルスキーは、ナナフシと互角の戦いを繰り広げ
ていた。枝に擬態し、姿を消してしまったナナフシに向かって猛る。
「なぜ隠れるッ! なぜ男らしく闘おうとしないッ!」
 ちなみに彼のドブネズミは主人の危機にもかかわらず、とっくにどこかへ逃げていた。

245 :しけい荘物語:04/06/04 01:57 ID:5yNG7pBQ
 乱闘開始から一時間後、アパート近辺に一人の男が現れた。旅行の予定を一日早めて帰
宅してきた、ビスケット・オリバその人である。
「五人のために黒ブリーフを買ってきたが……喜ぶだろうか」
 直後、彼の目に飛び込んできたのは信じられない光景だった。半壊したアパートを舞台
に、凄惨な流血戦が展開されている。ちなみにシコルスキーは見えぬナナフシに空振りを
連発し、スタミナ切れで気絶した。ナナフシの勝利だ。
「ハハハ……私のアパートが……」
 膝から崩れ落ちるオリバ。だが、彼の体内はとある物質に征服されようとしていた。ア
ドレナリン。オリバの闘志が燃え上がる。戦うのだ、アンチェイン。
「ヌオオオオオオッ!」
 黒い肉戦車と化したオリバが戦場に乱入する。アパートが全壊するのは時間の問題だ。

 後のことはだいたい想像がつくだろう。五人はいずれもオリバに半死半生にされ、病院
送りとなった。動物達もきちんとオリバの手によって自然や動物園に帰されていった。怒
り狂った最自由は恐い、というのが身に染みた事件であった。

246 :サナダムシ ◆fnWJXN8RxU :04/06/04 01:59 ID:5yNG7pBQ
第六話終了。
うんこSSは何の漫画と組み合わせるか思案中です。

247 :作者の都合により名無しです:04/06/04 07:49 ID:GVfBVwNr
人魚姫氏・サナダムシ氏乙。
2人とも実力者だな。

ハードヒロインものあり(人魚姫)冒険物あり(出来杉)
ギャグあり(ドラ麻雀・しけい荘)オタク向けありと(左の拳)
すごく充実して揃ってきた。良い事だ。

248 :作者の都合により名無しです:04/06/04 08:31 ID:msbh70nZ
オタク向けて。w

249 :左の拳:04/06/04 20:49 ID:FiKkjaOm
>>214
気合い一閃、完全にヒダリィを引き離した天龍が、着地した。ごほっ、と一回だけ咳払いを
して呼吸を整えると、まっすぐ山崎に向かって、突撃! そうはさせじとヒダリィ、迎撃! 
が、長く伸びたヒダリィの、鞭のような連続攻撃が、ことごとくかわされてしまう。人間の
ものではないヒダリィの攻撃が、人間離れした天龍の速さと体捌きに、通用しないのだ。
「う、嘘っ! 動体視力も運動能力も、人間のレベルじゃないわよ、こんなのっ!?」
「我は秦王龍が長子、天龍! 父の遺せし世の禍根、今ここにて絶つ! 帝王神足拳っ!」
瞬間、信じ難いほどに速度を上げた天龍の肘が、美神の細い鋭い肘が、猛烈な突進力を
乗せて山崎の胸に叩き込まれた。
ひとたまりもなく山崎は吹っ飛び、その先にいた横島に激突。二人はもつれ合って
倒れ込み、秘伝書が地面に転がる。
「俺の秘伝書っ!」
慌てて山崎が、左手で秘伝書を掴んだ。そこへ天龍が、苦痛に顔を歪めながら突っ込み、
「ぅぐっ、そろそろ限界か……これで最後だっ! 奥義・帝王龍声拳っっっっ!」
突き出された両掌から、眩しく輝く光の炎を放った。龍の咆哮のような轟音と共に
放たれたその光は、廃寺全体を燃え上がらせ、そして吹き飛ばす。
眩しい閃光と激しい爆炎の中、一本の巻物がズタズタのコゲコゲになり、宙を舞った……

戦い済んで、朝日が昇ってきて。
おキヌちゃんが、美神の体から抜け出して横島のところに飛んだ。
「だ、大丈夫ですか横島さん?」
「……わ、我ながら、よく生きてたな俺……」
げほげほと咳き込みながら、横島が立ち上がった。そして、辺りを見渡す。
廃寺が根こそぎ、消滅していた。石畳が抉り取られ、大きなクレーターと化している。その
中心が、秘伝書を握っていた山崎と、それともつれ合っていた横島だ。本当によく生きてた
ものである。山崎がいないところを見ると、どうやらどさくさに紛れて逃げたようだ。

250 :左の拳:04/06/04 20:52 ID:FiKkjaOm
「すみません……僕はこの世にいられる時間が限られているので……最後の力を
振り絞ったから、狙いを絞るような余裕がなくて……ぐっ」
天龍が、片膝をついた。おキヌちゃんが、心配そうに近づく。
「天龍さん?」
「どうやら、地獄の引力に逆らうのは、もう限界のようです……僕も、あの世の掟を破って
出てきてしまいましたから……」
「えっ。じ、地獄って、どうして天龍さんが」
「当然ですよ。僕も生きていた頃は、父の命令で何度も暗殺を……していましたからね。
弟たちと同じです。死んで、地獄に堕ち、二千二百年間この世の様子を見ていて、やっと
知ったんです。父の……いえ、僕ら一族の過ちを。不老不死、全てを滅する力、
そんなものはあってはならない、と」
二千二百年前の秦帝国内部、特に上層部は、殺さねば殺される世界であった。ある意味、
力を求め殺戮を繰り返し邪悪な術を追求したことは、やむを得なかったかもしれない。
だが、今のこの世に、そんなものを持ち込んではならない。始皇帝の、秦帝国のような
修羅の世界、いや修羅の時代は、もうとっくに終わっているのだ。
「僕は、弟たちと共に地獄へ戻ります……どうかこれからの、この平和な世を、護って
下さい……あなた方の手が届く限り、あなた方のできる限り……お願いします……」
天龍の気配が消失して、美神が倒れ伏した。おキヌちゃんが美神を抱き起こして、
息があることを確認する。帝王拳の影響で衰弱はしているようだが、どうやら無事だ。
横島が、ほりほりと頭を掻いて言った。
「平和な世、って言ってもなぁ。やってるとこでは戦争とか紛争とか、絶え間ないけどな」
「横島さんっ」
「わ、解ってるってば。あいつの言ってた、手が届く限り、だろ?」
と、その時。
「ああああぁぁぁぁ〜っ、もうっ!」
がばっ、と美神が起き上がった。
「結局あたし、完っっ全に負けっ放しじゃないのっ! こら横島君っ!」

251 :左の拳:04/06/04 20:53 ID:FiKkjaOm
「え? お、俺っスか?」
「そーよ! どうしてあんた、こっそりと秘伝書を持って逃げなかったのよっ! 
そしたらあの男を倒した後、ゆっくりと財宝探しできたのにっ!」
「だ、だってあの時、美神さん押されてたじゃないっスか。ああでもしないと」
「問答無用よっっ!」
美神が横島をボコボコにして、おキヌちゃんがそれを止める。
「GS美神」事務所の、いつもの光景が戻ってきた。

山の麓の、村の外。停めてあった車の運転席に、山崎が転がり込んだ。
「ふう、疲れたぜ」
「ご苦労さま、りぅちゃん」
ヒダリィが、もにっと口を開けて、中に入れておいた巻物を取り出した。
秘伝書の第三巻である。
「ね、ニセモノを用意してて良かったでしょ。これでもう、秦の亡霊には邪魔されないわ」
「だな。しかしよく思いついたな、こんなこと」
山崎は感心した顔で、ヒダリィを見る。
「えっへん。寄生生物は、頭いいのよ」
あえてヒダリィは言わなかった。かつて日本で、反町と山崎と三人で観た「○タリロ!」
や「ル○ン三世」によく出てきた、怪盗の常套手段をマネしたのだとは。
「これで、秘伝書の一つは手に入ったワケか。後の二つは確か、」
「アメリカの、サウスタウンってところだったわね」
「ああ。んじゃ、いくとするか」
山崎は、車を走らせた。
次の目的地はアメリカ、サウスタウン。ギース・ハワードという男が、タン・フー・ルー
とヴォルフガング・クラウザーから、秘伝書の一巻と二巻をそれぞれ奪っているはずだ。

山崎は知らない。伝説の、帝王拳の使い手をも越える強敵が、サウスタウンにいることを。
そしてその先に、己の出生の秘密と神話世界の戦士たちが、関わってくることを…………

252 :左の拳:04/06/04 20:56 ID:FiKkjaOm
え〜、すみません。とりあえずこれで終わりです。続きは、天獅子悦也先生の「ギース・
ハワード外伝」と「闇のギース」でお楽しみ下さい。山崎の出生云々は単行本未収録
ですが……。
で。次は、以前リクエストのあった作品に取り組む所存です。オタク担当、任せて下さい。
かつてメディアミックスで好評を博したアレと、昔々に週ジャンで連載してたアレです。
しばしお待ちのほどを。

>>うみにんさん
妖精の設定付けが、微妙にピッタリ来ます。敵に回すと強いけど殺されはしない、って
確かにそんな感じしますよね。あの方々は。
あと、相変わらずドラえもんが痛々しい……目覚めた時が急展開の時、なのかも?

>>人魚姫さん
出ましたね、「人魚姫」の名が。それに対する18号の反応も楽しみですが、こういう
流れだと18号のピンチに現れたクリリンが、レックに「お父さん」呼ばわりされて……
とか。ベタベタですが、そういうのを期待してしまったりします。

>>サナダムシさん
しけい荘、いいです! VSさん的鋭いギャグあり、世界さん的アットホームな可愛さあり、
ほんっっと好きです、こういうの! 毎回、五人それぞれの個性もちゃんと活かしてますし、
オリバがしっかり締めてますし。ぜひとも続けて下さい、この調子でっ!

253 :作者の都合により名無しです:04/06/04 22:28 ID:A4bciOa3
面白いな
人大杉のおかげでいいスレが見れた。

254 :作者の都合により名無しです:04/06/04 22:32 ID:lKeJtaG0
まとめサイトも見てくれ。

255 :作者の都合により名無しです:04/06/04 22:36 ID:lKeJtaG0
ふら〜りさん乙。支援age。

256 :作者の都合により名無しです:04/06/04 23:00 ID:51jsjalj
>>238の続き
機械仕掛けの人魚姫 第五話

『人間の行けない深い海の底に、人魚たちが幸せに暮らす国がありました。
 人魚は人間界と関わらず、一生を人魚の世界で暮らしていく決まりです。
 だから人魚たちは一生、人間界を見ることは許されませんでした。
 たった一日、15歳の誕生日を除いて。

 人魚の国にはたいそう美しい姫君が居られました。
 名前を、『人魚姫』といいました。
 
 人魚の国以外を知らず成長した彼女は、15歳の誕生日を迎えました。
 その日、人魚姫は始めて沖に上がり、海平を見ることが出来ました。
 輝く太陽。どこまでも続く青い水面。群れなすカモメたち。
 全てが新鮮な輝きに満ち、人魚姫は夢のような一日を過ごしました。

 泳ぎ着かれた人魚姫は、浅瀬で休憩を取ることにしました。
 そこで、初めて人魚姫は『人間』を見ました。
 見た事も無い美しい青年でしたが、酷いケガで死にかけていました。
 どうやら、船が転覆してこの浅瀬に流されてきたようなのです。

 人魚姫は、その人間の青年に恋をしてしまいました。


257 :作者の都合により名無しです:04/06/04 23:02 ID:51jsjalj
 人魚姫は人間の青年を献身的に看病しました。
 一日だけの刻限を破り、それから3日3晩のあいだずっと。
 意識の無い青年を懸命に看病し続けました。
 そして看病の間にも、人魚姫の青年への想いは募り続けました。

 4日目の朝。人魚姫の祈りが、天に届いたのでしょうか。
 青年は助かり、まぶたの下の美しい瞳をゆっくり開きました。

 ですが青年は、気付いてからも人魚姫の看病を知りませんでした。
 青年が目を開ける直前に、人魚姫は姿を消してしまったのです。
 自分の魚の下半身を見られるのを、恐れたために。
 愛した人に化け物扱いされるのを、恐れたために。
 そして人魚姫にとってさらに悪い事に、青年は一国の王子でした。

 人魚姫は人魚の国へ帰った後も、青年を想い続けました。
 ですが彼女は人間ではありません。決して許されない恋なのです。
 でも人魚姫は、諦められませんでした。
 そして海の魔法使いを訪ね、かりそめに人間にしてもらいました。

 自分の美しい声、そして哀しい運命との、引き換えによって。』


258 :作者の都合により名無しです:04/06/04 23:05 ID:51jsjalj
 「それが、わたしか」
18号はレックの御伽噺を中断するように言った。人魚姫、か。
そういえばわたしも読んだ事がある。お話しの最後はどうだったかな。
 「うん。わたしも最後どうなるか、忘れちゃったけど」

饒舌の一時間が過ぎ、やがて沈黙が訪れる。
寝息は聞こえない。まだ少女は起きているらしい。18号はふと尋ねる。
 「レック、というのは変わった名だな。男の子みたいだ」
 「うん。でも、本当の名前は違うんだよ」
 「なんだ、今の名前は偽名か。何の為だ?」
 「な・い・しょ♪」

偽名? 違和感を覚える18号。だがこの危険な町では、そんな日頃からの
準備も必要なんだろう。18号はあえてもう名の事には触れなかった。
 「明日、わたしは出発が早い。もう、寝ろ」
 「うん。 …お姉ちゃん、男の人が見つかって幸せになれればいいね」
 「……寝ろ」
 「うん。お休みなさい、お姉ちゃん。 ……わあ、ママの匂いがする」

最後の言葉は小さすぎて、18号には聞こえなかった。18号は哀しく笑う。
幸せになれればいいね、か。
おそらく無理だろうな。だってわたし人間じゃない化け物。人造人間だ。
人間と結ばれる事など、きっと出来やしないだろう。

その、人魚姫と王子のように。


259 :作者の都合により名無しです:04/06/04 23:06 ID:51jsjalj
なんとかキリの良い所まで今週中に書けました。
15話くらいまで伸びそうです。

260 :作者の都合により名無しです:04/06/06 21:42 ID:/HyfNyEC

月の子を思い出した。

261 :しけい荘物語:04/06/07 01:20 ID:0w9TlGHi
第六話>>243

262 :しけい荘物語:04/06/07 01:24 ID:0w9TlGHi
第七話「知られざる世界」

 やや蒸し暑い日の昼下がり、ドイルがシコルスキーの部屋に遊びに来ていた。この二人
はまだ若く年齢も近いので、こういう機会が多いのだ。
 世界一のマジシャンを目指すドイルが、手品について熱く語る。
「……つまり、いかなる派手なマジックにも所詮はタネが存在するのだよ」
「それじゃ、次々と袖口から鳩を出すマジックは?」
「どうってことはない。それは体内で鳩を飼っているだけのこと」
「な……ッ!」
 この事実を知り、額から滝のような脂汗を流すシコルスキー。そして、このチャンスを
逃すまいとあらゆるマジックについて質問を浴びせかける。
「では、胴体を切り離すマジックはどうするんだ?」
「あれは最初から胴体を切り離しているだけのことだ」
「空中を飛ぶやつは?」
「それも簡単だ。体内に物体浮遊装置を内臓しているだけのこと」
 次々と浮かび上がる、輝かしい魔術の裏側にある恐るべき真実。
「まさか……」
「プロフェッショナルマジシャンの世界ではごく常識的なことだ」
「ふ、ふしゅる……!」
 興奮の極みに達したシコルスキーは、呼吸困難に陥り酸欠で倒れてしまった。ドイルは
自分も知らないのに適当な出まかせを言っていたことを、少しだけ反省した。

263 :しけい荘物語:04/06/07 01:25 ID:0w9TlGHi
 何とか酸欠状態から回復したシコルスキーに、ドイルが今度は核心めいた口調で話し始
める。自分自身についてだ。
「実は、来週コンテストがあるのだ」
「コンテスト?」
「ジャンルを問わず発展途上の専門家を集め、客の前でショーをやらせる。そして、客の
投票で最も人気があった者は更なる大舞台に上がることが出来るというもの……ッ!」
 ドイルのような無名の新人には、逃す手はない好機である。自分が造り上げてきた手品
を思う存分魅せ付ける。そして、勝利をもぎ取るのだ。シコルスキーの前には、静かに燃
え上がる英国紳士の姿があった。
「それで、私にどうしろと?」
「助手になって欲しいのだ。シコルスキー、君の力を貸して欲しい」
 シコルスキーは考えた。ドイルが有名になれば、助手も有名になる。有名になれば金が
手に入る。金が手に入れば、もっと平和なアパートに移れる。決断までに要した時間、お
よそ十秒。
「引き受けたぜッ!」

264 :しけい荘物語:04/06/07 01:25 ID:0w9TlGHi
 勝負を制するには、己の技を磨くだけでは足りない。立ちはだかるライバルについての
情報も知っておかねばならない。ドイルの話によると、数多い挑戦者の中でも特に手強い
のは以下の二名だという。鎬昂昇と龍書文。
 鎬昂昇は鍛え抜かれた四肢を駆使し、あらゆる物体を切り裂く斬撃ショーを得意とする。
丈夫なバスケットボールや柔らかい和紙を、まるで刀を使っているように斬っていく。切
れ長の瞳とスマートな体型から、女性ファンも数多い。
 もう一人、龍書文は「Mr.不可拘束」の異名を持つ脱出系マジックの達人だ。しかし、
これまではチャンスに恵まれず場末で細々と営業活動を繰り返してきた。そんな隠れた名
人が、来週のコンテストでは牙を剥く。
「この二人に勝てれば、優勝は間違いない……」
「勝とうぜ、有名になるために! そして、俺がしけい荘から逃げ出すためにッ!」
 ドイルとシコルスキーは熱い握手を交わした。二人はきちんと力を合わせ、優勝の栄冠
を勝ち取ることは出来るのであろうか。

265 :作者の都合により名無しです:04/06/07 01:28 ID:kWNrF2Ed
サナダムシさんには
単発ものがむいてるのかうんこネタが合ってるのかわからないけど
サナダムシさんの作品だと思って読むと全然つまらないんだよな
いつもと比べるとたれ流しで緊張感のないドタバタにすぎないというか。
贅沢言って申し訳ないが。

266 :サナダムシ ◆fnWJXN8RxU :04/06/07 01:31 ID:0w9TlGHi
第七話終了。
若者二人の活躍です。
もっとも、おそらく三十以上(若くて二十代前半?)は確実でしょうが。

267 :作者の都合により名無しです:04/06/07 07:52 ID:a15tPtt0
人魚姫作者氏の作品とサナダムシ氏の作品。
続けて読んだら対極的な作風で面白かったw

ご両人とも、末永くのんびりと頑張ってね。

268 :拳王伝・第2部/グレア―:04/06/07 08:08 ID:lEA5tNTK
第1部
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-short/uminin/01.htm

1

悟空とベジ―タがモンガ―ダンスに堪え切れず腰を痛め・・・
再起不能となってから、さらに1年が過ぎた。頼みのドラゴンボールや
仙豆・デンデさえもヤム飯に抑えられ回復もままならないZ戦士たち。
あいかわらずヤム飯を超える超戦士は現れない。

その強大すぎる邪な欲望がそのまま力となったヤム飯。
欲望を満たせば弱体化することも考えられたが、逆に
満たせば満たすほどにさらに欲望は膨れ上がり強大さを増していく。
既に地球上の女の30%以上がヤム飯に手ごめにされつつあった。

そんな中、かろうじてZ戦士たちに守られ貞操を守りぬいてきた
ブルマやチチたち。18号・ブラ・マロンたちもなんとか無事でいる。
しかし、チャオズだけは・・・すっかり擦れた娼婦のような目になってしまい
毎日、スナックを飲み歩き自暴自棄な生活を送っている。
その姿に心を痛めるZ戦士たち。

――なんとか・・・なんとかしなければ・・・!――


269 :拳王伝・第2部/グレア―:04/06/07 08:09 ID:lEA5tNTK
2

その思いで修行を重ね拳王ヤム飯に挑み玉砕する者。
悟飯は単身ヤム飯に挑み死んでいった。ビーデルは・・・ぁムン。
そして、後を追うようにピッコロもまたヤム飯との戦いに力尽き息絶えた。

奇跡と自らの腰を信じ、伝説のモンガ―ダンスに挑む者。
トランクスと悟天は父たちの成し遂げられなかったモンガ―ダンスに
果敢に挑み・・・やはり再起不能となった・・。
チャオズは病気をもらって死んだ。

ヤム飯に奪われたドラゴンレーダーの機能を狂わす電波を放ち、こっそりと
ドラゴンボール奪回作戦に乗り出すもなぜか居所を知られ失敗に終わる。
どうやら占いババが体で買収されたらしい。

もはや万策尽きたかに思えたそんなある日・・・
ブルマが車椅子に乗ったベジ―タを連れて悟空のもとにやってきた。

「モンガ―ダンスで融合したら・・・そんなにも強くなれるの・・・?」
同じく車椅子に乗った悟空に唐突に尋ねるブルマ。
「仮にオラたちほどの力がなくても・・・きっとヤム飯に勝てるほどだろう。
だけど、オラたちサイヤ人でさえ耐えられなかったモンガ―ダンスに
耐えられる腰の持ち主となると・・・。」

「ふふ・・・誰か忘れてるんじゃないの?
あんたたちの相手を毎晩努めてきた・・・この私とチチさんのことを・・・!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

270 :拳王伝・第2部/グレア―:04/06/07 08:11 ID:lEA5tNTK
3

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

悟空。
ベジ―タ。クリリンと18号。トランクスに悟天。
生き残りのZ戦士たちが集い見守る中その無謀な挑戦は開始された。
車椅子に座ったサイヤ人四人の姿が痛々しい。

「ホントに大丈夫か?」
心配し尋ねる悟空に気丈に答える女丈夫二人。
「わからないけど・・・今はもうこのモンガ―ダンスに賭けるしかないんでしょ?」
「オラも一度くらいは戦って地球を救ってみてぇだよ。」

「クッ・・・すまねぇ・・・。おめぇら・・。」
歯噛みし、わずかに涙さえ見せる悟空。
そして、叫び号泣するベジ―タ。
「クソォ――――!!なにがサイヤ人の王子だ!なにがエリート戦士だ!
こんな時に妻の戦いを見守るだけとは・・・!!」

しかし、悟空はすぐに冷静さを取り戻しアドバイスを送る。
「ただし・・・モンガ―ダンスはふんどし一丁でないと効果はねぇ!」

「わかってるわ。」
「ばっちし、用意はできてるだよ。」
そう言ってニヤリと笑う二人。スカートを脱ぎ捨てると純白のふんどし。
けしてプリプリではないでん部をどどんとさらけ出す!

271 :拳王伝・第2部/グレア―:04/06/07 08:12 ID:lEA5tNTK
4

「いくわよ!チチさん!おしーりふーりふーり・・・・」
「おしーりふーりふーり・・・・・」

ゴクリ・・・つばをのみZ戦士一同が戦況を見つめる。緊迫の一瞬・・・!

『もんがもんがもんがもんがもんがもんがもんがもんがもんがぁあ――――っ!!』

「す、すげえ・・・!」
「な・・・なんという凄まじい腰使いだ・・・!
オ、オレたちは毎晩こんな化け物どもと戦っていたというのか・・・!」
愕然と呟くベジ―タ。思いはみな同じだ。
超高速。しかし、なぜかまったりと、それでいて芳醇なとろけるような腰使い。
常人をはるかに超えた力をもつZ戦士たちでさえ見ているだけで気が遠くなる。

「・・・そりゃノーマルヤムチャさんじゃ物足りなくなるよなぁ。」
ポソリと呟くクリリン。

しかし、ここにきて問題点に気付いてしまったクリリンが叫ぶ!
「ハッ!?モンガ―ダンスの完成には決めポーズが不可欠なはず・・・!
しかしブルマさんたちには突き合わす股間がない・・・!」

「いや、あいつらなら大丈夫!」
力強く言い切る悟空にベジータが反応する!
「というと貴様の妻もやはりそうなのか・・・!ならば何も問題はない・・・」
「?」 キョトンとするクリリン。

272 :拳王伝・第2部/グレア―:04/06/07 08:12 ID:lEA5tNTK
5

「ああ!何故なら!あいつらはモリ・・・」

悟空のセリフを遮って眩い光が溢れる!
凄まじいエネルギーがあたりを覆う!ブルマとチチ。
確かに二人いたはずのその場所に降り立つシルエットはたった一人!
ブルマでもチチでもない一人の女戦士が孤高に佇んでいる・・・!
ブロンドの上品にカールした長髪をなびかせるその様は実に美しい。
悟空たちに向かってゆっくりと近づいてくる女戦士。

「・・・せ、成功したのか・・・?」

片手でガッシと悟空の顔をつかみながらブルマとチチの声が同時に響く。
『ちょっとあんた!私たちがモリ・・・。その続きはなんなの?
説明してもらいたいわねぇ・・・!』
「え?えっと・・・いやぁ・・その・・・ス、スマップの森くん・・・?」

メリメリとつかまれた頭蓋骨が不快な音を立て、慌てふためく悟空。
しかし、すぐにその女の様子がおかしいことに気付く。

・・・・妖気!
禍禍しく立ち昇る醜悪なオーラはまさしく妖気としか呼びようのないものであった。
メデューサのようにうねうねと髪の毛が逆立ちその眼が狂気に見開かれる。
耳まで避けそうなほどに笑みを浮かべたその口蓋からは大量のよだれがあふれている。
警戒し固まるZ戦士たちを気にもかけずに頭を抱えしゃがみ込む女。
『ふ・・・・・・・・』
と、なにかを小さく呟くとプルプルと体を震わせ・・・・
おもむろに衣服を破り捨て全裸で絶叫する!

『ふうぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!』

273 :拳王伝・第2部/グレア―:04/06/07 08:44 ID:lEA5tNTK
続きます。たぶんあと2回か1回くらいで第2部終了です。

274 :作者の都合により名無しです:04/06/07 10:06 ID:Aq9NUvEG
もんがーダンスは腰に来るよねえ・・・・(遠い目
ふぁいと

275 :拳王伝・第2部/グレア―:04/06/07 15:26 ID:lEA5tNTK
6

「ヒィイ――――!!」
恐怖に叫び立ちすくむクリリン。

絶叫と共に瞬時に衣服を破り捨てた女。
ギラリと眼を光らせ、全裸で宙に舞い・・・そしてZ戦士たちに襲いかかる!

「クッ・・・早い!何も見えねぇ・・・!」
「バカな・・・このオレが目で追うことすらできんとは・・・!」
大量の冷や汗とともにうろたえる悟空とベジータ。
無理もない。車椅子に頼る生活とはいえ目だけは衰えてはいないのだから。

「ハッ・・・!?」
ベジータの背筋に冷たいものが走る!
トランクスが絶叫する!
「父さん!後ろだ――――っ!!」

その声が届いたその時にはすでに・・・・・

「べ、ベジータァ――――――ッ!!」
隣にいた悟空の絶叫。
そこには・・・無残に干からび、ピクピクと痙攣している裸の男の姿が・・・!
なぜか唇だけはみずみずしく腫れ上がって虚ろな瞳でなにやらブツブツと
呟いている・・・。変わり果てたベジータの姿に戦慄を覚えるZ戦士たち。

「な、何が起こったんだ?一体・・・」

276 :拳王伝・第2部/グレア―:04/06/07 15:27 ID:lEA5tNTK
7

その時、驚愕と恐怖に打ち震えながら口を開く男がいた。
クリリンだ・・・。震え固まりながらもかろうじて解説を始めるクリリン。
「き、聞いたことがある・・・。遠く東の果ての国、ヒロシマ・シティに
突如降臨したという・・・淫獣女王の伝説を・・・・!」

「い、淫獣女王・・・!?」

「お、おとぎ話だとばかり思っていたけど・・・あの女の姿・・・
そして、ベジータの無残な姿・・・伝説の通りだ・・・!
ずば抜けた体力とテクニックで男と交わり、その精気を食らい尽くす
魔性の女。ある意味、史上最強の格闘術・・・!!その昔・・・・
ヒロシマ・シティ中の男を干からびさせ、国家を滅亡に追いやったそうだ・・・。」

「バカな!あいつは元々はブルマとチチだぞ。淫獣女王だなんてそんな・・・」
狼狽する悟空。しかし、その背後からあの女の禍禍しい声・・・!
『ふふふ・・・そうよ。あたしの名は”高階麗子“またの名を“淫獣女王”よ・・・!
モンガ―ダンスは私のこの淫の力・最強の腰使いに耐えられる者を
選び出すためのただの儀式・・・・。その強力な者たちを融合によりさらに
パワーアップさせて初めてこの淫獣女王・高階麗子復活のための器になれる・・・・!!」

「クッ!・・・ブルマとチチは・・・そのために犠牲になっただけだってのか・・・!」
「カカロット・・!どうしてくれるんだ・・!貴様の間違った情報のせいで・・・・」
息も絶え絶えに悟空を責める干からびベジータの声をさえぎるがごとく
淫獣女王がその攻撃色を強め語りかけてくる。
「あなたはあの3人よりは楽しませてくれるんでしょうねぇ・・・」
「さ、3人!?」
あわててあたりを見やれば・・・いつのまにかベジータと同じく干からび
転がっている悟天とトランクス。やはりベジ―タと同じように腫れ上がった唇で
何かうわごとをブツブツとつぶやき続けている。

277 :拳王伝・第2部/グレア―:04/06/07 15:28 ID:lEA5tNTK
8

「ハッ!?」
気がつけばすでに服を脱がされている悟空。迫り来る淫獣女王!
その圧倒的な体力とテクニックの前に悟空までもがあっというまに干からびる。
「フン・・・!情けない。あんたもその程度なの?」
冷たい目で悟空を見下ろす淫獣女王・高階麗子。
虚ろな目と腫れ上がった唇でやはり何かブツブツつぶやいている悟空。

「あ・・・あ・・・そ、そんな・・・まさか悟空まで一瞬で・・・」
恐怖にじりじりと後退するクリリン。
それを見てカッと目を見開きニマリと笑う淫獣女王。
「物足りない・・。物足りないわぁあ!この渇き!この疼き・・・!
ふ・・・ふうぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
再び奇声をあげ襲い来る淫獣女王。
「クッ・・・!」
夫の貞操の危機になんとか立ち向かおうとする18号であったが
そのスピードを18号は見切れない。あっという間にクリリンは衣服を全て脱がされ・・・

その時!今まさに襲いかからんとしていた淫獣女王の動きが止まる。
突如、クリリンの背後に降り立つ人影。
ゾクリとして思わず後ろを振り返るクリリンの目にうつったのは・・・。
数人の豹柄服の派手な美女たちを引き連れ現れた一人の男。

「ククク・・・物凄い桁外れの淫の気を感じて来てみれば・・・
これはこれは・・・淫獣女王・高階麗子の復活とはのう・・・!
クリリン・・・この女の対処・・・! この宇宙一にまかせんかい!!」
自信に満ち溢れたその笑み。真っ白いコートの裏には大きく漢字で
“宇宙一”の文字が書かれている。そしてなぜか広島弁でしゃべるその男は・・・
世界を脅かす宿敵、拳王ヤム飯であった・・・!

278 :拳王伝・第2部/グレア―:04/06/07 15:29 ID:lEA5tNTK
9

「ふ・・・あんた・・・。ただものじゃあなさそうね。」
ヤム飯に向かって同じくニヤリと笑みを返す淫獣女王・高階麗子。

「幼い頃から宇宙一じゃったワシじゃが・・・女性恐怖症を克服してからというもの、
女遊びに磨きをかけ続けてきたオレに最強のパワーが宿った今、まぎれもなく宇宙一。
そして今度の相手は伝説の淫獣女王・・・。この舞台もまた宇宙一にふさわしい・・・!」
その眼をギラつかせ口元を凶悪な笑みの形に歪めとうとうと語るヤム飯。

(なんで広島弁なんだ?)
そう独りごちるクリリンと18号の思考を遮る声。
『キャァ―♪ がんばってーヤム飯さーん♪』
つき従えた美女たちの黄色い声援を合図に戦闘は開始される。

ここは地球。ごく普通の大地。
だが、クリリンの視界に突如広がった光景は・・・・
「ふおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 (―――宇宙・・・!―――)

そう。紛れもなくそこは宇宙であった。
広大な宇宙空間に対峙する二人の淫・戦士!
ビュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!
風がうなるような轟音が轟き淫獣女王が宙を切り裂く!

「!!!」
瞬時に背後に回られたヤム飯。クリリンたちではとても確認できないほどの
わずかな時間に衣服を剥ぎ取られ裸にされる。
「ふ・・・なかなかやるのう・・・。淫獣女王・・・!」

279 :拳王伝・第2部/グレア―:04/06/07 15:29 ID:lEA5tNTK
10

「並の男なら今ので力尽きていたかもしれんが・・・
あいにくわしゃあそんなヤワな男じゃあない・・!今度はこっちの攻める番じゃ。」

突如、宇宙空間に透明な謎の液体がうねり淫獣女王にまとわりつく!
「ヤム衛門の丞影元奥義・超☆性交補助液体(海藻製)!」

続いていびつな形の謎の棒状のものが・・・
「ヤム衛門の丞影元奥義・伸縮自在振動如意棒!」
それの先が二股に分かれたものが・・・
「ヤム衛門の丞影元奥義・二穴同時責め具・スワン!」
大量に・・・妖しげにその形状をくねらせながら宙を舞い襲いかかる!

「ば、バカな・・その技はまさか・・・ナイツのヒロ・・・・!?」
そう。それらの技はかつてヒロシマ・シティにおいて淫獣女王と互角の勝負を
挑めるかに思えた唯一の、そして伝説の男ナイツの佐藤博衛門の丞影元の技。
その時の勝負は思わぬ邪魔が入りお流れとなってしまった。
「わ、私と同じく・・・選ばれし者を見つけ復活していたのか・・・ヒロ・・・!」

「クククク!なんのことかはわからんが、貴様とは初めて戦う気がしないのう!」
そう不適な笑みを浮かべながらもヤム飯の怒涛の攻撃は続く。
「ヤム衛門の丞影元奥義・哀愁背姿!」
「ヤム衛門の丞影元奥義・マル秘!薬物注入!」

「これで止めじゃ! ヤム衛門の丞影元 超・必殺奥義・・・・!
 経験蓄積愛憎全抱擁懐 ☆ 無限宇宙肉棒 !!」

「ふぅおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

280 :拳王伝・第2部/グレア―:04/06/07 15:30 ID:lEA5tNTK
11

断末魔の悲鳴をあげ崩れ落ちる淫獣女王。決着はついた・・・かに見えた!が・・・!

荒い息と乱れた髪とともに起きあがった淫獣女王の眼はまだ死んではいなかった。
「ふふふ・・・あたしをここまで満足させた男はあんたが初めてだよ。だけど・・・・
まだ・・・まだ足りないのよぉ・・・・!!!」
「ふ・・・そうじゃろう。この勝負はどちらかが力尽きるまで決着はつかんのじゃ・・!」
壮絶な笑みを浮かべ再び戦いに挑むヤム飯。
その戦いはいつ終わるとも知れず激しさを増していく・・・!

「す・・・凄いな。」
ほほを赤らめポソリとつぶやく18号。
「あ、ああ・・・。」
「クリリン・・・家帰って久しぶりにやってみるか?」
やはり顔を真っ赤にしたまま思わず提案する18号。
「じゅ、18号!?」
18号以上に真っ赤になってクリリン。
「そ、そうだな。そろそろ二人目にチャレンジしてみるか。18号!」
「ああ!」
二人仲良く手をつないでその場を飛び去るクリリンと18号。
クリリンは脱がされた服を着ようともせずに素っ裸のままだ。
その二人の笑顔はとてもすがすがしい。まるで初々しい恋人のように。

Good Night! クリリン&18号夫妻!
4人のサイヤ人たちはみな、強大なる人類の敵ヤム飯と淫獣女王の前に力尽きた。
しかし!いつかきっと彼ら二人の子が強力な淫・戦士に育ち打ち破ってくれるはず!
18号「それは絶対イヤだ!」

ドラゴンボールよ。永遠に!              拳王伝 第2部・完

281 :拳王伝・第2部/グレア―:04/06/07 15:45 ID:lEA5tNTK
終了です。マニアックすぎる元ネタなので人大杉で逆に良かったかも。
ナイツのヒロはけっこう好きです。でも知ってる人いないかもですね。
(高階麗子はもっとわかんないか。w)お目汚し大変失礼しました。

282 :作者の都合により名無しです:04/06/07 17:56 ID:9ja0yu3c
人魚姫・しけい荘・拳王伝各作者さんたち、お疲れ様!
全員作品の個性が違うっていいなw
お三方の今回のアップ分、一気読みしたよ。
大変楽しめました。


いやー、最近楽しいわバキスレ。
実力十分の方々が様々な色の作品を沢山あげてくれる。
出来るだけこの状況が長く続けば良いな。

283 :作者の都合により名無しです:04/06/07 19:46 ID:uwB/pnqP
人魚姫…今回は短めだけど後に繋がりそうな話ですね。おとぎ話引用とはやりますな。
しけい荘…ギャグ切れてますね。こういうドタバタギャグ、好き。ずっと続くといいな。
拳王伝…正直知らないキャラクターでしたが、楽しめました。3部も頑張って下さい。

バキスレ最近絶好調だね。イイヨイイヨー
各職人さん方、これからも無理無いペースで頑張って。
VSさんや殺助さん、世界さんも帰ってきてくれないかなー。
とりあえず支援あげしとくね。

284 :作者の都合により名無しです:04/06/07 21:58 ID:Rz1mTQR+
>(―――宇宙・・・!―――)
レイプマンかよ

285 :拳王伝・第2部/グレア―:04/06/07 22:24 ID:lEA5tNTK
レイプマンはよくわかりませんが(そんな漫画あるの?)
元ネタはヤングキングのBADBOYSの続編グレア―です。

しけい荘はバキは一度軽く立ち読みしただけの僕ですが面白いです。
これを機に本編の続きが読みたくなるほどに。
それでは今から出かけてきます。眠い。

286 :ふら〜り:04/06/09 00:07 ID:Ws7qvoPP
>>人魚姫さん
今回は綺麗ですね……思わず想像してしまう、18号人魚。月明かりの下、岩の上に
上がってる姿とか。しかしそこの想像を進めていくと、王子様がクリリンに。う〜む。
で。偽名、にどういう意味があるのか。18号は流してますが、気になりますな。

>>サナダムシさん
無邪気なシコルが可愛いっっ♪ 反省してるドイルも楽しいっっ♪ もっと平和な
アパートに、がツボったっっ! 久々に、「頭なでたい気分」になれました。ほのぼの。
今回ははっきりと、続くっぽい感じで終わってるので楽しみ&安心です。ほんとに、
楽しみにまってますよ〜。

>>拳王伝さん
>オ、オレたちは毎晩こんな化け物どもと
……そんな化け物どもと、どのようになさっておられたのでしょうお二方。と
問い詰めてみたくなる狼狽振り。体で買収される占いババといい、濃いというか深い
というか、そういうのが揃ってますな、拳王伝さんとこは。一体どこまでいきますやら?
あと、しけい荘を先に読んでからバキを読んでの感想、には興味あり。ぜひ聞かせて
頂きたいなと。

287 :しけい荘物語:04/06/09 01:19 ID:k/ogWSt4
第七話>>262

288 :しけい荘物語:04/06/09 01:22 ID:k/ogWSt4
第八話「目指すは頂点」

 コンテスト当日。無名新人が実力を競うものなので、会場の盛り上がりは中の上といっ
たところ。大勢の参加者の中には、ドイルとシコルスキーも混じっている。
 無差別のジャンルに呼びかけたコンテストだけあり、参加者の様相も十人十色だ。芸人
に、漫才師、落語家や歌手なんてものまでいる。もちろん、ドイルと同じく手品師らしき
姿も見受けられる。
「全員喰っちまうってのもいいな……」
「いや、全員喰わないと優勝にならないだろ」
 
 会場入りし、準備を始めるドイル達の所へとある男がやって来た。斬撃ショーの第一人
者、鎬昂昇である。
「助手などを同伴して、相当気合いが入ってるじゃないか」
 黒い空手着に、持参した思われるバスケットボールや和紙が、その自信をいっそう際立
たせる。紛れもない強敵だ。
「私の斬撃ショーは、より高みに達している。君の手品が通用するといいがな……」
「わざわざ、そんなことを言うために……意外に親切なんだな」
 ドイルの皮肉にいささか腹を立てたのか、昂昇はシコルスキーの喉に足刀をめり込ませ
てから立ち去っていった。
 次に現れたのは龍書文。無礼にも思えるハンドポケットと、不機嫌そうな人相が印象的
だ。高圧的だった昂昇とは対照的に、ぼそりと呟く。
「未熟者め」
 次の瞬間には、貫き手がシコルスキーの喉に突き刺さっていた。
「おいおい、大丈夫か!」
「ゲハァッ! ……アパートの奴らの攻撃に比べりゃ屁でもないぜ」
「そうか、じゃあ俺もやらせてもらう」
 ドイルの刃がシコルスキーの喉を切り裂いた。

289 :しけい荘物語:04/06/09 01:23 ID:k/ogWSt4
 一時間後、千人もの客が見守る中コンテストが開催された。大半の参加者は気合いだけ
が空回りし、素人以下のショーしか出来ていない。客の盛り上がりはもはや下の下だ。
 だが、エントリーNo.4。これまでの新人とは一線を画す猛者が登場した。鎬昂昇の
斬撃ショーが幕を開ける。
「つッ!」
 舞台の上はまさに夢世界だった。あれだけ頑強なバスケットボールが風船のように破裂
し、微風にすら反応する和紙がいとも簡単に斬って捨てられる。梅雨時の如き空気だった
観客が、途端に沸いた。鎬昂昇の表情からも、熱気が上がっていくのが見て取れる。
 普段は観客へのサービスを殆どしない昂昇だったが、今回は違う。客席最前列の男女数
人を舞台上に呼び上げ、斬撃をもっと近くで体験させようというのだ。
 適当な人数の男女が揃うと、昂昇は彼らの神経を次々と切り裂いていった。
「コードを切られた気分はどうだね」
 被害に遭った観客は、いずれも例外なく激痛でのた打ち回っている。特に視神経を切断
された青年は、錯乱したのか故郷の母親に助けを求め続けている。このショーに、観客達
も足を踏み鳴らして歓喜の声を上げた。
「わっしょい! わっしょい! わっしょい!」
 まずは通常通りの演目を行い、続いて観客にも体験させる。全ては鎬昂昇の計算だった。
斬撃ショーは大成功に終わった。ちなみに不幸にも紐を切られた方々には、セメダインが
無料配布されたそうだ。

290 :しけい荘物語:04/06/09 01:24 ID:k/ogWSt4
 そして、エントリーNo.15。もう一人の怪物が登場する。
 龍書文の脱出マジック。巨大な水槽をバックに、例によってハンドポケットで現れる龍。
やはり踏んでいる場数は桁違いなのか、緊張している様子は全くない。
「まずは両手を脱出させる」
 ぼそりと呟くと、龍はポケットから両手を取り出した。このギャグに観客は大爆笑。一
瞬にして、龍は場の流れを自分へと持っていった。やはり経験では他を圧倒している。
「次は水槽からの脱出だ」
 手錠を自らの両手足に取り付け、巨大水槽へと身を投げる龍。和やかだった会場に緊迫
した空気が流れる。マジックだと分かっていても、心のどこかで誰かが呟く。万一のこと
があれば、この男は溺死する、と。
 三十秒後、水中でも表情を崩さない龍がようやく行動を起こした。まず、自由の利かな
い両手で水槽のガラスに貫き手を敢行する。貫き手で作られた穴から、水が勢いよく抜け
ていく。水がある程度の水位に達したら、水槽を破壊して脱出する。仕上げに、用意して
あった鍵で手錠を開放する。
 一連の作業を終えると、龍はまたもぼそりと呟いた。
「……脱出成功」
 この言葉で、全ては解決した。単なる力技だとか、手錠が無意味だとか、そんな揚げ足
取りは無に帰してしまったのだ。龍書文、「Mr.不可拘束」の名は伊達ではない。また
も会場中が喝采に包まれた。
 さて、ライバルは二人ともショーを成功させた。いよいよエントリーNo.22、ドイ
ルとシコルスキーの出番である。

291 :サナダムシ ◆fnWJXN8RxU :04/06/09 01:27 ID:k/ogWSt4
コメントありがとうございます。
キーがちょっとイカれました。うんこモノもそのうち……。

292 :作者の都合により名無しです:04/06/09 02:22 ID:Uza96mM4
まとめサイト50000ヒットおめ!&目指せ10万ヒット祈願age!

そして人魚姫、拳王伝、サナダムシさん乙。ほんと最近作品来るねぇ。
しかも全部おせじ抜きに面白い。毎晩ここ覗くのが楽しみだ。
人魚姫の作者はパオさんで拳王伝はうみにんさんでいいのかな。
オレは応援しかできんけどみなさんがんばってください。

293 :作者の都合により名無しです:04/06/09 10:48 ID:9U1K7T4l
支援age

294 :作者の都合により名無しです:04/06/09 13:20 ID:BmKww3FZ
>>292
拳王はそうだろうけど人魚はパオ氏で決定なのか?

295 :作者の都合により名無しです:04/06/09 13:49 ID:fFlmxTQm
>>294
まあどうでもいいじゃんそんな事。
作品が来るという事が大事。

しけい荘のギャグは好きだなあ。
VSさんみたいな魔球で攻めるような面白さではなく、
速球でストライクを取りに来るような面白さ。
これからも頑張って下さい。

まとめサイト50000ヒットおめでとう。
バレさんいつもお疲れ様。

しかし人大杉は直らんな。ひろゆき氏は漫画板見捨てたのか?

296 :作者の都合により名無しです:04/06/09 13:59 ID:8az6fUEj
漫画板を救うための人大杉なんだけどね

297 :295:04/06/09 14:22 ID:fFlmxTQm
>>296
そうなの?知らなかった。無知って恥ずかしいな。反省。
ひろゆき氏ごめん。

ついでにVSさんと殺助さんと世界さんも帰ってきなよと
おねだりしておこう。

298 :作者の都合により名無しです:04/06/09 14:42 ID:BmKww3FZ
VSさんは人大杉中に一瞬戻ってきてたぞ。ふら〜りさんも
何かまた書いてくれるらしいし、出来杉と人魚姫としけい荘が
大きな三本柱になってくれてるのが大きいね。
ちょっと前までうみにんさん、その前はVSさんの孤軍奮闘が
続いてたからねぇ。絶望の時期もあったのにわかんないもんだね。

299 :作者の都合により名無しです:04/06/09 15:54 ID:nlHjXORP
127 名前:Classical名無しさん[sage] 投稿日:04/06/09 14:15 ID:d7LLBH16
必死だなヤムスレ住民。そして哀れだなw
saiyankillerも狙ったタイミングで帰ってきたもんだ。

今ここで書くと得だな。
酔っ払って書いた作品でもマンセーしてもらえるし。
ま、そんな作品ばかりだがw


300 :作者の都合により名無しです:04/06/09 17:07 ID:qYoV7ltE
>>256
機械仕掛けの人魚姫 第六話

(お姉ちゃん、気を付けてね。無事でここに戻って来てね)

18号は飛びもせずに歩いている。山奥の炭鉱地を目指して。 
だが彼女の脳裏には、数分前のレックの言葉が、何度もリフレインしていた。
 (わたしが、こんな事で気を揉むなんてな。 …人間でもあるまいし)

数分前、早朝。18号の隣で寝るレックはすやすやと寝息を立てていた。
ほんの少しの間、少女の顔を見詰める18号。そして優しく髪を撫ぜると、
音を立てずベッドを出た。少女に黙って立ち去ろうとしていたのだ。
静かに階段を降り、バーのカウンターを横切ろうとする。ふと人影を感じた。
バーテンのスミス。レックの父親が皿を拭いていた。スミスが訊いた。

 「レックに黙って行くのか。あの娘はあんたをあんなに慕っているのに」
18号はドアへと歩を進めたまま、背中越しのスミスに応えた。
 「父親だろ? 殺人機械の隣になんか、子供を寝かせるもんじゃない」
ギイ、と入り口の門戸を開く。スミスが独り言のように呟いた。
 「そんな寂しい生き方しか出来ないのか。あんたほどの美しい女が」
 「前へ進むしか知らないんだよ。たとえ間違った方向としても、な」

スミスはもう何も訊いてこない。18号は大きく外へ足を踏み出した。


301 :作者の都合により名無しです:04/06/09 17:07 ID:qYoV7ltE
快晴。肌を伝う清冽な空気と、柔らかな日差しが心地良い。
皮肉なものだ。この地を血で染める今日という日に、こんな天気とは。
大きく深呼吸をする。まるで何かを振り払うかのように。
18号が背伸びをしたその時、背後にメゾソプラノの細く小さな声を聞いた。
 「もう、行っちゃうの、お姉ちゃん?」

すすり泣く声が背後から聞こえる。哀しいメゾソプラノの独唱。
レックが何故泣くかを、18号ははっきりと分からない。
寂しいからか。 …それともわたしが山奥の悪魔に殺されると思ったからか。
それでも18号は振り返らない。

前へ進むと決めたとき、彼女は決して振り返らないと決めている。
過去を振り返っても、わたしの目には累々たる死体と破壊の跡が映るだけだ。
そのまま歩き出そうとする18号。後ろの少女は叫ぶように言った。
「お姉ちゃん、気を付けてね。無事でここに戻って来てね」

その言葉を背中で受け止め、何も言わず歩き出す18号。
レックの視線を感じる。
おそらくあいつは、わたしの姿が見えなくなるまで見送り続けるのだろう。
何故だ? たった一晩、添い寝をしてやっただけなのに。
だが、わたしにも不思議な感情が沸いている。心に暖かいものが確かに、ある。

クリリンに感じたときのような、暖かくてほんの少し切ない感情が。
……これが、人間というものか。



302 :作者の都合により名無しです:04/06/09 17:09 ID:qYoV7ltE
彼女は1時間ほど黙々と歩き続けた。
だがこのペースだと、目的の炭鉱地に着いた頃には夜になってしまうだろう。
チッ、仕方ないね。 …舌打ちしながらふわりと宙を舞う18号。
そのまま数メートルほど浮き上がると、まるで弾丸のように高速で飛び出した。

彼女は舌打ちをしたが。
本当は、今までの行動の方が彼女にとってはおかしいのだ。
合理的な彼女が、飛んで行けば数分の距離を歩き続けるなど。
彼女が様々な懊悩に対するために、無駄に歩き続けるなど。

徒歩の数百倍のスピードで目的地へ近付く18号。
程なく、眼下に集落を発見した。四方が二百メートルほどの小さな村である。
散乱するシャベル等の発掘道具。山積された砂利と土。貧しい造りのバラック。
間違い無い。山奥の炭鉱地とはここだろう。だが、異様な気配がする。

人間の生活臭が、かなり前のある時を境に、プッツリと途切れた感じ。
バラックの中に何かが蠢いている気配はある。だが、空恐ろしい不気味な気配。
 (こんな時、クリリンならもっとハッキリ感じ取れるんだろうな)
思わず苦笑する18号。彼女に『気』で敵を察知できる能力は無い。
周りの状況から異変を観察・推測したり、勘で異常を見極めるだけだ。 
 (異常事態でもあいつを思い出すなんて。わたしは本当に弱くなったな)
声を出して笑い出す18号。 …だがその哄笑は暴力的に断ち切られた。

何者かに、空中から地面へ叩き付けられたのだ。


303 :作者の都合により名無しです:04/06/09 17:09 ID:qYoV7ltE
砂煙を巻き起こし、高速で地面へ激突する18号。
ちょうど高さでいえば、マンションの9階からダイブしたようなものだ。
並の人間なら即死か良くて重傷だが、流石に18号は全くの無傷である。
 (チッ、こんな時に油断するなんて。つくづく甘い。 …しかし)

どこかが、おかしい。昨晩からの違和感が18号の思考を黒く染める。
その思いに気を取られているその時に、右腕と左足に触手が絡み付いていた。
ニヤニヤと白痴な笑いを浮かべて、前方に腕が触手の男が2人立っていた。
その男たちがそれぞれの触手で18号を捕らえている。

いや、それだけではない。
バラックのドアが乱暴に開き、以前は人間であったであろう化け物たちが
群を成して目の前に現れた。その数、およそ20匹。
各々、いずれかの肉体の部分に触手を生やし、18号を狙っている。
そして、空には。
先ほど18号を叩き落したであろう化け物が二匹、悠々と空を舞っている。
なんと両腕の触手がまるで翼のように進化している。その目に知性は無いが。

ギリギリ、しゅるしゅる、ぐちゅぐちゅ。
化け物たちは様々な遠吠えで18号を威嚇する。全員、戦闘準備万端らしい。
18号は化け物たちを見渡し、クールに笑った。

 「まさか、こんなモノでわたしを縛ったつもりじゃないよな?」


304 :作者の都合により名無しです:04/06/09 17:10 ID:qYoV7ltE
ブチリ、と右腕と左足の触手を千切り取る。哀れを含んだ目で化け物に言った。
 「少しでも、人間の心が残っているヤツはこの場から消えろ。
お前らじゃ、わたしには勝てない。たとえ何千匹いようとな」
18号の態度にも怯まず襲い掛かる化け物たち。言葉が通じないのだろう。
 (仕方ない。見せしめに殺すしかないのか)

18号がシュン、と踏み込む。横殴りに拳を叩き込む。
触手を絡み付けた2匹が、一瞬で真っ二つになる。すぐにエネルギー波を撃ち、
化け物2匹の存在をこの世から消す。ほんの少しチクン、と心に痛みが奔る。
 「無駄死にはよせ。 …出来れば、元人間のあんたらを殺したくない」

これで、襲っては来ないだろう。18号はそう思った。
何故なら、こいつらが本能で動いてれば、強者には決して刃向かわないからだ。
野生の本能は、闘争よりも生存を確実に選ぶからだ。
化け物どもは18号の思惑通り、束の間動きが止まった。だがそれも一瞬。
まるで狂ったように、一斉に18号に飛び掛ってきた。

 (やはり…な。こいつらは、操られている)


305 :作者の都合により名無しです:04/06/09 17:11 ID:qYoV7ltE
昨晩、宿の2階を襲った化け物。そして、死を無視し襲い来るこの化け物たち。
導き出される結論はひとつ。 …こいつらを操って、わたしを狙う奴がいる。
そういうことか。全て。思えば余りにも出来過ぎていた。

道に迷ったとき、突然現れた老婆。
今まで襲って来なかった宿の2階に、タイミング良く訪れた化け物。
そして、一年前から始まった、という事実。

18号は迷いが消えたように動く。突きで、蹴りで化け物たちを屠っていく。
 「もう、お前たちは人間には戻れない。だったらわたしが滅してやる。
  同じ化け物の、よしみでな」

数分後、20匹以上いた化け物たちは、細胞ひとつ残らずこの世から消えた。
ほんの少し立ち尽くす18号。 …またわたしは、人間から遠くなった。
大きく首を振る。わたしみたいな化け物が、こんな時だけ人間の感傷に浸るな。 ……まだ、闘いは始まってもいない。黒幕は残っている。

炭鉱の奥深くへと通ずるトンネルが目に入る。 …あそこにいる。分かる。
何故なら、あいつもわたしも同じだからだ。トンネルへと足を踏み出す。
暗い道をしっかりとした足取りで奥へ進む。 …やがて、行き止まりになる。
だが、そこにいる。暗闇に潜んでいる。18号は静かに言った。
 「やはりか、姉弟。 …久しぶり。いや、始めまして、か? 」

甲虫のような緑の鎧を身にまとった、子供のような怪物がそこにいた。
1年前の闘いで生まれた怪物、 ……セルジュニアである。


306 :作者の都合により名無しです:04/06/09 17:23 ID:qYoV7ltE
あと2、3回でキリのいい前編終了になるので、
なんとか今週に書きたいのですが、無理かな。
あと連続投稿規制、6回は厳しいですね…。


307 :作者の都合により名無しです:04/06/09 19:19 ID:Bnf6+gAn
>ちょうど高さでいえば、マンションの9階からダイブしたようなものだ。

こ、これってまさか・・・

308 :作者の都合により名無しです:04/06/09 21:13 ID:SJhvMsja
ageとく

309 :作者の都合により名無しです:04/06/09 21:31 ID:CakmfsZs
みんなハイペースこうしんおつかれさま

>>291
期待age

310 :作者の都合により名無しです:04/06/09 22:02 ID:4eoBbFiJ
しけい荘・・龍書文いいなあ。
      バキでは終わりのキャラみたいなので活躍させてほしい。
人魚姫・・ シリアスの中にク突如クボネタw不意打ちで笑った。
      でも、このままシリアスでいってほしい。

311 :作者の都合により名無しです:04/06/09 22:07 ID:xN8CvE1U
やっぱ窪ネタだったのか?さすがにそれは不謹慎すぎると思うが…。
狙ったんじゃないならいいけど、読んで不快になる人もいると思う。

312 :作者の都合により名無しです:04/06/09 23:26 ID:OzbHFlpZ
人魚姫&しけい荘GJ!

313 :作者の都合により名無しです:04/06/10 00:19 ID:zpOnN+NK
支援age
最近あがってさえいれば作品くる雰囲気だね。
これに乗じて新人降臨もキボン。

314 :作者の都合により名無しです:04/06/10 01:09 ID:pflYj9p2
これで荒らしがいなければ最高なんだけどな

315 :作者の都合により名無しです:04/06/10 03:25 ID:GbLj7PsB
まとめサイト50000ヒットおめ。
とりあえず、支援アゲしときます。

316 :作者の都合により名無しです:04/06/10 04:11 ID:Ner8UdXh
test



317 :作者の都合により名無しです:04/06/10 10:22 ID:ER4XEmcO
いくらなんでも職人さんたちの来ない日もあるさ。
でも、今日はVSさんかうみにんさんが来そうなヨカーン。

318 :作者の都合により名無しです:04/06/10 11:31 ID:XPjeqgRj
そういうプレッシャーかけるのはよせ。

319 :作者の都合により名無しです:04/06/10 11:53 ID:9tw0a4OJ
最近出木杉が来ないな。最初の頃の鬼更新復活にも期待している。
人魚としけい荘は今日も来てくれるに1ようかん。

320 :作者の都合により名無しです:04/06/10 15:23 ID:pflYj9p2
>>317、319
うざ・・

321 :作者の都合により名無しです:04/06/10 18:04 ID:gSc1WlY0
また微妙な空気になってんな。

322 :作者の都合により名無しです:04/06/11 00:14 ID:jb1XGVzO
逆に今までが良すぎたのかも

最近のこのスレは
更新ラッシュの時→SSと感想でいいリズムが生まれ雰囲気向上
更新ストップの時┬→沈黙→マターリ→そのうち次の更新
           └→(善意で)期待レス→>>317-321のような微妙な空気
→でも次の更新で空気回復
こんな感じでおおむね好調に進行してる

うまくいってるのは職人さんの活気が最大の理由で
その次に感想以外の評論や職人・スレの動向語りが鎮静化してるのが理由
(だからこのレスもイクナイかも)

323 :ふら〜り:04/06/11 10:04 ID:UB/n3//R
諸事情により、しばらくレスをすることが出来なくなってしまいました。
SSも書けなくなります。
長年愛読していたスレを見れなくなるのは、とても残念です。
今度いつ見られるかわかりません。心のオアシスを見られないと思うと・・とてもとても・・・
皆さんでバキスレを守っていってください。私が守る事が出来ませんが、もう私の助けがなくても
バキスレはやっていけるはずです。では職人さん、ROMの皆さん、また会う日まで・・・

324 :作者の都合により名無しです:04/06/11 12:30 ID:ohPoFVjc
うそ・・・・・・でしょ・・・・・・・・
ねぇ!!うそって言ってよ!!
ふら〜りさん!!
あなたがいなかったら・・・・あたし・・・・・・・
う・・・・・・・うそ・・・・・・だよね・・・・・・・?
ね・・・・?

325 :作者の都合により名無しです:04/06/11 20:49 ID:u5bGfuEZ
どう見ても騙り。

関係なく支援age

326 :作者の都合により名無しです:04/06/11 20:57 ID:FmkdZbGn
な〜んだ。騙りか…。びっくりした

327 :作者の都合により名無しです:04/06/11 21:03 ID:06d/bwge
機械仕掛けの人魚姫 第七話 >>305

身長1メートル強ほどの、甲虫のような緑の怪物が目の前にいた。
18号はその怪物から視線を逸らさない。強い意志を秘めた瞳で射抜く。
 「セルの体内に取り込まれていた時、セルの目でお前を見ていた。
  だから知ってる。セルがお前を自分の細胞から生んだという事を。
その意味では、姉弟というより、 …母子だな」

セルジュニアはその言葉にも何の反応も示さない。
ギイ、ギイと盛んに動物のような威嚇音を発生しているだけだ。
18号に不吉と不審が僅かに過ぎる。
(おかしい。確か生まれたばかりの奴さえ、言葉を理解していたはず)
だがその小さな疑念を吹き飛ばすように、セルジュニアが雄叫びを上げた。
 「キシャアアアアアアアアアアアアアッ」

セルジュニアがまっすぐ突っ込んできた。速い。反応するのがやっとの速度。
18号は腕をクロスするように体の前面をガードする。
激突。2つの肉体の交錯。
だが18号は力負けをするように、後ろへとずるずる押されていく。ついに壁際。
 「グルルルルルルルルル……」
セルジュニアがいななきをひとつすると、18号の背の壁がピシリ、と亀裂する。
そのまま一気に押し込むセルジュニア。まるで闘牛に吹き飛ばされたマタドールのように、
18号の肉体は後ろへ吹き飛ぶ。ズガガガ、と削岩音を放ちながら、鉱山の土をえぐる。
 「な、なんてパワーだ。力だけなら、確実にわたしより上か」
一瞬、呆気にとられる18号。先ほどまで地中のトンネルにいた自分が、今は空中にいる。
セルジュニアのタックルに弾き飛ばされたのだ。眼下を見ると、鉱山が平らになっている。



328 :作者の都合により名無しです:04/06/11 21:05 ID:06d/bwge
 「奴は、どこだ?」
冷静さを取り戻し、攻撃を仕掛けようとする18号だが、セルジュニアがいない。
馬鹿な。ほんの少し隙を見せただけで、逃げられたか。 …だがその考えは甘かった。
背後から急に殺気を感じる。振り返る18号。そこにいた。セルジュニアが。
 「ギャアアアアアアアッ」
野獣の気合が放たれると同時、頭部に衝撃を感じた。
先ほど鳥型の『ソコナイ』から受けた衝撃とは、比較にならぬ威力である。
セルジュニアの打撃を受け、今度は空中から地上へ叩き落される。意識が飛びそうになる。
大きくバウンドをし、地に転がる18号。 ……駄目だ。このままでは、殺られる。 

セルジュニアが空中から再度攻撃を仕掛けようと突っ込んでくる。

落ち着け。確かに、パワーとスピードは奴が上だ。だが、絶望的な差じゃあない。
その証拠に、不意打ちに近い奴の攻撃を2度受けても、わたしはまだ立っていられる。
それに、奴にははっきりとした弱点がある。それも2つ。

セルジュニアは笑っている。あと僅かな時間と距離で、仕留められると思っているのだ。

弱点その1。
奴にはおそらくエネルギー波系の飛び道具はない。生まれたばかりの時もそうだったし、
今の奴も多分そうだ。この距離を肉弾戦で決めようとしているのがその証拠。
そしてもう一つの弱点。これが奴の命取りになる。だがその前に、この攻撃を凌がないと。

18号とセルジュニアの肉体が、再度衝突した。


329 :作者の都合により名無しです:04/06/11 21:06 ID:06d/bwge
激突の際、18号は総てのエネルギーを防御に注ぎ込んだ。
がっちりと肉体を丸く固めて、鉄壁の陣を引く。亀のように。
それでも衝突のエネルギーは想像を超えたが、なんとかダメージは最小限に、耐えた。
セルジュニアはまたも距離を取って、突っ込むタイミングを探っている。
 (それだ。それがお前のもう一つの、そして最大の弱点)

18号は左半身に構える。重心を左足に置き、静かにセルジュニアを待つ。
まるで居合いの構えである。刀はまだ抜いていない。来る瞬間だけ抜けば良いのだ。
 (お前の、最大の弱点、それは)
セルジュニアがまたも突っ込んできた。まっすぐ、一切のフェイントも無く。
 (攻撃が、あまりにも直線的過ぎる。まるで、野獣のように)
恐るべき速度。だが18号に焦りは無い。直線ゆえに、速くとも軌道は想定できる。
 (動きが見えなくとも良い。その一瞬、その一点だけを見切れば)
18号の鼻先まで迫るセルジュニア。激突の瞬間。だがその時、18号の右手が動く。
 (カウンターが、取れる)

 「ギャアアアアアアッ」
虚空に絶叫がこだまする。 ……倒れていたのは、セルジュニアであった。
18号のカウンターのパンチが、セルジュニアの腹を最高のタイミングで貫いたのだ。


330 :作者の都合により名無しです:04/06/11 21:08 ID:06d/bwge
 「もういい。もう、いい」
18号の声がかすれている。目の前ではセルジュニアがボロボロになり倒れている。
あれから幾度同じ事を繰り返したのだろうか。
セルジュニアは何度も何度も突っ込んだ。特攻しか赦されぬ人間ロケットのように。
その度、18号はカウンターを叩き入れる。そして血を吐く。セルジュニア。
その繰り返しが、幾度も幾度も、永遠のように続く。

セルジュニアの動きは速い。だが、直線的で単純過ぎる。
一度そのタイミングを見切れば、後は簡単だった。容易に拳を叩き入れる事が出来た。
それでもセルジュニアは同じ動きで、まっすぐ襲い掛かってきた。何度も、何度も。
 「ギ…、ギギイ……」
セルジュニアがまた立ち上がろうとする。また虚しい特攻を繰り返すというのだろう。
18号は胸が熱くなる。妹弟のその無様な姿に。いや、違う。本当に哀しいのは。

 (あれは、わたしだ。人間でもないわたしの、不可能な事を願うわたしの姿だ)
ボロボロになりながら、まだ立つ。賽の河原で小石を積むように、願い続ける姿。
周りから怪物と蔑まされながら、でも前に進むことしか出来ない哀しい姿。
次第に涙が込み上げてきた。

でも、無理だから、不可能だからこそ、なお求めてしまうだよな、妹弟よ。



331 :作者の都合により名無しです:04/06/11 21:09 ID:06d/bwge
涙がポロポロ零れてきた。
あの人ならこんなわたしでも受けとめてくれるだろう。たぶん、きっと。
そんな微かな叫びにも似た願いが、風に吹かれる砂の城のように霧散していく。

無理だ。あいつは人間。わたしは怪物。殺人機械。

顔では笑ってくれるかもしれない。でも、こころではきっとこう思われている。
 『前に俺たちを襲った、化け物。造られた機械』 ……と。
胸が張り裂けそうになる。ならばいっそ、最初から拒絶してくれた方がいい。
いやいっそ、その場でわたしを殺してくれたらいい。お前の手で。

でも、それでもわたしは前に進む。お前ともう一度逢って、確かめる。何かを。
たとえそれが、どんな結末を迎えるとしても。

セルジュニアが起き上がってきた。まだ、18号に立ち向かおうとする。
だが、涙を流し哀しそうな目で己を見る18号をしばらく見て、急に背を向けた。
力無く空に浮かび上がり、よたよたと飛んでゆく。その後ろ姿をじっと見る18号。
 
「ごめんな。本当に、ごめんな。でもお前は、この世にいてはいけないんだよ」


332 :作者の都合により名無しです:04/06/11 21:10 ID:06d/bwge
それはたぶん、わたしもだ。
その言葉を呑み込む。それを口にすれば、本当にこの世で自分を必要とする人間が
誰もいなくなる気がしたからだ。なにより、あのチビで不細工な最愛の男にも。

大空の中、豆粒ほどの大きさになったしまったセルジュニアの後ろ姿に、
右手をまっすぐ伸ばし、掌を大きく開く。ほんの短い間、18号は黙祷を捧げた。
 「すまない、姉弟。お前を殺した罪も、わたしは背負う。肉親殺しの罪をな。
  先に地獄で待っていてくれ。わたしも、いずれ逝く」

18号の右の掌から紅い、血のような閃光が迸った。彼女の涙を一筋添えて。
そしてセルジュニアは、姉弟は消滅した。18号のこころで、また何かが死んだ。
またひとつ、人間から遠くなった気がした。

18号はしばらく立ち尽くしていたが、やがてポツリと呟いた。
 「また、振り出しに戻ってしまったな。あの人への道が」
その時、18号の脳裏に天啓が閃いた。涙は乾き、視線が再び強くなる。

 「そうだ。振り出しじゃない。 ……あそこだったのか」


333 :作者の都合により名無しです:04/06/11 22:32 ID:06d/bwge
上げてくださった方、ありがとうございます。
今回ワードの文字ポイントを10,5にしてしまったので
行が長く読み辛かったらごめんなさい。

明日も7時くらいにあげてくださるとありがたいのですが。
わがまま言って申し訳ありません。

334 :拳王伝 第3部/デーモン・ブラッド 1:04/06/11 22:47 ID:0DvGGuZR
拳王・ヤム飯と淫獣女王・高階麗子。欲望をぶつけ合い、
満たされるほどに渇きゆく二人の戦いは果てしなく続いた。

その間に傷ついたZ戦士たちはドラゴンボールをかき集めて
ピッコロ・悟飯・チャオズ・ウーブら死んだ仲間を生き返らせ、
再起不能状態だった4人のサイヤ人も完全回復を果たしていた。
しかし、荒み切った餃子の心の傷だけはさしもの神龍も
癒すことはできず、餃子は長い長い旅に出た。

ヤム飯と高階麗子の戦いの激しさには今の実力では手が出せない。
様子をうかがいながら修行に励むZ戦士たち。

しかし、彼らの打倒ヤム飯の目標は果たせなかった。
いや、果たす必要がなくなったのだ。
ヤム飯と高階麗子が戦いの最中、忽然と消えうせてしまったのだ。
理由は誰にもわからない。相打ちで両方消滅してしまったのかもしれない。

しかし、Z戦士たちが感じていた巨大な邪気がすっかり消えてしまった以上
ヤム飯たちの行方はもはやわからない。能天気な国民たちはそのままヤム飯たちの
敗北ということにして、事態をうやむやに揉み消してしまった。

なお、この時たまたま、国民の声に乗せられてしぶしぶ立ちあがった
サタンがなぜか二人を倒した英雄として世界中に報じられている。

宇宙一の強者であるヤム飯という目標を失った悟空とベジータは
戦いからの引退を決意。他のZ戦士たちも休息の時を迎えた。
その後、何事もなかったかのように時は過ぎ・・・

半年後・・・

335 :拳王伝 第3部/デーモン・ブラッド 2:04/06/11 22:48 ID:0DvGGuZR
ゴトンゴトン。
田舎の町へと向かう鈍行列車が規則正しく心地よいリズムを刻む。

列車内は空いている。
その一座席に座る美しい女性。太っているというわけでもないのに
大きく膨れ上がったお腹は誰の目にもわかるほどに妊娠中である。
「ふふ・・・あなた男の子なんだってよ。パパのように強く大きく育ってね。」
どうやら病院で検診を受けた帰りらしい。

偶然、停車駅の駅前のミスター・ドーナツの看板が目に入る。
そこには・・・『今ならもれなく飲茶がついてきます。』の文字が。

「まぁ・・・素敵な言葉・・・・。
そう言えばパパの元の名前はヤムチャとか言ってたわね・・。決めたわ。
あなたの名前は・・・ヤムチャ。そう、ヤムチャと名付けるわ。」

お腹の中の子はどうやらヤムチャと名づけられたらしい。
そのまま、ゆっくりと・・・ゆっくりと列車は遠くへ消えていく・・・。

その美しい女性は・・・その名を高階麗子といった・・・。

そして・・・・月日はさらに流れ・・・十数年の時を刻む・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

336 :拳王伝 第3部/デーモン・ブラッド 3:04/06/11 22:50 ID:0DvGGuZR
「ウウォラァ――――――ッ!!」
早朝。勇ましい女性の怒鳴り声が響く!

ベッドの中、幸せそうな顔で眠る一人の少年。
その少年の幸せは先の怒鳴り声とともに断ち切られた。
ゲシッ!思いっきし腹部にヤクザキックをかまされ
目玉が飛び出さんばかりの形相で跳ね起きる少年。
「う・・・うごおおおおおおお・・・」
あまり人間っぽくないうめき声をあげながらもだえ苦しんでいる。
無理もない。何しろこの女性の蹴りはそんじょそこらの格闘家など
裸足で逃げ出す破壊力なのだ。いや、冗談抜きに・・・。

「マロンはもうとっくに着替えて準備してるんだよ?
あんたもとっとと飯食って着替えときな!」
女性の名は18号。変わった名前だが実に美しい女性である。
どうやらこの少年の母親らしいが、とてもそんな年には思えない
若さと美貌を保っている。

ふと、部屋の入り口を見ればクスクス笑う少女。
この少年の姉であり、先ほどマロンと呼ばれた少女である。
あどけなく愛嬌のある顔は父譲りか。しかし、美人とは言えないが
平均よりかなり可愛らしい部類には入るだろう。

そして、ようやく悶絶から立ち直った少年。先ほどは凄まじい顔を
していたのだが、こうやってよくよく見ればかなりの美少年である。
こちらは明らかに母親の血を色濃く受け継いでいるようだ。

「今日からあんたもマロンと一緒にハイスクールに行くんだよ。
初日から遅刻なんて絶対許さないからな!」
少年は今日から私立のハイスクールに入学の予定らしい。
元気にもりもり朝食を食べ、母にせかされ慌しく準備を整えている。
少年の名はクリン。この物語の主人公である・・・!

337 :拳王伝 第3部/デーモン・ブラッド:04/06/11 23:04 ID:0DvGGuZR
人魚姫作者さん、乙です。人魚姫さんのハードボイルドな18号の
イメージを損なってしまわないか、少し不安ですがお許しください。
(こちらの18号はたぶんほとんど出てきませんので)

出木杉は忘れたわけじゃないですよ。意地でも完結させます。
拳王伝は完結させるあんまり自信ないですが(←おい!)。
次の出木杉の更新では物語の後半を彩る予定の重要キャラが
新たに続々登場すると思います。今が一番きつい時期かな?

338 :拳王伝 第3部/デーモン・ブラッド:04/06/11 23:08 ID:0DvGGuZR
「自信はあんまりない」ですね。w
なにやってんだろ。→自分

339 :作者の都合により名無しです:04/06/12 00:40 ID:PGEMs/a7
二人ともGJ!


340 :作者の都合により名無しです:04/06/12 01:27 ID:yu+KwiT0
両作者乙!どっちの18号もいい味出してますね。
でも拳王伝の方はもう出番ないのかぁ。残念!
感想です。
>>人魚姫:クリリンがうらやましい。
>>拳王伝:クリリンがうらやましい。
クリリンいいなぁ。

341 :作者の都合により名無しです:04/06/12 08:15 ID:bkPXgZON
機械仕掛けの人魚姫 第八話 >>332

扉が開く。いつかと同じように、静かに扉が開く。
室内は湿気高い。その不清潔な空間の片隅で、男が扉の方を見て声を出した。
 「あんたか。 ……どうやら、終わったらしいな」
その男、バーテンのスミスがそう言った。扉の前に立つ美しい若い女へ向けて。
 「終わっちゃいないよ。これからだ」

女はそう言った。勿論、18号である。一瞬スミスが怪訝な顔をするが、
すぐにカウンターの中へ入り、やや間のあった後18号へグラスを差し出した。
 「どうやら悪魔は片付けてくれたらしいな。お礼といっては安すぎるが、
  あんたの好きなマティーニだ。うんとドライにしてある。さ、呑ってくれ」

18号はカウンターの前に立つ。が、じっとしたまま座ろうとしない。
 「どうした? 俺のせめてもの礼だ。汚い店だが酒の旨さには自信がある。
  一杯呑った後、あんたの英雄譚を聞かせてくれ」

18号は微動だにしない。だが、その顔には冷たく妖艶な笑みが貼り付いている。
 「そんなに、呑んで欲しいのか? だが呑む前に、ひとつ聞く」
 「なんだ? 俺に答えられる事なら、答えるが」
 「この酒を呑んだら、わたしは死ぬのか? あっさりと死ねるのか?」


342 :作者の都合により名無しです:04/06/12 08:16 ID:bkPXgZON
スミスの視線が鋭くなる。だが次の瞬間、彼は津波のように哄笑した。
 「わはははは。町を救ってくれた英雄を、毒殺するだと? 何の為だ?
  おいおいお嬢さん、冗談キツいよ」
 「とぼけるな。もうわたしは、とっくに見抜いているんだよッ」

静寂が訪れる。重苦しい沈黙が辺り包む。スミスが陰気に言った。
 「……この俺が、『ソコナイ』だとでも言うのか?」
18号が小馬鹿にしたように鼻で笑う。スミスの姿勢が前傾姿勢になっている。
 「まだ三文芝居を続けるとはな。お前は『ソコナイ』なんかじゃない。
  お前こそが、炭鉱地の悪魔の正体。即ち。セルジュニアの本体、だろう」

もはや、スミスの気配に友好的なものは欠片も無い。敵意の固まりである。
 「賢く美しい女は幸福になれるが、賢こ過ぎ美し過ぎる女は幸福にはなれん。
  決してな。それを呑んで安らかに逝けばいいものを。 …いつ、気付いた」
18号も戦闘姿勢を取っている。会話をしつつ、エネルギーを張り詰めている。
 「昨日の夜の襲撃も、まるでわたしの戦闘能力を測っているかのようだった。
  そして、この街を教えた老婆の存在も偶然が過ぎる。
  誰かが、わたしを誘き寄せていると考えるのが自然だろう。 …む?」

目の前でスミスの顔がぐにゃりと変化していく。その顔に見覚えがある。
その顔は老婆であった。勿論、18号にこの町の存在を教えた老婆である。


343 :作者の都合により名無しです:04/06/12 08:17 ID:bkPXgZON
 「フン、便利なお顔だな」
皮肉げに笑う18号。だがそれを無視し、スミスは興味深い態度で再度聞いた。
 「それだけでは俺がセルジュニアと結論は出せまい。どうしてだ?」
 「ただの消去法さ。最初、炭鉱地のセルジュニアが黒幕と思っていた。
  だが、あそこのセルジュニアは知性の欠片も無いただの野獣だった。
  綿密な計画など立てられる訳は無い。だったら、他に黒幕がいるはずだ。
  そうすると、必然的にあんたかその老婆に絞られてくる。
  他に、わたしの動向を知るものはいないからな。
  だがハッタリをかけてみたら、まさか同一人物だったとはな」

ククク。スミスが含み笑いをする。18号は更に続けた。
 「セルは自分の細胞から子供を生み出した。それがセルジュニアだ。
  その子供は生まれた時から、すでに簡単な会話くらいは出来た。
  だが、炭鉱地のあいつはただの野獣だった。ここからはわたしの推理だ」

スミスの顔がいつの間にか老婆から元の顔へと戻っている。
 「セルジュニアは、たぶんこの町の人間に自分の細胞を植え付けたんだろう。
  それが『ソコナイ』だ。だが、何故かその記憶と精神が乗っ取られた。
  植えつけた先の人間に、だ。 …それがスミス、お前だ」


344 :作者の都合により名無しです:04/06/12 08:19 ID:bkPXgZON
 「素晴らしい。想像以上の頭脳と戦闘力だったよ」
スミスがパチパチと拍手をして18号を称える。18号の顔が険しくなる。
スミスの声色は既に人間のそれではない。彼はゆっくりと語り始めた。
 「孫 悟飯にセルジュニアは確かに全滅させられた。あの時は、な。
  だが数日後、死んだはずの細胞が復元し、2匹だけ生き返ったのだ。
  死んだはずのセルジュニアがな」
2匹…? まだ一匹、存在するのか? 18号の疑念を他所に言葉は続く。

 「セルジュニアの一匹はこの町に逃げ延びた。死に掛けだったがな。
  そしてお前の言う通り、町民に細胞を植え続けた。兵を造るために。
  その時、まだ万全ではなかったからな。だが休んでいる半年間、
セルジュニアの知力は上がり続け、兵は増え続けた」
じっと聞き入る18号。だが勿論、油断はしていない。もう戦場である。
 「だが異変が起きた。とある個体に細胞を埋め込んでいる時だ。
  何故かその個体は拒否反応を起こし、逆に取り込んでしまったのだ。
  セルジュニアとしての記憶も、意識も、思考も。たかが人間がな」

歯軋りをするスミス。よほど悔しいらしい。
 「そしてセルジュニアは2つに分かれたのだ。
  無知だが巨大な戦闘力の炭鉱地の悪魔と、人間に毛の生えたような
  戦闘力しかない、『ソコナイ』の中にある意識体との2つに」
18号は間合いを取りながら腕組みをしている。
 「なるほど、その意識体の器がスミスか。そうか。分かったよ、
  『ソコナイ』の本当の意味。死に損ないじゃなく、成り損ないなのか。
  セルジュニアになれなくなったあんたの無念、という意味だったのか。
  でも何故、わたしをそこまで執拗に狙う?」
 「……お前の強く美しい体を、次の意識体の器に使おうと思ってね」


345 :作者の都合により名無しです:04/06/12 08:21 ID:bkPXgZON
再度、沈黙。スミスは不敵に笑っている。18号は更に問う。
 「何故、最初から酒に仕掛けをしなかったんだ。それで終わっていた」
 「俺はセルの息子だ。お前も分かるだろう。セルが好きだったものを。
  あの遊び好きの怪物のな。そう。これはゲーム、だよ」
 「ゲームだと?」
 「ああ。お前が気付かなければセルジュニアの勝ち。気付けば負け。
  そういう、お互いの命を懸けたゲーム、さ」
 「下らないね。そんなゲーム、わたしは参加したくもなかった」

18号は吐き捨てる。完全に戦闘モードである。18号は叫んだ。
 「最後の質問だ。あの人は…、クリリンはどこだッ」
スミスの肉体が変化していく。全身からトゲが数十本生え、伸びる。
 「ククク。もう一人のセルジュニアのところだ。場所はグリーンシティ。
  だが、貴様は今、この場で死ぬッ」

数十本のトゲが一斉に18号を襲う。だが18号はニヤリと笑う。
 「そうか。教えてくれてありがとう。そして、ゲームオーバーだ」
伸びたトゲが溶けていく。18号の肉体へ到達する前に。スミスは焦る。
 「バ、バリヤーだと…。俺の、俺のトゲがみんな溶けていく…」

18号の周りには紅い光球が広がっている。その光にトゲが触れる度、
ジュッと蒸発音がしてトゲが溶けていく。うろたえるスミス。
18号が静かにスミスへと近付く。


346 :作者の都合により名無しです:04/06/12 08:23 ID:bkPXgZON
スミスの胸倉をつかみ、18号は優しく微笑んで言った。
 「情報ありがとう。だが、あんたの元の肉体はとっくに地獄へ行った。
  もう逝け。あんたの体に涙は流せても、あんたには流せない」
そっとスミスの顔に手を当てる。愛撫のように、優しく。スミスは叫ぶ。
 「ま、待て、違うッ。違うんだ、俺はッ」
18号の右手が光り、スミスは消えた。

ふう、とため息をつき天井を見上げる18号。
グリーンシティか。すぐ旅立とう。この町には、哀しい事が多過ぎた。
だがその時。階段の踊り場から、小さな声が聞こえた。
 「お…、お姉ちゃん、なんで? なんで、お父さん殺したの?」
少女が泣いていた。最初は小さな声で、次は哀しいほど大きな声で。 
 「み、見てた、のか、レック…」

18号は呆然と立ち尽くす。化け物になっていたとはいえ、父を殺した事に
変わりは無い。美しい顔が悲痛に歪む。レックが泣きながら飛び掛ってきた。


347 :作者の都合により名無しです:04/06/12 08:29 ID:bkPXgZON
 「バカ、バカッ。なんでお父さん殺した、なんで殺したッ」
小さなコブシを振り回し、18号の胸を思い切り何度も叩くレック。
子供の力が、18号に通ずるわけは無い。だがその小さなコブシは、
18号が今まで喰らったどんな攻撃よりも痛かった。
 「赦してもらおうなんて思わない。わたしを好きなだけ恨んでくれ。
殺してくれてもいい。だがあと、3日だけ、待ってくれ」

むしの良い頼みとは分かっていた。
だが、3日あればクリリンときっと逢える。その後なら喜んで殺される。
それだけの事を、わたしはこの娘にしてしまったのだから。
18号の目から涙が滝のように流れる。レックはまだ叩き続けている。
やがて、レックはすすり泣きながら言った。
 「駄目だよ、お姉ちゃん」
 「分かっている。自分勝手な申し出だという事は。だが」
 「駄目だよ。 …ゲームは最後まで、油断しちゃ」

その言葉に思考が止まる。次の瞬間、チクンと痛みが走る。
そしてそのまま18号は倒れてしまった。天井がグルグル回っている。
レックが悪魔のように笑っている。注射を右手に持ちながら、無邪気に。

 「な、なんだレック、どうしたんだ?」
 「レック? フフフッ。そう、あたしはレックだよ、お姉ちゃん。
  スペルはちょっと変わっててね…。L・L・E・Cなの。
  フフ、お姉ちゃん。逆に読んでみる?」


348 :作者の都合により名無しです:04/06/12 08:31 ID:bkPXgZON
夜、用事が出来たので今書き込みました。
今週はこれで終わりです。本当はもう一回書けるとキリが良かったのですが。
うみにんさん、ありがとうございます。出来杉楽しみにしてます。

349 :作者の都合により名無しです:04/06/12 09:29 ID:UeuaFIOd
乙。しかし、なぜここに来てバキスレで18号ブームなんだ?w
メロンパン氏の一言からかな?あと、正直すぎるぞ>>340

350 :作者の都合により名無しです:04/06/12 12:48 ID:bkPXgZON
出かける前にあげときます。

351 :作者の都合により名無しです:04/06/12 17:32 ID:PGEMs/a7
誰か弟の17号にも日の目を見させてやってください

352 :作者の都合により名無しです:04/06/12 17:41 ID:KCaBMY2h
兄貴じゃねえのかクズ

353 :作者の都合により名無しです:04/06/12 17:49 ID:tTT1Q9Uo
どっちが兄か姉かは明言されてなかった。
双子でどっちが兄でも姉でもなく対等に育てられたんじゃね?

354 :作者の都合により名無しです:04/06/12 18:00 ID:KCaBMY2h
製造番号じゃないのか?17とかって。

355 :作者の都合により名無しです:04/06/12 20:30 ID:uCZ/kS6z
18号が姉で17号が弟が正解。
セル編最後に18号がクリリンに向かって、「わたしと18号は双子の姉弟だ」と言っているこまがある。
なぜ弟が17号なのかは、まず人造人間化に最適な遺伝子を持つ(男の)17号をドクターゲロがさらって改造し、
その遺伝子のスペア用のために同じ遺伝子を持つ双子の姉の18号を後にさらって、次に改造したからと
鳥山がインタビューで語ってた。(らしい。他スレからの情報)

人魚姫乙。無駄に話を考えて作りこんでるなw(ほめ言葉)これからも楽しみにさせてもらうよ。頑張れ。

356 :作者の都合により名無しです:04/06/12 21:38 ID:YyZ4COjv
完全にヤムスレを食っちまったなwこのスレ

357 :作者の都合により名無しです:04/06/12 22:21 ID:+C+7wT+9
うみにん氏は写真見るとイケメンなのに結構オタクだなw
結構漫画読んでる俺でも知らないキャラが出てくる。でも楽しかったよ。
人魚姫は俺敵に今年bPかも。ちゃんと複線とかも張ってるんだな。パオ氏?

書く人間の力量は高い人が多いんだよなこのスレ。サナダムシ氏やVS氏や○氏も実力者だし。

>>356
最初からw
冗談はともかく、ヤムスレはいまちょっと読む気にならん。元気がなさ過ぎる。
サイヤんキラーはまあまあだけどな。

バキスレは好調だけど、今の連載陣同じような時期に一気に終わったりしてなw


358 :作者の都合により名無しです:04/06/12 22:54 ID:FiN1Z7c/
>>357
ハゲ同。今の連載陣はいい!実力もあるけどちゃんと
完結させてくれそうな安心感があるのもいいな。

うみにんさんは作品ごとに雰囲気が全然違うとこが凄いな。
その分好みであたりはずれあるけど出木杉は文句なしに面白い。
人魚姫はパオさんじゃないなら凄い有望株だね。
人魚姫終わっても引き続き書きつづけて欲しい逸材。
しけい荘。オチがうんこネタになりそうなのが怖いけど
ギャグ系では一番面白い。このまま最後まで頑張って。

3人ともバキスレでは新人なんだよな。頑張れ!

359 :作者の都合により名無しです:04/06/12 22:56 ID:4uJOsoHh
チャオズの扱いが最高w

360 :作者の都合により名無しです:04/06/13 00:07 ID:B/VCRS3/
人魚姫は面白いけどダークだな。
だからこそ栗リンとのハッピーエンドを期待して寝る前のあげ

361 :作者の都合により名無しです:04/06/13 00:38 ID:q9PfWYxp
            0O彡γ
           彡彡/@ヾ
          (__/ノノノノ ミヽ
           |( | ∩  ∩|)|   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           从ゝ_▽_从 <  人魚姫おもろい!
         /))ヽ----イ( \ \_____
        / /(      )ヽ \     _________
       . ( ξ. ) ミ  彡 ( /ξ.. )   ../   /_|
        ./ |  |ヽ、______,/ /  /   ( ̄/ ̄◎ノ
      .  |  |  |   ,   /−/      W ̄ ̄
        \| ̄ | .ヽ/ ̄ ̄\
         |  |\│      |   ブリッ!
       =( ⌒)=---------       ブリブリ

362 :作者の都合により名無しです:04/06/13 03:54 ID:LFXmrKgj
夜中に目覚めたから支援age

363 :作者の都合により名無しです:04/06/13 04:50 ID:7eJxqCKF
人魚は更新早くていいな。しけいも忘れたころにタイミングよく来るし。
これでうみにんとVSの鬼更新モードが重なってたら凄かったんだろな。
病的氏によると長編はだんだん書くのがきつくなってくるらしいが頑張れ。

364 :作者の都合により名無しです:04/06/13 11:30 ID:Lhwn4xfy
ふら〜りさん降臨期待age

365 :オートマティック・レイバー ◆ZUNa78GuQc :04/06/13 12:39 ID:9JZblji+
わずか十五分間の悪夢であった。「黒いレイバー事件」によって、警視庁特車二課
第二小隊は甚大なる被害を受けたのである。イングラム二号機の大破と熊耳巡査部長の入院、
篠原巡査の負傷。これらによる第二小隊の戦力大幅減は無視できない、ということで。

第二小隊オフィス。熊耳を除く第二小隊の全員が整列して、後藤隊長と向かい合っている。
「篠原重工で開発中の、新世代レイバーの試作機だそうだ。二号機のメーカー修理が
完了するまでの間、モニターとして無料で貸して下さると。ありがたい話だ。なあ」
後藤の手には、その新型レイバーの説明書・仕様書のファイルがある。そして野明たち
隊員一同は、目を皿のように、どころか満月のようにして後藤の隣を見ている。
後藤の隣。そこに、新型レイバーがある。いや、『いる』。後藤がその背を叩いて、
「ほら、先輩の皆さんにご挨拶して。最初が肝心だから、元気良くね」
「はいっ!」
新型レイバーは、ぴしっと敬礼して、言われた通り元気良く挨拶した。
「本日より、特車二課第二小隊所属・イングラム二号機の代理として配属されました、
レイバー婦警さん7号です! 7号とお呼び下さいっ!」
まるで小鳥のさえずりのような、澄みきった愛らしい声で名乗った彼女の名は、7号。
膝のあたりまである艶やかな黒髪に白いヘアバンドがよく映え、エナメルホワイトの
制服は丈が短めで、そこから伸びているすらりとした脚は瑞々しく、雪のように白い。
無邪気そのものの黒い瞳といい、可憐な桜色の唇といい、文句なしの美少女である。
「あ、あ、あの、隊長?」
遊馬が、おそるおそる手を上げた。そして質問しようとしたが、後藤が先回りする。
「待て。言いたいことは解る。が、この子は間違いなく、篠原重工で開発された
新型レイバーだ。人工知能搭載、自己判断で動けるレイバーというのが次世代のテーマ
だそうでな。既に1号から6号までがほぼ完成しているとのことだ」
「ってことはもしかして、その6機……というか6人も、こういうのですか?」
7号が、自分を指差しして「こういうのです」と頷いた。後藤が後を続ける。
「その6人の、最終調整というか更なる性能アップの為に、現場での実戦データが
欲しいんだと。で、6号までを造って余った部品で、データ収集用に1機余分に造った。

366 :オートマティック・レイバー:04/06/13 12:40 ID:9JZblji+
それがこの子、7号というわけだ」
「というわけです。先輩方、よろしくお願いしますっ」
ぺこり、と7号がお辞儀した。本当に、どこからどう見ても人間の女の子である。
どう応じていいやら、野明たち一同は困る。そんな中、今度は太田が挙手した。
「隊長。先程、この……7号が、自分の二号機の代理とかどうとか言われたような気が」
「その通りだが」
「そ、その通りって、平然と言わんで下さい! 一体何をどうすればいいのですかっ!?」
一番の当事者である太田が、やはり一番困った顔をして後藤に詰め寄る。
「丁度、と言っては何だが二号指揮の熊耳が入院中だ。で、この子が二号機の代役。
となれば、お前の役目は決まってるだろう」
「ま、まさか」
「そのまさかだ。お前の役目はこの子の指揮、つまりこの子とコンビを組んで貰う」
太田が、ぎぎぎぎっと首を捻って7号を見た。7号は、にっこりと太田を見つめ返して、
「頑張りましょう、太田さん!」
太田に近づいて、握手の手を差し伸べた。その、子犬のようにあどけなく太陽のように
明るい笑顔を向けられた太田は、顔面瞬間湯沸かし器となってわたわたと後ずさり、
「み、み、認めええええぇぇんっ! 俺は、断じて認めぅわたっ!」
滑って転んで、豪快に後頭部を痛打した。
「あっ、大丈夫ですか!?」
慌てて7号が駆け寄って、太田を抱き起こした。両手で太田の頭と顔を
包み込むように支えて、どこか怪我はないかと確認する。
その手がまた、ふわり……と優しく暖かく、天使の温もりだったりするものだから、
「っっっっ! え、え、えぇぇい! だから認めんと言っとるのだっ!」
太田はまた吼えて、7号の手を振り払いつつ立ち上がった。
「そんな、そんなや〜らかい手で、過酷なレイバー同士の戦いがこなせると思って
いるのかっ! そもそもお前みたいな美少女アンドロイドは、大人しくメイド服
でも着て、「ご主人様♪」とか言ってるのが分相応ってものだろうがっっ!」
「……わたし、ちゃんと戦えますよ。だって太田さんの二号機の代理として
配属されたんですから。あと、アンドロイドじゃなくてレイバーです」
「うるさい! お前なんかアンドロイドだっ!」

367 :オートマティック・レイバー:04/06/13 12:41 ID:9JZblji+
「わたしは特車二課第二小隊所属・イングラム二号機代理、レイバー婦警さん7号ですっ」
まっすぐに太田を見つめる7号の目は、真剣だ。というか真摯だ。
そんな7号を見て、横から野明が口を出した。
「太田さん太田さん。本人がこう言ってるんだから、いい加減認めてあげようよ。
7号……って堅苦しいね。ん〜と、7ちゃんって呼んでいい?」
「はい、泉さん」
何だかフレンドリーな二人。太田はジロリと野明を睨みつけて、
「お前までそんなことを言うかっ? ……だったら、お前にやって貰おうか!」
「あたしに? 何をしろっていうの?」

演習場。野明の乗るイングラム一号機と、7号が向かい合って立っている。
操縦席にいる野明が、モニターを見る。眼下に、ちょこんと立っている7号の姿が
見える。まったくもってごく普通の女の子にしか見えないのだが、これでもレイバーだ。
この子が今から、性能試験として模擬戦をやるのである。野明の乗るイングラムを相手に。
「太田さぁん……やっぱりやめようよ。あたし、人間相手に戦ったことなんてないし」
《何をヌカすかっ! あいつは格闘用レイバーだと自称しとるんだぞ!》
レシーバー越しに、外にいる大田の怒鳴り声が響く。
《訓練として、あるいは試験として模擬戦。それのどこがおかしい?》
「そ、それはそうだけど」
《だったら》
後藤の声が、割り込んできた。
《それは7号の長所になるな。テロリストの乗るレイバーだって、対人戦の経験なんか
そうそうないだろうし。どうだ太田?》
《た、隊長っ……えぇい、試合開始だっ!》

368 :ふら〜り ◆XAn/bXcHNs :04/06/13 12:43 ID:9JZblji+
>>33さんのリクエストに、少しだけお答えしました。「機動警察パトレイバー」と、
時代を先取りし過ぎてた気がする「AT Lady!」です。
多分、今まで私が書いた中では最長になるかと思いますが、お付き合い頂ければ
幸いです。

>>サナダムシさん
シコルがボコられるほど、ザクられるほど、可愛く思えてしまうのは人としてどうか私。
彼の安息の日(アパートからの脱出)は来るのか……もちろん来ないでしょうな。はは。
という訳で。シコルの悲惨かつ哀れな活躍、まだまだ期待しております。←人として……

>>人魚姫さん
最後、本気でヒヤリときました。罵声を浴びつつ旅立つ、で充分絵になっていただけに。
で。自分のことを「この世にいていけない」「殺されてもいい」と簡単に言ってる18号。
その心を溶かすのがクリリン……ですか。まだだいぶ先でしょうが、楽しみです。

>>うみにんさん
世代越えものですかっ! となると、やはり再会とか集結とかを見たくなりますが。
どうなるのでしょうか? あと原作末期は殆ど覚えてませんので、「お母さん」な
18号が新鮮です。子供を急かしつつ朝ご飯の用意をしてるところ、想像すると可愛い♪

369 :作者の都合により名無しです:04/06/13 16:06 ID:8yGyyL8m
ふら〜りさん乙。帰ってきて読みます。age

370 :作者の都合により名無しです:04/06/13 17:45 ID:4qJCgfiC
この娘エロいなあ・・・
http://onlyteenspics.com/freepics/funmix/mix12/

371 :作者の都合により名無しです:04/06/13 17:46 ID:4qJCgfiC
誤爆スマソ

372 :作者の都合により名無しです:04/06/13 18:43 ID:kUNh/7YP
ふらーりさんは本当におたく担当だなw
パトレイバーはともかく「AT Lady!」なんて知ってる人少ないだろうw
でも俺は知ってますから、楽しみにしてます。あと、復活おめ。

>>349 当のメロンパン氏は逃げたみたいだけどなw
>>355 乙。勉強になった。18号って名前って無いのかな。

ドラゴンボールは大好きなので、個人的に今の状況は嬉しいです。
職人さんがたにエールを送って支援あげ

373 :作者の都合により名無しです:04/06/13 19:40 ID:cETG4ehJ
知らない人のために
http://www.mediawars.ne.jp/~wellcome/AT_LADY.jpg

まあ、ドジっ子属性の付いた怪力美少女婦警さん、と思えばイイ

パトレイパー途中で読むの止めたなあ。最後どうなったんだろ。

374 :作者の都合により名無しです:04/06/13 20:54 ID:aotLjUK9
逃げたって言い方は非常にカンジ悪いのでやめた方が…

375 :作者の都合により名無しです:04/06/13 22:05 ID:t72hiZjj
職人支援age

376 :作者の都合により名無しです:04/06/13 22:32 ID:SzOImeMs
http://i-bbs.sijex.net/servlet/ImageOutput?pa=1072444377336o.jpg&id=godscanty&t=1072444419335


377 :作者の都合により名無しです:04/06/14 15:56 ID:aAmcoTf6
ふら〜り氏は正直気持悪い。
吐き気がする。もう少し気持ちを抑えてレスできないものか・・・


378 :作者の都合により名無しです:04/06/14 16:14 ID:m4V54b/l
荒らすな。二度とカキコするなw

379 :拳王伝 第3部/デーモン・ブラッド 4:04/06/14 19:31 ID:dq2uEHMT
>>334-336

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「マロン姉ちゃん。ハイスクールって楽しい?」
二人仲良く宙を舞いながら姉に問いかけるクリン。
「もう。何度同じ質問すれば気がすむのよ。
ふふふ、楽しみでしょうがないんでしょ?」
「ヘヘ―――♪」

二人の向かうハイスクールは5年制の特殊なハイスクールだ。
通常14歳前後での入学。5年進級時には18歳前後だ。
マロンはすでに5年生。クリンとはやや年が離れている。

「そろそろ街が見えるころね。そろそろエアバイクに乗りかえるわよ。」
「へ―イ。」
共にホイポイカプセルを取り出し放り投げる二人。
現れたエアバイクにまたがり再びハイスクールを目指す。

「めんどくさいよなー。自分で飛んだ方が全然早いってのに。」
「文句言わないの。これだってパパがブリーフ博士に頼んで
ずいぶんスピードが出るように改造してもらってるんだから。」
「“普通の人間”を装うって大変なんだなー。」

「もし、悪者に出会って戦うことになっても、あんまり気とか使わないで
力も抑えてあくまで“普通の人間“っぽく倒すのよ。わかってる?」
「はいはい。わかってるよ。そうしなきゃ化け物扱いされちゃうんだろ?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

380 :拳王伝 第3部/デーモン・ブラッド 5:04/06/14 19:33 ID:dq2uEHMT
「ふあ――。入学式ってヒマだなぁ。」
ハイスクールの校長やら理事長やらPTA会長やらが
入れ替わり立ちかわり退屈な口上をくどくどと述べ続けている。
クリンたち新入生の後方には最上級生の姿が。つまりマロンもだ。
さらにその後方には新入生の保護者たち。こちらは欠席者も多く
生徒の数よりもかなり少ない。クリンたちの母18号は入学式程度で
わざわざ顔を出すような人ではないため、当然欠席だ。
父親の方は小さな道場の師範代をやっているため、早朝稽古で
クリンたちよりも先に出かけている。

ふと、退屈にあくびをこらえながらクリンがあたりを見渡すと・・・
「・・・なんだあいつ・・・?」

同じ新入生たちの中、一人の長身の男と目が合う。
その男はじっとクリンを睨みつけていたが・・・
やがて再び前方を見据え、何事もなかったかのように
この町の町長とやらの口上に聞きいっている。

(・・・三つ目・・・?)
その男はおでこにもうひとつの目があるという一風変わったデザイン。
頭髪は剃っているのかつるつるのいわゆるハゲ頭というやつである。
そのガッチリとした体つきはなかなかに強そうだ。
そして、どこかで見たことがあるような・・・
(父さんの道場生みたいな頭だな。武道でもやってるのかな?)

なんとなくその男のことが気がかりなまま
ようやく入学式が終わり本日は解散ということになった。
クリンはマロンと共に校門を出ようとする。
と・・・・

381 :拳王伝 第3部/デーモン・ブラッド 6:04/06/14 19:33 ID:dq2uEHMT
校内に視線を向け呟くクリリン。
「・・・小さな気を感じる。」
「気?・・・ホントだ。言われて見れば・・。」

小さな気とは言っても一般的な青年男性程度ではたとえ並外れた体躯の
プロレスラーですらこんなにはっきりと気を感知することはできない。
つまり、校内にいる気の持ち主は人類の常識を超えた規格外の強さの
持ち主ということになる。

実際、クリンもマロンもこれまで化け物のような強さを誇る父やその友人
たち以外にそういった気を感じることはほとんどなかったといっていい。

そんなやつが同じこのハイスクールに?
興味のわいたクリンとマロンは顔を見合せると、
再び校舎へと向かって駆け出していく。

気を頼りに走っていくと・・・
だんだんと人気のない入り組んだ校舎裏へと入っていき、
そして・・・気の発生している付近にたどりつくと・・・

一人を中心に複数の人間が描く小さな半円。

「あら?あれ、ヤムチャくんじゃない?」
「知ってるの?」
「2年生なんだけど、文化祭でいっしょに制作活動やったことがあるの。
でも、なんか様子がおかしいわねぇ。」

そのヤムチャと呼ばれた生徒はなにやら複数の生徒に取り囲まれ
絡まれているように見える。

382 :作者の都合により名無しです:04/06/14 19:49 ID:tOeBqvve
お?
うみにん氏の鬼更新モード復活か?
がんがれよおおおおお。




でも、ときどきでいいから、肉スレの事も思い出して下さい。
漫画カテゴリの中でバキスレの次に好きなスレなんで、あの状況は辛い。

383 :拳王伝 第3部/デーモン・ブラッド 7:04/06/14 21:01 ID:dq2uEHMT
「てめぇ!よくもこの瀬留大ニ郎様に恥かかせやがったな!
いつもすっとろいてめぇが、よりにもよって女子が見てるときに限って
まぐれでホームランとはどういうことだ!?」
「そ、そんなこと言ったって・・・。ボクだってまさかバットに当たるなんて・・・。」
なにやら脅している生徒と脅されている生徒。

脅している方はでかい。とにかくでかい。四角い顔にたらこくちびる。
下品な笑み。絵に描いたようなブ男だ。どこかの王子に半殺しにされて命乞いしたり
風船のように膨らんで自爆したりするのがとても似合うような気がする。なんとなく。
取り巻きが約2名ほど。小柄なのと大き目のデブとわかりやすい下っ端像だ。
言葉からすると野球で女の子の前で恥をかかされたらしい。野球部であろうか。
まぁ、それもまた良く似合うやられ専門キャラ的ルックスである。

脅されているのは、どことなく気弱な印象の生徒。
顔は悪くない。昔の男前といった感じか。体つきもなかなかたくましい。
だが、脅され腰が引け、怯え切った表情はすでに負け犬の目だ。

私立といってもこのハイスクールはかつてサタンの娘のビーデルや悟飯らが
通っていたような名門ではない。いわゆる不良グループといったものも存在する。
この脅している側のごついブ男も恐らくその口だろう。
だが、両親ともに名門というものにこだわりもなく、むしろ
あまり好感をもっていなかったため、このハイスクールを選んだのだ。
もちろん、ただの不良程度にどうにかされる二人ではないという
絶大な安心感もあったのだろうが・・・。

384 :拳王伝 第3部/デーモン・ブラッド 8:04/06/14 21:02 ID:dq2uEHMT
「あっちはひょっとして・・・瀬留くんの弟?」
「そっちも知ってるのか。」
「瀬留完治くんっていう暴走族にも入ってるタチの悪い不良がいるんだけど、
たぶんその弟ね。完治くんはわりと男前なのに弟は極端に不細工なので有名なの。」
「たしかに醜いな。この気はあいつの気なのかな?」
「クリンでもわかんないなら私がわかるはずないじゃない。パパならすぐにわかる
んでしょうけど・・・。どっちにしろ、助けてあげた方が良さそうね。ヤムチャくん。」
「ああ!」

ザッ・・・! 彼らの前に颯爽と現れるクリンとマロン。
不敵な笑みを浮かべながらクリンが口を開く!
「その辺にしときなよ。あんたの言い分ただの言いがかりにしか思えねぇぜ!?」

「・・・!? なんだてめぇら?」
「この人をセルファミリーbQの瀬留大二郎様と知っていってんのか?」
口々にクリンたちに威嚇の言葉を放つ下っ端たち。
「クックック。ザボンにドリアン。そう脅してやるなよ。」

「キミたちには関係ないよ。こいつらは悪名高い野球部のクズどもだ!」
ここはオレがなんとかする!痛い思いする前にすぐにこの場を離れるんだ!」
と絡まれている少年。へたれているわりにはなかなかの心意気である。
しかし、その実顔面は蒼白。足はガクガクと震えている。チラチラと
マロンの方に視線を送る。どうやら女の前ではかっこつけてしまう性分らしい。
オレがなんとかすると、まるで絡まれているクリンたちを助けに現れたような
言いぐさだが実際には逆である。

「クズとは言ってくれるじゃねぇか。ヤムチャさんよぉ!?」
「気をつけてください。こいつ女の前では時々妙に根性見せやすから。」
「待てよ。お前等の相手はオレだ!」
いきり立つ不良たちを口で制し、ポキポキと拳をならしながら前に歩み出るクリン。

385 :拳王伝 第3部/デーモン・ブラッド 9:04/06/14 21:03 ID:dq2uEHMT
「大丈夫。オレたち強いから。」
なおも心配そうな少年に、そう言って不敵に笑うクリン。
マロンもまた余裕の表情だ。だが・・・

(おっと、そういえばハイスクールでは、普通の人間を装わなきゃいけないん
 だったっけ。でも、普通の人間ってどのくらい力をおさえたらいいのかなぁ?)
考えこんでいるうちにボコボコに殴られるクリン。
しかし、もちろんてんで効いちゃいない。

が、はたで見ていた少年は気が気ではなかったのだろう。
「やめてくれ!殴るなら僕を殴ればいいじゃないか――っ!」

ゾクリ…!目を見開きクリンの肌が粟立つ。気のせいか。
一瞬、少年の背後に巨大で凶暴な狼の影が見えた気がする。
絶叫し目を瞑り必死に不良グループのリーダーに突進する少年。

ドンッ! 鈍い音があたりに響き・・・
恐る恐る少年が目を見開くと・・・
軽く顔を引きつらせて驚いているクリンとマロン。
不良グループの下っ端たちはしばらく呆然としていたが・・・
ふと我に返ると・・・
「うわわわわ・・・ば、化け物だ――――――っ!!」
そう叫ぶや一目散に逃げ出してしまう。

リーダーはというと・・・
コンクリート製の校舎の壁を数枚ブチ破りはるか遠くまで吹き飛んで
しまっている。人型に大きく開いた穴の形が滑稽ですらある。

386 :拳王伝 第3部/デーモン・ブラッド 10:04/06/14 21:04 ID:dq2uEHMT
「あ、こ、これって・・・?ひょっとして僕が・・・?」
無言でコクリとうなづくクリンとマロン。しばしの沈黙。
そしてやがて・・・顔を見合せ大きな声で笑い出す二人。
『あっはっはっはっはっはっはっは。』
「ヒー・・・!おかしいー♪」
「あっはっはっは!凄いじゃん、お前!」
「そうかー。気の正体はあなたの方だったのね。」

事態を飲み込めずキョトンとしている少年。

ハイスクールで苛められていた少年。
圧倒的な強さを持ちながらなぜか頼りない内気な少年と
元気の塊のようなクリン。なにか惹かれ合うものがあったのだろう。
僕らはすぐに打ち解けることになる。ハイスクールで初めて出来た友達。
学年は違えど親友と呼べる存在になるまでにさほど時間はかからなかった。

その時、僕らは知る由もなかったんだ。
この気弱な少年との出会いが、僕らの運命を大きく変えて
しまったことを。そして、この少年の体の奥底に眠る・・・
“デーモン・ブラッド”の存在を・・・!

少年の名はヤムチャ。
――――――2匹の最強の獣の血を受け継ぐ男――――――――

  拳王伝・第3部/デーモン・ブラッド 完

387 :拳王伝:04/06/14 21:43 ID:dq2uEHMT
>>382
とりあえず人大杉のうちにマニアックなネタを一気にやってしまって
おこうといった感じですのでまた更新ペースは落ちると思います。
拳王伝はゆっくりお気楽に書かせてもらおうかななどと考えてます。
>最強スレについて
ここではスレ違いになるので簡潔に個人的な考えを書くと
再びスレを爆発させるには冷却・充電期間が必要なんじゃないかなと。
あちこちガタのきた車をメンテせずに走らせて壊しちゃったみたいな。
今は冷却・メンテ期間と考えておけばいいのではないでしょうか。
個人的にはもちろん復活を希望してますよ。もうすぐ夏休みですし。

388 :ハム太郎:04/06/14 21:53 ID:dq2uEHMT
むかーしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでおったそうな。
いつものようにおじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯にいくと・・・

おばあさんの洗濯していた川の上流から・・・
どんぶらこっこ、どんぶらこっこと大きなハムが流れてきました。

おばあさんがハムを持ち帰るとやはり川に浮いていただけあって中身は
スカスカでした。しかし、ガッカリしながらも切って見ると中から男の子が・・。
子どものいなかった老夫婦は、ハムから生まれたのでハム太郎と名づけ
喜んでその子を育てることにしました。

すくすくと大きく育ったハム太郎はやがて年頃の青年になりました。
今日も村のマドンナ姫子ちゃんにストーカー行為です。
姫子の部屋に取り付けた隠しカメラをモニターしていると
姫子がかわいがっているハムスターとじゃれあっています。
いたずら好きなハムスターは服の中に潜り込んだりもして・・・
「きゃっ。あーん、もう! くすぐったいよぉー。」

それを見て鼻血を流しながらハム太郎は思いました。
「あぁー・・・。あれいいなぁ。オレもハムスターに生まれたかったなぁ。」と。

              終わり

389 :作者の都合により名無しです:04/06/14 23:34 ID:NwlkdHqH
age

390 :しけい荘物語:04/06/14 23:58 ID:bGRN4c/8
第八話>>288

391 :しけい荘物語:04/06/14 23:59 ID:bGRN4c/8
第九話「最高の晴れ舞台」

 心臓が激しく胸をノックする。足が心なしか震えている。出陣の時刻だ。
 舞台へと参上する二人。客席を見ると、当たり前のことだが誰もがこちらを向いている。
二千という視線がたった二人へと集中するのだ。その圧迫感は想像を絶するものだろう。
 しかし、一流と呼ばれる者はみな、この何十倍ものプレッシャーを日常的に受けている
のだ。気圧されている場合ではない。そう、一流を目指すのならば。ドイルは落ち着くた
めに深呼吸をし、何度も繰り返した台本通りの挨拶に移ろうとする。
「ダヴァイッ!」
 いきなり崩壊した。シコルスキーが興奮したのか、客席に猛り出したのだ。せっかく敷
かれているレールを、駅から出る前に脱線してしまったようなものだ。ドイルは目の前が
真っ暗になった。
 だが、観客の反応は意外なものだった。総立ちしている。全員にシコルスキーが乗り移
ったように雄叫びを上げ、南極をも溶かすような熱気が押し寄せてくる。昂昇も、龍でさ
えも、成し得なかった圧倒的な光景だ。
 こうなれば、冷静沈着なドイルも真っ向勝負をするしかない。
「ミギャアアアアアアアア!」

392 :しけい荘物語:04/06/15 00:00 ID:eJ35e7GZ
 何十万にも匹敵する観客と対峙し、ついにドイルのマジックが始まった。耳からコイン
を出し、口からは煙を吹く。更には全身の関節から刃を出し、板切れやガラス瓶を真っ二
つにする。いずれも客の想像を超えるために、外科手術で埋め込まれたギミックによる賜
物である。
「すっげェ〜〜〜〜〜ッ」
「どんなタネなんだ!」
 盛り上がりは最高潮、ドイルは絶好調だ。盛り上げ役の助手として雇ったシコルスキー
も、抜群の働きを見せている。序盤は120%の出来栄えだった。
 続いて中盤の見せ場、「クマ退治」である。シコルスキーが入っているクマの着ぐるみ
を、ドイルの胸に仕込まれた爆薬で倒すというものだ。
「ダヴァイッ!」
 何故かロシア語で襲い掛かってくるクマ。ドイルが親指を曲げ、起爆スイッチをオンに
する。すると、胸が一瞬フラッシュし、猛烈な爆風がクマを包み込んだ。あまりに衝撃的
な光景に、観客には失神や失禁をする者が続出した。
「耐火性だから火傷しないって言ってたじゃないかッ!」
 大火傷を負いつつ殴りかかってきたシコルスキーをスプリングパンチで沈め、ドイルの
手品がとうとう終盤に差し掛かる。
「さぁ、最後は幻想世界へと案内しよう」
 ドイルは体内に仕込んだ霧吹きで、会場中に幻惑剤をばら撒いた。平衡感覚、方向感覚、
それら全てを狂わせる魔性の薬品。もはや自分さえも見失った観客からは、狂喜のコール
が沸き起こる。
「ドーイールッ! シコルスキーッ! ドーイールッ! シコルスキーッ!」
 この最高の晴れ舞台で、ドイルは少し涙を流していた。ショーとは客を楽しませるため
にあるが、同時に自分も楽しんでいるのだ。それを気づかせてくれた全ての人に、礼を言
いたい。集まってくれた大勢の客、全力で相対した鎬昂昇と龍書文、そしてシコルスキー。
「ア、リ、ガ、ト……」

393 :しけい荘物語:04/06/15 00:01 ID:eJ35e7GZ
 手品を終えた二人を待っていたのは、鎬昂昇と龍書文だった。
「二人とも、最高だったよ。私の完敗だ」
「若造にしてやられた。今日のところは……な」
 己に絶対の自信を持つ彼らが、自ら敗北を認めた。想像し得なかった光景に、思わずド
イルも照れ隠しに微笑むしかない。全力で戦った者同士だからこそ堪能出来る、死闘の果
てにある境地。
 やがて、コンテストは三十余りの演目を全て終了。ついに、投票結果に基づき優勝者が
発表される。
「優勝は……エントリーNo.19、ローリングショーのセルジオ・シルバ!」

 優勝者は会話したことはおろか、聞いたことも、敵視したこともない男だった。どんな
ショーだったのかすら知らない。誰だよそれ、思わず四人は心の中で呟いていた。
 全てを出し尽くしたが、結果は敗北に終わった。しかし、ドイルの胸に芽生えたのは爽
快感であった。現時点で自分の引き出しにあるものは、惜しみなく使ったのだから。もち
ろん悔しくもある。だからこそ、次は勝つ。
「これで、しけい荘からの脱出は当分はお預けか」
「すまない。もっと外科手術でマジックを増やそうと思う」
「ハッハッハ、気にするな。いい思い出になったぜ」
 夕暮れを二つの大きな影がゆく。アパートに戻ったら、きっとオリバが温かい抱擁で迎
えてくれるだろう。それを想像すると、少しだけ気が重くなった。

394 :サナダムシ ◆fnWJXN8RxU :04/06/15 00:04 ID:eJ35e7GZ
うっとうしい梅雨も何のその、このスレは盛り上がっていますね。
私も負けないように頑張りたいと思います。

395 :作者の都合により名無しです:04/06/15 01:06 ID:p0gAVY4V
みなさん乙!
ドジ婦警に世代超え学園物語に安アパートの住人物語ですか。
いよいよもって充実してきましたね。頑張れ!

396 :作者の都合により名無しです:04/06/15 10:01 ID:gD3NMzH4
出かける前にageときます。

397 :作者の都合により名無しです:04/06/15 12:45 ID:35vci05z
うみにんさん、サナダムシさん、グッジョブあげ。

398 :作者の都合により名無しです:04/06/15 16:37 ID:EejWVeRg
機械仕掛けの人魚姫 第九話 >>347

L・L・E・C。 …逆に読めば、C・E・L・L。
そのアルファベットが、思考の止まった18号の脳芯に何度も浮かんで消える。
いや、思考が止まっていた訳ではない。拒否していたのだ。
明晰な頭脳が冷静に答を弾き出しても、こころがそれを受け入れなかった。
C・E・L・L。 ……即ち、セル。

気付くはずだった。いつものわたしなら。
老婆とスミスを疑うなら、当然同じ条件のレックも疑って然るべきのはず。
だが、わたしの推理を何かが止めた。それより奥へと進むのを恐がった。
何かが壊れるのを、恐れてしまった。 …化け物の分際のわたしが。

 「キャハハハハハハハ。ゲーム、ゲームッ。あったしの、勝ぁ〜ち♪」
レックが狂笑している。そして右手の注射器の針をペロリと舐めて言った。
 「動ける? ほらほらこっちだよ、お姉ちゃん、手の鳴る方へッ」
少女が無邪気に笑う。知らない人が見れば微笑ましい光景かも知れない。
金髪の美しい女を慕って遊ぶ愛らしい少女、と。

だが18号は思う。笑うな。その顔で、笑うな。
ほんの一晩、添い寝した少女。チャチなおとぎ話を語ってくれただけの少女。
だがそれでも、わたしは温もりを確かに感じていた。
確かにあの夜も計画のうちだったかも知れない。わたしを信用させる為の。

それでも感じた温もり。つかの間見せてくれた安らぎ。
そう、まるであの人に感じたような。 ……だからその顔で笑うな、セル。


399 :作者の都合により名無しです:04/06/15 16:40 ID:EejWVeRg
 「セルジュニア。何故、その娘の肉体を乗っ取った。
  それはお前の肉体じゃない。レックのものだ。そこから出て行けッ」
18号は地に伏せたまま、ありったけの声で怒鳴った。だが肉体は動かない。
レックの狂笑が止まった。まるで下民を睥睨する皇帝のような顔になる。
 「レック? クククッ。そんな名の人間など、この場所に存在しない。 
  ときに18号、美しいお前が芋虫のようだな。地を這うのは好きか?」

レックの肉体を持ったセルジュニアが、倒れた18号の顔に足裏を擦り付ける。
 「美人を陵辱するのは良い気分だ。だがその肉体はわたしのものになる。
  残念だがあまり手荒な事は、出来んな」
18号は懸命に自分の肉体をコントロールしようとする。
だが、足は痺れて動かない。上半身もそうだ。左手も意思が伝わらない。
わずかに右手だけが、ほんの少しだけ動いてくれた。

 「ど、どけッ。わたしに、触るなッ」
顔に踏み付けられた足に向け、右腕を振り回す18号。
だがセルジュニアは、風のような素早さで後方へ飛び、充分の間合いを取る。
 「素晴らしい。この対人造人間用の弛緩剤を打ってまだ動けるとは。
  その生命力を素直に賞賛するよ」
パチパチパチ。芝居掛かった台詞を言いながら拍手をするセルジュニア。
もうその態度に、無邪気で愛らしかったレックの存在は全く感じない。
18号は胸がキリキリと痛み始めた。





400 :作者の都合により名無しです:04/06/15 16:41 ID:EejWVeRg
 「ど、どうするつもりだ。レックはどうなるんだ!」
目の前のセルジュニアが、可愛らしいメゾソプラノで恐ろしい言葉を吐く。
「スミスに聞いただろう。お前は、次のわたしの肉体の器となる」
「それは良い。化け物同士、諦めも付く。だがその娘はどうなるんだ…」
「あ? 死ぬんじゃないか? 散々肉体に無理をさせて来たからな。
 とっくにボロボロになっている。 …なんだ、この娘が心配か?」

嘲るように下卑に笑うセルジュニア。だが顔が急に厳しくなる。
 「この小娘の肉体で生き長らえる屈辱、お前には分かるまい…」
忌々しげに吐き捨てるセルジュニア。顔に憎悪が浮かぶ。少女に対してである。
 「わたしは息を潜めていた。孫 悟飯から受けた傷を癒やす為だ。
  わたしはまた孫 悟飯がいつ攻めて来るかと気が気ではなかった。
  そこで細胞を町民に植え付け、兵を増やし始めたのだ。だが」

セルジュニアが歯噛みをする。恐ろしい形相で。思わず18号は目を背ける。
 「順調に兵は増え続けた。何割かは細胞移植に耐え切れず死んだがな。
  だがあるガキに細胞移植したその時、異変が起きた」
 「それが、その娘か」
 「ああ。このガキは俺の細胞に逆らい続け、叫び続けやがった。
  『許さない』ってな。 …気が付いたら、俺の方が取り込まれていた」



401 :作者の都合により名無しです:04/06/15 16:42 ID:EejWVeRg
よほど興奮したのだろう。呼称が「わたし」から「俺」になっている。
だが、18号はそんな事よりも別の事に意識が行っていた。
 『許さない』 …か。
こんな状況なのに、自然と笑みが浮かぶ18号。
そうか。お前は、勝ったんだな。その小さな体で、こんな怪物を相手に。
それが、その強さと優しさが……。にんげん、か。
わたしには、無理だ。きっとお前みたいに、強くなれはしない。

セルジュニアが18号を見る。悪魔の笑みを浮かべながら。
 「さあ、今こそひとつになろう、姉弟。お前の力とわたしの意識。
  2つが今こそ、ひとつになるのだ」
キッ、とセルジュニアを睨む18号。肉体は動けなくても、こころは渡せない。
 「冗談じゃないよ。わたしには、逢わなくちゃいけない男がいるんだ。
  お前なんかに、まだわたしは渡せない」

唯一動ける右手に全てを集中する。そしてまっすぐセルジュニアに向ける。
だが、セルジュニアは動かない。避けようとすれば避けれるはずなのに。
代わりに、ニヤリと笑う。勝利を確信している目。そして言った。
 「無駄だな。ゲームは既にケリが付いている。お前はわたしを撃てない」
 「何を、言っている、わたしは、お前を撃って、あの人に、逢いに、行く」

右手に充分溜まったエネルギー。だが急にそれが消えた。見てしまったのだ。
目の前の、セルジュニアの最後の奥の手を。

 「撃たないよね? お姉ちゃんは、あたしを殺したりしないよね?
  だってセルジュニアを殺せば、あたしも死ぬんだよ?」


402 :作者の都合により名無しです:04/06/15 16:44 ID:EejWVeRg
次回で前編終わりです。
本当は、9話で終わりだったんですが、連投規制考えると2つに分けないと。

403 :作者の都合により名無しです:04/06/15 18:08 ID:zV14uQbq
お疲れ!

404 :作者の都合により名無しです:04/06/15 19:29 ID:90p8u/v6
人魚姫お疲れ。面白かった。

しかしバキスレ雰囲気いいな。
人魚姫氏、うみにん氏、サナダムシ氏、ふらーりさん、みんな頑張ってるし。
VSさんと○さんと殺輔さんと世界さんがもし戻ってくれば完璧だな。

でも、雰囲気がいいバキスレというのも少し違和感があるようなw
昔からのファンとしちゃ。ま、冗談はともかく皆さん頑張れ。

405 :作者の都合により名無しです:04/06/15 19:59 ID:zV14uQbq
これと新撰組(トモ氏)・ザク氏・パオ氏が復活してくれれば言うことはない。
Saiyan killerも来てくれればいいのだが・・

406 :作者の都合により名無しです:04/06/15 23:24 ID:C8yo1iWj
>>404-405
スレの雰囲気が悪化しだすのはいつも
作品そのものの感想から客観的な職人の話にシフトしはじめた時。
悪意はないのでしょうが気をつけましょう

407 :作者の都合により名無しです:04/06/15 23:28 ID:wj7v+G1o
人魚姫お疲れ様。激強だけど少し弱いところもある18号萌え。でも得ろシーンはもうないの?

>>405
パオ氏はまとめサイトで頑張ってるじゃん。彼が出てくると影響強すぎてまた荒れるかもよ。
俺も本スレで彼の活躍また見たいけどさ。今のまたーり盛況モードで核爆弾はどうかなあw
作品が過疎化になった時に(なって欲しくないけど)復活して欲しいな。

408 :作者の都合により名無しです:04/06/16 06:02 ID:xAkbSXWB
マジレスするとパオ氏は万一過疎化したときに一人で書きまくって
人や職人集めてくれたらありがたいけど、今の十分潤ってる本スレに
対して、今の執筆ペースでは荒れるリスクが高いだけだとオモ。
サイトでも書かなくなったんならともかく書いてくれてるわけだし。

409 :作者の都合により名無しです:04/06/16 06:45 ID:Jc6+wreB
>>408
つまりリスクがメリットを上回るってことか。確かにそうかもな。
パオ氏もそれがわかってるから出てこないんだろうな。
ま、感想レスもあっちの方がつけやすいしいいんでない?
この勢いでもっともっと盛りあがって欲しいがこれ以上
盛り上がると荒れるかもしれん。もどかしいな。w

410 :作者の都合により名無しです:04/06/16 10:30 ID:6SVcRURX
私なんてすでに荒らしたくてうずうずしてますけどねw
まぁもう少し待ちますよ。まだスレ崩壊の可能性が見えただけですからね。

411 :作者の都合により名無しです:04/06/16 12:18 ID:jU6veDCQ
機械仕掛けの人魚姫 第拾話 >>401

汗が額を飛沫き、目に入ったそれは涙腺を刺激する。
目の前では少女が涙を流して泣いている。目を真っ赤にして、儚げに。
18号は首を振る。 …あれは、レックじゃない。セルジュニアだ。
いや、レックなどと名の少女は元々この世にはいない。だから、撃て。
撃たなければ、殺られる。そう自分に言い聞かせる。

いったん消えたエネルギーが再び右手に集まり出す。その時、少女は叫んだ。
 「なんで? なんで、あたしを殺そうとするの? お姉ちゃんッ」
18号は思い出す。昨晩、添い寝したときの温もりを。他愛のないおとぎ話を。

ほんのひと時、一晩だけの安らぎ。
だがそれは、今まで味わった事のないものだった。 …たった一度を除いて。
そう。 ……あの、世界一愛しい小男が見せてくれた、優しさを除いて。
 (このわたしが、らしくない。 …自分以外の誰かの為に死ぬなんて)
自嘲の笑みを浮かべる。だがそれほど不快ではない。むしろ誇らしい気がした。

わたしは確かに弱くなった。セルジュニアに乗っ取られた少女の為に死ぬなど。
だが、それもいい。あの人には逢えなくなってしまったけれども。
それでも…、もしあの人がこの事を知ったら、褒めてくれそうな気がする。
ほんの少しだけ……、あの人と同じ、にんげんに近づいた気がする。

 「参ったよ。このゲームはわたしの完敗だ、好きにするがいい」


412 :作者の都合により名無しです:04/06/16 12:19 ID:jU6veDCQ
その言葉に満足げにうなずくセルジュニア。既に、偽りの涙は消えている。
 「ククク、やはりな。あの非情な人造人間が、堕落したものだ」
なんとでも言え。例え何度同じ道を通っても、今のわたしはこの選択をする。
レックを殺した体で…、あの人に抱かれようなんて、思わないからな。

抱かれる、か。
その言葉に一瞬ほほを赤らめ、次に耐え切れぬほどの切なさが突き上げてくる。
殺人機械が、人間と通ずる事を願っている。愚かな、そして滑稽な妄想だな。
でも、最後に顔を見たかった。出来る事なら、笑い掛けて欲しかった。

 「わたしは、いまからどうなるんだ」
 「キャハハハハハハ。さっきも言ったでしょ、あなたはあたしになるの。
  あなたはあたし、あたしはあなた、2人は一緒、いつまでも。キャハッ」
セルジュニアが少女の声で笑う。楽しそうに。諦観の笑みを浮かべる18号。
 「そんな顔をするな。わたしとおまえは共に永遠を生きるのだ。喜べよ。
  おまえの力とわたしの知能。クク、何でも出来るぞ」

一転して冷淡で傲慢な口調へと変わる。いつの間にか右手が斧状になっている。
 「フン。この程度の能力しか無いが、最後くらい役に立ちそうだ。
  忌々しい小娘の肉体から、やっと離脱できるわ」

数本の触手を束ねて造った、右腕の斧を振りかざし18号に近付こうとする。
だがその歩は、たった2歩でぴたりと止まった。セルジュニアはもがく。
 「お、おのれ小娘ええ、まだ、まだ俺に逆らうかああッ」


413 :作者の都合により名無しです:04/06/16 12:20 ID:jU6veDCQ
呆然とする18号。約5メートルほど前で、セルジュニアが苦しんでいる。
 「こ、こむ、小娘、お、俺の、中で、ま、まだ、逆らう、かあああ」
自分の心臓の辺りをかきむしるセルジュニア。見た目は愛らしい少女である。
その少女が、まるで狐にでも取り付かれたように暴れ狂っている。
 「こ、この体は、用済なのに、最後の最後まで逆らいやがってえええ」
鬼の形相で絶叫している。まるで世の怒り全てを貼り付けたような恐ろしい貌。

だが、次の瞬間にその怒りの表情が変わる。泣いている。慟哭といっても良い。
涙をぼたぼたと零しながら、天を仰ぎ祈りを捧げている。赦しを乞うように。
その顔が18号を振り向いた。わずかに泣き顔に微笑が混ざる。
 「お、おまえまさか、セルジュニアじゃない…、のか?」

少女の顔の笑みがまた僅かに拡がる。だがその笑みの意味を18号は分かった。
全てを受け入れ、全てを覚悟した笑み。少女は震えながら叫んだ。
 「お姉ちゃん、わたしを、撃って。殺して」
予想通りの言葉。だが、18号はふるふると首を振る。少女は泣いて懇願する。
 「わたしはもう、人間じゃない。化け物、なの。この世にいてはいけないの。沢山の人を殺してしまった。友達も、町の人も、パパも」



414 :作者の都合により名無しです:04/06/16 12:21 ID:jU6veDCQ
 「パパ、だと? あのスミスが、おまえの父親じゃあ」
 「あの人は、町で一番頭が良かった人。悪魔が、その頭を利用してたの。
  本当のパパは、あたしが殺した。この手で」
ぶるぶると少女が震えている。必死でセルジュニアと闘っているのだろう。
 
 「まずママが死んだ。悪魔の細胞移植に体が耐え切れなくて。
  次に悪魔はわたしに細胞移植しようとした。わたしは赦せなかった。
  わたしは頑張って、悪魔をわたしの中に封じ込めたけど……。
  でも、わたしが悪魔そのものになっちゃった。次にパパが死んだ。
 わたしが殺した。悪魔が、弱い兵は死ねって、わたしの体を使って」

少女の目から止め処なく涙が零れる。だが、だんだん顔が険しくなっていく。
 「ガキイイイ。出せ、ここから出せええ」
必死に歯を喰いしばり、再度セルジュニアを押さえ込む少女。18号に叫ぶ。
 「お願いお姉ちゃん。あたし、悪魔だから。もう、人殺しの化け物だから」

人殺しの化け物。存在の赦されない悪魔。
その言葉が激しく18号のこころを切り刻む。 …わたしだって、そうだ。
少女が微笑む。先程までの懇願ではない。愛慕する者へ頼むような、問い掛け。
 
 「あたし、お姉ちゃん大好きだよ。だからお姉ちゃんを殺したくない。
  もし、お姉ちゃんがあたしの事、ほんの少しでも好きでいてくれたら。
  ……お願い。お姉ちゃんの手で、殺して」

18号は何かを絶叫した。右腕が唸り、閃光が奔った。


415 :作者の都合により名無しです:04/06/16 12:22 ID:jU6veDCQ
 「があああああああッ。ク、クフフフ。 …死ぬのか。消えるのか。
  だが18号。おまえもいずれ俺と同じ運命だ。俺以上の、悪魔め」
腹に穴が空いている。最後、セルジュニアは少女の顔で捨て台詞を吐いた。
だが、セルジュニアが顔を出したのはそれきりだった。すぐに平安な顔になる。
 「お、姉ちゃん」

呆然としたままの18号に少女は笑い掛ける。染み入るような笑顔のままで。
18号は動かぬ体を引きずりながら、必死に少女に辿り着いた。
 「ありがとう、お姉ちゃん。優しいんだね」
少女が18号の手をぎゅっと握って顔に近付けた。安らいだ顔になっている。
 「わあ…。やっぱりママだ。ママの匂いがする」

18号。今まで抑えていた感情が爆発した。涙が後から後から零れていく。
 「何が、何が優しいんだッ。わたしは殺す事しか出来ないじゃないか。
  おまえを殺し、町の人間を殺し…。殺す事しか出来ない化け物だ…」
 「そんなこと、無いよ」

少女は18号の涙をそっとぬぐう。ニッコリと微笑んで、18号に寄り添う。
 「だって、お姉ちゃん泣いてくれたもの。わたしや町の人のために。
  お姉ちゃん、一緒に寝てくれたもの。あったかかった。嬉しかった。
  化け物なんかに、そんな事、出来ないよ」
 「そんなこと無い、わたしは、わたしは……」


416 :作者の都合により名無しです:04/06/16 12:23 ID:jU6veDCQ
ノドが詰まる。しゃべろうとするのに、言葉が出ない。代わりに少女が言った。
 「お姉ちゃん。グリーンシティに行ってあげて。そこで、待ってるから。
  優しくて、お姉ちゃんが大好きなお兄ちゃんが、助けを待ってるから」
 「え……?」
ほんの少し顔を上げる18号。目は涙で真っ赤になっている。レックは続けた。

 「ごめん、謝るね。お姉ちゃんは、人魚姫なんかじゃない」
 「そうだ。わたしは殺人機械だ。そんな、立派なものじゃ、無い」
 「違うよ…。そういう意味じゃないよ。お姉ちゃんの涙、あったかいもの。
  知ってる? 人魚の涙はね、真珠になっちゃうんだよ。だから、違う。
  お姉ちゃんは、人魚姫なんかじゃない。お姉ちゃんは、にんげんだよ」
 「にんげん? わたしが、にんげんだって? おまえを殺したわたしが?」

その意外な言葉に18号は戸惑う。だがレックの眼差しに何も言えなかった。
 「お姉ちゃん。もう、駄目みたい。でも、わたしの事、気にしないで。
  そし、て、覚え、ていて。心の、隅で、いいから」
 「レック、死ぬな、レックッ」
 「あたし、の名前、レック、じゃないよ。本当の、な、まえ、は……」

己の本当の名を明かさぬまま、少女は天へと召されていった。


  あれから2日。わたしはくすぶったまま、少女の墓標を見守っている。
  腐れたこの機械人形の魂が起き上がるのを、待っているのだ。


417 :作者の都合により名無しです:04/06/16 12:37 ID:jU6veDCQ
土曜日くらいから後編を書き始めます。
文体を変えるかも知れませんが、ご了承のほど。

わたしは世界さんの1レスねたが好きだから、復活して欲しいですね。
もちろん、他の方々も沢山いらしてスレが盛り上がればと思います。

418 :作者の都合により名無しです:04/06/16 14:54 ID:d3stPcwC
>410
お前、ヤムスレも荒らしてるだろ。リアル世界の鬱憤をネットで晴らすとは寂しい奴だなw

419 :作者の都合により名無しです:04/06/16 15:02 ID:ffBUtcHY
金魚姫乙。一休みか。残念だな。2、3日しっかり休んで、また楽しませて下さい。

>文体を変えるかも知れませんが
でも、今のハードな雰囲気は変えないで欲しい。今の感じ、気に入ってるし。
この続きで妙に18号が明るくなったらなw 

>>418
相手にしては駄目だよ。喜ぶから。

420 :419:04/06/16 15:06 ID:ffBUtcHY
金魚姫と書いてしまった(-_-;) 人魚姫作者氏、すみません。

人魚姫作者氏、うみにん氏、サナダムシ氏、ふらーりさん、VSさん、
○さん、殺助さんたち職人軍団のご活躍、これからも楽しみにしてます。
無理ないペースで気楽に頑張ってね。

421 :作者の都合により名無しです:04/06/16 17:01 ID:5Fbc2QKx
人魚姫作者氏、うみにん氏、サナダムシ氏、お疲れ様です。
かつての黄金期のような活況とレベルになってきたな。素晴らしい。
出来るだけ長くこの状態が続く事を願って、とりあえず上げとこう。

ところで金魚姫ワラタw

422 :オートマティック・レイバー:04/06/16 17:10 ID:MqrgRDwI
>>367
その、太田の声を合図に、
「いきます、泉さんっ!」
7号が、イングラムに向かって突っ込んでいった。野明は躊躇したが、とりあえず
仕方ないので、手加減しつつ拳を振り下ろしてみる。
すると7号は足を止め、頭上に降って来た拳を、自分の全身ぐらいあるイングラムの
拳を、左手一本で受け止めてしまった。
「この程度ですか、泉さん……いえ、一号機さんっ!」
7号が、ぐいっと引っ張った。引っ張られてイングラムが、前のめりにバランスを崩す。
そこへ、7号がジャンプしながらアッパーカット! 見事にイングラムの顎を捉えた。
「え、えっ!? なに、今、7ちゃんに殴られたの?」
機体がエビ反って、アイカメラがあさっての方を向いて、野明は現状を見失ってしまう。
オートバランス機構がどうにか体勢を保ち、たたらを踏みながらも何とか持ち堪えるが、
そこへ更に7号が、力任せのドロップキック!
「やああぁぁっ!」
今度はイングラムの胸板にキマった。ふらついていたイングラムは限界を超えて、遂に
尻餅をついてしまう。やっと正面にアイカメラが向いた、と思ったら7号がダッシュ
してきていて……その後ろでは太田や遊馬が、これ以上ないくらい驚いた顔で
見ていて……その顔は「野明のイングラムが7号に負けるのか」と語っていて……
「とどめです、泉さんっ!」
「! さっっっっせるもんかああぁぁっ!」
咄嗟に野明は、イングラムの左腕シールド裏側に収納されている電磁警棒を抜きつつ、
そのスイッチを入れた。居合い斬りよろしく、高圧電流を帯びた警棒が7号を襲う。
しかし崩れた体勢での攻撃なので、スピードが充分ではない。野明は、7号に
かわされることを想定して、7号の移動先を予測しながら攻撃した。
だが7号は、電磁警棒を見るなり「ひっ」と息を飲み、体を硬直させた。直後、命中!
「ぅああああああああぁぁっ!」
悲鳴と共に、7号が打ち飛ばされた。その光景は正に、「人間がイングラムに襲われた」
以外の何ものでもなかったものだから、
「わ、わ、わ、わ、わわわわわわわっ! 7ちゃああぁぁんっ!」

423 :オートマティック・レイバー:04/06/16 17:11 ID:MqrgRDwI
加害者たる野明は、慌ててイングラムから出て跳び下りて、7号に駆け寄っていった。
離れて見ていた太田も思わず行こうとしたが、後藤が止める。
「心配せんでいい。悲鳴を上げたのは機体の異常感知のための感覚センサーにより、
人間同様に苦痛を感じるようにできているからだ。だが十秒や二十秒かけて
ぐりぐり押し付けたとかならともかく、一発叩かれたくらいでどうにかなるほど
ヤワくはないぞ、あの子は」
後藤の手には、7号の説明書・仕様書がある。
「ただ、電気はちょっと苦手なようでな。ハード面でのダメージもあるが、
それ以上にソフト面というか精神面で」
「? 何なんですか、それは。あいつだって電気で動いているんでしょう?」
「そりゃ、ゼンマイで動いてるワケじゃないが。ただちょっと、事情がな。
篠原重工の研究所で、いろいろとあったらしい」
後藤が、説明書のページをめくった。

女子寮の風呂場。意識を取り戻した7号が、野明と一緒に湯船に浸かっている。
長い髪を結い上げた7号の、白いうなじが色っぽい。本当に人間そっくりだなぁと
感心している野明に、7号はさっきの試合と自分の身の上について、説明した。
「わたしは、余りものの廃品利用の寄せ集めレイバーなものですから。各パーツの
相性が良くなくて、高圧電流には耐えられないんです。壊れはしませんが、動かなく
なってしまうんですよ。何とか動ける限界電圧が、現状の単三電池二本なんです」
「そ、そうなんだ。つまり、電池二本であたしのイングラムを蹴り倒したわけね」
それはそれで凄い話である。且つ侮辱的である。野明のこめかみが、ちょいとピクつく。
「もっと高電圧で動けたら、先輩たちみたいにいろんな特技を持てるはずだそうです。
それで、何とかならないかって何度も実験……したんですけどね」
「実験?」
「はい。実際に現場で動いているのと同じ条件下で、ということでしたので、
感覚センサーや感情プログラムを走らせた状態での実験でした……」

424 :オートマティック・レイバー:04/06/16 17:12 ID:MqrgRDwI
7号が、ちょっと沈んだ顔になった。
「わたしの体に高圧電流を流してみて、機能停止して、回復したらまた流して、って。
でもやっぱりダメでした。結局わたしが、電流恐怖症になっただけで」
「な、7ちゃん……」
絶句する野明。こんなの拷問、そして人体実験だ。7号はレイバーなのだから違う、
かもしれないが、でもこの子はちゃんと、苦痛も感じるし悲鳴も上げる。それなのに。
と、7号が突然、吐き気をもよおしたかのように、口に手を当てた。
「う、ぅぐっ」
「! どうしたの、7ちゃん?」
湯船の縁に寄りかかった7号の、背中をさすってあげる野明。
「どこか壊れたの? だったらシゲさんとか呼んで来るけど?」
「い、いえ、壊れたんじゃなくて……まだ、残ってたみたいで……さっきのが……」
「残ってる? さっきの、っていうと」
……まさか。
「ぅぐぐぐぐっ!」
「ちょ、ちょっと待って7ちゃんっ! 今吐かないでっっ!」
野明は慌てて逃げようとしたが、一瞬早く7号が、どっ、と吐いて指の間から溢れさせた。
体内に残っていた、イングラムの電磁警棒の高圧電流を。お湯に濡れてる風呂場の床に。
「ぁばきりれせてりへほりらへほうあーりぱああああぇぅぇぅぇっっ!」
野明の、この世のものとも悲鳴が、風呂場から寮中に轟き渡った。
寮長が駆けつけた時には、二人揃っていい感じにコゲコゲになっていたという…………

とにもかくにも、彼女はやってきた。警視庁警備部特車二課第二小隊所属・イングラム
二号機の代理として。その名は、『レイバー婦警さん7号』。
電池で動くが電流を怖がる、長い黒髪の少女である。

425 :ふら〜り ◆XAn/bXcHNs :04/06/16 17:16 ID:MqrgRDwI
7号の設定はいろいろ変えてます。原作通りだと、真剣に戦えば
イングラムもグリフォンも片手で叩き潰しかねないので。その辺はかなり弱めてます。

>>うみにんさん
じわ・じわと集まってきてますねぇ、いろいろな方々が。今のところ、誰が味方に
誰が敵に、ということすら判らない状況ですが。とりあえずは、いずれ来るであろう
ヤムチャの「覚醒」がどうなるかに興味です。
で。ハムから生まれてハム太郎、はなかなか別領域の刃でした。ハムを切るが如くに、
ざくっと終わっているところが何とも。続かないからいいのか、続いて欲しいのか微妙。

>>サナダムシさん
期待通り、シコルがズタボロで満足です。それでも何かこう、シコルもドイルもちゃんと
楽しんでるみたいで、そこが凄く好きです、このシリーズ。毒っぽいけど毒を感じない。
しけい荘の外に出てもアットホーム&過激な彼らの活躍、次も期待しております♪

>>人魚姫さん
「毒物とは。DBの常識上、なかなかに意表を突かれた」などと的外れに感心しつつ
読み進めていましたが。……悪霊にだけ刺さる剣、なんてのはDBでは無理でしたか。
それと。18号が、死に近づくごとに「小男」への想いが強く濃くなっていく様子、
ある意味凄絶でした。ますますもって、顔合わせする時が楽しみです。

本当に、ここんとこ活気があっていいですね。……人大杉のおかげなんでしょうか。

426 :作者の都合により名無しです:04/06/16 17:25 ID:5Fbc2QKx
ふらーりさんはSSも感想もほのぼのしてて良いなあ。
たまに寒い時もあるけどw

>イングラムもグリフォンも片手で叩き潰しかねないので
そんなに強かったっけ?7号って。
確か昔コミックスも持ってた気がするんだけど、重いんだせん。

427 :作者の都合により名無しです:04/06/17 03:27 ID:x3tUceoB
7号は70000馬力だっけ?
イングラムは知らん。

428 :作者の都合により名無しです:04/06/17 21:13 ID:x3tUceoB
支援age

429 :作者の都合により名無しです:04/06/17 22:29 ID:8skCIWv2
最近の盛りあがりに便乗してヤムスレみたく キタ-!
とかやってみたいんだけどやっぱダメ?

430 :作者の都合により名無しです:04/06/17 22:35 ID:8dg+AYQ8
>>429
いいんじゃない。俺もあれ好きだし。じゃ、一発。

人魚姫氏とふらーりさんキターーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!

でもヤムスレがズタズタだな。肉スレは瀕死状態だし。バキスレ一人勝ち状態か。
全部のスレが一度に盛り上がるって事は、なかなか無いな。難しいものだ。


431 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・64:04/06/17 22:46 ID:xyRMz01V
要塞の一画に造られた巨大な研究施設。キスギーはパーやんとげんごろうを
入り口に待たせ、一人内部へと入っていく。

「これはこれはロードどの。」
「開発局長、開発は進んでいるのか?」
「はい。この魔土災炎、資金の心配もなく未来の技術に触れ利用する。
これほど科学者冥利に尽きることはありませぬ。未来の技術に多少の嫉妬こそ
覚えてしまいますがね。思わず不眠不休で研究に没頭しております。」
「能率を高めるため睡眠はとれと指示したはずだが・・・?」
「もちろん助手たちの睡眠は確保してますよ。」

「なにぶん現代の科学力からは想像もつかぬ技術が多く、その解析からやって
おりますので複雑な道具の複製や、その応用までには至っておりません。
が、それももう時間の問題かと。さしあたってドクタケの忍者どもが欲しがっていた
空を飛ぶ道具タケコプターはほぼ完成しております。多少コストはかかりますが
現時点での大量生産も可能かと。“空飛ぶドクタケ忍者部隊”の誕生です。」

「またこのダンゴ状のものには、どうやら動物を思うままに操る効果があるようですね。
こちらも大量生産も可能な段階です。地底世界に生息する強力な生命体、恐竜を操る
最強の竜騎士精鋭軍団 “超竜部隊”と“飛竜部隊“の結成も近く実現できそうです。」

「そうか。コストは気にする必要はないが、大量生産の前に確実な実験を繰り返せ。
実験にはドクタケの忍者どもを使ってもかまわん。時間を焦るよりもクオリティを高めろ。」
「わかりました。」
「私は別の研究に忙しい・・・が、ある程度メドがつけばそちらの開発にも加わることに
なるだろう。それまではまかせっきりになってしまうがよろしく頼むぞ。魔土災炎。
・・・ときにあの若者は役に立っているのか?」

「もちろんです。やつは天才ですよ。まぁ、この私には及びませんがね。」

432 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・65:04/06/17 22:48 ID:xyRMz01V
この男の名は魔土災炎。白髪の長髪。目の下に慢性のクマ。不気味な笑みを浮かべた
口元は不健康に歯が数本抜け落ちている。全日本悪者連盟なる悪の組織と提携し、
伝説のヒーロー“パーマン”打倒に執念を燃やしていたマッド・サイエンティストである。
――その打倒すべき”パーマン”のうちの一人であるパーやんをロード・キスギーに
引き合わせたのも実はこの男であったのだが――彼を召集してからというもの
帝国の兵器・軍事施設の開発は飛躍的に能率を上げた。金銭面での援助に恵まれず
埋もれていた才能がキスギーの登用によって花開いた形である。

素晴らしい頭脳の持ち主なのだが、さすがにドラえもんの持つ未来の秘密道具の解析には
苦戦を強いられているようだ。

例えば「どこでもドア」。行きたい場所を念じながら扉を開けば一瞬でその場所に出られる
という現代の科学の常識では考えられないムチャな機能である。逆に魔土博士の科学者
としての知識と常識。そして特に用もなく研究所を出たがらない引きこもりな性質が災いし、
いまだ用途すら掴めていない。放射線を当ててみたり叩いたり蹴ったりと無駄な努力を
続けている。多分にドジな性質も持ち合わせているのだろう。

だが、用途の明瞭かつ軍事的に即使えそうなものに関しては、その解析力・応用力共に
凄まじく、さらなる戦力強化は着々と進んでいるようだ。特に四次元ポケットの奥底に眠っ
ていた巨大ロボットを発見した際には一際目を輝かせ、重点的に開発に力を注いでいる。
ほとんど眠っていないにも関わらずその衰えぬ開発意欲とエネルギーは底無しである。

キスギーが開発室を立ち去ったその後、嬉々として笑う魔土災炎・・・。
「ワハハハハ・・・ここはワシのような才能ある研究者にとっては理想郷かもしれんな。
全ワル連のアホどもと違ってここのロードさんは金と時間の使い方を心得ておるわい。」

・・・・・…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…・・・・・

433 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・66:04/06/17 22:51 ID:xyRMz01V
明かり一つ灯されていない薄暗い部屋・・・
そこに無言で佇む一人の男。細身の長身。全身黒ずくめ。黒いテンガロンハット。
黒い皮の戦闘用スーツに身を包み、腰にはやはり漆黒のホルスター。
黒光りする拳銃を分解し手入れしている最中らしい。ガンマンだろう。
その鋭い眼光。圧倒的な迫力と威圧感。闇よりも禍禍しくドス黒いオーラ。

只者でないことはどんなに鈍感な者でもすぐにわかる。
部屋に足を踏み入れたその瞬間から感じる奇妙な息苦しさ。
それはその男に直に命を握られているような、心臓をわしづかみにされているような・・・
そんな圧迫感。獣の檻に入れられたようななどどいう生易しいものではない。
この部屋に入った瞬間に自らの命はこの男に握られている。
男のきまぐれひとつで、瞬時に。あっけなく。いつ自らの命を奪われ
躯と化すやもしれぬいい知れぬ恐怖。

その死霊のような不気味な佇まいを見れば誰もが容易に連想するであろう言霊。
―――――― “死神” ―――――――

あるいは足を踏み入れた者がこの男でなければ
この恐怖に堪え切れず発狂さえしていたかもしれない。
そこに呼ばれたのは緑ヘルメットの男パーやん。
緊張を隠せぬ様子で口を開く。
「き、聞きたいことがあるいうから来ましたけどなんでっしゃろ?」

434 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・67:04/06/17 22:52 ID:xyRMz01V
その男が問う。闇から絞り出したような低い声音。
「ノビ太を捕らえたらしいな・・・。どうやって捕らえた・・・?」
「油断してるとこを、げんごろうはんが後ろから捕まえてガツンと・・・」

「やつは拳銃を抜いたのか?」
「ああ、拳銃というより光線銃やな。あの早撃ちにはビックリしましたわ。
3人揃ってなすすべなくやられてしまいましたわ。でもなんか威力を小さくして
はったみたいで助かりましたけどな。そうじゃなかったら返り討ちだったかもしれませんなぁ。
ロードはんがあんたに最大限の信頼をよせてる理由がわかりましたわ。」

「くだらんべんちゃらなどいらん。もういい。用は済んだ。部屋を出ろ。」
自ら呼んでおきながら理不尽な態度。しかし、不満ひとつ見せずに指示に従うパーやん。
相手は生粋の殺し屋。プロである彼が無意味な殺人をおかすことはありえない。
それでもなお生命を守る生物の本能がその場を穏便にやり過ごそうとさせるのか・・。
静かに扉が閉まり、再び黒い殺し屋は薄闇に一人溶け込んでいく・・・。

・・・・・・・・・

パーやんがその黒ずくめの部屋を離れてしばらくしてから・・・
ヌッ…!突然げんごろうが現れ吐き捨てるようにしゃべりだす。
「チッ・・!おべっかばっか使ってビビってんじゃねーぞ。パーやん。
あんなやつたいしたことねぇよ。」
「ハァ、またズル木はんとこで盗聴してたんでっか? おべっかなんか使いまへん。
思ったことそのままに口に出しただけや。あの迫力と佇まい。ただもんやあらへん。
たぶんあの人盗聴されてるのも承知の上でっせ。ホンマ敵に回したくはない男ですわ。」
「へぇ、そうかよ?チャンスがあったらぜひお手合わせしてみたいもんだぜ。」
そういってポキポキと拳をならすげんごろう。

・・・・・・・・

435 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・68:04/06/17 22:53 ID:xyRMz01V
そして・・・同じくパーやんが出ていってしばらくの後・・・
黒ずくめの男の部屋。黒ずくめは無造作に――特に探すでもなく――
壁にしかけてあった盗聴機をあっさりと見つけひねり潰す。

まるでそれを待っていたかのように・・・
どこからか響いてくるロード・キスギーの声!
「ふ・・随分とのび太のことを気にするじゃないか。」

「ほっといてもらおうか。それよりもこの盗聴機を仕掛けた悪趣味なやつは誰です?」
「ズル木のやつだろうな。はっはっは。困ったやつだ。」
気楽に笑い飛ばして見せるキスギー。

「・・・・・ふむ。まあいい。私は与えられた仕事を遂行するだけです。
しかし・・・さきほどドクタケ忍者部隊の棟梁とやらがここに挨拶にきましたが・・・
あれはなんのつもりですかな?酔狂で役に立たんものを集めるのは自由だが・・・」

「ふふふ・・・そう言うな。やつらにも使い道はある。
それに・・・種は撒いてある。頼りになる戦力ならばじき現れる。
・・・そろそろ・・・芽が出始めるころだろう・・・。」
そのまま途切れる会話。

そして場面は・・・遠く宇宙へ・・・・!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

436 :作者の都合により名無しです:04/06/17 23:13 ID:8dg+AYQ8
出木杉もキターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
うみにん氏おつ。今からゆっくり読ませてもらうよ。

平日は本当に毎日作品来るな。心強い。何故か日曜日は来ないけどw

437 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・69:04/06/17 23:29 ID:xyRMz01V
・…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

果たしてこの地球から幾光年の距離を飛び超える必要があるのであろう・・・・
銀河系を超え、はるか宇宙の彼方。リルルの故郷であるロボットたちの楽園。
――――――メカトピア――――――

そこには・・・広大な大地を覆わんばかりに
圧倒的な迫力をもって佇むロボットの大兵団の威容があった・・・!
人間よりも数周り大きなサイズ。その大兵団をも収容するに足るであろう
山のように巨大な軍艦が数隻。その大兵団の視線の先・・・・・

ザンッ…!
激しく叩き付けられ大地をなめる一人のロボット。ひどく破損し、ズタボロの体。
その外見はあたり一面に規則正しく整列するロボット兵たちとは一線を画す、
格式の高さがあった。恐らくは兵団の中でも階級の高いロボットなのであろう。
だが、そのロボットも今は無様に地にはいつくばり動くことさえままならぬ様子だ。

同じく兵団の上層部と思われるロボット――ロボットではあるが、その姿は人間に
例えれば野心に満ちた若々しい青年将校を思わせる――また事実そうなのであろう――
がそれを見下ろし冷徹な言葉を浴びせる・・・。
「鉄人兵団に軟弱な司令官など必要ない。」

どうやら地に叩き伏せられたロボットはこの兵団の司令官。そして、今まさに
クーデターが起こり、その司令官の座を奪われんとしているといったところであろうか。
しかし、兵団にはそのクーデターを止めようとする気配はまるでない。

438 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・70:04/06/17 23:30 ID:xyRMz01V
「神はわれわれを宇宙の支配者と定められた・・・!
宇宙はロボットのためにある!銀河の果てでわれわれを差し置き栄華を
誇るという人間どもに宇宙の真の支配者が誰であるかわからせるのだ!
それをわかろうともせずゴミどもとの共存などを主張する愚か者はたった今
排除した。これからは私が新たな司令官となり・・・この兵団の指揮をとる!」
『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!』
歓声のような怒号。兵団は新たな指揮官とその方針を受け入れたらしい。
いや、もとよりそのつもりだったのか。

「我々はこれより地球という惑星に赴き・・・地球人捕獲作戦・・・
 どれい狩りを開始する・・・!!」

『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』
歓声とも雄たけびともつかぬ怒号をあげ大兵団が一斉に宇宙空間へと飛び出していく・・・!
はるかな惑星・・・地球を目指して・・・!

地べたにはいつくばったまま最後の力を振り絞りその行方を見守る先のロボット。
彼は覚えているのだろうか。・・・いや、覚えてはいないだろう。彼自身もまたかつて
先の若き新司令と同じように大兵団を引き連れ地球を襲った司令官であったことを。
メカトピアはリルルの自己犠牲によってロボット以外の他人をも思いやれる
天国のような社会へと生まれ変わるはずであった。
この元司令官もまた、かつてのような歪んだロボット至上主義は消えうせていた。
しかし・・・競争本能をなくしてもまた、やはり歴史は繰り返されるのか。

「ク・・・リルルよ・・。兵団は・・・やはり何者かに煽動されている・・・!
恐らくは・・・地球という星の・・・何者かに・・・・・リル・・・ル・・・・」
歯噛みし、むなしく大地を掴むその手から力が消えうせ、元司令官だった
その男は・・・そのまま崩れ落ち、ピクリとも動かなくなる。・・・永遠に・・。

・…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

439 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国:04/06/17 23:35 ID:xyRMz01V
久々なのにリンク忘れてた。↓の続きです。
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-long/dekisugi/06.htm

>>436
助かります。6回までしか連続投稿できないようなので。
とりあえず、キリのいいところまで。

440 :作者の都合により名無しです:04/06/17 23:38 ID:40N1oQZJ
>>1

441 :作者の都合により名無しです:04/06/18 00:00 ID:dzYe4s8/
人魚姫といい、出来杉といい、しけい荘といい、ふらーりさんの作品といい、
良質な作品が4本も好調に連載されてるってのは本当に心強いな。

442 :作者の都合により名無しです:04/06/18 01:28 ID:W7t5cpTU
出木杉氏!
殺し屋ってひょっとしてギラーミン?

443 :作者の都合により名無しです:04/06/18 01:30 ID:W7t5cpTU
支援&期待age

444 :作者の都合により名無しです:04/06/18 11:25 ID:uD64Me1y
人魚姫氏、ふらーちさん、うみにんさん乙。
調子のいい時のバキスレは本当に楽しいな。
でも、この反動が怖かったりするけど。

出来杉にドラコルル長官を出して欲しいなw
で、人魚姫氏は人魚姫終わった後、ヤムチャを主役のDBものを書く、とw

冗談はさておき、みなさん頑張って下さい。でもVSさんはもう辞めたのかねえ。

445 :作者の都合により名無しです:04/06/18 11:28 ID:G/9DxXbL
出木杉は壮大でいいな。展開が読めん。

446 :作者の都合により名無しです:04/06/18 12:41 ID:f/8PJ6wd
>>444
不埒さんワラタ
誰だよ

447 :作者の都合により名無しです:04/06/18 17:48 ID:UI2/GEqx
20をきりそうになったらageといて良いのか?

448 :作者の都合により名無しです:04/06/18 19:33 ID:6RnODQde
バキスレ大好きだが、やはり変わったスレだと思う。
人大杉になって久しぶりの黄金期になるとはw
しかし今回の人大杉は長いねえ。直らないんじゃないかと思うくらい。

でもバキスレだけ盛るというのも何だな。他のSSスレはずっと苦戦してる。
ヤムスレのアフターDB作者を潰した奴は市ねよ、マジで。

449 :作者の都合により名無しです:04/06/18 19:36 ID:yowSizZM
>>448
age進行で

450 :作者の都合により名無しです:04/06/18 22:54 ID:EPEEucrp
支援あげ。職人軍団がんばれ。
ところでVSさんは、バキ本スレのヤクバレも最近見ない。
ひょっとして市んじゃったのかな。
最近、俺の飼ってたカブト虫の幼虫も市んじゃったし、心配。




451 :作者の都合により名無しです:04/06/19 00:22 ID:3Hr/+QRt
>>450
死ぬ時は死ぬとちゃんと告知しますので、カブト虫の幼虫は
大事に育ててやって下さい。アイツラ、ああ見えても火で炙ったり
すると簡単に死にます。


452 :作者の都合により名無しです:04/06/19 00:27 ID:o7ldvFNg
VSさんキターーーーーーーーーーーーーーーーーーー
偽者じゃないだろうなw いつか必ず復活して下さい。

>>450
かぶと虫の幼虫は結構旨いらしいね。

453 :作者の都合により名無しです:04/06/19 00:35 ID:CRSA9i36
まずいぞ。
クワガタの幼虫でしょう。美味しいのは。
さて、週末は誰か来ないかな。

454 :作者の都合により名無しです:04/06/19 01:09 ID:7yF79q5i
バキスレのネ申降臨!!!

455 :作者の都合により名無しです:04/06/19 09:42 ID:AF1zhcdJ
age

456 :作者の都合により名無しです:04/06/19 15:12 ID:lRXs2XYi
機械仕掛けの人魚姫 後編 第一話 >>416

『人間の王子に禁忌の恋をし、そっと別れてから、ずっと。
 人魚姫は泣きました。毎晩毎晩、朝になるまで泣き続けました。
 決して赦されぬ恋とは知りつつも、想いは募り、寂しさは増すばかり。

 逢いたい。想いが叶わなくてもいい。あの人の側にいるだけでいい。
 それ以上は望まない。あの人の横顔を、そっと眺めるだけでいい……。

 人魚姫は決心をしました。全てを失ってもいい。あの人の側へいこう。
 人魚としての、これからの幸せな人生を捨ててもいい。
 姫としての、何不自由ない暮らしを無くしても構わない。
 わたしの本当の幸せは、人魚の国には無いから。あの人の側にしか。



457 :作者の都合により名無しです:04/06/19 15:13 ID:lRXs2XYi
そしてある日、人魚姫は海の魔法使いを訪ねました。魔法使いは言いました。

 「人魚姫や。お前の決心の固さに負けて、私はその魚の下半身を、
  人間のそれと変えてやろう。お前の声と引き換えに、な。
  でもね。声をもらったのは、あんたの為なんだよ。
  
  愛しい人間の側に居れば、お前はいつか必ず想いを伝えたくなる。
  でも、それは赦されない禁忌の行為。想いを告げちゃいけないよ。
  人間と人魚は決して分かり合えない。決して、ね。
  もし、お前が禁を破り想いを伝えてしまった時。海の神が裁きを下す。

  禁を破るとね。人魚が人間に恋をし、想いを伝えてしまうとね。
  海の神に裁かれ、人魚は泡になってしまう。命が消えて、海の泡に。
  たったひとつの、奇跡のようなありえない例外を除いてね。
  だから決して、想いを伝えてはいけないよ。哀しい人魚姫や……」

 人魚姫は海の魔法使いの言葉を胸に、愛しい王子の元へ旅立ちました。
 たぶんもう、人魚の国に帰れる事は無いと、哀しい予感に包まれながら。』 



458 :作者の都合により名無しです:04/06/19 15:13 ID:lRXs2XYi
わたしは歩いている。

道無き道を。先の見えぬ道を。まっすぐ、ひたすらに、一歩一歩。
辺りは暗黒に包まれ、視界は闇に閉ざされている。
足下はぬかるみ、気を抜けばずぶずぶ体ごと沈んでいく。下へ、下へと。
たぶん、それは罪という名の底なし沼。
殺めた人々が、わたしを地獄へと引き擦り込もうとしているのだろう。

どうした。こっちへ来い。地獄がお前には一番お似合いだろう。

そんな声が聞こえて来る。そうだ。わたしの本来の居場所は地獄だろう。
時々ふと思う。全てを捨て、このまま灰暗い闇に呑まれてしまおうか。
歩を止める。体が沈んでいく。掌を見る。血の臭いが沁み付いている。

もういい。どうせどれだけ歩いても、わたしの道はどこまでも暗闇だ。
そう思い、汚泥に身を委ねて消えようとする。静かに目を閉じる。
でも、決まってまぶたに浮かぶ陽だまりのような笑顔。あの人の姿。

わたしはもう一度目を開ける。そして、再び歩き出す。
例え光明差さぬ道でも、いつか必ずあの人に辿り着ける道と信じて。

それが錯覚であり、本当の行き着く先は奈落だとしても。

最後まで、わたしは、歩く。


459 :作者の都合により名無しです:04/06/19 15:15 ID:lRXs2XYi
ふと気づいた事がある。

いつの間にか、わたしは太陽に背を向けて歩くのが癖になっている、と。
生きとし生けるもの全てに注がれる偉大なる恩寵を、避けるように、だ。
無限の恵みを与える太陽。自然界を優しく照らす父のような存在だろう。
だが、わたしは自然の産物じゃない。神が創ったにんげんではない。
狂った科学者が神の領域に土足で踏み込んで、私欲の限りを尽くした産物。
呪われた存在の、人造人間だ。 …少々、わたしにはあの光が眩し過ぎる。

わたしはぶらぶらと、死んだような目をして歩いている。目的はある。
最愛のにんげんの男を、探して、逢う事だ。今のわたしにとってはそれが全て。
だが、起きて来ない。3日前のあの日から、魂が眠ったまま起き上がらない。
情を注いでしまった少女を、この手に掛けてから、だ。
億劫で、肉体が動かない。頭とこころは、あの人を求めて張り裂けそうなのに。

わたしはぼんやりと道を歩く人を見た。
カップル、家族連れ、仲間同士。どの顔も幸せそうに今を謳歌している。
フン。勝手に幸せを楽しむがいい。世界は祝福に満ちている。わたし以外はな。
だが覚えておけ。そんなチャチな幸せなど、簡単に終わりが来る事を。

たとえば、このわたしがエネルギーを集めてお前らを撃てば…。


460 :作者の都合により名無しです:04/06/19 15:16 ID:lRXs2XYi
脳裏に浮かんだ不穏な考えを、わたしは首を振って振り払った。
今は目に映るもの全てが敵に見える。わたしは、いつからこんなに弱くなった。

100メートル毎に、盛りのついたガキや下らない親父どもが声を掛けてくる。
勿論、わたしは相手をしない。わたしが興味のある男は、この世で独りだけだ。
 「綺麗だね、お姉さん。俺とメシ食いに行こうよ。良い店知ってんだ」
ガキがわたしの手を引っ張り、強引に連れ去ろうとする。命知らずなものだ。

わたしはガキの頭部を軽く小突いた。わたしにはそっと触れる程度だったが、
ガキは白目を剥いて倒れてしまった。わたしはガキを道横の隅へと放り投げた。
やれやれ。この町は平和だな。あまり好きになれそうに無い。
と、言っても、今朝到着したばかりだがな。この平和で退屈な町には。

この、祝福された町・グリーンシティに。


461 :作者の都合により名無しです:04/06/19 15:16 ID:lRXs2XYi
魂が起き上がった訳じゃあない。

少女を自らの手で殺してから、わたしは墓標の傍らで2日間くすぶっていた。
太陽と月が瞬く間に交代する錯覚を覚えるほど、空虚であっという間の2日間。
火付きの悪いゴミのように、ただ呆然と、そして漫然と息だけをしていた。

もう、いいと思っていた。疲れていた。
人ならぬものの宿命を受け入れ、このまま朽ちて果てようとも思った。
少女の墓標の十字架に背中を預け、右の掌で自分の胸を押さえる。心臓の位置。目をつぶり、掌に全エネルギーを集め始める。
ほんの一瞬だ。痛みは無い。少し右手のエネルギー制御を緩めるだけで、
全ての苦痛と罪から開放される。 …もういい。……もう、いい。
わたしは微笑を浮かべ、自らに断罪の斧を下そうとする。

 (…いいの?)
脳裏に響くメゾソプラノ。 …お前か。声が聞こえて嬉しいが、邪魔をするな。
わたしはお前を殺した悪魔だ。ふさわしい場所に、帰るんだ。
 (助けられたんだよ、あたしは。お姉ちゃんに)
違う。わたしは、自分が可愛かっただけだ。お前の命より、自分を優先させた。
それだけだ。 …わたしは、醜いこころを持つ化け物なんだよ。
 (待ってる人がいるんだよ、お姉ちゃんを)
あいつにはわたしと違って沢山、仲間がいる。わたしなんて待っちゃいないさ。
 (ううん。その人は、お姉ちゃんと逢うのを待ってる。そして、あたしも)
お前が? どういう意味だ? ドラゴンボールってやつの事を言っているのか?
その伝説の球で、わたしに生き返らせろと、そう言っているのか、お前は?
 (違う。でも、必ず逢えるよ、お姉ちゃん。たとえ、生き返らなくても)


462 :作者の都合により名無しです:04/06/19 15:59 ID:lRXs2XYi
伝説の球が実在するとしても、わたしにはそれを探す術は無い。
しばらくの沈黙。だがそれを破るように、すぐに少女は話し掛けてきた。

 (お姉ちゃん。あたしの事を罪に思うのなら、生きて。それが罰)
フフ。可愛い声で、もっとも残酷な事を言ってくれる。生き続ける事が、罰か。
 (うん。あたしはお姉ちゃんに、死を禁ずる。だからお兄ちゃんに逢って)
あいつに? なぜ、そこまでわたしの事を思う? お前を殺した殺人人形だぞ。
 (自分を卑下しないで。お兄ちゃんに逢えば、全て変わるから)
あいつは、わたしなんてきっと相手にしやしないさ。人間と、人造人間だぞ。
 (ううん。大丈夫。わたし、わかるの。分かったの。こっちに来て。
  お姉ちゃん、それじゃあね。必ずお兄ちゃんに逢って。そしたら)
そしたら、何だ? お前は、いったい何が言いたいんだ? まだだ、消えるな!
 (もうだめ。時間が来ちゃった。でもきっとまた逢えるよ。分かるんだ。
  今度逢った時には…、あたしの本当の名前、教えてあげる)
駄目だ、消えるなッ。まだ、話したい事が一杯ある。もっと謝りたいんだ!
 (さようならお姉ちゃん。さあ、立って。歩かないと、着かないから)

おい、待て、レッ…。

汗ぐっしょりで目が覚めた。頭が痛い。わたしは知らぬ間に眠っていたらしい。
夢か? 今のあいつとの会話は。わたしは隣の墓標に目を移す。異常は無い。
だが、わたしは確かに立ち上がっていた。あとは、歩くだけだ。

数時間後。わたしは世界一の都・西の都から30キロほど離れたベッドタウン、
グリーンシティへと降り立っていた。

たとえ魂は抜け殻でも、とにかく歩き出し始めたのだ。



463 :作者の都合により名無しです:04/06/19 16:02 ID:lRXs2XYi
VS様。お帰りなさい!
本格復帰を心待ちにしております。
1985さんもサイトのBBSでレス上げてましたね。
職人の皆さん方、この調子でどんどん復活してくれるといいですね。

464 :作者の都合により名無しです:04/06/19 16:17 ID:KVClUtnF
やばいくらい面白い



キテレツ大百科が。みんなもDVDレンタルしてくれろ

465 :作者の都合により名無しです:04/06/19 18:14 ID:pFzcuhiQ
人魚姫乙。
文法が一人称に変わったね。業師だな。
書き辛いと思うけど、変わらずダークな雰囲気の作品、期待してます。

あとvsさんお帰り。復活期待してます

466 :オートマティック・レイバー:04/06/19 19:16 ID:su5sHbkS
模擬戦での奮闘により、7号は、とりあえずイングラムにヒケを取らない戦闘力がある、
と皆に認められた。一応、太田も認めた。
あと、体が圧倒的に小さい分、イングラムより遥かに細やかな作業、狭い場所での活動が
可能だ。もちろんこれは、手足が短いからできないこともある、という欠点にもなるが。

ある夜のこと。水路に落ちた乗用車の救助で、野明と遊馬、一号機が出動した。これは
モロに「手足の長さ」を要する仕事なので7号の出る幕ではない。
自動的に太田も待機なので、欲求不満気味な顔で机に向かっている。そこに、
「はい、どうぞ」
7号が、お茶を淹れてもってきた。
「お、済まんな。……何をしている?」
太田の机の上に湯のみを置いた7号は、お盆を抱いてじっと立っている。
「あの、わたし、お茶を淹れたのって初めてなもので。うまくできたか、不安で」
「濃すぎたり薄すぎたりか? ここは喫茶店じゃないんだから、少々のことは構わんぞ」
ずずっ、と一口啜って。太田の顔色が変わった。
「……な、ななごぉ」
「はい」
「お前これ、何だ?」
どうにもよろしくなさそうな雰囲気を感じ取り、7号はおそるおそる申告した。
「え、えぇと。このところ、タイプ7や黒いレイバーのことで、太田さんたち、
お疲れだと聞いたので。それで、テレビでやってた二十四時間戦える飲み物とか、
ファイトが一発になる飲み物とか、配合してみたんですけど……間違ってました?」
太田の顔色を見て、7号が怯えている。太田は、この非常識メイドロイドめがっと
怒鳴りつけようかと思ったが、いや機械相手に大人気ない、と深呼吸して思い直し、
「ごほんっ。あ〜、生まれて初めて茶を淹れたのなら、まあ失敗は許してやろう。
だが次からは、茶に別の飲み物を入れるな。解ったな?」
「……はい。以後気をつけます」
萎れた様子で頭を下げる7号。太田は湯気を立ててる健康ドリンク入りブレンド茶を
見て。それから7号の、しゅんとした顔を見て、

467 :オートマティック・レイバー:04/06/19 19:17 ID:su5sHbkS
「……もう一つ言っておくが、飲食物を粗末にするとバチが当たる。これも覚えておけ」
ぐい、と一気に飲み干した。7号が驚いて、それからちょっと、顔をほころばせたその時。
突如、サイレンが鳴り響いた。
《臨港区、第二十三工事区画にタイプ8出現! 特車二課、第二小隊は直ちに出動せよ!》
太田と7号が顔を見合わせて、それから後藤を見た。後藤は、ほりほりと頭を掻いて、
「そりゃ、お前たちに行って貰うしかないだろう。太田、指揮車に7号を乗せて現場に
向かえ。7号にとっては初任務なんだから、フォローしてやれよ」
「はっ!」
「泉たちも、あっちが済み次第向かわせる。が、できればその到着までに終わらせろ。
いいな、7号?」
「は、はいっ!」
太田と7号が、並んで後藤に敬礼する。
「直ちに、出動します!」

臨港区、第二十三工事区画。建築中の建物を壊して暴れ回っているのは、軍事用レイバー
タイプ8「ブロッケンJr」だ。最近まで野明たちを苦しめていたタイプ7の改良型で、
軽快な運動性能と強大な腕力を兼ね備えている、強力なレイバーである。
指揮車で現場に到着した太田は、7号を降ろすとレシーバー越しに(7号の聴覚センサー
に直接届く)指示を与えた。
《いいか7号。お前に少々力があるといっても、相手は軍事用レイバーだ。で、》
今、指揮車の屋根の上には、イングラム二号機用の電磁警棒が取り付けられている。
《お前の力なら振り回せるだろうと思って、こいつを持ってきたんだ。リボルバーカノン
(レイバー用の拳銃)が使えればいいんだが、お前には照準システムがないそうだからな》
という太田の説明を、7号は聞いているのかいないのか。とりあえず、電磁警棒からは
視線を逸らしている。
《破壊力は弾丸には劣るが、こいつの電流を敵の間接部に叩き込めば……おい、7号?》
7号は、電磁警棒を見ようとはしない。怯えた目をして、顔を背けてしまっている。
《おいこら、聞いてるのか? 要するにこいつを使えばだな、》

468 :オートマティック・レイバー:04/06/19 19:18 ID:su5sHbkS
「……大丈夫ですよ、太田さん」
7号は、ムリヤリに自信ありげな顔を作ると、暴れ回るブロッケンJrを見て、
「あんなの、素手でやっつけてみせますっ!」
真っ直ぐに突っ込んで行った。太田が止めるのも聞かず、走って走ってジャンプ! して、
「い〜な〜ず〜ま〜き〜っく!」
ブロッケンJrに豪快な跳び蹴りを浴びせた、と思ったらあっさりと両腕交差で
ブロックされて、そのまま弾き飛ばされてしまった。やはり正面からのぶつかり合いでは、
重量とパワーがものをいう。その二点に於いてブロッケンJrはイングラムを明らかに
上回っているし、7号とでは比較にすらならない。
太田の、指揮車のそばまで飛ばされた7号は、地面に叩きつけられアスファルトを砕いて、
地中にめり込んでしまう。レシーバー越しに、太田が7号を怒鳴りつけた。
《馬鹿! 何をやってる! 指示通り、ちゃんと電磁警棒を使え!》
「……は、はい」
嫌々ながら、7号は立ち上がると指揮車によじ登り、電磁警棒をむしり取った。
ブロッケンJrが、地響きを立てて向かってくる。7号が電磁警棒を抱えて指揮車から
降りたのを見て、太田の乗った指揮車が後ろに下がる。
ブロッケンJrと対峙する7号が、電磁警棒の柄のスイッチを押した。電磁警棒に
高圧電流が走り、バリバリッと音がして、
「! い、嫌ぁっ!」
7号は、電流の音に怯えて電磁警棒を取り落としてしまった。そこへ突っ込んできた
ブロッケンJrが、まるでサッカーボールのように7号を……
《おいこら! 何してる! よけろおおぉぉっ!》
太田の声が7号の耳に入った時にはもう、7号は天高く蹴り上げられて意識を失っていた。
……後になって、7号は聞いた。駆けつけた野明の一号機が、ブロッケンJrを仕留めた
こと。だが野明が到着した時、既に周囲の被害はとんでもないレベルに達していたこと。

かくして、7号の初任務は大失敗に終わった。

469 :ふら〜り ◆XAn/bXcHNs :04/06/19 19:20 ID:su5sHbkS
7号らしいボケというかドジというか、が難しい……う〜。

>>うみにんさん
>頼りになる戦力ならばじき現れる
と言ったと思ったら、即座に来ましたね。今回は、キスギー側の戦力の凄さが、
どかどかと誇示されている様子。特に、秘密道具を解析・大量生産なんてされたら
どうやって太刀打ちするのか……思い当たるのは妖精たち。でもバイキンマンもいる。
はてさて。

>>人魚姫さん
死を禁じられ、体をひきずるようにして歩き続ける18号。ひたすら「重い」
ですね今回は。人魚姫の話のシンクロっぷりもなかなか悲しげで。でも、
>頭とこころは、あの人を求めて張り裂けそうなのに。
ここにちゃんと希望あり、ですね。泡にならない人魚姫の結末、待ってます。

>>VSさん
サイト見ましたよ。再来週とのこと、お待ちしております。

>>ちなみに原作の7号は
>>427さんの言われた通り七万馬力で、警視庁庁舎を丸ごと引っこ抜いて持ち上げます。
時速777キロで走る脚力もあります。能力的には、充分強いです。

470 :拳王伝 第4部/莫逆ファミーリア 1:04/06/19 22:45 ID:7+KK6SRC
クリンがハイスクールに入学してから3ヶ月が過ぎた。

ここはカメハウス。
土曜日の夜はいつも、僕とマリン姉ちゃんは亀仙人のおじいさんの家に
泊まりに行く。家にいると眠れないし、危険だからだ。
なぜ眠れなくて危険なのかって?

母さんと父さんは相撲が大好きで毎週土曜日の夜に盛大な相撲大会を開くんだ。
と言っても父さんと母さんの二人だけでだけど。二人ともあの天下一武道会で
上位に進出できるくらいの達人だから、毎週の相撲大会の度に家を崩壊させて
大変なんだ。ちなみに最初の犠牲はここカメハウスらしい。

今はだいぶ落ちついていて週一回だけだけど、新婚当時は毎日相撲でいくつもの
家やマンションを破壊してたらしい。今はカプセルコーポレーションで開発された
衝撃吸収素材の家に住んでるんだけど、それでもそろそろ限界が近いみたいだ。

特に母さんはよっぽど相撲が好きなのか、いつもはわりと無愛想な人なのに、
日曜日の朝は妙に機嫌がいい。僕にもわかるくらい肌の色艶もつやつやしてて、
そんな母さんが僕は大好きだ。でもちょっと父さんはお疲れ気味。無理もない。
父さんは物凄い達人だけど、母さんはもっともっと達人だからね。

「毎週毎週、よく飽きないよね。よっぽど相撲が好きなんだね。二人とも。」
「そ、そうね。」
なぜか、すまし顔でほほを赤く染めながら答えるマリン。
そして、こっそりマリンの心を読んだ亀仙人が鼻血の出し過ぎで死にかけている。

471 :拳王伝 第4部/莫逆ファミーリア 2:04/06/19 22:47 ID:7+KK6SRC
「ク、クリリンのがぶり寄りが、がぶり寄りが・・・18号を・・・」
なにやら意味不明なうわごとを口走りながらヒクヒクと痙攣している亀じいさん。
全くいつもいつもやっかいなじいさんだ。弱ったじじいをベッドに運ぶクリン。

と、突然クリンが大きな声をあげる。
「あ――っ!そうだ!あいつ、どっかで見たことあると思ったら・・・」
亀じいさんを寝かしたベッドの上に飾ってある写真。
じいさんを中心に父さんやその仲間たちが笑顔で写っている。
その中に入学式で会った三つ目の男そっくりの男がいた。
「えーっと。確かなんかおいしそうな名前。となりに写ってるのが餃子さんで・・・
三つ目・・・三つ目・・・三つ目うなぎさんだったっけ?」
「違うわよ。うなぎ犬さんじゃない?」
「そうだ!うなぎ犬さんだ!」
わざとらしく名前を間違うクリンとマロン。しかし、あくまで本気である。
だが確かに似ていた。というよりもこうやって見るとまるで生き写しである。

「だけどこの人独身で子供作らないまま死んじゃったっていうんだよなぁ。
他人の空似ってやつかなぁ。」

三つ目の男とは同じハイスクールの同じ学年にも関わらず、あれ以来一度も
顔を会わせていない。ひょっとしたらほとんど出席していないのかも知れない。
(今度、誰かに聞いてみるかな?)
「さてと。そろそろ寝る準備でもするかな?」

カメハウスの明かりが消え、どうやら眠りについたらしい。

――――――――

472 :拳王伝 第4部/莫逆ファミーリア 3:04/06/19 22:47 ID:7+KK6SRC
「ひょー!遅くなっちまったぜ!おっこるだろうな〜。18号のやつ・・・。」
すっかり暗くなってしまった家路を急ぐ18号の夫、クリリン。
地球で3本の指、いや恐らくは地球人最強と思われる彼だが、見た目だけなら
とてもそうは見えない気さくな雰囲気の小男である。が、武空術なる武術を駆使し、
夜空をかなりのスピードで飛行するその姿はまさに超人そのものである。

「・・・お?めずらしいな。こんな時間にこんな田舎道に車が通るなんて。」
ふと下を見やれば車のライト。けっこうなスピードである。

「おっと、そんなどうでもいいこと気にしてる場合じゃねえな。
・・・・・・・・・・・・明日、オレ足腰立てるかな?」
不安そうにそう言うや、さらに加速しあっという間に夜空の彼方に消え去っていく
クリリン。その姿が全く見えなくなったそのころ・・・

街へと続く夜の田舎道。まだ、舗装も完全ではない。
その片隅に車を止め休息をとる男。その姿は・・・少年?
いや、背丈はかなり低く、ともすれば幼児にも見える幼い顔立ち。
その幼い顔立ちに全く似合わぬしぐさでタバコを吸う男。
荒み切った虚ろな瞳で虚空を見上げ、夜空に向かって煙を吐き出す。
よく見れば幼く見えた顔立ちも不健康にやつれ目の下のクマやこけた
頬がその実年齢が見た目ほど幼くはないことを示し、
その死人のように空虚な瞳、まばらに生えた不精ヒゲが、彼の
これまで歩んできた人生が決して順風満帆ではなかったことを物語る。

クリリンは気付いていない。先ほどすれ違った車。その運転手の顔が・・・
心に神龍でさえ癒せない傷を負い、長い長い傷心の旅に出たまま帰らない、
かつての仲間、餃子にそっくりであったことを・・・。

・・・・・…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

473 :作者の都合により名無しです:04/06/19 22:52 ID:lZVdq6RT
人魚姫は儚げな18号がよいな。さ迷っている感じがよく出てる。
一人称は難しいと思うけど、後半、頑張ってくだされ。

ふらーりさん、7号というのはよく分からないんですがw
パトレイバーは好きなので楽しみにしてます。

474 :拳王伝 第4部/莫逆ファミーリア:04/06/19 23:02 ID:7+KK6SRC
賑やかになってきてますねぇ。人魚姫、前半終了で再開まで
少し間があくのかなと心配していたので安心しました。
この分だと人大杉直ったらもっと賑やかになるかもしれませんね。
>ふら〜りさん
いつもありがとうございます。
鉄人兵団はまだまだ遠くにいるのですよ。到着にはけっこう
時間かかるはずです。しかし、展開遅くて申し訳ないですね。
ドラコルル長官はミニマムなので出すのは難しそうです。w

475 :DIOの世界:04/06/20 00:06 ID:6rmUnfq0
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-long/dio/09.htmの続き

クソ婆あが俺の目の前で笑う。
殺意すら沸きかねないほど、醜悪な顔で笑っている。瞬間、反吐が出そうになる。
こいつの股ぐらから俺が生まれたと思うと、自分を呪い殺したくもなる。

 「ひゃひゃひゃ。いよいよお前がわが主、世界の帝王にお会いする時が来たわ」

世界の帝王だと? クソ婆あ。とうとう脳みそにきやがったか。ざまあみやがれ。
俺は真面目な顔を装うが、心の中で乾杯していた。あとは止めを刺すだけか。
この世でただ一人、頭の上がらないクソ婆あ。母子の情などは無い。あるのは嫌悪だけだ。

 「明日じゃ。飛行機の手配はしておいた。とうとう、母子ともになるのだ。
  偉大なる、『DIO』様の忠実なる下僕に、ふひゃはははははは」

狂ってやがる。わざわざ飛行機まで手配して、いもしない『帝王』とやらに会いにいくとは。
まあいい。海外の方が殺り易い。異国でこの婆を始末して、のんびりと旅行と洒落こもう。

俺とエンヤ婆は旅立った。その『帝王』とやらに逢うために。
そして、到着してしまった。とある国の、とある館に。
どんよりとした暗闇の中で、その館は存在していた。俺の闇社会での経験がささやく。

ヤバい。最大級に、ヤバい。

目の前の古びた洋館。威厳漂う門がギイ、と扉を開ける。まるで地獄のフタが開くように。
隣の婆あが笑っている。親でなければ失神するほど怪異な光景。不気味な洋館と老婆。
だが、俺は歩き出してしまった。その洋館へと。


476 :DIOの世界:04/06/20 00:07 ID:6rmUnfq0
蝙蝠がバサバサと飛び立っていく。どうやら無人の館らしい。人の気配は、しない。
人の、気配が、しない?
何故だ? ならば何に、この婆は俺を会わせようとする? やはり誰もいないのか、ここに?
だがこの妙なプレッシャーは何だ。知らず知らずに汗が吹き出る。鳥肌が立つ。

いる。確実に、いる。とんでもない、人間以上の、人間以外の、存在が。

俺はポケットに仕込んでおいた、大量のガラスの破片を右手に握り込む。これでいい。
このガラスの破片があれば、俺は無敵だ。ハングドマンは光の速さの能力。誰も見切れない。
そして左手に愛用のナイフを隠す。 ……何が『帝王』だ。下らねえ。
この世に『帝王』がいるとすれば、俺だけだ。全てを超越し、何にも束縛されぬ、この俺だけだ。

俺はそう悦に浸っていた。だが今思えば、目の前の威圧感からの逃避だったかも知れねえ。
婆は迷わず館の奥に進んでいく。どうやら、何度も来た場所らしい。ある部屋で足を止めた。

 「失礼します、DIO様。お久しぶりですじゃ、キヒヒヒヒ」

ガラス片を握る右手に力がこもる。門戸は俺たちを快く迎え入れてくれたようだ。何なく開いた。
そして、そこにいた。この世の帝王とやらが。 ……俺の生涯の飼い主様が。
まるで一服の名画のように、完璧で揺るがせぬ存在として、そこに、いた。


477 :DIOの世界:04/06/20 00:08 ID:6rmUnfq0
人間が絶対に抗えぬ拷問。それは『快楽』って事は、あんたらに教えたな。
だがそれにも階層はある。俺がシェリーに施したクスリによる肉体的快楽なんぞ、一番下だ。
もっとも恐ろしい拷問。それは精神の屈服だ。精神的支配。それがこの世で一番恐ろしい。

俺が絶対に敵に回したくない奴に、殉教者がいる。つまり、死ぬことを救いと思っている連中。
こういう奴らを敵にすると怖い。何でも平気でするし、死の恐怖も肉体の痛みも通用しない。
己が信ずるものに、平気で身も心も捧げやがる。自分の『命』すらも。

俺はこういう奴らを内心馬鹿にしている。『命』は、自分のために使うべきだと思うからだ。
だが、ある連中は好んでこういう奴らを造りたがる。自分の絶対的な手駒。
死ねといえば進んで死に、殺せといえば笑って殺す。 ……便利だからな、権力者にとって。
その手駒どもは、権力者の指示に快感を覚えているのだろう。だからこそ喜んで遂行する。
たとえその命が、自分の『死』を意味するものだとしても。

俺の脳裏に複雑な思考と感情が巡る。DIO、という奴を目にした瞬間からだ。
DIOは何もしていない。椅子に静かに座っているだけだ。テーブルのチェスで一人で遊んでいる。
だが、それが怖ろしい。かつてないほどに、怖ろしかった。
殺気も無い、戦闘態勢にも入っていない、ただ隙だらけの男。それが何故に、ここまで恐ろしい?

俺はその答えが分かった。DIOは何もしていない。だが、存在しているだけで俺に干渉している。
俺は屈服したがっているのだ。精神的な奴隷に、自らなりたがっている。心酔している。

この、何もしていない男に。今出逢ったばかりの男に。


478 :DIOの世界:04/06/20 00:09 ID:6rmUnfq0
 「チェスというゲームは面白い。王を総てで守る、というところがな。実に、理に叶っている」

DIOが語りだした。俺はビクッと反応するが、すぐに大人しくなる。声が、脳裏に直接に響くのだ。
ヒトラーが演説中、観客を自分に心酔させるため様々な演出を利用したという。
だが、それは所詮凡人の所業だ。この目の前の男は、そこにいるだけで総てを引き込んでしまう。

 「王は、独りで王たる訳ではない。優れた部下によって初めて王になりえる。
  J・ガイル、だったな。この私の部下になれば、総てから開放されるぞ」

ふんわりとした真綿で、心の一番敏感な場所をくすぐられるような感覚。甘美さで溶けそうになる。
並の人間なら、その一言でかしずくだろう。 ……だが、俺は違う。俺にも、『帝王』の誇りがある。

 「あんたが? 俺を? ふん、俺は飼い犬になるくらいなら餓死を選ぶタイプでな」
 「ほう。このわたしを前に吠えるとは、ますます君が欲しくなった」
 「欲しけりゃ力ずくで取りな。あんたが俺より強ければ、喜んで股を開いてやるぜ」

傍らの婆あから殺気を感じる。どうやら、息子可愛さよりも目の前の男への信奉が上らしい。
勝手にしやがれ。こっちもあんたを見限ろうとしてたんだ。DIOとやらに、ケツでも撫でてもらったのか?

俺は右手に仕込んだガラス片を部屋中にばら撒く。DIOは椅子に座ったままだ。間抜けめ。
光速のスタンド・ハングドマンが、あんたをズタズタに切り裂く。死ぬまでな。


479 :DIOの世界:04/06/20 00:10 ID:6rmUnfq0
数十のガラス片が宙を舞う。俺はハングドマンを解放する。一瞬で、目の前の男が血まみれになる、はず。

 「あまり行儀は良いとはいえないな。まあ、生きは良さそうだが」

俺は背後から聞こえた声に仰天し、すぐに後ろを振り向く。DIO、がそこにいた。まさか? 何故?
一秒も、いや一瞬たりとも俺は目を離していない。どうやって、光速のスタンドを凌ぎ、俺の後ろへ廻った?
俺は後ずさる。恐怖で、一歩、二歩とDIOから。だが肉体は離れようとするのに、心は引かれていく。

数歩下がったところで、ガラス片がバラ撒かれたエリアへ到達する。いいぞ。ここなら俺のスタンドの結界だ。
DIOは自然体でまっすぐ近付いてくる。案外の巨躯、美しい金髪、意志の強そうな瞳に吸い込まれそうになる。
心がざわめく。なっちまえよ。奴のものに。どうせ適わねえ。奴に仕えれば、もう何も悩むことはない。
うるせえ。俺の心は俺のものだ。誰にも渡せねえ。誰にも、支配させねえ。

床にバラ撒かれた数十のガラス片に、ハングドマンを放つ。さっきとは違う。奴は、ガラス片の中心にいる。
だが次の瞬間、俺は信じられないものを見た。落ちていた総てのガラスが、DIOの手に収まっていたのだ。

 「君の能力は充分に分かった。わたしの、部下になってくれるな?」

俺はその言葉にひざまずき、DIO,いやDIO様の靴にキスをした。死ぬまで破られぬ、誓いの証として。


長々と話し込んじまったな。これで俺の昔語りは終わりだ。もうすぐ、奴らが来る。わが主、DIO様の宿敵が。
俺は待っている。その不埒な連中を斬殺する瞬間を、相棒のホル・ホースとともに。

俺の忠誠の誓いが、破られることは、俺が死ぬまで決して無い。死ぬまで、決して、な。


480 :殺助:04/06/20 00:13 ID:6rmUnfq0
投げ出すのも何なんで、ハングドマンだけ終わらせました。あとは未定w

人魚姫さん、ふらーりさん、うみにんさん、さなだむしさん、パオさん、VSさん
○さんなどの職人の皆様方、これからも頑張って下さい。

481 :作者の都合により名無しです:04/06/20 00:56 ID:LE3p+pcH
人魚姫に、ふらーりさん、うみにん氏に殺助さんまで来たか!
一日4本はすごいな。完全なる絶好調モードに入ったようだ。

これでVSさんと○さんと世界さんが復活するかも知れないんだな。
ハラハラするぜ。皆さん、乙!

482 :作者の都合により名無しです:04/06/20 01:28 ID:1Rtlyem9
まさに黄金期。

483 :作者の都合により名無しです:04/06/20 11:07 ID:Qoq6WKnx
殺すけ氏はしばらくお休みか。残念だな。
各職人さん方、お疲れ様。
皆さん力作揃いで楽しめました。

支援あげ

484 :作者の都合により名無しです:04/06/20 13:05 ID:GDFT7IBG
>>1

485 :作者の都合により名無しです:04/06/20 13:41 ID:zmhVNESG
>>ふらーり
内容がマニアックすぎてついていけない。
いやマジで。悪いけど。

486 :作者の都合により名無しです:04/06/20 14:15 ID:CwujfWZ3
>>484
imagorokayow

487 :作者の都合により名無しです:04/06/20 17:34 ID:vttfVtTG
各作者氏、力作乙。
ダークヒロイン物に、冒険大作に、コメディ物に、ハードボイルドか。
全部の作品の個性が違うから、被らなくて各々楽しめるな。

これからもがんばって下さい。

488 :作者の都合により名無しです:04/06/20 19:12 ID:LE3p+pcH
平日は絶好調なのに、なぜか日曜は来ないな。
そろそろしけい荘が来そうな予感を感じ、支援あげ。

489 :作者の都合により名無しです:04/06/20 23:10 ID:gqW/209D
age

490 :作者の都合により名無しです:04/06/20 23:11 ID:gqW/209D
あがってなかった

491 :作者の都合により名無しです:04/06/21 01:09 ID:mSgvPvDV
支援age

492 :作者の都合により名無しです:04/06/21 03:17 ID:kRZjO0Mx
寝る前にあげときますね。
皆さんがんばりましょう。

493 :作者の都合により名無しです:04/06/21 15:00 ID:zKhW72S7
鋼の錬金術師 創作ストーリーキボンw

494 :作者の都合により名無しです:04/06/21 16:09 ID:wmDbdPOu
>>1

495 :作者の都合により名無しです:04/06/21 16:47 ID:k901ovI1
>>493
イラネ

496 :作者の都合により名無しです:04/06/21 18:12 ID:ESKN+mNO
職人さんたちの鬼更新モードも少し息継ぎみたいだね。
では、とりあえず支援あげついでに提案というか要望をひとつ。

有名作品の最終回以降を想像して物語化するSSを希望。
例えば、北斗の拳とか、ドラゴンボールとかのアフター物。
最終回以降、主人公や脇役たちがどのように生きていたのか、
職人さんたちの闊達な想像力で書かれたものを読んでみたい。


497 :作者の都合により名無しです:04/06/21 19:56 ID:jRHomuUF
厚かましいROMもいたもんだ

498 :作者の都合により名無しです:04/06/21 23:25 ID:WLSJky9V
別に要望書くくらいはいいと思うが。
俺もそういうの見てみたい。俺は書けないけどなw

499 :作者の都合により名無しです:04/06/22 01:05 ID:nhzpE/qY
お題スレはいかにも課題めいててつまらんかったが
今のこのスレなら多少の要望ならプラスになるのでは
職人が書くかどうかは関係なく。

俺は敵チームの平日
パッショーネ暗殺チームとか海闘士とか十本刀とかの

500 :作者の都合により名無しです:04/06/22 03:29 ID:ENQT7JaW
ギニュー特戦隊とか平日おもろいことやってそうだね。w

501 :オートマティック・レイバー:04/06/22 10:09 ID:lA+qVwck
「ばっかもおおおおぉぉん!」
特赦二課オフィス。太田が7号を、怒鳴りつけ叱りつけている。
「第一小隊機もそうだし、レイバーの武装といえば電流を使うものが定番だろうが!
いや、そもそも格闘中に自機や敵機から電流が漏れるのが当たり前だ! 言ってみれば
お前は、『血を見ると気絶してしまう軍人』状態なんだぞ! そんなことで任務が
務まるか! そんなことで、格闘用レイバーを名乗ることが許されると思うのかっっ!」
怒り心頭の太田と、萎れきっている7号。太田の後ろから、野明が声をかけた。
「お、太田さん。7ちゃんは初任務だったんだし、もうその辺で」
「そうはいかん!」
太田は野明の方に振り向いて、
「戦って、苦戦して、それで負けたのならいい。だがこいつは、全く戦いもせずに
負けたんだぞ! 完敗以前の問題だ! 俺はこんな奴を、二号機の代理とは認めん!」
「え、え〜と。そうだ太田さん、久しぶりに稽古つけてよ。ねっ」
「何? 俺はまだこいつに言いたいことが」
「いいからいいから。ほら、遊馬も久しぶりに稽古したいって言ってるし。さあ一緒に!」
野明が、太田を強引に引っ張っていく。野明に目配せされて、仕方なく遊馬も腰を上げた。
「へいへい。んじゃ俺は、先にハンガーへ行って畳の用意しとくわ」
後でメシおごれよ、と目で野明に要求しつつ遊馬が、そして野明と太田もオフィスを出た。
場が、急に静かになる。進士とひろみちゃんは、ぽつん、と俯いて立っている7号に
どう声をかけたらいいのか解らず、おろおろしている。後藤が雑誌を読みながら、言った。
「7号。太田だって泉だって、苦手なことはあるし失敗もする。それを克服して克服して、
ここまで来たんだ」
後藤が顔を上げて7号を見た。7号も顔を上げ、後藤と視線を合わせる。後藤が続けた。
「お前が電流恐怖症になった事情は知ってる。太田にも言ってある。が、それで許される
職場じゃないってことだ。期間限定で来ているお前には酷というか、気の毒だがな」
「……いえ。それで甘えられる職場じゃないですよね」
7号の表情が、少し変わった。意を決した口調で、後藤に一礼して言う。
「ありがとうございました。わたしも、太田さんや泉さんみたいに、克服してみせます!」

502 :オートマティック・レイバー:04/06/22 10:09 ID:lA+qVwck
ハンガーの隅っこに畳を敷いて、太田と野明、遊馬が柔道の稽古をしている。
イラついているせいか、いつもより荒っぽい太田(この三人の中では唯一の有段者)の
シゴキに、二人はへろへろである。
「どうした! 人に稽古を頼んでおいて、もうバテたのか?」
「ま、まだまだっ」
へろり、と野明が立ち上がる。遊馬はもう立てない。二人の視線がぶつかる。
『遊馬っ』
『冗談じゃねえ、これ以上付き合えるかっ』
そんなところに、へろりとした声がやってきた。
「おーい三人とも。特に太田」
後藤だ。
「シャワー浴びて、着替えてからでいいから一緒に来い。面白いものをみせてやる」
「面白いもの?」
「ああ、面白いぞ。期待していい。ほら、さっさと着替えて来い」
後藤に急かされる形で、三人は畳を降りた。言われた通りシャワーを浴びて制服に着替え、
ハンガーに戻ってくる。そのまま後藤に案内されて、一同は演習場に向かった。
野明と7号が試合をした演習場。その隅っこに、人影が見える。えいっ、えいっ、と
あまり迫力のない掛け声も聞こえてくる。
蛾が飛び交う常夜灯の、薄暗い明かりの下で、誰が何をしているのかと思えば……7号だ。
7号が、整備班から借りてきたらしいトレーニング用のサンドバックを叩いている。その
懸命な様子からして、おそらく自分のパワーレベルを人間並に設定した上で、全力で
叩いているのだろう。それは解る。
だが何の為に、と思いつつサンドバックを見ると、下手クソな絵が貼り付けられていた。
スイッチを入れて電流が走っている、電磁警棒の絵だ。太田が呆けた顔で後藤に訊いた。
「……何をしとるんですか、あいつは」
「わかんないか? お前に言われた自分の弱点を、克服しようとしてると思うんだが」
「そ、それはわかりますが、しかしあんなことで電流恐怖症が治りますかっ?」
「治らんだろうな多分。で、太田よ。ここがポイントだが」
後藤が、人差し指を立てて言った。

503 :オートマティック・レイバー:04/06/22 10:10 ID:lA+qVwck
「7号はお前の、イングラム二号機の代理だ。これは上司の命令というより組織の命令、
つまり絶対に覆せない。である以上、今後もお前は7号と出動してもらう。恐怖症などと
いう、個人的で私情で自分勝手なことは拒否の理由にならん。当然だな?」
「……ぐっ」
こういう言われ方をすると、規律人間の太田は弱い。どうしても逆らえなくなる。
「7号はお前の相棒、そしてその相棒が職務遂行上重大な弱点を背負ってる。このまま
では、また同じ失敗をする可能性が濃厚だ。さて、太田巡査殿はどう動く?」
「そ、それは、その」
「俺としては、次回は失敗しないように頑張って欲しいところだが。実際に動くのは
お前と7号だからな。俺は部下の自主性を重んじる。じゃ、そーゆーことで。よろしく」
後藤は、ひらひらと手を振って去って行った。……7号の、えいっ、えいっ、の声を
聞きながら、太田はしばらく考え込む。自分の立場と、やるべきことを。
やがて意を決した太田は、野明に言った。
「泉。頼みがある」

何百発目かの拳が、サンドバックの隅を叩いた。中央にある張り紙をから外れて。
7号はその手を引き戻すと、自分の頬を殴りつける。
「あぁもうっ、どうしてわたしはこうなの!」
7号は、ついつい何度も、寸止めしたり拳の軌道を逸らしたりしてしまっている。
サンドバックに張り付いている、電流の走る電磁警棒を怖がって、手で触れることを
怖がってしまうのだ。自分で描いた、下手クソな絵だというのに。ただの絵なのに。
こんなことでは、いつまで経っても実戦で電磁警棒を使うことなんてできないだろう。
つまりいつまで経っても、二号機の代理など務まらない。太田に認めてもらえない。
と、7号が落ち込んでいると、背後からスピーカー越しの怒鳴り声が轟いた。
「7号おおぉぉ!」
太田の声だ。7号が振り向くと、そこに立っていたのはイングラム一号機。野明の機体だ。
「太田さん……?」
目を丸くする7号。次の瞬間、その目が恐怖に染まって見開かれた。一号機の手に、
電流バリバリの電磁警棒が握られていたのだ。

504 :オートマティック・レイバー:04/06/22 10:11 ID:lA+qVwck
「いいか聞け、7号!」
一号機が、頭上に構えた電磁警棒を、右上から左下へと、イングラムをしゃがませながら
斜めに振り下ろした。空気を切り裂く唸りと共に、警棒の先端が地面に着く寸前まで
一気に下ろされ、それから即座に立ち上がり振り上げられて、元の位置に戻る。
振り下ろし・振り上げのスピードが速く、加えて辺りが暗いので、電流の光が残像を
創って虹のような模様を宙に描いた。普通に見れば綺麗だが、7号にとっては恐怖の
電光残影、死神の鎌の光である。
「今からこの攻撃を、お前に当てる! お前はそれを紙一重でかわして、警棒が
振り上げられる前に、この手から奪い取れ!」
「う、奪い取る?」
「解ったな! いくぞおぉ!」
「ちょ、ちょっと待って下さい、大田さんっ!」
一号機が大きく踏み込んできて、電磁警棒を振り下ろした。7号は頭上に迫る
高圧電流の眩しい光と激しい音に、思わず頭を抱えてしゃがみ込んでしまう。
そこへ容赦なく、電磁警棒の一撃! 
「ぅあうっっ!」
7号は、細い電流の糸を全身に絡ませながら、まるで紙細工の人形のように吹っ飛んだ。
演習場の中央へと転がった7号の元へ、一号機が歩いていく。
「立て! 電圧は最小にセットしてあるから、まだ動けるはずだ!」
「……う……」
「立たんのなら、そのままでもう一発打つぞ!」
「っっ!」
7号が必死に立ち上がり、大きく飛び退いて二撃目をかわした。間髪入れずに
電磁警棒が振り上げられ、三撃目が来る。
「紙一重でかわして奪い取れ、と言ったはずだ! それができん限り、いつまででも
追いかけ回すからそのつもりでいろ!」
「そ、そんなっ。いきなりそんなこと、わたし、」
「問答無用! いくぞ7号おおぉぉっ!」

505 :ふら〜り ◆XAn/bXcHNs :04/06/22 10:15 ID:lA+qVwck
とりあえず。7号については、「AT Lady!」を知らないと解らないような
ネタは殆ど出てきませんのでご安心を。むしろこの先、もっとマニアックな
某メイドロボ……ごほん。

>>うみにんさん
いやはは。相撲、ですか。家壊しますか。想像してしまうではないですか。ほんとに。
正直今回は、↑のインパクトで他のことが押しやられてしまった気分です。
と言いつつも。車を運転してる餃子、というのもなかなか異な光景。どういう……?

>>殺助さん
ガイル編、とりあえず幕……ですか。振り返ってみるとつくづく、ず〜っと凄惨でした。
で最終回。第一部の切り裂きジャックを彷彿とさせる、ガイルの堕とされっぷり。そして
第三部のンドゥールの言葉を思い出させるDIOの「悪の救世主」っぷり。
誰の前に出ても、DIOはDIO、ですね。やはり。
ひとまず、お疲れ様でした! また他キャラ編、もしくは新作を、お待ちしております!

>>リクエスト
後日談と平日、どちらも読んでみたいですね。平日ネタだと、シリアスな連中の
「しけい荘」みたいなノリのが楽しそう。
後日談は……最終回が「戦いは全て終わった」もの、「これからも日常が続く」もの、
「ラストカットの後にアンハッピーが約束されている」もの、などなどありまからねぇ。
こちらも面白そう。

506 :作者の都合により名無しです:04/06/22 18:37 ID:EMC+GqGt
乙です。ふら〜りさんの場合、感想もまた作品のように楽しめますね。w

507 :作者の都合により名無しです:04/06/22 20:21 ID:j8WksM9Y
ふらーりさんお疲れ。
バキスレ確変状態は終わってしまったか?
連載が続いてる限りは安心だけどな。

508 :作者の都合により名無しです:04/06/22 22:38 ID:0vkkwz1Y
>>496, 500
完全にヤムスレを潰す気だなw

509 :作者の都合により名無しです:04/06/22 23:23 ID:3V6JG3k3
ふら〜り乙。
ATLadyがブクオフにあったので立ち読みしてきた。
一昨年くらいに連載してれば、結構売れたかもな。

510 :作者の都合により名無しです:04/06/23 07:31 ID:ZApcuNBE
名作だよ、あれは。
ジャンプの編集は本当に見る目が無いと
打ち切り時に思った。

ふらーりさん、乙!

511 :作者の都合により名無しです:04/06/23 07:44 ID:ZApcuNBE
>>508
今見たら、ヤムスレはまだ大丈夫だろ。
サイヤンキラーがある限りはなんとか。
バキスレとヤムスレの間に力の差は無い。
せいぜいヒョードルと永田さんくらい。

マジでヤバいのは肉スレ。洒落になっとらん。

ここは3本柱の連載が続く限りは大丈夫だな。
VSさんも月末くらいに帰って来るみたいだし。
○さんもいずれ戻ってくれるだろうし。

各職人さんの、鬼更新モードは終ってしまったみたいだがなw

512 :作者の都合により名無しです:04/06/23 11:42 ID:WOYTy0Yj
マロンはあげてもすぐ落ちるから厳しいよ。>肉スレ
人大杉直るまではどうしょうもない。がんばれ。
ここは一回ageたら長持ちするから助かってるね。
マロンみたいな状況だったらかなりきついと思う。

513 :作者の都合により名無しです:04/06/23 19:39 ID:V5gib3KI
20だったからageとく

514 :拳王伝 第4部/莫逆ファミーリア・4:04/06/23 21:29 ID:4n9QEyc1
日曜日のカメハウスには父さんたちの仲間がたくさん集まってくる。
奥さんを失った悟空さんやベジータさんは、今の家に居場所がないのか
寂しいのか、必ず毎週やってくる。その家族や子供もみなデートとかさえ
なければ、一緒に遊びにやってくることが多い。ベジータさんに関しては
パッと見は、ご飯をタカリに来てるだけのようにしか見えないけど。
亀仙人のおじいさんって、これでなかなかの人望があるらしい。
とても、そんな凄い人には思えないんだけどね。

カプセルコーポレーションの一人娘の旦那さんだからお金の心配はないはず
なんだけど・・・娘ムコで奥さん死んじゃったからさすがに居づらいみたいだ。
ブリーフ博士たちはそんなに気にしてないんだけど、なんたって無職だからね。

だけど・・・。デートかぁ。いいなぁ。
父さんも若い頃は全然もてなかったらしいけど家系なのかな。
僕もマロン姉ちゃんも恋愛にはなかなか縁がない。

今日は珍しくほとんど全員集まってて、朝の食卓は賑やかだ。
父さん、母さん、悟空さん、ベジータさんに加えて悟天さん、トランクスさん、
ブラさんに学者の悟飯さん一家まで集まっている。

「パパは臭いから先にシャワー浴びてきて!
せっかくみんなで楽しいお食事なのに、食欲なくなっちゃうわ。」
「うっ・・・・・・!?」
突然、ベジータに痛烈な一言を浴びせるブラ。
ベジータはショックを隠し切れない顔ですごすごとシャワーを浴びに行く。
まぁ、ブラが遊びに来てるときはいつもの光景だ。
カプセルコーポレーションでもきっと同じような扱いなのだろう。
ベジータの名誉のために言っておくとベジータはけして不潔ではない。
ごくごく普通だ。ブラが臭いと連呼しているのは、年頃の娘にとっての
まぁ俗に言う「お父さんの匂い」というやつだろう。

515 :拳王伝 第4部/莫逆ファミーリア・5:04/06/23 21:31 ID:4n9QEyc1
普段は人間離れした凄まじい大食いの悟空とベジータなのだが、
ブラがいるときの二人はしごく小食だ。天敵というやつだろうか。

シャワーを終えて戻ってきたベジータにさらに追い討ちをかけるブラ。
「全く、いくらうちがお金持ちだからって無職の父をもつと大変だわ。
友達が家に遊びに来た時、どうやって紹介すればいいかわかんないじゃない。
恥ずかしいったらありゃしない。これだから単細胞筋肉バカって使えないのよねー。
あれ?どうしたの?食べないの?甲斐性なしのM字ハゲ。」

いつのまにか部屋のすみにうつぶせに崩れ落ち、しくしく泣いているベジータに
とどめの一言。一応、悪気があって言ってるわけではないらしい。
かなりきつい性格だったという母のブルマより数百倍はきっついと、もっぱらの評判だ。
同じく無職の悟空も冷や汗ダラダラで小さくなっている。まぁ・・・
やはり天敵なのだろう。とても全宇宙最強の男たちには見えない情けない姿だ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そして今、僕は親友のヤムチャといっしょに空を飛びカメハウスに向かっている。
実は、今日は僕の親友であるヤムチャが初めて遊びにくる日なんだ。
だから、今僕はヤムチャを迎えに行ってその帰り。
最近はヤムチャも気を感じる術を覚え始めたから、ビックリするだろうな。
みんな僕等が100人束になってもかなわないくらいの化け物揃いなんだから。

ようやくカメハウスに辿り着いた。
「ほ、本当に凄い気ばっかりだな。だ、大丈夫かな?オレ。」
「大丈夫だって。おーい。みんなー。連れて来たよー。」

516 :拳王伝 第4部/莫逆ファミーリア・6:04/06/23 21:31 ID:4n9QEyc1
扉を開くクリン。あらかじめ来訪を知らされていたみなが
笑顔でいっせいに歓迎の意を示す。
・・・・が、ヤムチャの顔を見たとたん・・・
その笑顔が一瞬にして凍りつく。

周囲の気配が一気に変わる。
「ど、どうしたの?みんな。」
見ればみな一様に滝のような汗。

「・・・・ヤ、ヤムチャ・・・?」
「そ、そっくりだ・・・。」
思いもかけない奇妙な反応に戸惑うヤムチャ。
クリンが状況の確認に口を開く。
「えーと。確かに名前はヤムチャだけど・・・みんな、こいつのこと知ってるの?」

クリンの問いを無視し、ベジータがヤムチャに睨み詰め寄る。
「て、てめぇの親父の名は・・・?」
「し、知らないです。」
「・・・・・母は・・・?」
「名前は・・・た、高階・・・麗子と言いますけど・・・」

『・・・!?』
その一言だけで全てを悟る。
(・・・・・こいつ・・・!あの二人の化け物の子・・・だと・!?)

517 :拳王伝 第4部/莫逆ファミーリア・7:04/06/23 21:33 ID:4n9QEyc1
ベジータが・・・。
悟空が。悟飯が。悟天が。トランクスが。そしてクリリンまでも。
ヤムチャという存在を目の当たりにし、みな、凄まじい闘気を発しはじめる。
戦いを引退してからというもの忘れかけていた戦う本能が甦ったのだろうか。
化け物なのは知っていた。が、父たちにこれほどの攻撃性を感じたのは
クリンにとって初めてのことだった。しかもその対象がなぜ親友のヤムチャ
なのか・・・。クリンにはその理由すらわからない。だが・・・
ヤムチャを父たちに引き合わせたことで確実になにかが変わり始めていた。
(怖い・・。これが・・・父さんたちの本来の姿・・・?)
そう。年老い、普段どんなに妻や娘に虐げられていても、いざとなれば一枚岩と
化し、猛り狂う究極の戦士たち。数々の戦いで培われた絆はもはや莫逆の家族!

そして・・・クリンはまだ気付いていなかった・・・。
父たちだけでなく、ヤムチャもまた変わりはじめていたことに・・・!
なにかが・・徐々に芽生え始めていたのだ。強大で禍禍しいなにかが・・・!
本人さえ知らぬ因縁を持つ宇宙最強の超戦士たちと出会ってしまったことで・・・!

それに気付いているのか、それともただ、過去の因縁がそうさせるだけなのか、
ベジータが猛る。ヤムチャの存在を排除すべく気を高める!
「てめぇは危険な存在だ。てめぇ自身にはうらみはねぇが・・・」
「ま、待てベジータ!こいつはヤム飯そのものじゃねぇ!
様子を見てからでも遅くは・・・・」
「悟空!相変わらず甘い男だ!オレは今、こいつが脅威でないうちに・・・!」

「 潰 す !! 」
悟空の制止を振り切ってスーパーサイヤ人と化したベジータがヤムチャに
襲いかかる! 刹那・・・!

518 :拳王伝 第4部/莫逆ファミーリア・8:04/06/23 21:35 ID:4n9QEyc1
潰れた。背後からの一撃で。ベジータが・・・いや、その“パーツ”が。

「ゴ・・・!?」
声にならない奇声を発し、かつてないほどの苦悶の表情で固まるベジータ。
周囲の男どももみな一瞬にして凍りつく。

バチバチと強大なオーラをスパークさせ、結んでいた髪が逆立ち、大きく質量を増す。
髪の毛も体もまばゆいばかりの金色に輝かせ、ベジータの背後に立っていたのは・・・
まゆさえもなくなり凶悪な人相に変化したブラであった! その姿は・・・最強種族・
サイヤ人の中でも単独ではいまだ悟空以外辿り着けなかったスーパーサイヤ人3!

その魔性の一撃が!脅威の一蹴りが・・!
背後からベジータの股間に思いっきしメリこんでいた。ヒー

一言でその苦悶の表情を表すならば・・・『無敵で必殺のはずの電撃が無効化される
天敵、ゴム人間に初めて出会ったときの神・エネルのような表情』である。
まぁ要するに目玉が飛び出しかけて、鼻水も飛び出て、アゴがはずれかかるほどに
わかりやすく、驚愕に満ち溢れた表情である。冷や汗が滝のようだ。

口から泡を吹き、股間を押さえながらゆっくりと崩れ落ちていくベジータ。
そのまま白目をむいて涙を流しながらヒクヒク痙攣している。それにさらにもう一発
止めの蹴りを加えながら、もはや聞こえているはずのないセリフを投げ下ろすブラ。
「なーに、いきりたってんのよ? クリンくんのお友達よ?
サイヤ人の王子ってこんな気の弱そうな子いじめて楽しいの?」

519 :拳王伝 第4部/莫逆ファミーリア・9:04/06/23 21:41 ID:4n9QEyc1
「さ、ゆっくりしていってね。」
元の姿に戻り、にこやかな笑顔で愛想をふりまくブラ。
「は、はい・・・。」
ひきつった笑顔で答えるヤムチャ。・・・と、その場の男ども一同。

その日のカメハウスは一日中静かでした。ブラさんたち最強の女性陣を除いて。
ああ、あと、ベジータさんのパーツは神龍に無理言って直してもらって
なんとか事無きを得たそうです。かろうじて。

    拳王伝 第4部/莫逆ファミーリア 完

次回予告、第5部は「がんばれ!ベジータ」の予定です。

520 :作者の都合により名無しです:04/06/23 22:41 ID:EEpILY8g
乙乙乙。
莫逆家族は(本ネタこれだよね?)読んだ事無いけど楽しめた。
べジーたは好きなので五部も期待してるよ。がんばれ。

521 :作者の都合により名無しです:04/06/23 23:40 ID:EEpILY8g
>>511
ヤムスレ見て来たけど、サイヤンキラー作者氏は勿体無いよ、今のヤムスレには。
今の作品が終わり次第、こっちへ来てくれれば良いのに。

青竜刀伝説とかいう作品で十分だよ、あそこには。
俺はあれ、新手の荒らしと思ったけどな。技術以前のやる気の問題だろ?
でも住民はサイヤンキラーと対して変わらない反応。びっくりした。
書けば何でもいいなら力作・大作要らないじゃん。

サイヤンキラー作者さん、本当にこっちきてよ、今の作品終わったら。



522 :拳王伝:04/06/23 23:56 ID:4n9QEyc1
感想ありがとうございます。
ベジータファンの方が怒らないかかなり心配だったのですが・・・
あくまでギャグなのであまり気にしないでくださいね。w
で、はい。サブタイトルは莫逆家族そのまんまです。
BADBOYSやグレア―と作者がいっしょなのでその流れで
つけたのですが、内容はほぼ関係ないです。
BADBOYSは実はけっこう売れてる有名な漫画です。ヤンキーの
バイブルのようなもんらしいです。(僕はヤンキー違いますよ。w)
バキが好きな方なら楽しめるかもしれません。熱いケンカ三昧です。

523 :作者の都合により名無しです:04/06/24 00:30 ID:+4zJvyAR
拳伝王おつかれー。俺は莫逆好きなんでよかったよ。
BADBOYSも好き。莫逆はRAVEの作者がパクるほどの名作wなので
見てない人は読むべし。合う合わんが激しい作者だけどねw

>>521
人は人。他所は他所。荒れる元なのでもう止めとけ、他のスレの話題は。
気持ちは少しわかるがな。

524 :作者の都合により名無しです:04/06/24 00:48 ID:0paEvsH8
作者本人がヤムスレの雰囲気を好きだと言ってる。
書きたいSSスレに書く。それでいいじゃないか。
サイトに専用ページもあるし。

525 :作者の都合により名無しです:04/06/24 02:12 ID:Hdm5pVmF
http://comic4.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1087881914/

526 :作者の都合により名無しです:04/06/24 02:14 ID:Hdm5pVmF
誤爆スマソ。
>>524
はげ同。>>521みたいなやつがいるスレには書きたくないだろうねw

527 :作者の都合により名無しです:04/06/24 02:29 ID:QnSAi90I
>莫逆家族

クリン=あの主人公のやつ(名前知らん)
ヤムチャ=れん
Z戦士=親父たち
こんな感じ?

528 :作者の都合により名無しです:04/06/24 17:03 ID:9S4Na/Sk
支援。

529 :作者の都合により名無しです:04/06/24 21:51 ID:fQXRMpwB
ベジータほんとにがんばれ。w

530 :作者の都合により名無しです:04/06/24 23:23 ID:EBmvp4er
とりあえず支援アゲ。
それにしてもしけい荘最近こないね。

531 :作者の都合により名無しです:04/06/25 00:00 ID:Xp3bMBtp
3本柱の更新ペースが落ちてる間にそろそろ次スレのスレタイとか
テンプレ考えといてもいいかもな。ちと早いか?

532 :作者の都合により名無しです:04/06/25 07:38 ID:waTd3ns5
>>531早いだろw でもメモリがもうないのかな?
とりあえずあげとくね。

533 :オートマティック・レイバー:04/06/25 09:13 ID:fo6oI4EI
>>504
悲鳴を上げて逃げ惑う7号と、それを追って電磁警棒を振り回す一号機(太田)。
演習場をぐるぐると駆け続ける二人を、二階のオフィスから野明と遊馬が見ていた。
「う〜。太田さんらしいやり方だけど、やっぱりちょっとヒドいかも」
「ショック療法ってのは、却って逆効果になることもあるっていうしなぁ。けど、
んなことより俺は、お前があっさりと一号機を貸したことに驚いたぜ。しかも、
よりによって『あの』太田に」
「そりゃあ、7ちゃんだって二課の一員、あたしたちの仲間だもん。協力できることは
協力するのが当たり前でしょ。それに、」
「それに?」
野明がちょっと、楽しそうな顔で遊馬の方を向いた。
「理由がどうあれ、やり方がどうあれ、『あの』太田さんが女の子のために何か
するっていうの、無視はできないよ。女としては、ね」
「へ、そんなもんかね。……お。何かあったかな」
遊馬が、続いて野明も、演習場を見た。何やら7号が、手を振って大声を出している。

「ま、待ってください、太田さんっ!」
逃げ回り続けていた7号は、足を止めて両手を大きく振った。太田も足を止めて、
「何だ! お前が電磁警棒を奪えるまでやめない、と言ったはずだぞ!」
「い、いえ、あの、わたしの電池がそろそろ、切れるので……」
「ならとっとと替えて来い! オフィスに行けばいくらでもある! さっさとしろ!」
「は、はいっ!」
慌てて二課棟に向かう7号。ちょっと期待していた「なら今夜はここまで」が出なくて、
ずずんと気が沈んだ。どうやら本当に、電磁警棒を紙一重でかわす→振り上げられる前に
奪い取る、ができるまで許してくれないらしい。正直それ、無理だと思うのだが。
『こ、このままじゃわたし、壊れちゃう……壊されちゃう……』

534 :オートマティック・レイバー:04/06/25 09:14 ID:fo6oI4EI
電磁警棒への恐怖に太田への恐怖が加わって、気持ちと足とが鉛のようだ。いっそ
逃げてしまいたい、けどそんなわけには、と悩みつつ7号は二課棟に入り、階段を
上がって、オフィスに入った。備品の引き出しから新しい電池を取り出し、自分の
へそを押してお腹の電池BOXを開け、交換する。野明と遊馬がいるが、
疲れきっている7号は会話もせずにオフィスを出た。
ドアを閉め、一つ溜息をついたところで、
「7号もだいぶ参ってるみたいだが……太田も太田だな。大丈夫かよ」
「うん。ちょっと心配だね。かれこれ、1時間近く経ってる」
ドア越しに、遊馬と野明の会話が聞こえてきた。
「イングラムの居住性の悪さは、折り紙つきだからな。適性試験の時のシミュレーターで
倒れなかったのは、俺とお前だけだったっけか」
「あれはほんの数分だったし、普段の任務でも実質格闘時間は十分程度だもんね。でも
今の太田さん、走りっ放しで警棒振り回しっ放し。あれじゃ、あたしはもたないよ。多分」
「そうだなぁ。操縦席で、ゲロゲロ吐かなきゃいいが」
「笑い事じゃないよ。操縦中に意識を失いでもしたら本当に危ないし」
7号が、慌てて階段を駆け下りて、二課棟を出た。だが演習場に、イングラムがいない。
どこへ、と思ったらハンガーの方から、太田の怒鳴り声が聞こえてきた。

ハンガーの中では、当直の整備員が忙しく動いてイングラムの電池交換をしていた。
「早くしろ! 向こうは単三電池二本入れ替えるだけだから、すぐ帰ってく……」
太田の言葉が途切れて、だぱだぱと音がした。整備員が足を止め、気持ち悪そうな
視線を一瞬太田に向けて、でも太田にギロリと睨まれ、慌てて仕事に戻る。
片膝立ちの太田の足下には、バケツがある。そこからは、酸っぱい匂いが漂っている。
バケツの中では、太田の今日の食事が、黄色っぽい液体になってたぷたぷと波打っていた。
「太田さん……」
7号が、ゆっくりと太田に近づいていった。声と足音に気付いて、太田が振り向く。
太田は汚れた口元を手の甲で拭いながら、低い声で7号に言った。

535 :オートマティック・レイバー:04/06/25 09:15 ID:fo6oI4EI
「少し待て。こっちの電池交換もすぐに終わる。そしたら再開だ」
その目は落ち窪み、気のせいか頬がこけたようにも見える。顔色は明らかに、青白い。
いつもの、必要以上に血色良く威勢のいい太田の印象が、まるでない。だが視線、
眼光だけは異様に鋭く、7号に有無を言わせない。
「先に演習場に出てろ。俺もすぐ行くから」
太田はすっくと立ち上がって、イングラムの方に歩いて行こうとする。7号が呼び止めて、
「あ、あの、」
「何だ。まさか、もう降参ですとかいうなよ。お前が電流恐怖症を克服するまで、
何時間でも続けるからな」
「いえあの、どうして太田さん、こんなにまでして」
「何ぃ? んなこたぁ当たり前だろうが!」
太田が、大声を張り上げて振り向いた。
「俺たちは警察官、正義の執行者だぞ! 犯罪者との戦いに勝つため、常日頃から
厳しい鍛錬を怠らず、己の弱点をなくしていかねばならん! まして、特に
強力・凶悪な奴らを相手にする、我が特車二課なら尚更だ! いいか7号!」
太田の視線と声が、7号の胸に突き刺さる。
「特車二課の一員を名乗るなら、そしてこの俺の二号機代理を努めるというなら、
半端な覚悟では許さんっ! 訓練も実戦も、命懸けで挑め! もう一度言う、
俺たちは警察官! 正義の執行者であり、お前もその一員だ! 解ったなっ!」
「……は、はいっ!」
ぴしっ、と背筋を伸ばした7号。丁度その時、整備員が太田に声をかけた。
「電池交換、終わりました。いけますよ」
「よ〜し。始めるぞ、7号!」
頬を叩いて気合いを入れた太田に、7号が敬礼する。
「はいっ! 特車二課第二小隊所属・イングラム二号機代理、レイバー婦警さん
7号、訓練を再開します!」

536 :ふら〜り ◆XAn/bXcHNs :04/06/25 09:16 ID:fo6oI4EI
太田さん(原作版)のこういうところが、かなり好きだったりします。

>>うみにんさん
娘ムコだの無職だの、言われ放題だのぅと思っていたら本来の恐ろしさを見せて、
おぉっと思ったら「パーツ」が。……今回は、男衆いいとこなしですな。哀れ。
でも一面、これはこれでアットホームかも。「お父さんの匂い」とか。ベジ太には
気の毒ですが。でも予告からすると、まだ気の毒っぷりは続きそうですな。

537 :作者の都合により名無しです:04/06/25 11:04 ID:QmCR2QSh
お、ふら〜りさん乙!最近バキスレ元気ないな。
今日から週末なので期待age。

538 :作者の都合により名無しです:04/06/25 17:08 ID:v6O64l06
両氏乙!そろそろしけい荘くるかな?

539 :作者の都合により名無しです:04/06/26 23:30 ID:FZsUy61Q
機械仕掛けの人魚姫 後編 第二話 >>462

暗闇を恐れつつも、人がそれを求めるのは何故だろう。

わたしは子供の頃から、夜が好きだった。
暗い闇を、月の頼りない寂光がしんしんと照らす。
その光景が好きだった。光より闇が、好きな子供だった。

まだ、わたしが人間の子供だった時の記憶だ。

今、わたしは闇に手を伸ばしている。
そのむこうに何があるかも知れないのに、必死で手を伸ばしている。
伸ばした手は空しく空を切る。それでも何度も何度も手を伸ばす。
そのたびに、手から希望が零れ落ちていく。

わたしは悟る。手を、伸ばすだけでは、駄目だ、と。
一歩、闇に向けて歩き出す。もう一歩、虚空に向けて足を出す。
そうして永遠とも思える闇を歩いて行く。いつまでも、どこまでも。

いつか必ず何かに辿り着けると信じながら。

 たとえそれがどんな結末になろうとも。 


540 :作者の都合により名無しです:04/06/26 23:31 ID:FZsUy61Q
わたしは焦っている。焦燥がジリジリと胸を焼いている。

グリーンシティへ到着して以来3日間、なんの手掛かりも無いからだ。
レックの死の間際の言葉が、うそとは思えない。
そして何より、この街に足を踏み入れた時、運命的な何かを感じたのだ。

抜け殻の魂の内部から、びりびりと響く反響音。
造り物のペテンの肉体を揺さぶる生命の鼓動。
わたしの胸を歓喜と恐怖が等分に支配する。直感が告げる。ここにいる、と。
あの人は、必ずこの街のどこかにいる、と。

少女の言葉と、その直感が知らず知らずの内にわたしの行動を急かしていく。
抜け殻の魂に、風が吹き込まれたのだ。ふと思う。顔をほころばせながら。
 (大したもんだよオッサン。このわたしをこんなふうにするなんて)
初恋を知ったばかりの少女のように胸がときめく。歓喜が背中を疾る。
だが、次の瞬間に愚かな夢から何時も覚めるのだ。わたしを支配する恐怖。
 (馬鹿かわたしは。人間があたしなんかを。拒絶されるに決まってる)

何十回と繰り返した天国と地獄をまた一度数え、それでもわたしは彷徨う。
彷徨いは次第に焦りを生み、3日が過ぎた。レックを殺してから6日を数える。

決着は、付けなくてはならない。あの人がどんな目でわたしを見ようとも。
そう思いながら、無為な3日間が過ぎたのだ。


541 :作者の都合により名無しです:04/06/26 23:31 ID:FZsUy61Q
疲れた肉体をアルコールで誤魔化すのが癖になってしまった。
肉体は決して疲労せぬように出来ているのに、だ。
永久エネルギー機関というクソが体内に埋め込まれ、眠る事すら必要としない。
ただ化け物になる前の習慣として、ベッドに入っているだけの事だ。

情報を求め、夜通し歩き続けるのは昨日で止めた。意味が無いのに気付いた。
街の情報屋や探偵でどうこう出来るレベルではないのだ。
あの人の背後には、わたしの姉弟の化け物がいる。 …セルジュニア。
化け物に近づけるのは、同じ化け物だけだ。一般の人間では側にすら寄れない。

今日も無為に過ごしたまま、4日目の夜を迎えた。
グリーンシティは繁華街で、夜の顔も深い。豪華な造りの高級クラブ、
一般の酔客相手の居酒屋、別室で女も抱ける違法の酒場。いくらでも店はある。
わたしは必ず、路地裏の酒場を選んでしまう。人のいないしなびた店を、だ。
ドブネズミのように街裏に入り、居並ぶ店の中でも一番汚いバーの扉を潜った。

わたしはカウンターの一番はじの席を陣取り、安い酒を下品にがぶ飲みする。
商売女と思われても仕方ないだろう。
実際、1万ゼニー札をチラつかせ、すり寄ってくる男は後を絶たない。
無論相手にはしない。 …だが、何故か笑いがこみ上げてきた。
商売女? ……ふざけるな。わたしはそんなんじゃない。そんな立派な、な。
その職業の女たちは、快楽を与えているのだろう。立派なものだ。
わたしは、何も与えていない。与えているのは破壊と殺戮だけだ。

もっとも、このふざけた存在のわたしを女とすれば、だが。


542 :作者の都合により名無しです:04/06/26 23:32 ID:FZsUy61Q
狂笑がバーを包み、笑い終えたわたしをバーの客がジロジロと見る。
ある席では売人と客がヤクと取引をしている。ある席では好色な眼差しの客が、
わたしを値踏みするようにジロジロと、無遠慮に観察している。
…良い店だ。わたしにぴったりの。

少し冷静さを取り戻したわたしは、暇そうなバーテンが読んでいた新聞を
無理矢理に取り上げ、記事に目を通す。申し訳程度の情報収集だ。

   西の都近くの山でバス転落事故。14人死傷。
   児童行方不明事件多発。今度は6歳の少女。誘拐事件として捜査。
   政治家Sのワイロ疑惑高まる。カプセルコーポレーションも関与か?
   女性惨殺死体が16番地で発見。今週に入り4人目の被害者。
   マフィア同士の抗争激化。構成員4名、病院に運ばれる。

刺激的な見出しが乱立している。この街も決してパラダイスでは無いらしい。
事件ごとに吟味はするものの、残念ながらわたしに解析能力は無いらしい。
諦めて新聞を放り投げると、またマティーニをすすり出した。
わたしの肩を薄汚い手がつかむ。後ろを振り向く。醜い太った男が立っていた。
 「おい、こりゃあとびきりの上物だな。姉ちゃん、とりあえず酌しろや」


543 :作者の都合により名無しです:04/06/26 23:33 ID:FZsUy61Q
男は醜い姿に相応しい笑顔を浮かべ、わたしの腕を無理やり引っ張ろうとする。
だが当然、わたしはビクともしない。まるでその男が存在しないかのごとく、
わたしは淡々とカクテルを口に運び続ける。男はその態度に激怒したようだ。
 「てめえ、俺を誰だか分かってるのか! 売り飛ばすぞコラァッ」

どうやら、自分が凄めば何でも思い通りになるとでも思っているらしい。
わたしは男へ振り向き微笑む。何を勘違いしたのか、途端に機嫌が良くなる男。
 「へへ、そうだ。良い子にしてりゃあ、天国へ連れて行ってやるぜ…」
チラリ、と男の背後を見る。子分らしき男が数人、鋭い目で見ている。
そうか。そういう人種か。暴力を生業にする男で、相当の顔役なんだろう。

関係ないがな、そんな事は。
男はわたしに醜い顔を近付けて来る。干乾びた唇が、男の初老を物語っている。
 「いい加減にしてくれないか。臭いんだよ、お前の口臭」
男は一瞬呆ける。まさか、女が自分にそんな事いうとは思わなかったんだろう。
そして顔がみるみる紅くなる。そして乱暴にわたしの髪を引っつかんだ。
 「いい度胸じゃねえか。天国と地獄を交互に味あわせてやるぜ」

いつの間にか背後のボディーガードたちも立ち上がっている。
わたしは微笑みを浮かべたまま人差し指を丸め、男の顔の前に持って行く。
そしてそのまままっすぐに弾くと、男は店のはじまですっ飛んで行った。



544 :作者の都合により名無しです:04/06/26 23:47 ID:FZsUy61Q
ボディガードが飛び掛ってきた。数は4人。まあ、わたしに人数は関係無い。
3秒後、ボディーガードは一人残らず失神していた。極限まで手加減はしたが。
店の片隅で、男が固まっていた。わたしは男に構わず店を出ようとする。
厄介ごとはごめんだからだ。だが、男はわたしを引き止めるように叫んだ。
 「待ってくれ。あんた凄えな。手を組まねえか。俺の組織に入ってくれ」

男は下らない提案を恥知らずに言い続けた。
 「今、ウチの組織と他の組織で戦争中なんだよ。あんたがいりゃあ、
  敵をぶっ潰してこの街のアガリはみんな俺のものになる、どうだ?」
 「便所のクソにでも土下座して頼みな。同類だろ?」
男はその言葉に動きが止まる。だがすぐにまた媚を売るような態度に戻った。
 「へへ、キツいねえ。どうだ、俺が6割、あんたが4割の取り分なら?」
 「刑務所へ行ったらどうだ。三食付いてそのブタみたいな体も治せる」

男は明らかに怒っている。だが、ボディガードのいなくなった今、虚勢は無い。
 「じゃあ5分5分ならどうだ? 言っておくが、儲けはデカくなるぜ。
  今のビジネスが上手くいきゃあな」
 「ブタがどんな商売するんだ。自分の贅肉でも切り売りするのか」
 「へへ、本当にキツいねえ。だがあんたも話を聞いたら心変わりするぜ。
  なんせ入ってくる金がハンパじゃねえ。 …子供の売買ってのはな」

人身売買。子供。
その言葉を聞いた時、わたしは血が凍りついた。思い出したのだ。
救いたくても救えずに殺してしまった、少女の事を。


545 :作者の都合により名無しです:04/06/26 23:49 ID:FZsUy61Q
目の前で、2本足のブタが得意げにベラベラと講釈を垂れている。
販売ルートの事。敵の組織が消えた後の独占状態。子供の相場価格。
怒りがこみ上げて来た。わたしがこいつ以下のゲスとしても、赦せなかった。
 「……クズが」

道端のゲロを見るより、蔑んだ目でブタを見る。ブタはその言葉に遂にキレた。
懐に手を突っ込み、銃を出そうとする。遅い。わたしは銃を取り上げ笑った。
 「リボルバーか。随分趣味が良いじゃないか。どうだ、遊ぼうか」
わたしは回転弾奏から銃弾を取り出す。一発だけ残し、後は床に捨てる。
その一発を弾奏に籠め、六連リボルバーを回転させる。男はビクついている。
 「映画でよく見るだろう。ロシアンルーレットだ。まずわたしからだ」

わたしはこめかみに銃口を合わせ、無造作に引き金を引く。
カチャリ、と撃鉄が空しい音を告げ、何事も無く一発目が過ぎる。
 「次はお前だ。やれよ。人の命粗末に扱うなら、自分のも出来るだろう?」
 「く、狂ってやがる…。赤の他人の命だから粗末に出来るんだろうがッ!」

その言葉はわたしの怒りに油を注いだ。わたしは手の中のリボルバーの銃口を
無理矢理にブタの口に突っ込む。自然とサディステックな微笑が浮かぶ。
 「どうした? 咥えさせるのは好きでも、咥えるのは嫌いか」
銃口の砲身にガチガチと歯が当たる。震えている。ブタは泣き言を垂れ流す。
 「た、助けてくれ…。後生だ、金ならいくらでも出す」
 「お前がさらったガキの泣き言を、一度でも聞いた事があるのか」


546 :作者の都合により名無しです:04/06/26 23:50 ID:FZsUy61Q
ブタは腰を抜かし、ペタリとうずくまる。わたしは遠慮なく引き金を引く。
ヒイイ、というブタの鳴き声に撃鉄の音はかき消された。不発。
 「ひゃ、ひゃああ、本当に、本当に撃ちやがった…」
 「今度は、わたしの番だな」
再度こめかみに銃口を当て、躊躇無く引き金を引く。
バンッ、と強烈な破裂音が狭い店内に鳴り響く。銃口が煙を吹いている。
 「悪党ほど、運が良いらしいな」

わたしに銃程度の攻撃は利かない。まったく不公平なゲームだ。
見るとブタはヒキガエルよろしく突っ伏している。銃音に気絶したらしい。
カウンターの隅で震えているバーテンに電話を借り、警察へ電話を入れる。
こいつをこれから裁くのはわたしの領域ではない。
わたしは再度カウンターに付くと、もう一度マティーニを呑み始めた。

バーの中が騒がしくなる。警察がやって来たのだ。
どうやら、ブタは闇社会では相当なワルだったらしい。若い刑事が言った。
 「あなたは、2つの事件を同時に解決してくれました」、と。
先ほど新聞で見た、マフィア抗争事件と児童誘拐事件の事だろう。
若い刑事を無視し、そのまま呑み続けた。すると、初老の刑事がやって来た。

 「署に同行して頂けませんか。金髪の美しいお嬢さん」
 「遠慮しとくよ。警察もたまには人の役に立つ事をした方がいい」
 「キツいですね。だが、おそらくあなたに関係ある事件があるのです」
 「わたしに関係ある事件? なんだそれは。何故、警察がそんな事を?」
 「おそらく、これは私の勘ですが。多分、あなたに関係があります。
  美しい、金髪の、死神。 …多分、それはあなたを指す。
  あなたが『切り裂きジャック事件』に、きっと関係していく」



547 :作者の都合により名無しです:04/06/26 23:53 ID:FZsUy61Q
いつのまにやら人大杉直ってますね。
今回は長かったですね、本当。

548 :作者の都合により名無しです:04/06/27 00:23 ID:UplKOHv7
本当だ。
全然気付かなかった。

人魚姫さん乙。
しかし、そのロシアンルーレットは反則な気がする。

549 :作者の都合により名無しです:04/06/27 00:30 ID:YhMlbPSe
人魚姫乙。美しくて怖い18号萌え

バキスレとえなりスレが仲良く並んでいるところがなぜか笑える。

550 :作者の都合により名無しです:04/06/27 01:20 ID:TMvpKo7R
一人称になってどうなるかと思ったが、心配はいらなかったようだな。
乙。面白かった。これからもハードな雰囲気期待してます。

でも、ひとつ提言。
最初の1レスの詩みたいなやつは、本編との区切りがわかりずらいので、
カッコをつけるとかした方が良いのでは。
一瞬、1レス目と2レス目のつながりが分からなかった。

えなりスレから遠ざけるためにあげとこうw

551 :作者の都合により名無しです:04/06/27 14:53 ID:xaQ0QCmp
人魚姫>
いい作品ですね。ほかのDBキャラは出ないのかな?
クリリンがいつ出てくるのか、期待。

しかし作品最近少ないなー。3週間くらいは凄かったのに。
バキスレ・ヤムスレ交代交代でいつも盛り上がるのはなぜだろう。
本当に仲が良いのか悪いのかわからないな、2つのスレはw

552 :初作品:04/06/27 17:40 ID:5QnKYA+e
田中一郎は普段は普通の高校生だが、
地球の危機が訪れると
とたんに無力化する!
このはなしは、そんな彼のストーリーだ。

「さてね、俺にそんなこと聞くなよ」
「答えを教えてクレよ。一郎」
俺の名前は田中一郎。今、かなりピンチだ。
柄の悪い同級生(3人)に囲まれてしまった。
しかし、ホントのところ、こんな奴らは敵じゃない。
でも、博士からは「一般人の前では変身するな」と
言われてるし、まあ、戦うまでもないだろう。
「早く答えを教えちゃった方がいいんじゃないの?」
答えというのは、昨日の数学の授業の最後に
先生が渡したプリントの答えのことだ。
「うるせーな。そのくらい自分で解けねーのか」
「あらー、態度が悪いじゃない? ダメよ素直にならなくちゃ」
高い声でそういったのはクラス1の荒くれ者、田中一郎だ。
「そうだぜ、はやくおしえろよ」
こいつは、田中一郎の腰巾着、田中一郎だ。
「ソウダゼ、ハヤクシロヨ」
この外人は田中一郎。腕には自信があるらしい。

そこに、宇宙大王国の暗黒ギガ皇帝が現れた。
俺たち4人は力を合わせて戦った。
なんとかなった。

                  完

553 :作者の都合により名無しです:04/06/27 18:21 ID:xaQ0QCmp
乙。気楽な気持ちでいいから、これからも頼むな。

554 :作者の都合により名無しです:04/06/27 20:00 ID:YhMlbPSe
>>552
初作品、お疲れです。
ところでこれ何の漫画の主人公?

555 :作者の都合により名無しです:04/06/27 20:23 ID:5QnKYA+e
スマン。これコピペなんだわw

556 :『誇り高き、希望』:04/06/27 20:27 ID:3dndiGGa
「完全に消え去ってしまえ!!! セル!!!!」
放たれる、高エネルギーの気功波。
「ちっ ちくしょ…おお…!!!」
人造の悪魔の断末魔。
「これですべてが終わりましたよ…… ありがとう 悟空さんたち……」


エイジ788年、あの悪魔の人造人間の突然の消滅から3年後。
一人の青年の手により、過去と未来の平和が守られた…しかし、それは誰にも語られない物語。
青年、18歳のトランクスは平和を愛し、母とともにひっそりと静かに暮らすことを選んだ。

誰にも知られない英雄。その存在を人々は噂していた。
もう30年以上も昔、世界を脅かした大魔王を倒した少年のように…3年前突然姿を消した人造人間を
倒した人物がいたのではないか。
その噂は流れ、流れ、復興の中娯楽に乏しかった人々の中で多く噂され…そして今までと同じように、
社会の中から忘れ去られていった。

時は流れ…エイジ794年。
世界の半分までが驚異的な速さで復興を遂げていた。復興を願う多くの人々の努力の賜物である。
平和な世界、平和な時間。人類はこれまで歴史には無いほど、争いの無い平和を謳歌していた。
9年前までの絶望など、影も形もなくなっていた――――

<続く>

557 : 『誇り高き、希望』:04/06/27 20:45 ID:3dndiGGa
はるかな天空。青く深い空の、その更に高き頂き。
もはや誰も知らない天空の宮…神の神殿に、以前とそれ程変わらぬいでたちのトランクスがいた。
彼は過去の世界でここには何回か来たことがあったが、この未来の世界で来るのは初めてである。
懐かしそうにあちこちを歩き、そしてあの部屋に向かう。父と修行をした、「精神と時の部屋」へと…。
だが、そこにあるはずの扉は無かった。
そう…この世界にはあの部屋は存在しなかったのだ。
「…やっぱり…そんな部屋があれば皆使っていたはずだからな…」
父も、師も、みんなあの部屋に入る事は無かった。

だからあの人造人間に殺されてしまった。

今のトランクスからしてみれば考えられない事である。
父も、師も、あんな奴らに殺されてしまったのか――― それほどまでに よ わ か っ た ・ ・ ・ ?
トランクスの手が震えた。恐怖では無い。優越感だった。体の内側からくる、本能の猛り。血のざわめき…
それは、まぎれもなく戦闘民族サイヤ人の気性のあらわれである。
「…クソッ!」
そのような感情を、それまで彼は抱いた事が無かった。いや、正確には「つい最近まで」である。
ここ1ヶ月ほどの間に、夢の中で、父を殺し、師を殺す夢を見た。圧倒的な力で、殺戮を楽しむ自分の姿を見た。
原因は…全く分からない。サイヤ人の血のせいとしても、何故今になって突然そうなるのか?
彼はほとほと疲れ、何か原因がわかればとこの神殿にやってきたのだ。
だが発見は何も無し。トランクスは仕方なく家路を急いだ。

高き空の上で、トランクスはとうとうガマンできず、久しぶりに全開の力を出した。
髪は金に染まり、筋肉は膨張し、黄金のオーラを纏い、音速を遥かに超える速さで空を貫いた。

「うわあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

大気をブチ破る程の大声を出し、何周も、何周も、世界を回ったが、トランクスの内なる感情は、
かえって高まる一方だった…。

<続く>

558 :作者の都合により名無しです:04/06/27 21:52 ID:UplKOHv7
黒トランクスですか、いいですね。


559 :作者の都合により名無しです:04/06/27 23:26 ID:fvIorc9x
人魚・野望両氏乙。
田中はコピぺ?確かにどっかで見たことある気がする。

560 :作者の都合により名無しです:04/06/27 23:55 ID:gl8alrpI
>>551
ヤムスレは粘着な潰しがいる。

561 :作者の都合により名無しです:04/06/28 08:55 ID:52aVJZ76
機械仕掛けの人魚姫 後編 第三話 >>546

警察車両の後部座席に身を沈ませ、窓に流れる街の風景を眺めている。

初老の刑事は隣でじっと何も言わず座っている。若い刑事が運転役だ。
わたしは結局、初老の刑事の申し出を受け、警察署へと赴く事になった。
機能的で、だが飾り気の無いパトカーの中でしばし空虚な時間が流れる。
意外と心地良い。初老の刑事は、余計な事を何も話さないからだ。

わたしは街を眺めるのが好きだ。
いや、街並みを行く人々の顔を見るのが好き、と言っても良い。
幸せそうな家族連れや、甘やかに囁く恋人たちが、わたしの目に眩しく映る。
たまに強烈な嫉妬に駆られ、目の前のすべてを叩き潰したくなるときもある。
わたしには、決して手に入らないだろう幸福だからだ。

だけど。
穏やかに見守っている父親や、優しく微笑む母親や、元気良く遊ぶ子供や。
そういう風景を見ていると、そんな殺伐とした感情が静かに溶けていく。
いつまでもお幸せに、と。
そうこころの中で、似合いもしないエールを送ってしまう自分に気付く。

わたしには決して手に入らないだろう幸福だからこそ、そう願うのだ。
……機械仕掛けの人形の分際で。


562 :作者の都合により名無しです:04/06/28 08:56 ID:52aVJZ76
 「着きました。どうぞお降り下さい」
運転をしていた新人刑事がうやうやしく、わたしの横の後部ドアを開ける。
一見、客に正式に対応する態度だがわたしは見抜いている。
この男は、わたしを完全に不審者として見ている。慇懃無礼というやつだ。
わたしは新人刑事に礼も言わず黙って車を降りる。初老の刑事も降りた。

初老の刑事は「こっちです」と一言発し、そのままわたしの前を歩いていく。
何も言わずずんずんと。 …やりにくい男だ。わたしは直感的にそう思う。
新人刑事も黙って後を着いてくる。どこへ行くか分かっているのだろう。

通された部屋はごく普通の応接室だった。
ガラス張りの机に、柔らかそうなソファ。飾られている調度品も趣味が良い。
 「どうぞ、遠慮なくお座りください」
初老の刑事がそう言ったので、遠慮なく一人掛けのソファに腰を下ろす。
わたしが座った後、2人が目の前の長ソファに腰掛けた。初老の刑事が言う。
 「何か、お飲み物をお出ししましょうか。ジュースで宜しいですか?」
 「アルコールがいい。うんとドライなマティーニをくれ」
その言葉に、初老の刑事が困ったような顔をする。 …おそらく、演技だろう。
 「参りましたな。お嬢さんは、未成年でしょう?」
 「人生を経験でなく長さで測るのなら、な」

結局、出てきたのはオレンジジュースだった。別にどうでも良い。
ただ酒にありつきたくてここへきた訳じゃない。初老の刑事がやんわり言った。
 「どうも、わたしは警部のセームといいます。お嬢さんのお名前は?」


563 :作者の都合により名無しです:04/06/28 08:57 ID:52aVJZ76
オジョウサンノ、オナマエハ?

誰でも一度は聞く、簡単な質問だ。だがわたしはその質問に詰まってしまった。
18号。なんの人間的な響きも無い、無機質な呼称。
あの人と再会し、この名を呼んでくれた時、わたしはどう感じるのだろう。
ふとそんな事が胸を過ぎった。 …若い刑事が苛立ち怒鳴る。
 「いつまで名前くらいで止まってる! 取調室に行ってもいいんだぞ!」

わたしは若い刑事を睨む。不穏な空気が流れたその時、セームがのんびり言う。
 「おい、協力者にそんな事出来る訳無いだろう。お嬢さんすみませんね。
  教育がなってなくて。いいです、私は『お嬢さん』で通しましょう」
我に返り、わたしに不承不承詫びる若い刑事。わたしはそれを無視し、言った。
 「で、その『切り裂きジャック事件』というのは、何なんだ?」
 「まあ切り裂きジャックというのは巷間で付けられた名前なんですがね。
  そう言った方が分かり易いと思いまして。新聞は、ご覧になって無い?」
そうか、あれか。わたしは1時間ほど前に見た、新聞記事を思い出した。

女性惨殺死体が16番地で発見。今週に入り4人目の被害者

しかし、確かに陰惨な事件ではあるが、それが直接何故わたしに関わるか。
それが分からない。わたしは不審気にセーム警部を見た。
 「おっと、いけないいけない。説明が飛びましたな」
セームは頭を掻き、恥ずかしげに笑った。これも演技だろう。喰えない男だ。
 「ではお嬢さん。順を追ってご説明しましょうか」


564 :作者の都合により名無しです:04/06/28 08:58 ID:52aVJZ76
数週間前から、惨殺死体が発見される事が多くなってきたらしい。
手口からして、同一犯人だろうとされている。被害者の数、計18人に上る。
 「18人の被害者の方ねえ。可哀そうに、全員若い女性なんですよ。
  しかもとびきり美しい方ばかり。輝かしい未来があったでしょうに」
セーム警部は沈痛そうに物語る。この表情はどうやら演技ではないらしい。
 「その女性たち。若くて美しい、という以外に共通点があるんですよ。
  その方々はすべて金髪で、年は10代の前半の方ばかりなんです。
  おや、偶然にもあなたも金髪の若い方ですねえ」

いけしゃあしゃあと。何が偶然だ。それを見てわたしを連れてきたんだろう。
セームはわたしが睨んだのを気にする様子も無く、説明を淡々と続けていく。
 「でも、先週の時点ではただの猟奇殺人と思われていました。
  若い娘専門の快楽殺人者であろうと。 …しばらくお待ち下さい」
セームがゆらり、と席を立って部屋を出た。慌てて彼を追いかける若い刑事。
若い刑事の声が廊下から聞こえてくる。セームに意義を申し立てているようだ。
マスコミにも明かしていない警察機密を、なぜ明かすんですか、と叫んでいる。

わたしは脱力し、ソファに深く体を沈める。 …近い。本能と勘が訴えて来る。
確実に、運命と決着を付ける時が迫っている。
全ては、これからセームが話す事実が発端になるだろう。わたしは彼を待った。

応接室のドアが低く響き、セームと若い刑事が入室してきた。
セームは影のように静かに腰掛けると、わたしの目の前に数枚の写真を広げた。
 「ご覧下さいお嬢さん。これが先週殺された女性たちの写真です」

セームの言葉を受け、わたしは一枚の写真を手にとって凝視した。


565 :作者の都合により名無しです:04/06/28 08:58 ID:52aVJZ76
写真を見て最初に覚えたのは、吐き気。次に嫌悪。最後に怒り、だった。
 「どうです? 私もこの仕事長いですが、そこまで酷いのは初めてです。
  それが18人もとは。刑事としてで無く、人として赦せませんな」

人として、か。
ならば、わたしがこの犯人に覚える怒りは、何として怒っているのだろう。

雑念を払い、もう一度写真を凝視し、特徴を掴もうとする。
両腕と両足がもぎ取られている。つまり、胴体と接続しているのは首だけだ。
四肢が切られた断面は、写真からすると滑らか。いや、滑らか過ぎるほどだ。
まるで超高速の旋盤で一瞬に切られたような、鮮やかな断面ですらある。

だが、その断面に比して胴体の損傷は酷い。至る所に切り傷・刺し傷がある。
肉を無理やりえぐり取ったような跡もあり、乳首は乳房から消失している。
そして、下腹部。ようは性器の場所。
その周りには切り傷は無い。 …無いが、無理矢理に犯されたと分かる状態。

レイプされてからバラバラに切られたのか、切り裂かれてから死姦されたのか。
その判別はわたしには出来ない。だが、しても意味は無いだろう。

おかしな事がもうひとつ。被害者の顔の部分だ。
顔には傷どころか、汚れひとつ無い。生前の女性の美しさを十分に残している。
事が終わった後、顔から綺麗に血や泥を拭き取ったのだろう。
犯人がそういう趣味といえば、それは分かる。だがおかしな点はそこじゃない。

被害者の女性の顔、その表情。まるで幸せそのものなのだ。
表情がエクスタシーに満ちている。快楽の絶頂状態、というやつだろう。

わたしは二重の吐き気を覚えつつ、先週分の写真を置いた。



566 :作者の都合により名無しです:04/06/28 09:00 ID:52aVJZ76
 「確かに悲惨な写真だ。だが、これがわたしに何の関係があるんだ?」
もちろん、この事件はもうわたしと関わりがある事を直感的に感じている。
だがそれは表に出さない。ひとつはこのセームという食わせ者に対する警戒。
もうひとつは、それを認めれば間接的に、この女たちはわたしが殺した事に
なるのでは無いか、という恐怖だ。
わたしさえいなければ、この事件は起きなかったかも知れないのだから。
 
「ええ、先週までの写真ならそうです。では今週の写真を見てください」
わたしのブラフを見破っているのかいないのか、セームはのんびりと言った。
わたしは今週の被害者4人の写真を手に取る。一枚目の写真を見ている時、
セームは間延びする、しかし一切の隙の無い口調で言った。
 「ええ、その娘は西の都のミスコンテストで優勝したべっぴんでねえ。
  あなたにそっくりですなあ。おっと、余計な事でしたな。
  その娘の写真の、右胸をご覧下さい」

写真には凄絶な様子が写っていた。先週の写真と変わらず無残な殺し方だ。
だが、一箇所だけ違いがあった。その違いに、わたしの背筋は寒くなる。
アルファベットが一文字、刻まれているのだ。右の乳房に、くっきりと。
E、の文字が。乱暴に。
わたしは慌てて他の3枚の写真を見る。やはり一文字ずつ刻まれている。
L、と刻まれた女が2人。そして最後にC、と刻まれた女が一人。
わたしは決まりきった答えを、口に出して確認する。半ば呆然としながら。

 E、L、L、C。 ……アナグラムすれば、CELL。



567 :作者の都合により名無しです:04/06/28 09:41 ID:52aVJZ76
内面の動揺を隠しながら、わたしは冷静を振る舞いセームに問う。
 「これだけで、わたしがこの事件に関わりがあると確定は出来ないだろう?」
セームはいつの間にか煙草を燻らせている。この男独特の間を空けてから言う。
 「手紙が、来たんですよ。昨日、警察に投函されてました」
胸ポケットから無造作に封筒を出す。若い刑事はそれを見て慌てている。
おそらくトップシークレットなのだろう。だがわたしは構わず中の手紙を見る。

    金髪の美しき死神へ
     愛しい人を求めるなら偉大なるゲームの跡地へどうぞ。
     私はそこであなたをいつまでも待ちましょう。
                  偉大なる方の代理人より

背中に氷の粒をかけられた様な悪寒が走る。セームは変わらずのんびりと言う。
 「四文字を並び替えて、CELL。偉大なるゲームの跡地という言葉。
  そして突然現れた、金髪の超絶の力を持った美女。困りましたなあ。
  一年前の怪物の事を考えると、どうやら警察の手に負える事件じゃない」

一年前のセルゲームの恐怖は、まだ人々の深層に深く刻まれている。
この老刑事は、直感的に悟っているのだろう。 …セルに関わる事件であると。
わたしは息をひとつ呑む。しばらく、沈黙が包む。無造作に切り出した。
 「これが、事件に乗じたイタズラとは思わなかったのか?」
 「マスコミにも発表していない現場写真が、同封されてましてね」
事も無げにセームは言う。もう事件を投げているらしい。わたしは言った。
 「そうだな。あんたらの手に負える事件じゃない。わたしが片付ける。
  あんたらは危ないから、引っ込んでいた方がいい」


568 :作者の都合により名無しです:04/06/28 09:43 ID:52aVJZ76
その言葉を聞いて、若い刑事が激怒した。直情径行が過ぎるタイプらしい。
 「何を言ってるんだ、小娘がッ。警察を舐めるなッ」

わたしは侮蔑の微笑を浮かべながら、静かに右手をテーブルに伸ばす。
そして掌をガラス板の上に乗せ、すぐ手を引いた。2人の刑事の目が丸くなる。
ガラスのテーブルの板の中心が、そっくりくり抜かれているからだ。
ちょうど、わたしの右の掌と同じ形に。 …若い刑事は口を空けたまま無言。
わたしにとっては、エネルギー波をほんの少し掌に集中させただけの事だが。

 「じゃ、お任せしてもいいですかな。警察はしばらく動きません」
セームがのんびりとした口調でそう言った。わたしは皮肉を込めて応える。
 「相手がどうにもならないと知ると、尻すぼみか。税金が無駄だな。
  出来るのはチンピラの逮捕と交通整理だけか」
その言葉に、飄々としていたセームの眼光が僅かに光る。だがすぐ元に戻った。
 「もうすぐ孫が生まれるんですよ。何としても殉職は避けたいんです」

わたしは席を立った。若い刑事が少し騒いだが、一睨みで大人しくなった。
セームは座ったままぼんやり煙草を吸っている。背中越しに呟きが聞こえた。
 「俺だって、ミスターサタンくらい強けりゃ赦さねえよ、こんな外道」

安心しろ、セーム。お前はきっと長生きするさ。そのめでたい審美眼ならな。
お孫さん、元気で生まれるといいな。

そしてわたしは空を飛び、目指した。
忌まわしきセルゲームの跡地へ、あの人の手掛かりを追って。  


569 :作者の都合により名無しです:04/06/28 09:49 ID:52aVJZ76
誇り高き、希望作者氏、お疲れ様です。お互い頑張りましょう。

投稿規制がどうにもなりませんね。一話ごとにアップしたいし。
次回も、明日か明後日に上げるつもりです。うまくいけば今週中に終わるかも。

さっき買ったジャンプが落丁の不良でショックです。
毎回楽しみなハンター×ハンターがまるごと抜け落ちてるんですよ。
まさか一ヶ月休んで頑張ります宣言した後に、休載なんてありえないだろうし。
買ったコンビニに取替してもらいにいってこよう。

570 :作者の都合により名無しです:04/06/28 11:33 ID:xU87REF4
>>569
「誇り高き、希望」の作者ですが、こちらこそお疲れ様です。
相変わらずイイもの書きますねぇ…続きが待ち遠しい。

ちなみにH×Hですが…残念ながら休載のようです…

571 :作者の都合により名無しです:04/06/28 12:18 ID:29IOwW3y
>誇り高き、希望
お、久しぶりの新人さんか。トランクス好きなんで、頑張って下さい。
>人魚姫
相変わらずダークな感じで面白い。会話のセンスが特に良いな。

>毎回楽しみなハンター×ハンターがまるごと抜け落ちてるんですよ
ワラタ 俺のもだよw でもコンビニ行くのは止めた方が良いですよ。ネタだろうけどw

572 : 『誇り高き、希望』 :04/06/28 13:33 ID:xU87REF4
>>557より

カプセルコーポレーション。通称CC社。
もとは西の都の小さな町工場にすぎなかったこの会社が、たった一つの発明により地球随一の企業となったのは、
もう半世紀も前の話である。
あの二人の人造人間の手による破壊につぐ破壊は、社会基盤そのものを根本から破壊し、CC社の持っていた
「ホイポイカプセル」等の諸権利は限りなく有耶無耶になってしまい…事実上、CC社は消滅した。
世界規模のこの企業がこうだと言う事は、他の企業は言わずもがなである。

あれから9年。中の都では真っ先に破壊されたキングキャッスルが再建され、王国の復活が宣言された。
めまぐるしく変わりゆく社会。娯楽も増え、去年からは20年以上行われていなかった天下一武道会が復活した。
町では今年も大会が開かれるという事で、大量にバラまかれるチラシ。
そこに写る去年の優勝者を見ながら、トランクスはただため息を吐き、発揮できない自分の力を疎ましく思った。
確かに平和は好きだ。あの地獄はもう見たく無い。
だが、その純粋な感情を許さない、更に純粋な感情、本能がトランクスを苦しめるのだ。
(戦いたい。全力を出して、死力を尽くして、命を賭けた戦いがしたい)
日に日に強くなるその想い。未来にたった一人残された、戦闘民族サイヤ人の心の咆哮は、誰にも届かない。
トランクスは、孤独だった。

「あんた、今度の天下一武道会出なさい。いいわね。」
母ブルマのとんでもない発言に、トランクスは夕食のパスタを吹いてしまった。
激しく咳込むトランクスを無視し、ブルマは例のチラシを見ながら淡々と続ける。
「カプセルコーポレーションの遺産もあんまり無いし、頼みの綱のタイムマシン完成のための資金繰りが
苦しいのよ。あんたなら優勝賞金の3000万ゼニーくらい簡単でしょ?新生CC社の為に、頼めない?」
「で、でも母さん…オレ、手加減できるかどうかわかりませんよ…」
まさか一般人相手に全力をふるう事など、とは思ったが…今のトランクスの心境では、それはわからない。
「もう、思いっきり手ェ抜くに決まってるでしょ!それに…もしかしたらあんた並に強いヤツが来るかもね?
まぁそんなの来られたら困るんだけどさ。」
ブルマの快活な冗談だが、それもトランクスにはひどく皮肉にしか聞こえなかった。

<続く>

573 :『誇り高き、希望』:04/06/28 14:58 ID:xU87REF4
西の都から南西に約2000キロ。植物もあまり無い広大な岩の荒野に、トランクスは立っていた。
ここはかつて彼の父・ベジータと孫悟空が死闘を繰り広げた場所である。だが、彼はその事実は知らない。
全くの偶然というわけではなく、人間や動物のいない、しっかりした地盤の場所というのは、西の都の近くには
ここしか無いというだけである。

トランクスはセルを倒して以来、力が衰えることの無いように、時折ここで一人修行をしていた。
さすがに全力での修行は無理だが、超サイヤ人にならなければここでなら存分にに力を発揮することができるのだ。

体内の気を操作し、目を閉じ、闇の中で仮想の敵の姿を思い浮かべる。
彼の前に現れたのは、父・ベジータだった。ベジータの目は自身に満ち溢れる、サイヤ人そのもの。

二人は互いに間合いを取り、じりじりと距離を詰めていく。無音の荒野…時がただ過ぎる。
先に仕掛けたのはトランクスだった。
気を瞬間的に爆発させ、父の懐に潜り込む。小手先の技の通じない、巨大な力を持つ人間相手にのみ許される戦い方である。
一発に見えるパンチ。だが実はゆうに20発は打ち込まれている。ベジータはそれをすべて受け流し、余裕の表情で
強烈な膝蹴りを容赦なくトランクスにブチ込んだ。防御はしたものの、衝撃が強すぎて慣性にされるがまま吹っ飛んでいく息子。
しかしベジータは笑ったまま圧倒的な俊敏さで飛ばされているトランクスの後ろに出現し、拳を強く握りハンマーパンチを叩き込む。
空振り。
それは残像だった。トランクスの本体はベジータの背後に回りこみ、先ほどのお返しをおみまいする。
岩盤に叩きつけられ、衝撃で出来たクレーターに飲まれるベジータ。
砂煙の上を浮遊するトランクス。勝ったとは思えない。そう思った時、砂煙を押しのけて巨大な気功波がトランクスを襲った。
動揺する間も無く直撃する気功波…ダメージは大きい。

笑うベジータ。笑うトランクス。戦いの喜びに震える二人のサイヤ人。
高ぶったトランクスは超サイヤ人に変身した。
しかし…その時目の前のベジータは立ち消え、我に返ったトランクスは、ただ広大な岩の荒野の上に浮いていた。
そう、トランクスは結局一人なのだ。

夕刻の空の中、ただ一人黄金の戦士は何かを求めるように、腕を上げて天にもがいた。

574 :作者の都合により名無しです:04/06/28 16:33 ID:yyuiMk0W
乙!また賑わっていきそうですな。

575 :作者の都合により名無しです:04/06/28 17:30 ID:Kw/e05wK
人魚姫氏はうまいなあ。
ただの会話のシーンばかりで動きは無いのに、全然退屈しなかった。

誇り高き希望作者氏、連日熱い作品乙。
期待の新人が早いペースで良い作品上げてくれると、スレも盛り上がるな。
頑張って下さい。お2人ともお疲れ様でした。

でも、うみにん氏はまだ数日だけどサナダムシ氏が結構間が空いて来ないな。
心配だ。でももうすぐ○さんやVSさんが帰ってくるっていうし、とりあえず
良い雰囲気のまま次スレに行けそうだな。久しぶりにw

576 :真・うんこ:04/06/28 18:55 ID:YHHCtHwQ
そうそううまくいくものではありませんよ?
まぁ、もうすぐわかるでしょう。

577 :作者の都合により名無しです:04/06/28 19:16 ID:J5h0by3i
うみにん氏は拳王伝が来てるから目立たないけど実は出木杉が10日以上来てない。
でもしけい荘はもーっと来てない。心配だね。

578 :作者の都合により名無しです:04/06/28 19:22 ID:J5h0by3i
ageてしまった。スマソ

579 :作者の都合により名無しです:04/06/28 19:55 ID:tfr1ed6x
人魚姫さんは文章上手くて読みがいがある。
誇り高き希望さんは期待のホープだな。演出もイイ!
おふたりとも乙。楽しみにしてるので頑張ってね。

>>577
まあ来る時は来るさ。しけい壮も出来杉もその時を楽しみにしよう。
個人的にはVSさんが一番心配。ドッポリアの前科があるからな、あの人w
○さんはパソが直れば復帰してくれるでしょう。

580 :◇変身◇:04/06/28 22:55 ID:fStwp5jY
【起】
「は、は、は、は‥‥」 
 俺は、鏡に映る自分の姿を見て、完全に固まっていた。

話は2分前に遡る――
 朝、いつも通り目覚し時計の音で目覚めた俺は、目をこすりながら目覚ましを止めた。
(ん?)
 俺はその時、何か身体に妙な違和感を感じた。
 今、目覚ましのスイッチを切ったのは誰の手だ?
 それを確認しようとベッドに手をついた瞬間、彼は”違和感”の正体に気がついた。
(う、腕が増えてる!? )
 余りにも非現実的な出来事に、男は慌てて自分の両腕をまじまじと見た。
 1つ‥2つ‥3つ‥4‥5‥
「腕が…6ぽんっ!?」
 自分の両肩からは左右それぞれ3本ずつ、合計6本の腕が生えていた。
 俺は飛び起きて、脱衣所にある大きな姿身で、己の姿を確認した。
「うわっ!!なんだこりゃ!!」
 増えていたのは腕だけでは無かった。
 顔が2つ。自分の本来の顔の両側面にできていた。片方はマスクのような平坦な、もう片方は
仁王のような顔。
 急に、昨日徹夜で読み耽っていたジャ○プ漫画『キン肉マン』が頭に浮かんだ。
 そう言えば、敵の超人にこんな姿の奴が‥‥確か名前は‥‥
「アシュラマン!?」
 そう。鏡には、間違いなく『あの』アシュラマンが映し出されていた。

581 :◇変身◇:04/06/28 22:57 ID:fStwp5jY
 アシュラマン。
 十数年前、一世を風靡した格闘漫画『キン肉マン』。
 アシュラマンは、その中で出てくる敵役の一人だ。魔界のプリンスで幾度にわたり主人公を
苦しめたが、後には強力な味方となって主人公の危機を助けた人気キャラだ。
 俺もこのアシュラマンが一番好きだった。しかし現実に自分がこの姿になろうとは…
 俺は、鏡に映る自分の姿を見て、完全に固まっていた。

 もしや、まだ俺は夢を見てるのだろうか‥?
 頬を思い切りつねってみた。
「痛っ!」夢じゃない。
 信じられないが、本当に一夜で俺はアシュラマンに変身してしまったようだ。
「は、は、は‥‥‥‥カ、カーッカッカッカ!!」
 思わぬ事態に俺は叫び声をあげた。
 それは聞きなれた声とは違う、妙な雄叫びとなって部屋中に響いた。
(続く…?)

582 :581訂正:04/06/28 23:35 ID:fStwp5jY
 もしや、まだ俺は夢を見てるのだろうか‥?
 頬を思い切りつねってみた。痛い。
 夢じゃない。
 信じられないが、本当に一夜で俺はアシュラマンに変身してしまったようだ。
「は、は、は‥‥‥‥カ、カーッカッカッカ!!」
 思わぬ事態に俺は叫び声をあげた。
 それは聞きなれた声とは違う、妙な雄叫びとなって部屋中に響いた。

(続く)


間違って確認前の文章UPしてました‥‥_| ̄|○

583 :作者の都合により名無しです:04/06/29 08:13 ID:KpW5YfIo
「変身」はカフカの小説が元ネタだろうか?だとしたらすごい高尚だw
期待してますので、のんびりと続けて下さい。

ちなみにカフカってノーベル文学賞受賞作家ね。
「変身」という小説は朝起きたら大きな虫になってて困ったなあ、って小説。

584 :オートマティック・レイバー:04/06/29 17:45 ID:w7Tr0Qma
>>535
7号の動きが、変わった。電磁警棒に背を向けて逃げることはなくなり、電流から
目を逸らすこともしない。ギリギリまで我慢して引き付けて、かわしている。
『今まで、わたしは甘えてた。自分はどうせ、ただのデータ収集要員……用品
でしかない。それが終われば、どうせわたしの運命は、って』
「よし! その調子だ!」
振り下ろしをかわした直後、電磁警棒が振り上げられる寸前、自分から向かって
いけるようになった。柄の部分には電流は走ってないから、後はそこに抱きつければいい。
『立たされた舞台で与えられた役割をするだけ、付けられた肩書きを全うするだけ。
そんな風に考えてた。決められた未来に、甘えてた……けど、それじゃだめなんだ』
「もう一息だ! あとワンテンポ、速く動けっ! ほらいくぞっ!」
一号機が踏み込み、そして電磁警棒を振り下ろした。7号がそれを見切り、紙一重で
かわす。そして間髪入れずVターンして、電磁警棒の柄に飛びつく。
『生まれがどうでも、未来がどうでも、関係ない。今のわたしは、特車二課の一員。
正義を執行する警察官。太田さんの、二号機の代理!』
「ぃよしっ! それだっ!」
電磁警棒の柄尻、一号機の指がかかっていない部分に、7号が両手で抱きつき、
両脚で踏ん張る。7号の全身の力と一号機の片手五指では勝負にならず、
電磁警棒はあっさりと、7号にひったくられてしまった。
一号機の、そして7号の動きが止まる。ついさっきまで一号機が握って振り回し、
7号が悲鳴を上げ逃げて惑っていた恐怖の凶器が、今、7号の腕の中にある。
「……で、できた……できたできたできたできた……わたし、できたっっ!」
7号が感動に打ち震えていると、一号機が静かに片膝をついて胸の辺りに
手を置いた。胸部ハッチが開き、太田が一号機の手を階段代わりにして、地面に
降り立つ。その疲れきった顔には、7号を称える笑みを浮かべている。
「よくやった、7号」
「太田さん……」
「以前巡査部長に聞いたが、自分の弱点、それも深いトラウマに根ざしたものを
乗り越えるのは並大抵のものではないそうだ。お前はそれを、見事成し遂げた」

585 :オートマティック・レイバー:04/06/29 17:46 ID:w7Tr0Qma
7号の小さな頭に、ぽん、と太田の武骨な手が置かれた。
「これで、次の任務からは活躍できるな。そしたら俺も、お前のことを
二号機代理として認めてや…………」
太田の手が、7号の手から力無く滑り落ちた。そのまま体ごと、地面に向かって一直線。
吸い込まれるように、太田は倒れ伏した。呻き声も上げず、ぴくりとも動かない。
「お、太田さん!? しっかりして下さい! 太田さん、太田さんっっ!」
7号が呼びかけても、揺さぶっても、太田は全く反応を示さない。
7号は慌てて太田を担ぎ上げ、二課棟へと走った。

太田は最初、自分がどうなっているのか理解できなかった。
『う……ぐ』
ずっしりと重い泥が全身にまとわりいているような。水分の少ない、固体に近い
底なし沼に沈んでいるような。とにかく、体が重い。動きたいのに、動けない。
だが意識だけは浮かび上がってきたので、何とか少しだけ、重い瞼を開けてみる。
どうやら自分は、寝ているようだ。上に見えるのは天井、そして傍らに女性らしき
人物がいる。
その女性が、水につけて絞った冷たいタオルで、額の汗を拭いてくれた。目覚め
させないよう気遣ってくれているらしく、静かに優しく拭いてくれている。
気持ちいい……子供の頃、高熱を出して寝込んだ時のことを思い出す。
「……おふくろ……」
「あ。気がつかれましたか?」
太田の耳に流れ込んできた、小さな鈴のような声。これは7号の声だ。
ようやく、意識がはっきりしてきた。ここは二課棟の宿直室、自分は布団に寝かされて
いて、そばに7号が正座している。
「……7号か」
「はい。隊長に、医務室よりここでゆっくり休んだ方がいいと言われまして」
「俺は、どれぐらい寝てた?」
「十五時間ほどですね。もうすぐ、おやつの時間ですから」

586 :オートマティック・レイバー:04/06/29 17:47 ID:w7Tr0Qma
そう答える7号の服は砂まみれで、髪も埃を被って乱れ放題だ。
「お前、もしかして訓練の後、そのままずっとここにいたのか?」
「はい。幸い、太田さんもわたしも、今日は非番でしたし」
「だ、だからって。別に、定期的に包帯を替えなきゃならんとかでもあるまいに」
と太田が言うと7号は、正座したまま、ぴっと背筋を伸ばして答えた。
「太田さんが倒れられたのは、わたしの責任ですから。警察官たるもの、自分の責任は
きちんと果たすのが当然かと。あと……泉さんの呟きを耳にしまして。あ、盗み聞き
したんじゃないんですよ。太田さん、ここに運ばれる時、うわごとでわたしのことを
褒めて下さっててですね。それを聞いた泉さんが、ぽつりと漏らしたのがたまたま耳に」
「泉が? あいつが何を言ったんだ」
7号が、ほりほりと頭をかいた。ちょっと顔が紅い。
「『太田さん、二号機に対してもこれぐらい愛情を注いであげればいいのに』って」
「……!」
太田が、7号に負けず劣らず紅くなって、ぐわばっ! と身を起こした。
が、その勢いは即座に強烈な目眩となって跳ね返り、太田の顔面を布団に突っ込ませた。
「ぅぐおうぅ」
「あ、だめですよ太田さん。まだ寝てないと」
7号が、太田を支えてもう一度ちゃんと寝かせた。掛け布団をかけ、改めて汗を拭く。
落ち着いたところで、太田が寝たままで言った。視線は少し、7号から外して。
「あのな7号。誤解のないように言っとくが、お前がさっき言った責任の話。あれと
同じだからな。俺は俺で、俺の責任、俺の職務を果たそうとしただけだ。お前が
失敗をしたら、それは俺の失敗でもある。俺の職務、つまり正義の執行に差し障りが
出る。それを防ごうとした。それだけのことだからな。いいな、誤解するなよ!」
「……はい」
7号は深く納得したような、そして少し嬉しそうな顔で頷いた。それからぽんと
手を打って、立ち上がる。
「あ、そうだ。ちょっと待っててください」

587 :オートマティック・レイバー:04/06/29 17:48 ID:w7Tr0Qma
7号は宿直室の隅の流し台まで行って、何やらごそごそして、帰ってきた。
その手にはお盆、その上にはコップが一つ。
「喉が乾いてるでしょう? 冷たい麦茶をどうぞ」
「おう、済まんな」
7号に支えられて、太田が身を起こした。そしてコップを手に取り、こくんと一口。
「……っ。な、ななごぉ」
「はい?」
「お前これ、何だ?」
どうにもよろしくなさそうな雰囲気を感じ取り、7号はおそるおそる申告した。
「え、えぇと。太田さん今、体調が良くないですから。それで、元気になって
もらおうと思って、ニラとニンニクと朝鮮人参とその他もろもろをすりおろして、
混ぜた……んですけど……」
太田の顔色を見て、7号が怯えている。太田は、この非常識メイドロイドめがっと
怒鳴りつけようかと思ったが、いや機械相手に大人気ない、と深呼吸して思い直し、
「ごほんっ。いいか7号。茶には飲み物だけでなく、一切の混ぜものをするな。
茶っ葉と湯だけでいい。他には何も入れるな。解ったな?」
「……はい。以後気をつけます」
萎れた様子で頭を下げる7号。太田は7号の淹れてくれた、冷たい異次元健康麦茶を
見て、そして頭を上げた7号の、しゅんとした顔を見て、
「7号。前にも言ったが、飲食物を粗末にするとバチが当たる。忘れるなよ」
ぐいっ、と一気に飲み干した。

588 :オートマティック・レイバー:04/06/29 17:53 ID:w7Tr0Qma
二課棟の宿直室で、太田と7号がなんだかんだでほんわかしていた頃。
ある大企業の研究室で、顔自体が笑ったようなつくりの男が、笑顔を浮かべていた。
「ふんふん、なるほどなるほど」
机の上に広げられているのは、レイバーの説明書と設計図。男の前には、机を
挟んでそのレイバーの開発者が立っている。
「篠原の次世代レイバーに対抗する、但し大きさやデザインには拘らない……との
ことでしたので。あちらさんのものとは違い、人間とは大きくかけ離れてます」
「いやぁ、いいよこれ。実に悪役らしいデザインで、ぼかぁ好きだな。それにこの名前だ。
人工知能のモデルが、これなんだろ? 君のコダワリ、充分入ってるんじゃないのかい?」
男がニヤリと、いや、にんまりと笑った。開発者も笑顔を返す。
「ご存知でしたか。邪悪な力で一大王国を築き上げ、全世界の永遠の支配者
たらんとした強大な魔術師……いえ、魔王の名前です。おとぎ話ですけどね」
「ふふ。不老不死を目指した魔王の魂が、遥かなる時を越えて永遠の体を手に入れた、
ってところかな。決して朽ちぬ、機械の体をね」
男が、説明書と設計図を改めて見返す。このレイバー、確かに外観は今までのレイバーと
大差ない。だがその戦闘力は、これまでの常識を大きく覆すものだ。少なくとも、篠原製の
どのレイバーと戦っても勝てるだろう。イングラムだろうと、レイバー婦警さんだろうと。
「『地球防衛軍』の連中を使って試した時に出た、あれ。7号だったかな。あれは随分、
期待はずれだったけど。製造過程で電流恐怖症になってたんだっけ?」
「ええ。それがなければ、ブロッケンJrが勝てたかどうか。ですが所詮ソフトの問題
ですから、治る時はあっさり治るでしょう。無論、こいつならそれでも負けませんが」
という答えを聞いた男は、満足げに深く頷くと、天井を見上げて言った。
「よ〜し、これからの企画七課は、『グリフォン』と『ザルツ』の二枚看板で
イケるぞ! 『ザルツ』のデビュー戦、早々に組んでやらなきゃなっと♪」
この男、シャフト・エンタープライズ企画七課課長、内海は徹底的に嬉しそうだ。
今その脳内では、イングラム二号機に続いて一号機、そして二号機代理が叩き潰され
鉄クズにされるシーンが、全米ナンバーワンヒットの大好評上映中なのであった。

589 :ふら〜り ◆XAn/bXcHNs :04/06/29 17:59 ID:w7Tr0Qma
ちょっと見ない間に、また随分と賑やかになりましたね。めでたい♪
VSさんやサナダムシさん、バレさん、そろそろ世界さんも、待ってますよ〜。

>>人魚姫さん
DBらしからぬ性的要素含むスプラッタ、と思っていたらDBに引っ張り戻させ
られた「セルゲーム」という言葉。馴染んだキャラが、馴染みのない空気に入って
いく感じ……これも二次創作の醍醐味ですよね。にしてもこんな、洋画風渋さ全開の
中で、クリリンがどんな風に出てくるのか。気になります。

>>田中さん
コピペですか。「田中一郎」ときたから、てっきりRかと思って読んでしまいました。

>>希望さん
ある意味、こうなって然るべきなんでしょうね。サイヤ人である以上。手強い敵が
いないと耐えられない、もどかしい。……考えてみたら勇次郎っぽいのかも。
話の流れからすると、トランクスにちゃんとライバルっぽいのが出てきそうですが。
はたして?

>>変身さん
内容も斬新ですが、カメラアイも斬新です! はっきりきっぱり「漫画の読者」の
視点からって、今までなかったかと(あったらすみません)。
あと三話あるんですよね? アシュラマンになってしまった彼の困惑混乱っぷり、
期待してますっ。

>>ザルツ
……すみません。超どマイナーです。使えそうなロボットに心当たりがなかったのと、
原作が大好きなもので。描写頑張りますので、どうかお許しのほどを。


590 :作者の都合により名無しです:04/06/29 23:49 ID:OMdqOXIa
ふらーりさん、変身作者さんお疲れ様でした。
これからも頑張って下さい。

591 :作者の都合により名無しです:04/06/30 02:46 ID:5zXcWJ6X
機械仕掛けの人魚姫 後編 第四話 >>568

荒涼とした大地に、乾いた生ぬるい風が吹く。
一年前、世界の命運を賭けたセルゲームが行われた場所。そこに立っている。
今はこの場所は国の管理下という名目で隔離されている。周りに人はいない。
好都合。ならば思い切り暴れられる、というものだ。

急に背後から声が掛かる。虚を突かれ、わたしは慌てて振り返る。
男が独りいた。今まで岩陰にでも隠れていたのだろうか。恐ろしく気配が無い。
 「ラブレターを出した相手が、デートの待ち合わせに遅刻か」
わたしは軽口を叩きながらも、用心深くその男を観察する。
痩せた肉体にきっちりとしたスーツ姿。背は低い。わたしより少し高いだけだ。
一見すると、何処にでもいるような貧弱なサラリーマン、という風体の男。
だが、わたしの中の本能が警報を発している。 …手強い、と。

 「いやいやいや、待つのも暇なんで、趣味に勤しんでましてねえ」
穏やか、といってもいい物腰で男は笑う。だが、気配は既に人のそれでは無い。
わたしは男が出てきた方角の岩に目を見張る。岩は真っ赤に染まっている。
その尖角に、まるで百舌のはやにえのように若い女が串刺しになっている。
全裸で傷だらけ。腕と足は既に無い。顔に快楽が浮かび、性器は血まみれ。

先ほど見た写真そのままの地獄絵図だ。わたしは男をキッと睨めつける。
 「おやおやおや、美しい女性がそんな顔はいけませんなあ。
  どうせあなたはあのお方の供物になるのですから、お健やかに」


592 :作者の都合により名無しです:04/06/30 02:48 ID:5zXcWJ6X
その欺瞞に満ちた紳士然とした態度に、わたしの頭に血が上った。
 「今までそうやって殺してきたのか。 …罪の無い人間を」
わたしの言葉に、上品な仕草で笑う男。虫唾が走る。笑顔のまま男は言った。
 「おや、あなたがそんな事でお怒りになるとは。私たちは同類。
  いや、姉弟なんですよ。お分かりになりますか?」
 「そうか。 …お前も、あの炭鉱の町にいた『ソコナイ』と同じか」

男は演技掛かった不満そうな仕草で、大袈裟に首を振って言った。
 「一緒にされては困りますねえ。わたしは、自分の意思でなったのです。
  超越者である今の私に。偉大なる、我が主のセル様に身を捧げてね。
劣等のセルジュニアが生んだ『ソコナイ』とは訳が違います」
 「自分の意思で、だと? どういう事だ?」
 「私はか弱かった。いつも虐げられていました。強者に憧れていた。
  その夢が、叶ったのです。セル様との出逢いによって。
  私は喜んでこの身を捧げました。そして今、世の全てを蹂躙出来る」
 「セルの細胞を、自分から受け入れたのか、せっかく人間なのに」
 「人間? 下らない下らないくだらなああああああいいいいッッ!!!
  私は人間を超えた存在、素晴らしいいいいいいいいッ!!!」

怒りが髪の毛まで隅々に行き渡った。人間を求めても、成れぬものもいるのに。
 「おっと失礼、私とした事が興奮しました。女性の前で失礼でしたな。
さてお話の続きです。セル様は、もうジュニアではない。成体に近い。
山奥の無能なセルジュニアと違い、我が偉大な主は立派に成長なされた。
ですが、完全体になる為に、まだ必要なものがあるのです。それは」

わたしはその言葉で、全て合点がいった。目を真っ直ぐ見据えながら言う。
 「わたしの特殊な生体エネルギー、だろう」


593 :作者の都合により名無しです:04/06/30 02:50 ID:5zXcWJ6X
その言葉に、目の前の自称・超越者は満足げに肯く。
 「さすがお察しが早い。あなたをセル様に献上するのが私の役目。
  いえ、超越者にしてもらった交換条件、といって良いでしょう」
 「今まで無残に殺した女たちの事も、セルの命令か」
男は胸の前に両の掌を広げ、大袈裟に被りを振って応えた。
 「い〜え〜。あれは、純粋に私の趣味。夢だったんですよ、アレ。
  美女を、それも金髪の若い飛び切りの美女を、犯して殺すのが。
  あなたへのメッセージにもなりますしね。一石二鳥ですな」

体中を震えが駆け抜ける。怒り、それも天を衝くほどの怒りが込み上げて来る。
 「最初に一言、お礼を言っておくよ。お前が外道である事に感謝する。
  無理矢理『ソコナイ』にされたのなら殺したくは無かった。
  だが、つまらない欲を満たすために人間を捨てたとはね。 …ありがとう。
  遠慮なく、お前をこの世から消す事が出来る」

男はその言葉にしばし冷笑する。丁寧だが、まるで見下すような口調で言った。
 「そんな事にお怒りだとは。同じ穴のムジナでしょう、私たちは所詮。
  それに、私には絶対に勝てません。たとえ戦闘力はあなたが上でもね。
  ……あなたを捕獲するために、私はセル様に遣わされたのですから」

何故、セルが自らわたしを捉えに来ずに、この男を派遣したのか分かった。
セルは警戒しているのだ。まだ完全体で無い自分では、勝てないと思っている。
おそらくわたしではなく、孫 悟飯やベジータを。
自分が戦うと、その気から存在が知れてしまい、倒しに来る事を恐れたのだ。


594 :作者の都合により名無しです:04/06/30 02:52 ID:5zXcWJ6X
わたしは既に戦闘態勢に入っている。構えを取っていないだけだ。
会話をしながら、何時でもどんな攻撃にも対応出来るようにしている。
 「お前を殺す前に、最後の質問だ。 …あの人は、クリリンはどこだッ」 
吹き上がる感情を抑えきれずにわたしは叫ぶ。男の右手が触手に変化していた。
 「殺す? あなたが、この私を? ククク、フヒャヒャヒャハハハハハッ。
  無理、絶対に無理ですよ。私は最強の『ソコナイ』であり、超越者です。
  あなたがガラの町で倒した、クズのセルが生んだ量産タイプとは違う。
  偉大なる我が主が生んだ、たった2人しかいない戦闘タイプです。
  言ったでしょう、あなたは、ぜえええええったいに、勝・て・な・い」

ゲスな本性を現したらしい。品の無い哄笑と冷酷な目、下卑た表情が鼻につく。
 「あなたはイイ。スゴク、イイ。今までの美しいだけの女とは訳が違う。
  貴品も魅力も段違いだ。セル様は生きてさえいれば良いと言われた。
なら、切って、刺して、刻んで、犯して犯して犯して犯すうううッ」
 「黙れ。わたしの質問にだけ応えろ。すぐに殺してしまいそうだ」
 「フフ、いいでしょう。応えます。私は紳士ですからね。美女には特に。
  グリーンシティの外れに、今は廃屋になった教会がある。そこです。
  あなたの連れのハゲ頭はそこにいます。 …セル様に捕らえられて、ね」

とうとう。とうとう、あの人の場所が分かった。 …ほんの少し胸が熱くなる。
ごめんな、レック。やっぱりお前の言う通り、グリーンシティにいたんだな。

わたしがそんな事を一瞬考えている間に、男の気配が完全に魔物に変わった。
 「ククク。戦闘タイプの力、思い知ってもらいましょうか、お嬢さん」


595 :作者の都合により名無しです:04/06/30 02:53 ID:5zXcWJ6X
間合いは約10メートル。この距離は、わたしたちの間には無いも等しい。
わたしが踏み込もうとした瞬間、いきなり、男の右の触手が飛んできた。
胴体から細く、しかし鋭く一直線に飛んでくる。かなり、速い。
だが、それは常人レベルの話だ。わたしにはスローモーションに等しい。

相手のパワーを確かめるために、避けずに左腕でパーリングをして弾いた。
パンッ、と鞭の打突音のような響き。触手は大きく横に流れていった。
間髪いれず左の触手が風を切りながら襲い掛かってくる。
だがわたしは見切っていた。 …わたしの相手になるような、レベルじゃ無い。
わたしはタイミングを測り、右手でその触手を受け止める。
 「どこが最強の『ソコナイ』だ? お前より強いのは、ガラに沢山いたぞ」

わたしは力任せに触手を引き千切り、その場にゴミのように放り捨てた。
触手はうねうねと地を這い、男の下へ帰っていく。そして男の体に吸収された。
いつの間にか、男の左の触手が元通りになっている。復元能力は高いらしい。
 「なるほど。便利な体だな。だけどもう粘土遊びは終わりだ」

わたしは右手にエネルギーを集め、10メートル先の男へと発射した。
絶叫しながらバラバラになる男。外道には相応しい死に様だろう。
背中を向け、飛び立とうとした。グリーンシティへ向かうためだ。だがその時。
背後に、邪悪なオーラを感じ、わたしの動きは止まった。


596 :作者の都合により名無しです:04/06/30 03:10 ID:5zXcWJ6X
不穏な気配に、わたしは油断無く振り向いた。そしてそこの光景に驚愕する。
地に散らばった男の肉片が、一箇所に集まりだしたのだ。
まるで細胞が、意思を持っているように。そして集まった場所で液体となる。
溶けた細胞がドロドロになり、液体になると、不気味な煙を撒き散らしていく。
そしてその液体は人型をかたち取り、ゆっくりとその人型は起き上がる。
そして安定していく。固体へと。

完全に安定したその物体は、ほんの数秒前の原型を取り戻していた。
 「言ったでしょう、戦闘タイプだと。私にあなたの攻撃は利きません」
細胞から完全に復元した男は、ニヤリと笑いながらわたしにそう言った。

バカな。 …狼狽が表情に出てしまう。男は再度、触手を伸ばし始める。
落ち着け。焦るな。 …確かに、再生復元能力は異常に高いらしい。
だが、奴の攻撃はわたしにダメージを与えるほどの威力は無い。条件は五分。
いや、いくらなんでも再生能力にも限界はあるはずだ。だったら……。
ぐるぐると思考が空回りする。大丈夫だ。滅するまで攻撃すれば良い。
奴に、わたしを倒せる攻撃は無いのだから。

男が笑う。両腕の不気味な触手を空に放ちながら、弱者をいたぶる卑しい目で。
 「あなたの考えている事、私にはお見通しです。そうですな、その通り。
  攻撃されても復元可能な私と、ダメージを受けないあなた。
  互角ですな。いや、いくら私でも何回も復元出来るとは限りません。
  もしかしたら、このままいけば私の負けかも知れませんなあ。
  だぁぁぁぁぁが、しィィィィかァァァァしィいいいいいッ!!!!」


597 :作者の都合により名無しです:04/06/30 03:12 ID:5zXcWJ6X
シュッと空裂音がして、触手が襲い掛かってきた。わたしは跳ね返そうとする。
だが、本能がそれを却下した。避けろ、そうわたしの勘が告げたのだ。
すんでのところで触手を避けた。僅かにかすった腕を見て、冷や汗が流れる。
エグり取られている。 …肉が。血がだらだらと滴り落ちる。そんな、何故?

また片方の触手が襲い掛かってきた。今度は大きく距離を取り、完全に避けた。
その時、わたしは聞いた。不気味な音を。シュイイイイン、という金属音を。
触手の先を凝視した。戦慄が走る。形態が変わっていた。
先がトゲのように尖鋭化され、高速で回転している。まるでドリルのように。
 「クク。お嬢さん。戦いはパワーがあれば勝つ、というものでありません。
  如何に上手く自分の能力を使い、効率良くダメージを与えるか、です。
  もう一度言いましょう。 …あなたは決して、私には勝てませんよ。
  フヒャヒャヒャ、今日の獲物は最高だ、ショーー、タァーーイムッ!!」

男は興奮している。目は血走り、股間はエレクトし、恍惚の表情をしている。
ほんの少し前までの紳士的な物腰は欠片も無い。快楽殺人者そのもの。
わたしは両腕でガードを固める。あの鋭いドリルのような触手に触れば、
腕ごともぎ取られるかも知れない。落ち着け。わたしは自分に暗示を掛ける。
大丈夫だ。スピードもわたしの方がずっと速い。 …あの両腕は、凌ぎ切れる、
だが、その暗示もすぐに無駄に終わった。

男の腹からにゅるにゅると、3本目の触手が現れたからだ。


598 :作者の都合により名無しです:04/06/30 03:21 ID:3u9umxfo
>人魚姫作者
夜中に乙です!絶好調ですね。

599 :人魚姫作者:04/06/30 03:30 ID:5zXcWJ6X
戦いは出来るだけ省きたいのですが、4話に入れ切れませんでした。
この話はあくまでクリリンを求めてさ迷う18号を書きたいのですが。


以下の話、「うそつけ」と思っていただいても結構です。

私の友達が鳥山 明氏の家の近くに(1キロほど離れてますが)住んでいて、
その友達が仲間を連れて鳥山氏の家を見に行きました。仲間の希望で。
そして何故かそいつらは、鳥山氏の家に向かって叫び始めたそうです。
「鳥山ー、出てこいや!」 「俺に許可無く儲けてんじゃねえ!」 「金くれ!!」
などと、5分ほど。警察呼ばれても仕方ないほどに騒いだそうです。
ま、当然出てこなかったそうですが。

それから4ヵ月後。名作「ドラゴンボール」の連載は突然終わりました。
ひょっとしたら、そいつらのエールが突如終了の原因の5%くらいあったかも。

私は行ってませんからね、その時。聞いた話ですよ。



600 :作者の都合により名無しです:04/06/30 04:19 ID:kuJX6U9V
あれ、Pさんだったのか?

601 :◇変身◇:04/06/30 05:44 ID:wJPZvbVw
【承】
アシュラマン。
十数年前、一世を風靡した格闘漫画『キン肉マン』。アシュラマンは、その中で出てくる
敵役の一人だ。魔界のプリンスで幾度にわたり主人公を苦しめたが、後には強力な味方となって
主人公の危機を助けたこともある人気キャラだ。
俺もこのアシュラマンが一番好きだった。
しかし現実に自分がこの姿になろうとは夢にも思ってなかった。

「一夜あけたら姿が変わってました、なんてカフカの小説じゃあるまいし‥」
昨日読んでた小説が頭に思い浮かぶ。
フランツ・カフカの書いた小説『変身』。
「男が目を覚ますと、一匹の巨大な虫に姿が変わっているのを発見した」という出だしで始まる小説である。
俺の場合は虫ではなくアシュラマンになったわけだが、状況はかなり似ている。

602 :◇変身◇:04/06/30 05:46 ID:wJPZvbVw
(‥あの小説では、怪訝に思った主人公の雇い主や家族が、部屋に強引に押し入ろうとしてきたよな‥)
俺は『変身』のストーリーを思い出していた。
一人暮らしの俺の部屋に家族が来ることはないが、上司が電話を入れてくる可能性は高い。
「とりあえず会社に電話を入れておくか」
今日の休みと、ついでに有給を取るために会社へ電話を入れた。

ジリリリ‥‥
「はい、こちら××商事です」
「カーカカカカカカカ!!‥‥‥‥おはようございます。八神です」

‥‥変な奴と思われただろうな。
自分では「もしもし」と言ったつもりなのだが、何故か妙な叫び声に変わってしまう。
「何だ、八神か。どうした? 変な声出して?」
「実は今朝から喉の調子が悪くて…」
とりあえず、体調不良を理由にしばらく休暇をもらう事を上司に頼んだ。
幸い仕事は閑散期なので、何とか上司も納得してもらえたようだ。 

603 :◇変身◇:04/06/30 06:45 ID:wJPZvbVw
これでひとまず、職場にバレるという危機は回避できた。
しかし根本的な問題は解決していない。俺の身体はまだアシュラマンの姿のままだ。このままでは
社会に出た瞬間に俺の人生はアウトだろう。
カフカの小説では、自分の居場所はないと悟った主人公が死んでいくというラストだったが、
そこまで達観できるほど俺は人間が出来てない。
「何か治す方法はないか」俺は必死で打開策を考えた。

1.
『治す』という単語から最初に病院が頭に浮かんだ。やはり専門家に頼るのがいい。
しかしどうやって病院まで行こう。救急車を呼ぶという方法もあるが、「目が覚めたらアシュラマンに
なったのですが」なんて言った日には、黄色い方の救急車が来ること間違いなしだ。
第一まだ病気と決まったわけじゃない。
「‥‥却下」
2.
次に浮かんだのはお祓いだ。
今回のような非現実的な出来事には医学よりこっちの方が有効だろう、たぶん。
電話帳をたぐると、祈祷師の広告が幾つかあったので早速電話した。
「あの〜アシュラマンになったのですが、人間に戻りたいんです」
「‥‥冗談はよしてください」ガチャ、ツーツー
他の祈祷師にも電話したが、反応は同じだった。祈祷師の癖に頭の固い奴らだ。

604 :◇変身◇:04/06/30 06:51 ID:wJPZvbVw
3.
「そうだ、あそこなら何か分かるかもしれない」
俺はパソコンを立ち上げ、某巨大掲示板にアクセスすると、『懐かし漫画板』へと飛んだ。
相変わらず様々な話題が飛び交っている中、俺は一つのスレッドを立てた。


【(´・ω・`) ショボーン】目が覚めたらアシュラマンになってますた 

 1 名前: 愛蔵版名無しさん 投稿日: 04/07/01 10:15 ID:8nAmaruYsa1
   今朝目が覚めたら体がアシュラマンに変わってた
   とにかく不便でしょうがないです
   何かいいアイディア下さい

605 :◇変身◇:04/06/30 06:54 ID:wJPZvbVw
 2 名前: 愛蔵版名無しさん 投稿日: 04/07/01 10:22 ID:???
   糞スレ終了
 3 名前: 愛蔵版名無しさん 投稿日: 04/07/01 10:25 ID:???
   2ゲット! しかもsage
 4 名前: 愛蔵版名無しさん 投稿日: 04/07/01 10:25 ID:???
   削除依頼して来い>>1

‥‥
やはりというか、叩かれたようだ。
数時間待って、俺は再びスレッドを開いてみた。

 14 名前: 愛蔵版名無しさん 投稿日: 04/07/01 14:25 ID:???
   関西では再放送中だよ
 15 名前: 愛蔵版名無しさん 投稿日: 04/07/01 14:51 ID:???
   鉛筆4本駆使してウォーズマンごっこをしたのは俺だけではないはず。
 16 名前: 愛蔵版名無しさん 投稿日: 04/07/01 15:09 ID:???
   キン肉マンごっこではラーメンマンが人気あった
 17 名前: 愛蔵版名無しさん 投稿日: 04/07/01 15:28 ID:???
   俺のとこでは牛だな
 18 名前: 愛蔵版名無しさん 投稿日: 04/07/01 16:03 ID:???
   ナチグロンも語ってあげて下さい

‥‥
どうやら完全にネタスレになってしまったようだ。俺はパソコンを閉じた。

606 :バレ:04/06/30 06:59 ID:wJPZvbVw
元ネタは>>583様の言うとおり『変身』です。

人魚姫作者様、ふら〜り様。乙かれさまです。

607 :作者の都合により名無しです:04/06/30 07:32 ID:fMe2TO5f
人魚姫さんの更新ペースと質に敬意を表します。面白い。
しかし後書き凄いですねw
「変身」バレさんだったんですか。気付きませんでした。
でも、2ちゃんを出すアイデア面白いですね!

608 :作者の都合により名無しです:04/06/30 07:45 ID:PDM/DUdE
台詞回しや八神ってとこから連想したんだけど「課長馬鹿一代」?

609 :作者の都合により名無しです:04/06/30 07:56 ID:fMe2TO5f
ところで、そろそろ次スレ?
メモリはまだあるの?スレタイは?

610 :作者の都合により名無しです:04/06/30 08:46 ID:sGKBkBUY
数スレ前から思ってたんだが次スレから漫画のタイトル含を復活させないか?
その方がスレタイ初めてみる人が興味がわきやすいだろう。
今ならバキとDBとドラえもんは入れときたいところだ。

611 :作者の都合により名無しです:04/06/30 09:01 ID:fMe2TO5f
DBはヤムスレがあるから表立ってはやらない方がいいと思うよ。
でも、漫画名を入れるのは賛成。そうだ、ATレディは?

612 :作者の都合により名無しです:04/06/30 09:37 ID:ybBXQitB
作ってみたがこんな感じか?ついでに文章も少しいじった。
DBはヤムスレに遠慮して外した方がいいかもね。

【バキ・DB】漫画ネタ2次創作SS総合スレP-15【ドラえもん】

元ネタはバキ・男塾・JOJOなどの熱い漢系漫画から
ドラえもんやドラゴンボールなど国民的有名漫画まで
「なんでもあり」です。

元々は「バキ死刑囚編」ネタから始まったこのスレですが、
現在は漫画ネタ全般を扱うSS総合スレになっています。
色々なキャラクターの新しい話を、みんなで創り上げていきませんか?

◇◇◇新しいネタ・SS職人は随時募集中!!◇◇◇
SS職人さんは常時、大歓迎です。
普段想像しているものを、思う存分表現してください。

過去スレや現在の連載作品は>>2以降テンプレで

前スレ
【総合】漫画SSスレへいらっしゃいpart14【SS】
http://comic4.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1084370711/
まとめサイト  
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/index.htm

613 :作者の都合により名無しです:04/06/30 12:57 ID:1uzXwCmF
いいんじゃない?オレもDBはまずいと思うけど。
スレタイは難しいね。

614 :作者の都合により名無しです:04/06/30 15:08 ID:Xj8IPxBn
ATレディでは興味をひく効果は薄いと思われ。w
せめてパトレイバーで。SSは良いけどね。

615 :範馬勇次郎氏ね:04/06/30 17:43 ID:m7hy1yzw
勇次郎「邪ッ」
「うぎゃあああああ!!」
勇次郎「くいたりねえ・・・」
ナッパ「じゃあ俺が相手になろうか?」
勇次郎「・・・・・ッッッ」
ナッパ「行くぜ!」
勇次郎「う・・ugoooooooooooo!!!」
ナッパ「クンッ」
勇次郎「かぁぁっぁぁぁぁぁ!!」
ジュッ
ナッパ「ふん、味気ない奴だったぜ」

616 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・71:04/06/30 18:14 ID:TcGEYzcV
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「・・・・ハッ!?」
突然、目覚める。なにか大きな胸騒ぎ、そして喪失感と共に・・・。
ガバと起きあがった少女。特徴的な大きな美しいブルーの瞳。
淡いピンク色の髪の毛。リルルである。
その場所は冷たい地べたではなく温かいベッドの上であった。
ふと、見やればベッドの脇で寝息を立てている少女の姿が目に入る。
顔は見えない。が、むしょうに懐かしさがこみ上げ、なぜかはわからない。
その少女が誰なのか体が理解する。友達。生まれて初めての。
静かに少女の名を呟く。
「・・・・しずかさん?」

その声に反応したのか少女が目を覚まし顔をあげる。
寝起きの顔は瞬時に驚きと喜びの入り混じった顔に変化し、
弾んだ声でベッド上のリルルの名を叫ぶ。
「・・・リルル!!よかった!気が付いたのね。」
明るい色の髪の毛はゴムでくくられ、大人しめの印象を受ける。
タイプは違うがリルルに負けず劣らずの美少女である。
その無邪気にはしゃぎ喜ぶ少女はやはり、
リルルの思った通りの人物、源しずかであった。

「あら、お目覚めみたいね。安心したわ。ちょっと待ってて。まだ、みんな
出発してないから。今、しょくぱんマンさんやお友達を呼んできますわ。」
そう言って部屋に顔を出したのは地底世界の竜人の女の子ロー。

617 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・72:04/06/30 18:16 ID:TcGEYzcV
部屋の扉の向こうからワイワイと賑やかな声が近づいてくる。
「リルル!もう大丈夫なのか!?」
「ホントにあの時のリルル?」
「よかった。目が覚めたんですね。」
口々にリルルに声をかけながら現れたのは、
かつてのリルルをよく知る少年、ジャイアンにスネオ。
そして、窮地のリルルを救ったしょくぱんマン。

「みんな・・・わたし、一体どうしてここに・・・?」

「やあ、お目覚めかい?腹部に少々、破損が見られたから勝手ながら
修理させてもらったんだが・・・具合はどうかね?」
見知った顔の後ろから、おっとりと現れたのはまん丸顔に白いコック帽の
やさしげなおじさん。ジャムおじさんだ。言われてリルルは腹部を見やり・・・

「痛くない・・・・ハッ!? そう!わたし・・・あのとき・・・
衝撃に思考が途切れて・・・・・・?」

突然、頭を抱え考え込むリルル。苦しんでいるようにも見える。
心配し、駆け寄ろうとする一同。
が、しかし人差し指をそっと口にあて待ったをかけるジャムおじさん。
「静かに・・・そっとしてあげるんだ。今、彼女はなにかを思い出しかけているのだよ。」

そして・・・蒼白な顔でリルルが呟く・・・。
「そうだわ! のび太さん! のび太さんは・・・!?」

・…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

618 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・73:04/06/30 18:17 ID:TcGEYzcV
「そうか・・・。のび太くんまでも捕まってしまったか・・・。」
出木杉の落胆した声。出木杉は参謀の自覚か騎士然とした武装に身を包んでいる。
となりにいるバンホーもこれまた重武装だ。立場上普段からこうなのであろうか。

「く・・・! あの時、私があの悪者を追いかけていれば・・・!」
悔やむしょくぱんマンに声をかけるアンパンマン。
「しょうがないよ。この子の状態を考えれば、その時のキミの判断は正しいと思うよ。」
「しかし・・・。」
なおも悔やみ続けるしょくぱんマン。

その声をさえぎったのはリルルであった。
「のび太くんまで・・・というと他にも誰か・・?」
「ドラえもんくんだ。」
と、リルルの問いかけに今度はバンホーが答える。
「・・・そう。・・・やっぱり・・・。」
撃墜されたのは知っていても、やはり気は重い。

「やっぱり・・・?」
「ええ、私ドラえもんさんが戦闘機に打ち落とされるのを目撃したんです。
その後、なんとかのび太くんだけは助けられたんだけど・・・。」

(報告にあった空飛ぶ少女・・・まさかな・・・。)
考え込むバンホー。ふと出木杉と目が合う。恐らく同じ事を考えたのだろう。
二人小さく頷き合い、バンホーは尋ねる。
「変わったことを尋ねるが・・・キミは空を飛ぶ道具を所持しているのかい?」
「・・・・え?」
きょとんとした顔のリルル。

619 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・74:04/06/30 18:19 ID:TcGEYzcV
「あ、いや、すまない。変なことを聞いてしまって・・・。
そんな突拍子もない・・・」
「空を飛ぶ道具は持ってないですけど・・・空は飛べます。」
「そうだよな。飛べるわけ・・・・えっ?」
「私の体には反重力発生装置が内臓されてるから・・・。ほら。」
と言いながら飛んで見せようとするリルル。が・・・飛べない!
「・・・・・あれ?おかしいわ。・・・飛べなくなってる?」

一連のやりとりを眺めていたジャムおじさんが、すまなさそうに申し出る。
「ああ、すまないねぇ。反重力装置か。キミの体の中にそれらしいものは
あったんだが・・・私の技術ではちょっと直すことが出来なかったんだ。」
「じゃあ、私・・・もう飛べないの・・?」
「大丈夫だよ。ドラえもんさえ戻ってくればきっと直してくれるよ。」
スネオの言葉に力強く頷くジャイアンとしずか。

「ふむ。それはかまわないとして・・・。
と、いうことはひょっとしてキミは巨大ロボットにも心当たりが?」
「ジュド―のこと?ジュド―は私の心強い味方。
のび太さんを助けたのもジュド―なの。」
「ふむ・・・。興味深・・・・」

その時、会話をさえぎるように一人の竜騎士が部屋に入ってくる。
一瞬にして空気が緊迫する。ローやしずかの顔が心なしか青ざめて見える。
事態を把握していないリルルを除く、その場にいるもの全ての表情が変化する。
そう。今まさに戦いに臨む戦士の表情に・・・!

「バンホーさん。出木杉さん。そろそろ時間が迫っています。準備を・・・!」

620 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国:04/06/30 18:30 ID:TcGEYzcV
また忘れてた。前の話です。
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-long/dekisugi/07.htm

621 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・75:04/06/30 18:51 ID:TcGEYzcV
「わかっている。既に、われわれの準備は完了している。」
伝言の騎士にそう答え、リルルに早口で告げる。
「リルルくん。キミが帝国の人間でないという保障はない。が、それを確かめる
時間もまた我々にはない。しずかくんたちの言うことは全面的に信用している。
よって、キミのことも信用する。しかし、我々が戻るまでは、ここで彼らと一緒に
いてもらうよ。いいね?」
「・・・・・・!?」
いまだ突然の状況の変化に理解が追いつかないリルル。

その返答を待つことなくバンホーは毅然とした態度で、周囲に指示を出し始める。
「救出に向かうメンバーは・・・私と出木杉くん。アンパンマンさん。カレー
パンマンさん。そして、反乱軍の精鋭竜騎士総勢30名だけだ。」

くやしそうにうつむくジャイアンに気を使ったのか説明を追加するバンホー。
「・・・悪いが今回は作線上、冷静な判断ができる人材が求められる。
戦力的には重要だが感情的になりやすいジャイアンくんには不向きと判断し、
涙を飲んでもらった。その剛勇は守りという重大な役目に活かしてもらう。」
友を取り戻すための戦いに参加できないことが悔しくないはずがない。
しかし、自分の役割の重要さを理解し、ジャイアンは力強く答える。
「まかせてください!・・・出木杉!二人のこと・・頼んだぞ!」
「ボ、ボクも・・・!」
と、やや頼りないながらもスネオも胸を張って答える。

「ジャムどの。万一の場合守りの方、よろしくお願いします。」
「まかせてください。アンパンマンカーの準備は万全ですぞ!」

さわやかな笑顔で出木杉も続ける。
「しょくぱんマンさん。女性陣の守りはおまかせしますよ。」
「もちろんです。この命にかえてもお守り致します!」

622 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・76:04/06/30 18:52 ID:TcGEYzcV
目覚めてすぐの急速な話の流れにリルルが慌てて待ったをかける。
「ちょ、ちょっと待ってください!なんでそんなに戦いを急ぐの!?
今すぐに動いても勝ち目はあるの!?」

「状況が変わった。まず・・・最初からわかっていたことではあるが、
帝国の目的がやはり、地上進出だということがはっきりした。
さらに諜報部隊の報告によると敵の戦力強化がここにきて凄まじい速度で
展開しているらしい。悠長に戦力を整えていればその戦力差は開くばかり。
というよりも、こちらは現状ではこれ以上の戦力増加は見込めないのだ。
なんとか小人数でドラえもんくんを奪回し、そのまま敵の頭を叩く。
それ以外に我々に勝ち目はない!」

(地上進出・・・!そうね。あの軍備。軍事都市の建設地。
それ以外に考えられないのはわかっていたけど・・・)
「こちらの戦力は?」
「・・・・わずか200人ほどだ。諜報部隊や各所に配置した警備・斥侯
の者たちを除けばもっと少なくなる。」
「・・・・帝国の兵力は?」
「キミたちの住む地上の国家に存在するような軍隊ほどには多くはない。
が、少なく見積もっても竜騎士部隊だけでも1万は下らないだろう。」
「一万対200!?それじゃとても勝ち目なんか・・・」

「もちろん、兵力や単純な軍事力では勝負にならない。だからこそ
現状では、ドラえもんくんとその秘密兵器の奪回は必須条件なのだ。」

「しかし、秘密道具は既に敵の手に渡ってしまったと見てもいいのでは?」
「確かにな。だが、どちらにしろ未来の技術である以上、解析には相当時間が
かかるものと見ている。よほどの研究スタッフでもいれば話は別だが・・・。
解析が完了し、やつらが未来の秘密道具を使いこなしはじめてしまっては
手のつけようがなくなる。もはや、我々に悠長に待っている時間はないのだ。」

623 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・77:04/06/30 18:53 ID:TcGEYzcV
申し訳なさそうな表情で出木杉が言う。
「すまない。僕もできる限り確率の高い安全な方法を模索したんだけど・・・」

「駆け足ですまないが説明は以上だ。
・・・そろそろ決行の時刻だ!」

「私・・・私も連れていってください!ジュド―は大きな戦力になるはずです!」

リルルの言葉に小さく笑みをかえすバンホー。それは感謝の微笑みか。
「・・・ありがとう。そのロボットが実在するのならば戦力不足の我等にとって
確かにこれ以上ないうれしい誤算だ。だが・・・作戦はあくまで小人数による
ゲリラ戦だ。ジュド―くんを使えば正面きっての全面戦争になってしまうだろう。
そうなれば当然我々反乱軍に勝ち目はない。」

続けて、遠く虚空を見つめながら・・・少し寂しげな表情で・・・
「それに私は・・・帝国側にもなるべく犠牲者を出したくはないのだ・・・。
ジュド―くんはここの守り。キミたち自身を守るために役立てておいてくれ。」

だが、次の瞬間には瞳に力がこもり、瞬時にしてその身に気力が充実する。
「安心したまえ!・・・我々は・・・・・必ずここに戻ってくる!
ドラえもんくん。そしてのび太くんを連れて・・・な。」
そう言ってニヤリと笑うバンホー。不思議と周りを安心させる力強い言葉。
生まれもっての将の器だろうか。出木杉は感嘆し、そして同時に確信する。
絶望的なこの状況に一筋の希望が見出せるとすれば、それはドラえもんの秘密兵
器でも、出木杉自身の頭脳でもない。このバンホーの将相に他ならない、と。

624 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・78:04/06/30 19:17 ID:TcGEYzcV
「・・・バンホーさん・・・!」
バンホーの言葉にジャイアンもスネオもみな自然、表情に力が戻る。

その時、外からカレーパンマンの大きな声。
「おーい!こっちは全員準備万端だぜ!行くならとっとと行っちまおうぜ!」

一同が外へ出てみると・・・
選抜された竜騎士たちがズラリと規律正しく整列している。
その周りには守護に残った同じく竜騎士100数名。
みな、覚悟の決まった勇ましい表情は小人数といえどまさに圧巻。
あとは、バンホーの号令を待つばかりといった状況である。

バンホーはその一団の先頭に立ち、おもむろに語り鼓舞し始める。
「みな、各々の役割は理解しているな。これはゲリラ戦だ。
事態はめまぐるしく変わる。しかし、優先順位は常に変わらない。
決して熱くなるな。氷の精神で正しく状況を判断しろ。
死に急ぐな。生き残れ!いくぞ!」

最後に一際よく通る大きな声で・・・!
「出立だ!」
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

盛大に雄たけびをあげ死地に赴く精鋭部隊。

625 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・79:04/06/30 19:18 ID:TcGEYzcV
やがて、みなが地平の彼方へと消え去った後・・・
ローが・・・最も明るく気丈に振舞っていたローがよろめき、その場に崩れ落ちる。
「ローさん!?」
しずかが、ジャイアンが、しょくぱんマンたちが慌てて駆け寄る。
「大丈夫・・。ありがとう。ちょっと疲れただけだから心配いらないわ。」
その言葉とはうらはらに顔色は悪い。
バンホーたちの去った方角をじっと見つめながら・・・小さく胸を押さえ呟く。
「・・・・兄さん・・。どうか、無事で帰ってきて・・・・・。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

キスギーの要塞を含む軍事拠点全てを一望できる崖の上。
そこに颯爽と立ち、見下ろす3人の人影。なぜか泥だらけ。
青・赤・黄色とそれぞれ派手な色のヘルメットを深くかぶり
同じく様々な色のマントが地底の風になびいている。

泥だらけの体をはたき、汚れを落としながら感慨深げに呟く3人。
「ようやく辿り着いたわね。地底帝国・・・!」
「バードマン情報はやはり確かだったわけか・・・。しかし・・・
あんな酷い道とは思わなかったな。バードマンのやつめ!」
「仕方ないでしょ。他の場所は全部、見張りがついてたんだから。」
「ウキ―!」

「パーやん。無事でいてくれるといいんだけど・・・。
 ホントにいつもいつもムチャするんだから・・・」
「うーん。パーやんのことだから大丈夫とは思うんだけど・・・。」
「ウキィー・・・」

626 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国・80:04/06/30 19:19 ID:TcGEYzcV
「さて、さしあたってどうするか・・・。」
「あの抜け道はもう崩れちゃって使えないわよ。」
「敵を倒さなきゃ帰れないってわけか・・・・!」
「面白いじゃない!さ、さっそく突入しましょ!」
「おい!まだ敵の戦力がどんなものかもわかんないのに!」
「こういうのはやってみればなるようになるものなのよ!
いっくわよー!それー!」
「おーい!待てよパー子!」
「ウッキィー!!」

突如、現れた3人組は空を舞い一直線にキスギーの要塞を目指していく!
そして・・・それを感知したのか要塞の窓が赤く不気味に光り・・・
宙を舞う3人に向け無数の熱線が照射される。数機の戦闘機が飛び立つ。

帝国にとっても誤算だっただろう。3人の機動力・戦闘力は凄まじく
無数の熱線は全てかわされ逆に戦闘機は全て撃墜された。
突然現れたたった3人の侵入者を相手にした予想外の展開に警報が鳴り響き、
にわかにあわただしくなる地底帝国。戦闘機の大群が急遽発進する。
要塞の一部が開き、熱戦よりも強力な砲台が現れる。

現れた3人組の正体は伝説の英雄“パーマン”。
反乱軍に先駆けて今、一つの戦いが開始された・・・!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

627 :ドラえもん のび太の地底出木杉帝国:04/06/30 19:35 ID:TcGEYzcV
ふら〜りさん、人魚姫さん、バレさんお疲れ様です。
もう次スレに季節になりましたか。
今スレ中に出木杉の次の更新ができるかどうか・・・。

突然なぜかジャンプ話ですか。今はワンピースとアイシールドさえ読めれば
買っても十分元が取れるので安心です。でも、来週はワンピが休載とは・・・。
来週は剣ちゃんが活躍するので大丈夫かな。ハンターはちゃんと載ってる時が
なにか間違ってるので今週はこれで正しいですよ。けして落丁ではないです。

628 :『誇り高き、希望』:04/06/30 21:40 ID:+AMM6EZj
>>573より

天下一武道会。数年に一度だけ行われる天下一を決める武道の大会である。
去年の好評から2年連続開催されるわけだが、所詮は「人間」の武道大会でしかない…ハズ、だった。

トランクスは大会開催地・南の街アガマッパにいた。乗って来た反重力飛行機をカプセルに戻し、ジャケットの
ポケットに突っ込むと、期待に満ちた表情を浮かべた。戦いの予感に震える、サイヤ人の目である。
そう、トランクスは感じたのだ。自らを凌駕する程の、強大な力の奔流を。

それはつい昨日の事だった。
例の修行地からの帰宅途中、トランクスははるか南の方角にほんの一瞬だけ、巨大かつ強大な気の爆発を
感じた。聞き間違いならぬ「感じ間違い」かとも思ったが、力に渇いていたトランクスが見逃すはずは無い。
あれは間違いなく現実にこの地球に存在する力だった。
そして、トランクスは今は普通の人間レベルに落ちているその気を執拗に追い、なんと都合のいい事に
このアガマッパの街近辺に存在するという事まで突き止めた。これほどの力の持ち主ならば、武道会に出場して
賞金をゴッソリ持っていくという事もあるかもしれない…トランクスの執念はすさまじかった。
しかし同時に論理的な思考を欠いてしまっているのは、褒められたものではない。

受け付けを済ませ、予選がはじまる。
様々な武門の選手がいるが、トランクスの目には彼らは見えていなかった。
予選の三連戦を難なく勝ち抜き、辺りを見回す。同じく本選出場が決まった選手が何人かいるが、
見た限り予選落ちの人間と大差無いと、トランクスは感じていた。
だが数秒後。
トランクスの視界にの端に、異様な姿の人間が写った。
小さな男と、大柄な初老の男。服装も髪型異様だが、小さな男はさら常軌を逸していた。

男は床から10数センチ、床に浮いていたのだ。

<続く>

すみませんが続きは明日になりそうです…ご容赦を


629 :作者の都合により名無しです:04/06/30 22:30 ID:/TY90znG
ふらーりさん、人魚姫作者さん、うみにんさん、誇り高き希望作者さん、力作乙!です。
とくにうみにんさんはお久しぶりですね。誇り高き希望作者さん、無理せず自分のペースで頑張って。
あとは、サナダムシさんとVSさん、○さんが帰ってくればなあ。

>>612
乙!です。それで賛成します。でも、やはりDBはヤムスレを立てて外した方が。

【バキ】漫画ネタ2次創作SS総合スレP-15【ドラえもん】でいいんじゃないですか?



630 :作者の都合により名無しです:04/06/30 23:03 ID:sNQyzN3v
うみにん氏乙!出木杉が久しぶりに来たと思ったら急展開ですな。
主要メンバーが全員居残りってことはこのまま終りそうにはないですね。

誇り高き希望さんも乙乙です。1日1話ペースはありがたいですね。
謎の人物は界王神とキビトかな。

631 :作者の都合により名無しです:04/07/01 00:23 ID:OUCB9bQ/
しかし、主力の一人の人魚姫は終わりそうだなもうすぐ。
しけい荘はずっと来ないし。不安要素は結構ある。

でもみなさん、頑張って下さい。この雰囲気がずっと続けばよいね

632 :作者の都合により名無しです:04/07/01 01:10 ID:B40e5gdr
出来杉は格闘シーンがほとんどないのに展開は熱いな。
人魚姫もそうだが会話だけのシーンでも読ませるのが上手い。
バキスレの新しい流れかもしれん。

633 :人魚姫:04/07/01 04:04 ID:IpbQaySf
機械仕掛けの人魚姫 後編 第五話 >>597

触手が2本同時に舞った。この男、戦いを知っている。
右手の一本は直線的に素早く、左手の一本は蛇のように曲線を描いて飛ぶ。
違うリズムでの同時攻撃。捌きにくい。だが、この攻撃を凌がねば、殺られる。
わたしは息を整える。落ち着け、大丈夫だ。 …何でも繰り返したセリフ。
スピードはわたしの方が断然速い。捌きを間違えなければ、問題ない。

こちらへ到達するのは直線的な右の触手のほうが早い。左の触手は後回しだ。
わたしは左手で右の触手を払い退ける。ドリルの部分は先端だけだ。
そこさえ触らなければ、ノーダメージで攻撃を跳ね返せる。
次は蛇行して飛ぶ左の触手。瞬時に脳裏で軌道を描く。右手で叩き落した。
よし。凌いだ。後は前へ出ろ。奴を追い詰めるために。

 「やりますね。イイ、スッゴクイイッ! では3本ではどうですにゃあッ」
腹から伸びる3本目の触手が襲い掛かる。チッ。わたしは舌打ちをする。
2本と3本では難易度が違い過ぎる。こちらの手は2本しかないのだ。
飛んで避けるか?  …脳裏に浮かぶ策。だが、それは一番愚かな策だろう。
下からの攻撃に対応し辛いからだ。そして飛んだ瞬間、一瞬無防備になる。

 (見切れ、致命傷以外は受けても良い。奴の、攻撃パターンを)
わたしの手捌きがじょじょに速度を増していく。血が霧のように飛沫く。
だがいい。大ダメージではない。 …逆に、奴のパターンが読めてきた。
次第に、わたしの手の動きが奴の3本の触手の攻撃をシャットアウトし始める。
完全に動きは見切った。わたしは微笑を浮かべ、少しずつ前に出始めた。



634 :人魚姫:04/07/01 04:06 ID:IpbQaySf
10メートルあった距離が、6メートル程まで縮まっている。
わたしの両腕による防御は、既に男のドリル触手の動きを完全に凌いでいた。
 「や、やりまちゅにゃあ、だったら、最後の一本でちゅううッ!!」
胸から触手が飛び出した。4本目。だが、無駄だ。もう、捕えられる。
わたしは右手で両腕からの触手を、左で胸と腹から飛び出た触手を捕まえた。
 「フン、無芸だな。もうその攻撃は通用しないよ」

わたしは4本の触手を力任せに引き千切った。復元は分かっている。
だが、復元するまで間がある。その時間、逃しはしない。 
完全消滅するまで、何度でもエネルギー波を叩き込んでやる。わたしは構えた。
男は、観念したのか目を閉じた。全エネルギーをわたしは右掌に込める。
 「残念ですねえ、お嬢さん。チェックメイトですよ、ひゃはははッ」

何をバカな事を、そう思った時。
背中から胸に激痛が貫いた。わたしの動きが止まった。ぎょっとして胸を見る。
触手が、わたしの胸から生えている。血がだらだら垂れてきた。意識が飛ぶ。
それを懸命に繋ぎ止め、必死に頭を働かす。な、何故だ?

 「ジョーカーは、捨て札をする事でより効果的に使えるものですよ」
男が冷徹にそう言った。わたしは振り返って、自分の一歩後ろの地面を見る。
 「そ、そうか、大したもんだ。やられた、よ」
地面から触手の根が生え、わたしの背中を貫いている。勿論、男の仕業だ。

先ほどの4本の触手の攻撃は、フェイクだった。本当の攻撃は、こちらの触手。
この男は、前面の触手に気を取らせておいて、その間に本命の触手を放った。
それは静かに地中を潜り、前面からの攻撃を凌ぐのに集中している、
無防備なわたしの背中を見事に貫いたのだ。 …完璧な、見事な2面攻撃だ。
 「勝負はつきましたね。ふひゃひゃ、遊びましょうか、楽しくね」


635 :人魚姫:04/07/01 04:07 ID:IpbQaySf
動かない。肉体が、思うように動いてくれない。
背中から貫いた触手は、胸へ飛び出、わたしが身動きしようとすると絶妙に
振動し、まるでピンセットで刺された虫のようにじたばたするしか出来ない。
男が勝ち誇ったように笑う。わたしは屈辱で唇を噛む。
 「殺しはしませんよ。セル様にあなたの命、献上せねばなりませんから。
  ですが、生かしておけば良いとの仰せ。じっくり楽しむとしましょう」

男の股間から、新たな触手が伸びる。だがその形状は今までのものとは違う。
わたしは顔を赤らめ、目を背けた。その形は、紛れも無く男性器だったからだ。
 「イイ。スゴクイイ。その表情、まだ男を知らないと見ました。
  幸せです、最高の処女を破瓜出来るというのは。スッゴク、イイ!!」
その触手が大蛇のように伸びて、わたしの顔の寸前で止まる。

わたしは顔を背けたままその方角を見ないようにする。体がブルブルと震える。
どうした、わたしは化け物だろう? まるで人間の娘のような反応じゃないか。
 「見ろよ、目ぇ背けるな。オラオラオラオラオラオラオラァアッ!」
男の口調が高圧的に変わる。同時、背中を貫く触手が蠕動する。
わたしを無理矢理に動かしたのだ。わたしの鼻先にグロテスクな触手が立つ。
 「どうだ? おっきいだろう、素敵だろう、パワフリャーだろおおおッ!!」

男は興奮の絶頂にあるらしい。わたしは必死にもがこうとする。だが動かない。
意識を維持するのだけで精一杯だ。男は下品な触手を自慢げに説明し始めた。

 「見てごらん、お嬢さん? ボクの熱いのを。濡れてるだろ、ねっとりと。
  先っぽからね、とびきり強力な媚薬が出てるんだよ? 凄いでしょう?
  この液が体に触れただけでね、スッゴク気持ち良いんだよおおおおッ!
  そしてこれを突っ込まれるとね、いきなりイッちゃうんだよおおおッ!
  ずっとイキっぱなしのまま、狂ったように気持ちいいんだよおおおッ!
  ボク紳士だからね、今まで殺した娘たちもね、殺す前にね、天国にね、
  イカせてあげたんだよオオおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!
  ジェントルマンの、鏡ィいいいいいいいいいいいいいいいいいいいッ!」


636 :人魚姫:04/07/01 04:10 ID:IpbQaySf
狂ってやがる。破壊と陵辱の衝動に。
そうか。惨殺された写真の女たちが何故あんな顔をしていたのか、分かった。
そういう事か、ゲスめ。だがいくら毒づいても、体が動かない。

    まさか、わたしは、こんな、ゲスに、このまま、無理矢理?

男が好色な顔でわたしの顔を舐るように見ている。真性のサディストらしい。
 「イイ、ですなあ。美しいだけじゃない、可憐さも、強さも、儚さも、
清らかさも、貴品も、色気も総て持ち合わせている、まさに美女中の美女。
ビューティフルとキュート、ミスキューティクルと名付けましょうッ!!」  
……頼むから名付けるな。

わたしは今、心の底から恐怖している。すぐに来る絶望的な時、その行為を。
男はよだれを流しながら、じろじろとわたしを見る。わたしは男を睨む。
虚勢に過ぎない。虚勢以外、抵抗する術が無いのだ。男は微笑んで言った。
 「いけませんねえ。あなたに最高の時間をプレゼントする人間に対して。
  まあいい。そんな態度も3分持ちません。では、調教を始めましょうか」

触手がぬるり、とわたしの上着の中に侵入した。ビクン、と背筋がしなる。
声が出るのを必死に堪えた。体の中で火花が散るような快感が奔った。
 「良いんですよ、声を出して。気持ちいでしょう、特製の媚薬は?」
触手はわたしの乳房を集中的に這い回り始めた。息が荒くなり、体が熱くなる。
 「ほっほっほ。我慢強いですなあ。では、これはどうですかね?」
触手は乳房の先端を集中攻撃し始める。ぬめぬめする粘りと、しつこい責めに、
乳首はわたしの意志に反し屹立してしまう。
 「や、あ、止めろ、あっ、こ、殺す、ああっ、ぞ、あ、ああっ」


637 :人魚姫:04/07/01 04:14 ID:IpbQaySf
声が漏れてしまう。体が、わたしのものではないように反応する。
下腹部がだらだらとだらしなく涙を流す。頭が次第に思考を拒否し始める。
体が、触手の動きに合わせて快楽を享受しようと勝手に動き出す。
それをわたしの精神が否定しようとするが、津波のような快楽にかき消される。

 「イイですね、大きさは小振りですが弾力といい感度といい、最高です。
  どれ、いよいよ下半身に突入しまーーーーすッ!!」

駄目だ。それは、絶対に。頼むから、止めてくれ。いっそ殺してくれた、方が。
そう叫ぼうとするが、口からは吐息が漏れるばかりで言葉にならない。
触手が下半身の入り口にぴたり、と密着する。背筋に稲妻が走る。
 「や、止めろッ!それをすれば、わたしは自ら命を絶つ」
最後の矜持を振り絞り、わたしは自分の右手を心臓の位置に添える。男は笑う。
 「何故、そんなに意地を張るのです? 苦しいだけですよ」
 「黙れ。わたしのこころはわたしと、あの人のものだ。誰にも渡せない」
 「あの小男の事ですか。では、あなたとあの男が逢ってどうなるのです?」

わたしはその言葉に、何も言えなくなる。触手はわたしの突起を優しく撫ぜた。
強烈な快感に、わたしは大きく喘いでしまう。ニヤリと笑う男。
 「体は欲しい欲しい、と言ってます。洪水ですよ。受け入れなさい、私を。
  所詮、人間と怪物。決して結ばれる事はありません。断言してもいい。
  あなたは、その男に拒絶され、ずたずたに傷つく」
 「あ、あいつは、そんなんじゃ…、あっああ、ンッ、はああっ」
 「体は正直ですね。私のを欲しがって泣いているじゃないですか。
  嘘をつくのは止めなさい。それに、本当はあなただってそう思っている。
  あの男が、人間で無い自分を受け入れる訳は無い、と」


638 :人魚姫作者:04/07/01 04:17 ID:IpbQaySf
連投規制があるため、一度切ります。
30分後くらいに、また5話の続きをあげます。

639 :作者の都合により名無しです:04/07/01 04:18 ID:OQkXkYSo
乙です。

640 :人魚姫:04/07/01 05:02 ID:IpbQaySf
頭に男の言葉が反響する。 …ニンゲンデ、ナイ。
暗い絶望がこころを包む。だが肉体は甘美な快楽をしきりに求めている。
 「良いんですよ、すべて忘れられます。私のが入れば、天国ですよ。
  寂しい事も、悲しい事も忘れられる。さあ堕ちなさい、女神ッ」
こころが激しく揺れる。頭は、あの人に拒絶される事ばかりを考え出す。
肉体は屈服したがっている。顔に、投げやりで、淫らな表情が浮かび始める。

流れる媚薬の催淫効果と、触手の先の絶妙な愛撫で、わたしは力が抜けていく。
背中から貫く触手がつっかい棒になっていなければ、わたしはその場に
へたり込んでしまっていただろう。 …そして、肉体から抵抗の力が消えた。
 「グッーヂョーーブ! さあ、言っておしまいなさい、麗しの姫君。
  欲しい、と一言。そうすれば思いっきりズンズン突き上げてあげます。
  この世のものとは思えぬ快楽を、あなたに差し上げむぁぁぁすぅううッ」

まるで白痴のように口を開け、とろんとした目でよだれを垂れ流す。
完全なる淫売の姿。本能のまま欲する獣の姿。 …わたしにお似合いの姿だ。
もういい。 …どうせ、あの人と逢ったって拒絶されるに決まってる。
逢ったところで、あの人に迷惑が掛かるだけだ。何も変わりはしない。
わたしは人造人間。あの人は人間。 …それは、決して覆らないのだ。

  もういい。偽りの快楽に溺れよう。そしてすべてを忘れよう。
  どうせわたしは化け物だ。機械仕掛けの人形に過ぎない。
  更なる化け物に吸収され消えるのが、一番幸せかもしれない。



641 :人魚姫:04/07/01 05:04 ID:IpbQaySf
わたしは男をとろんとした目で見る。男は下品な笑みを満面に浮かべる。
 「お願い。……ほ、 ……し」

その時。閃光のように脳裏に浮かび上がる少女。 …レックだ。
わたしを見て、哀しそうな顔をしていた。泣き出しそうな、寂しそうな顔。
わたしは、その顔に激しく自分を恥じた。何を逃げ出そうとしている、と。

あの少女は、戦っていた。絶望的な運命に最後まで抵抗し、最後まで堂々と。
そしてあの小さな体で、勝ったじゃないか。セルジュニアの支配から、立派に。
そうだな、レック。 …わたしの罪は、快楽に逃げられるほど軽くない。

わたしは、下卑た姿の触手をギュッ、と握る。男は勘違いしたのか喜びだす。
 「うっひょお、挿入前にそんなテクを…。さあしごいちゃって下さい、
  咥えちゃって下さい、私も天国まで突き上げてあげますうううううッ」
 「勘違いするな。目が覚めたんだ。 …さあ、お仕置きの時間だよ」
わたしの言葉に男の目付きが鋭くなる。だがすぐに舐めた態度に変わった。
 「私の好意を無にするとは。淑女に有るまじき行いですな。どわぁが。
  そんな状態でどう攻撃するのです? 私に攻撃は通じにゃあああいッ!」

確かにわたしは触手で背中から貫かれ、身動きひとつ取れない。
それにこいつは攻撃しても、完全に復元する。どうする? どうしたら、いい?

わたしは閃いた。こいつを倒す方法を。 …危険な、賭けではあるが。


642 :人魚姫:04/07/01 05:07 ID:IpbQaySf
 「にょほほほ。無理無理、私を倒すなど。さあプレイを続けましょうッ」
わたしの体に巻きついた触手の胴体が、さらに大量の媚薬を発生させる。
ズクン、と気が遠くなるような快感が奔る。 …だが、もう惑わされない。
 「チャチな快感で支配されるほど、ヤワな生き方はしていない」
わたしは下種な触手を持つ手に力を込める。だが男は、余裕の顔で言い放った。

 「無駄です。触手伝いにエネルギー波を放っても、私はすぐ復活しますよ」
わたしは男を見て笑う。先ほどまでの虚勢ではない。勝利を、確信した笑みだ。
 「エネルギーを撃つんじゃない。逆だ。 …吸収するのさ」
わたしの手と、握った触手が光輝きだす。男は、始めて動揺の叫びを上げた。
 「まさか、みゃさか、そんな方法でぇええッ」
 「あんたはセルの細胞でその体になった。わたしはセルに一度吸収された。
  なら、わたしがあんたのエネルギーを吸収するのも出来るだろ?」

しゅるるるるるる。
不気味な音を立てて、触手から男の生命エネルギーをわたしは奪い取っていく。
だが、わたしの無限エネルギー装置の容量はリミットに近い。危険な賭けだ。
エネルギーが限界を超えて流入すると、わたしの肉体が耐えられないからだ。
 「く、く、こんなところで、終われない」
 「にゃにゃにゃにゃにゃ、吸うな、吸うにゃああああああああッ」

男の肉体が炭化し、砂と化して大地に零れ落ちていく。わたしは勝ったらしい。
男は、最後にわたしにこう言って完全に消滅した。
 「おのれ、機械仕掛けの呪われ人形め。だが、どれだけさ迷っても無駄だ。
  お前に幸福なぞはありはしない。行け、グリーンシティの教会へ。
  報われずの姫君よ、絶望を知るがいい。 …ヒャハハハハハハッ!!!」

わたしはしばらく立ち尽くす。肉体に開いた穴をさする。気が一瞬遠くなる。
近い。運命の時が。行くか。 …いやその前に、最後の準備がある。


643 :人魚姫作者:04/07/01 05:10 ID:IpbQaySf
職人様方、いつもお疲れ様です。のんびりと頑張りましょう。

書いてた時は楽しいキャラでしたが、読んでみると寒い。触手男w
あと3回くらいで終わりです。次は週末に更新します。




644 :作者の都合により名無しです:04/07/01 07:28 ID:odC9YKxc
>人魚姫作者氏
お疲れ様です。職種男、変態っぷりが素敵でしたよ。
あと3回で終わりですか。残念です。
もし宜しければ、また新作書いて下さい。
まずはこの作品のラストを楽しみにしてます。

645 : 『誇り高き、希望』:04/07/01 09:21 ID:5VYc4uMc
>>628 より
もちろん、この程度の事はトランクスにとっては日常茶飯事である。しかし、それはトランクス自身の事であって、
「舞空術」を使える人間はもう自分以外にはいないと思っていた彼は、ただ目を丸くしていた。
しかし、この男の気はあの強大な気の持ち主のものでは無い。
それなのに…それなのに、トランクスの体は先ほどとは違う震えを感じていた。
知能や能力などからくるものではない、もっと違う「差」からの…畏怖である。
その恐れから、彼はは小さな震えに身を縛られてしまっていた。

小男はトランクスを見ていた。微笑をたたえながら、宙に浮かんだまま彼に近づく。
宙に浮かんでも、その男の身長はトランクスより遥かに小さい。トランクスは男を見下ろす形だが、
それでも心情は逆に遥かの高みから見下ろされるような具合だった。震えは依然止まる気配が無い。

「トランクスさん」

男が話し掛けた。ふいに名を呼ばれたトランクスは、気圧されまいと体を力ませる。
目線が合う。
男の瞳はただ静かな黒だった。光も、闇も無い渾沌としたただの黒。その奥には見慣れたトランクス自身の
顔が写っている。余裕の無い顔だ…そう思った時、男の口がまた開いた。
「いい目をしていますね…ですが、今は少し翳っているようだ。」
そう言って軽くまた笑顔をつくった男は踵を返し、大男と共にその場を離れていった。

男が見えなくなり、トランクスの震えはやっと止まった。

本選開始まであと10分。
トランクスは依然あの巨大な気の持ち主の行方が追っていた。しかし、いくら集中しても気は感じられない。
昨日このアガマッパ周辺にいたことだけは確かなのだが、それ以降の消息がつかめない。苛立ちがつのる。
以前の彼には有り得ない無条件の、身勝手な苛立ち。
それに対する疑問はすぐに立ち消え、新たに「発生」する戦闘欲に飲まれていく。
(…おかしい。何かが違う。)
だが、その疑問を思考した瞬間、あの強大な気がまた。
思わず立ち上がるトランクス。反応はすぐ消えたが、場所は近く、この会場内からだった。
ぞくぞくと湧き上る戦いの欲望。その時、先程までの疑問は煙のように消えていた。

646 :作者の都合により名無しです:04/07/01 09:57 ID:/JqlZA8F
人魚姫乙!エロいな。でも今更だけどクリリンの方から18号好きだって
言ってたのにそこから悩むかなぁ?18号もそこまでネガティブなキャラな
イメージはないけど恋する不器用な女は意外とこんなもんか?
>>645
乙!ちょっとずつだと感想つけにくいな。でも期待してるから頑張れ!

647 :作者の都合により名無しです:04/07/01 13:01 ID:Y27OzcwY
インパクトのない作品ばっかり。
内容はマシなのもあるけどほとんどイマイチ。
漫画全般のSSをOKにした分、質の低下が目立つ。

648 :作者の都合により名無しです:04/07/01 16:37 ID:W3J4KrbR
作家陣の皆さんお疲れ様です。
マターリと続きを楽しみに待ってます。

( ゚Д゚)<夏風邪ヒクナヨ!!

649 :作者の都合により名無しです:04/07/01 17:14 ID:YeAQL51z
>>646
昔は異種漫画対決ものばっかだったからそう感じるんじゃない?
今の3本柱はそれぞれ児童キャラ、DBキャラ、バキキャラで統一
されてるから>>646の求めるようなインパクトは薄いのかもしれない。
でも作品の質そのものはむしろ昔よりあがってると思うよ。

650 :作者の都合により名無しです:04/07/01 18:32 ID:P6nUNRdV
>>649
ハンガー間違ってるよ >>647な。
つうか>>647は真・うんこだから別に丁寧なレスする必要はないかと。
つうか真うんこ氏は住民煽ったり荒したり丁寧なレスしたり
SS書いたりいったいなんなんだw

651 :作者の都合により名無しです:04/07/01 21:52 ID:BGOyW5Qn
真うんこに限らずこういう奴は(>>647)何人もいるからな。相手にする事無い。
戦闘シーンが今の作品は少ない分、派手さは少なくなっているが、中身は濃い。
人魚姫にしろ出来杉にしろしけい荘にしろ。

VSさんはもうそろそろ復活してもいい頃だと思うけど、sごと忙しいのかね。


652 :作者の都合により名無しです:04/07/01 22:51 ID:Aojl5Z2D
人魚姫は面白いよ。18号が生き方に迷っている感じが好き。だからこそハッピーエンドを期待。
誇り高き希望さんは、もう1レスほど書いてくれると読み応えがあっていいんだけどなー。
でも期待してますよ。がんがれ。
>>651
vsさんと○さんはちょくちょく書きますってサイトとかでレス上げてくれるから大丈夫だと思うけど、
サナダムシさんが心配だな。



653 :作者の都合により名無しです:04/07/01 23:30 ID:iIOO+KHl
昔の大作と比べても出木杉の練りこみはかなり凄いと思う。
これだけ先の展開が読めないSSは初めてかも。
欲を言えば長官スレで連載して欲しかったけど。w

654 :作者の都合により名無しです:04/07/01 23:32 ID:850bv1Za
>>652
つうか毎日とか2日おきに書いている奴のほうが俺は異常だと思うね。
このスレにも何人かいたようだけど。
よっぽど生きがいみたいのを感じてないと無理だわ。


655 :◇変身◇:04/07/01 23:34 ID:ChiDCopG
【転】前半
気が付くと日が暮れかけていた。
結局、夕方まで色々と考えていたが、有効な打開決策は出てこなかった。
そもそも変身の原因が分からないのに、治し方なんて分かるはずもない。

くぅ。
腹が鳴った。
そういえば、朝から全く食事をしていない。
俺は何か食べようとして冷蔵庫を開けかけ、大変なことに気付いた。
冷蔵庫は‥空っぽだった。
もともと外食やコンビニで食事を済ませている俺は、買いだめする習慣が無い。
冷蔵庫には飲みかけのジュース1本と、いつ買ったのか分からないキャベツがあるだけだ。
キャベツは大部分が茶黒く変色していて、表面には嫌な汁がにじんでいる。これを食べるのは
シュールストレミングよりも勇気がいるだろう。
「‥仕方ないか」
かなり迷ったが、空腹には勝てなかった。
俺は最寄りのコンビニへ買い出しに行くことにした。

656 :◇変身◇:04/07/01 23:36 ID:ChiDCopG
しかしこの格好で行くのは非常に危険だ。
俺の住むマンションからコンビニまでは約300m。
もう日も暮れているし、人影も少なくなったというものの、さすがに誰にも見つからずに
たどり着くことは難しい。
俺は考えた挙句、大き目のコートで下の四本の腕を隠し、帽子とマスク、それと厚手の耳当てで
顔を隠すという格好で外出することにした。
‥‥‥
‥‥

数分後。
俺は自分の考えがとても甘かった事を後悔していた。

657 :バレ:04/07/01 23:39 ID:ChiDCopG
これから外出の為、いったん途中までupします。

658 :作者の都合により名無しです:04/07/01 23:54 ID:Y6oMZuce
>>651-653
同意。だけどそういう話題は荒れのきっかけにもなりかねんからほどほどにな。

>>654
毎日書いてるってよりまとめて書きおきしてるんじゃない?
サイヤンキラー作者はそんな感じっぽいけど。

659 :作者の都合により名無しです:04/07/01 23:56 ID:Aojl5Z2D
バレさん乙。夜中の外出、気をつけてね。

ところで次スレはまだいいの?
メモリ大丈夫?

660 :人魚姫作者:04/07/02 00:38 ID:Kce6DLmq
バレ様、お疲れ様です。次回の「結」で終わっちゃうのかな?
作品・サイト更新とも、お体の負担にならぬ程度に頑張って下さい。
変身アシュラ可愛いw

>>646
DBの中で、「こんな体にしたドクターゲロを恨んでいた」という台詞があるのですが、
その言葉から18号は苦悩していたと思ったんですよ。人と人造人間の狭間で。
出逢って、照れながら甘い夫婦になっていく、というのはちょっとやりたくなかった。
「揺れ動きながら愛する人を求める人ならぬ美女」というのを書きたかったので。
力量不足ゆえか、なかなかイメージ通りになりませんが。ちょっと設定も変えてますしね。
18号が人殺した事がある、とか。

>>658
私の場合は結構暇な土曜日と火曜日にまとめ書きですね。といっても2話ずつですが。
戦闘は意識的に削ってます。地味になるけど、戦闘は書いてて大して面白くないし。

まあ、ラスト2話はそこそこの出来になると思いますので、生温かく見守って下さい。

661 :ドラえもんの麻雀教室:04/07/02 00:48 ID:gSy7twQg
仕事は何とか一息ついたんですが、なんだかネタを書く頭が
ものすごく鈍っている。先週までは割とスラスラでっちあげていた
バキのウソバレも、今ぜんぜん思い浮かばない。

ヤバイヤバイヤバイ。何注射したら回復しますかね?

662 :作者の都合により名無しです:04/07/02 00:56 ID:lymhj1Cc
一線超える注射。

663 :作者の都合により名無しです:04/07/02 01:43 ID:XXmhvkUW
>>661
高純度のタンパク注射を直腸に。
液より注射器のほうが重要ですが

664 :◇変身◇:04/07/02 01:48 ID:K983h1o+
【転】続き
俺の考えが甘かった点。それは二つあった。
一つは、今が7月だということ。
いくら夜でも真夏にコートを羽織るような人間はいない。
マンションを出てすぐ全身は汗だくになり、コート内は漢の体臭がむせ返っている。

そしてもう一つ。
これは外出前にも薄々気付いていたのだが、全身をコートやマスクで隠したこのいでたちは、
はっきり言って”怪しかった。”
周囲の人からは奇異の視線が向けられ、警察官からは職務質問される始末だ。

‥‥そう。今俺はまさに目の前の警察官に職務質問されている最中だった。
「で、その怪しい格好はいったい何だね?」
「ですから、別に私は怪しい者ではありませんって。カカカカカ!」
俺は懸命に弁解していたが、警察官はなかなか離してくれない。確かにこの格好で「怪しくない」と
言っても信用するはずがない。詳しい事情は話せないうえ、時折出るカカカ笑いが警官の不審を
煽っているようだった。
そんなやり取りがしばし続いたとき、急に風が吹きつけた。帽子が揺れる。
(ヤバッ!)
慌てて手で押さえようとしたが逆に慌て過ぎ、自分の手で帽子を弾いてしまった。弾かれた帽子が
ストンと地面に落ち、隠れていた俺の顔――アシュラマンの三面相があらわになる。

665 :◇変身◇:04/07/02 01:49 ID:K983h1o+
無言になるお巡りさんと俺。
鏡が無いので分からないが、俺の顔はおそらく三面全て青ざめていたに違いない。
(終わったな‥‥)
俺はそう思った。
しかし、お巡りさんが発した言葉は予想外のものだった。
「あ〜、何だ。明日そういうイベントがあるのは聞いているがね。そういった格好に着替えるのは
会場に入ってからにしなさい」
そう言って、そのままお巡りさんは立ち去ってしまった。
俺は呆然としながらも、一連の出来事について考えてみた。
(もしかして俺、コスプレ野郎と思われてる‥‥?)
試しに帽子を脱いだままで表通りを歩いてみた。

「わっ何アレ? ねえ写真写真」
「OH! Japanese Otaku, Good!」
「いい年して恥ずかしくないのかしらね」
「ハハハ! 馬鹿みたい〜」
‥‥‥
意外というか、どこからも悲鳴は上がらず、聞こえるのは笑い声(と白い目)だけだった。
本当に、俺は単なるコスプレイヤーだと思われているらしい。
それはそれで少し辛いものがあったが、カフカの『変身』の主人公のように露骨に迫害されないだけ
はるかにマシだ。
コートを脱いで6本の腕を出しても周囲の反応は変わらなかった(むしろウケタ)。
(意外とこの姿でも生きていけるんじゃないか‥)
そう思うと、俺は少し気が楽になった。

666 :◇変身◇:04/07/02 01:54 ID:K983h1o+
この後は障害も無くコンビニに着いたので、俺は数日分の食料を買い込んだ。
幸いレジのバイト君はノリの良い奴だったので、コスプレ状態の俺を歓迎し、幾つか商品をおまけ
してくれた。‥‥いいのかバイト君。
おかげで買い物袋を3つもぶら下げることになったが、今の俺には6本の腕があるので、手分けして
持てば何てことはない。どうやら俺もアシュラマンであることに慣れてきたようだ。
‥このままアシュラマンで過ごすというもの悪くないかもしれないな‥‥

そんな事を考えながら歩いていたせいか、自分が赤信号を渡っていることを気付かなかった。
「おい君! 信号は赤だぞ」
誰かの声ではっと我に返る。しかし遅かった。
横を見るとダンプカーが、猛スピードで俺のいる方向へ突っ込んできたのだ。

667 :バレ:04/07/02 01:54 ID:K983h1o+
続きUPしました。
明日【決】で終了です。

668 :作者の都合により名無しです:04/07/02 02:17 ID:XXmhvkUW
決…ケツかぁ
期待。

669 :作者の都合により名無しです:04/07/02 03:17 ID:PEtL2BZi
GJです
店員はキン肉マン世代に違いない

670 :作者の都合により名無しです:04/07/02 10:12 ID:envCuD2O
>>660 人魚姫さん
>揺れ動きながら愛する人を求める人ならぬ美女
こういう18号は今まで無かったので凄く楽しんでます。スイートな18号&クルリンはエロパロとかでも読めるから、
このままシビアな作品をお願いします。頑張って下さい。
>>661 VSさん
脳内麻薬だけでは足りませんか。いっそコカとかヘロとかw 復活期待してますよ。
>>667 バレさん
お疲れ様です。次回で終了ですか。残念。なにか生活臭に溢れたアシュラマンでいいなw


671 :作者の都合により名無しです:04/07/02 12:39 ID:e83R4a58
俺も人魚姫は大好き。出来杉とかももちろん好き。
バレさんお疲れ。オチ期待してます。
VSさんはいつも通りでぜんぜんOKですよ。

バキスレ、久しぶりに1スレまるまる良い雰囲気で終わりそうな予感だな

672 :ふら〜り ◆XAn/bXcHNs :04/07/02 13:51 ID:E3S6HnOH
>>588
太田と7号のコンビが、それなりに活躍し始めた。
7号の電流恐怖症は完治したわけではなく、やはりまだ電磁警棒を持つと動きが鈍るが、
それでもきちんと戦って、敵レイバーを仕留められるようになった。太田も指揮の仕事に
慣れてきて、むしろ太田がイングラムを扱っていた時よりも、周囲への被害は減っている。
今日も今日とて一仕事終えた二人が、夕陽をバックに帰ってきた。シャワーを浴びた
7号が演習場を散歩していると、報告を終えた太田がやってきて、ねぎらいの言葉をかける。
「ご苦労だったな。隊長も驚いてるぞ。まさかお前が、ここまでできる奴だとは
思わなかったってな」
「そんな。太田さんがきちんと指揮して下さるからですよ。それと、わたしを電磁警棒で
追い回して下さった、あの特訓のおかげです」
「ははっ。お前はあれで、どでかい壁を越えたわけだな。だが任務を次々こなしていけば、
いずれまた、違う壁も出てくるぞ」
7号が、少し頭を下げながら、太田に微笑みかけた。
「その時はまた、特訓をお願いしますね。今度はもっとキツくても大丈夫ですよ」
半分沈んだ夕陽を浴びて、7号の頬に紅がさしたように見える。穏やかに拭く風が
7号の長い髪をそよがせて、こちらも夕陽を浴びて紅く艶を帯びている。
……太田の顔も、ちょっと紅くなる。
「お、俺はお前の指揮担当だからな。お前の壁越えを手伝うのも、仕事の内だ。うむ」
「ありがとうございます。でも……わたしがいる間には、もう次の壁は来ないかも
しれませんね」
「何?」
7号が俯き、寂しそうに言った。
「ここでの実戦データの収集が終わったら、わたしの任務は終わりなんです。そうなれば、
ここには居られません」
「というと、別の部署に配置転換か?」
「いえ。元々わたしは、先輩方(1号〜6号)余剰部品の寄せ集めですから。おそらく
篠原重工に回収されて、先輩方が故障した時の緊急対処用パーツとして、分解されるかと」
……回収されて分解される。7号が。緊急対処用パーツとして。

673 :オートマティック・レイバー:04/07/02 13:53 ID:E3S6HnOH
それを聞いた瞬間、太田の顔と頭が沸騰した。
「な、な、な、な、なんだそれはっっ!」
太田の剣幕に、7号が驚き怯える。
「な、なんだも何も、最初の自己紹介の時、隊長が言われたでしょう? わたしの
任務は、先輩方のためのデータ収集だけだって」
「だ、だからと言って回収・分解だとぉ? そんなことが許されるのかっ!」
「それはその……ほら、レイバーには基本的人権はありませんし」
「んなことはどうでもいいっ! お前は実際に、二課の一員として立派に活躍して
いるんだっ! それを……ええい、こうなったら隊長に直談判してやるっっ!」
と太田が振り向き、二課棟の方に全力ダッシュしようとすると、そこに後藤が立っていた。
「どわたっ、た、隊長? いつの間に」
「ずっといたがな。何だかいい雰囲気だったんで、声をかけ辛くて」
なぁ? と二人を見渡す後藤。太田と7号、二人揃ってトマトになる。
「って、そんなことはどうでもいいんです! 隊長! 自分は、その、決して
個人的感情からではなく、二課全体の職務効率のために一つ、進言を!」
「はいはい。解ってるから、先に俺に言わせろ」
と後藤は、手に持っていたバインダーを目の前に掲げた。
「7号。お前に辞令が下った。明日付けで、お前は正式に二課の一員になる」
「……は?」
太田と7号、二人そろって時が止まる。
「いやな、篠原重工もウチの上層部も、余りものの廃品利用の寄せ集めレイバーである
7号が、ここまで活躍できるとは思ってなかったそうだ。正直、俺もだが。で、
偉いさんたちがいろいろ話し合った結果、7号は格安で警視庁に身売りということに
なった。その行き先がウチってわけだ」
隊長の話を聞きながら、7号は思わず一歩、踏み出していた。
「ほ、ほんとう……ですか。それじゃわたし、これからもずっと……ずっと……」
「ずっと、か。そういえばお前は歳を取らないんだよな。どうする太田。お前だけ
老けていくことになるぞ。まるでエルフと人間……」

674 :オートマティック・レイバー:04/07/02 13:55 ID:E3S6HnOH
後藤が言い終わらぬ内に、7号が歓声を上げて太田に抱きついていた。太田は精神的
高揚(人生最大級の歓喜)と肉体的締め付け(レイバーに思いっきり抱きつかれている)の
ダブルパンチで、声が出せない。
後藤が、やれやれと溜息をつく。
「若いってのはいいねぇ、ほんと。ちなみに7号よ、当然だがお前の身分は223号機、
つまり三号機扱いだからな。二号機が帰ってくるまでは今のままだが、いずれお前の
指揮担当やら何やらを決めるから」
ぴた、と7号の歓声がやんだ。
「……そっか。そうですよね。二号機が帰ってきたら、わたしはもう太田さんとは……」
一転、またちょっと悲しげになって太田を見る7号。やっと開放された太田は、
胸を叩いてげほげほと咳き込みながら、
「な、7号よ。今入院中の巡査部長を除いては、俺は第二小隊では唯一の柔道有段者だ。
時々、泉や篠原にも稽古をつけてやっている。レイバー格闘の参考になるからな」
「?」
「だから、だ。お前にも、いつでも稽古をつけてやるといってるんだ。お前のことだ、
これから先、どれだけの壁にぶつかるか解らんからな」
「太田さん……」
「ちょ、ちょっと待て。もういい、もう抱きつくな。俺はか弱き人間だし、」
「ここに、アテられて困ってる人間もいるしな」
と後藤が一言。二人が、思い出したようにまた照れる。
「あ〜あ〜全く。早々に退散しないとお邪魔虫だな、俺は。じゃ7号よ、とりあえず
今日までのデータ収集があるそうだから。今夜中に篠原重工に行ってくれ。それが
終われば、明日からお前は晴れて三号機。ずっとこっち詰めになるからな」
「あ、はいっ」
「以上だ。んじゃ、後はよろしくやってくれ」
後藤は回れ右をして、二課棟へと帰っていった。
その背中を見送りながら7号が、そして太田も、あらためてじ〜んと喜びを噛み締める。

675 :オートマティック・レイバー:04/07/02 14:00 ID:E3S6HnOH
まず、口を開いたのは7号だった。
「……太田さん」
「何だ?」
「明日からわたし、三号機だって話ですけど。でも、ずっと7号って呼んで欲しいです」
いつの間にか、夕陽は沈みきって辺りは暗くなっている。演習場を包む夜の帳の中、
7号が真っ直ぐに太田の目を見つめて、言った。
「あの夜の特訓の、太田さんの声が忘れられないんです。わたしのために『7号ぉっ!』
って何度も何度も叫んで下さった、あの声が。だからわたし、ずっと『7号』で
いたいんです」
「……お前って奴は」
太田は苦笑して、ぽん、と7号の頭に手を置いた。
「解った解った。隊長と、他の奴らにも言っとく。お前はずっと、『7号』だ」
「はいっ!」
心の底から嬉しそうな7号の声と、笑顔。
「さあ、早く今日の報告書を片付けて、篠原重工に行って来い。任務は迅速確実に、だ」
「了解しましたっ!」
ぴっ、と7号は敬礼すると、二課棟の方に駆けて行った。太田はその背を見つめて、
「あいつは三号機、でもいつまでも7号……か。ははっ」
7号にも負けない笑顔で、小さく呟いた。
……7号は、特訓の日の太田の声が忘れられない、と言ったが。
太田は、今夜の7号の笑顔が忘れられそうにない、と。
我知らず、そう思っていた。

676 :ふら〜り ◆XAn/bXcHNs :04/07/02 14:03 ID:E3S6HnOH
我ながらギャルゲのEDみたいだと思います。が、もうすぐ戦闘シーンに入りますので。

>>うみにんさん
パーマン強し。今回の空中戦を読んでて、主題歌が頭の中に流れてきました。軽快に力強く。
……戦闘機相手に戦いながら、♪ともだちに なろう〜♪ というのもなんですけど。
それと。ジャイアンが、いつもの劇場版仕様(?)でいい男してますね。

>>人魚姫さん
触手男、「こういうキャラ」として充分に厚く書けてると思いますよ。ちゃんと獲物を
じわじわと追い詰めてて、その追い詰める言葉も、かなりエグく抉ってますし。
催淫描写もなかなかキてましたし、精神・肉体両面で濃密でした、今回は。

>>希望さん
読んでて、何だかチクチク責められてる感じがします。トランクスと一緒になって、
「えぇい、一体何なんだっ」という気分。きっちり感情移入させられております。
これが解け、そして戦闘が始まる時のカタルシスを期待しつつ、次回を待っております!

>>バレさん
さすがというか、やはり芸幅が広い……「漫画読者の視点」に感心してたら、次は
「2ちゃねら」ですもんねぇ。VSさんとはまた違った角度の、異次元発想かと。
で。なんだかんだでアシュラも街に溶け込んだ、と思ったら『結』にあらず『決』。
完結ではなく決着、その意味するところや如何に?

>>VSさん
お仕事が一段落ついたのでしたら、少し休まれて。それからゆっくり、取り掛かって
下さい。焦らず、楽しく、いきましょう!

677 :作者の都合により名無しです:04/07/02 16:26 ID:oFK/M8w8
ふらーりさん乙。戦闘シーン楽しみにしてます。

良い雰囲気ですな。バキスレだけでなく、ヤムスレも良い感じだし。
バキヤム両方同時に繁栄して、しかも良い雰囲気で荒らしもいないというのは、
初めてのことかも知れない。どうしたらいいんだろう。

678 :バレ:04/07/02 17:22 ID:K983h1o+
【決】は単なる書き間違いですので・・・
素で間違えてました。

679 :作者の都合により名無しです:04/07/02 18:15 ID:F0vqP/ZC
>>677
別にどうもしなくてもw
確かにある意味異常事態で戸惑うのはわかるがw

また一日1本以上のペースになってきたな。いい事だ。
職人さん方乙。

ところで新スレはまだいいの?
どうやって残りメモリとか調べるの?

680 :作者の都合により名無しです:04/07/02 21:48 ID:X5OKVd0C
ただいま473KB
調べ方はナイショ
      ∧∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
〜′ ̄ ̄(,,゚Д゚)< 探しているものは、たいてい見つかる。 必死で探せばな。
  UU ̄U U   \___________________________


681 :作者の都合により名無しです:04/07/02 23:05 ID:4hREfbuv
 ?↓
作:ふら〜り様
(完結)

【第1話:1・2】(一気読みバージョン)
【第2話:1・2】(一気読みバージョン)
【第3話:1・2・3】(一気読みバージョン)
【第4話前編:1・2・3・4 後編:1・2・3】(一気読みバージョン)
【第5話:1・2・3・4】(一気読みバージョン)
【最終話:1・2・3・4】(一気読みバージョン)

 

世界
 放浪記
 
作:世界様
(完結)
第一話 第二話 第三話 第四話 第五話 第六話 第七話
第八話 第九話 第十話
第十一話 第十二話 第十三話 第十四話 第十五話 第十六話 第十七話
第十八話 第十九話 第二十話
第二十一話 第二十二話 第二十三話 第二十四話 第二十五話 第二十六話 第二十七話
第二十八話 第二十九話 第三十話
第三十一話 第三十二話 第三十三話 第三十四話 第三十五話 第三十六話 第三十七話
第三十八話 第三十九話 第四十話
第四十一話 第四十二話 第四十三話 第四十四話 第四十五話 第四十六話 第四十七話
第四十八話 第四十九話 第五十話
旅の経路 一気読みバージョン



682 :作者の都合により名無しです:04/07/02 23:08 ID:4hREfbuv
 ?↓
作:ふら〜り様
(完結)

【第1話:1・2】(一気読みバージョン)
【第2話:1・2】(一気読みバージョン)
【第3話:1・2・3】(一気読みバージョン)
【第4話前編:1・2・3・4 後編:1・2・3】(一気読みバージョン)
【第5話:1・2・3・4】(一気読みバージョン)
【最終話:1・2・3・4】(一気読みバージョン)

 

世界
 放浪記
 
作:世界様
(完結)
第一話 第二話 第三話 第四話 第五話 第六話 第七話
第八話 第九話 第十話
第十一話 第十二話 第十三話 第十四話 第十五話 第十六話 第十七話
第十八話 第十九話 第二十話
第二十一話 第二十二話 第二十三話 第二十四話 第二十五話 第二十六話 第二十七話
第二十八話 第二十九話 第三十話
第三十一話 第三十二話 第三十三話 第三十四話 第三十五話 第三十六話 第三十七話
第三十八話 第三十九話 第四十話
第四十一話 第四十二話 第四十三話 第四十四話 第四十五話 第四十六話 第四十七話
第四十八話 第四十九話 第五十話
旅の経路 一気読みバージョン




683 :◇変身◇:04/07/03 00:19 ID:+YxHwDZX
【結】
もはや回避不可能、絶体絶命。
だがその時、俺の脳裏に”ある技”が閃いた。
(‥‥そうだ! アシュラマンに変身している今なら、”あの技”が使えるはず!)
俺は、渾身の力を込めて6本の腕を横に振るった。
「カカカ―ッ!! くらえ”竜巻地獄”!!」
  解説しよう! 竜巻地獄とは『キン肉マン』でアシュラマンが使った必殺技の一つである。
  アシュラマンは6本の腕を振るうことで竜巻を自在に起こすことが出来るのだ!

この技なら、ダンプを弾き飛ばすくらい、何でもないはずだ。
俺の六本の腕から空気の渦が生じ、巨大な竜巻となってトラックに襲い掛か――

684 :◇変身◇:04/07/03 00:22 ID:+YxHwDZX
――らなかった。

俺の振り回した腕は空しく風を切っただけだった。
どうやら俺が変身したのは外見だけで、その能力までは変わらなかったようだ。
そして、目の前のトラックが視界いっぱいに迫ってくる――


「うわぁぁぁぁ!」
そう叫んだ時、俺はベッドの上から思わず身を起こしていた。
「あ‥‥あれ?」
周りを見渡す。
俺の視界には見慣れたいつもの部屋が写っていた。  
「ゆ‥夢だったのか‥」
自分の腕が増えていないか確かめた‥‥間違いなく二本だ。ハサミもちゃんとある。
「はは、そうだよな。あんな変なことが起こるわけないよな」
そう言いながら、俺は右手のハサミで額の汗を拭った。普通の銀色の汗だった。
「さ〜て、今日も働くか。フォッフォッフォッ‥‥」
俺は笑った。聞き慣れた笑い声が耳に響いた。

バルタン星は、今日も平和だった。

685 :バレ:04/07/03 00:26 ID:+YxHwDZX
一応終わりです。夢オチでスマソ。


686 :人魚姫:04/07/03 00:49 ID:yMfKMLiq
機械仕掛けの人魚姫 後編 第六話 >>642

背中から胸への貫通痕の痛みが、わたしの意識を殺ぎとろうと暴れだす。
だがわたしはその痛みに、むしろ愛着すら覚えた。
わたしが僅かに人である、数少ない証だからだ。こころの痛み、肉体の痛み。
もし完全なる機械ならば、この痛みは感じないだろう。そう思ったからだ。

死ぬことは怖くは無い。むしろ一種の救いだと思っている。
だが、決着は付けなくてはならない。結末は見ねばならない。
わたしが果たして、人間に受け入れられるべき存在か。
この奇妙な運命は、どこへ流れ着いていくのか。
そして人でも機械でもないこのわたしは、いったいなんなのか。

そんな事を考えていると、痛みで霞んだ頭が少しクリアになってきた。
冷静に考えるとかなりヤバい。
あの男が言っていた通り、死ぬほどのケガでは無いが、戦えるほどは軽くない。
いや、動く事すらままならぬ状況だ。最悪、といっても良い。
わたしは鉛と化した体を引きずり、力を振り絞って空を舞った。
ここからならそう遠くない。なんとか辿り着けるだろう。

ドクターゲロ以外で、わたしを治せる唯一の人間が住む場所へ。


687 :人魚姫:04/07/03 00:50 ID:yMfKMLiq
世界最大の西の都へと、わたしは何とか辿り着いた。
着地をした後、背中を曲げてぜいぜいと息を吐く。我ながらみっともない姿だ。
ギリギリの状態。だが、街の中心地の目的地へ行ける体力は残してある。
目的地まで飛んで行こうかとも思ったが、騒ぎになるのを避けたのだ。
そしてわたしは目的地である、世界一の巨大カンパニー目指し歩き始めた。

十数分後、何とかそこへ辿り着く。わたしは着くなり不審に思った。
以前一度だけ来た時には、中心地の割には金持ちばかりの場所らしく、
閑静な場所だった。この世の多くの貧乏人が寄れる場所ではなかったからだ。
だが、今は多くの人間に囲まれている。どうやら記者連中らしい。

その記者の一人が、わたしにマイクを差し出してこう言った。
 「これは美しいお嬢さん、あなたはこのカプセルコーポレーションと
  そのようなご関係ですか?」
不遠慮に質問する記者の態度に、一瞬殺意を覚える。吐き捨てるように言った。
 「社長の愛人だよ、わかったらさっさとどけ」
おお、と記者たちから喚声が上がり、不躾なフラッシュが焚かれる。キレた。

わたしは右手の人差し指にエネルギーを小さく集め、次々とブタたちの持つ
カメラ目掛け放っていった。あっという間に総てのカメラがガラクタになった。
突然の事態に、慌てふためく記者たち。何が起こったか理解出来ないらしい。わたしは溜飲が下げ、その場所から立ち去ろうと正門を潜った。
正門はわたしと確認すると、無言で開いた。戸を潜ろうとするわたし。
そのわたしの背中に、我に返った記者が質問を浴びせ掛ける。
 「待って下さい、関係者でしょう? カプセルコーポレーション幹部が
  関与していると言われているワイロ事件に、何かコメントを」


688 :人魚姫:04/07/03 00:51 ID:yMfKMLiq
ワイロ事件? その言葉にわたしは記憶を手繰り寄せる。 …そうか、あれか。

 政治家Sのワイロ疑惑高まる。カプセルコーポレーションも関与か?

以前見た新聞に載っていた記事だ。そうか、それでこの大騒ぎか。
ご苦労な事だ。ワイロのひとつふたつで騒げる平和ボケした頭がうらやましい。
後ろの正門がオートで閉まった。邸内に入る。庭先で、知った顔に逢った。

 「何しにきやがった人形がッ。殺されたいかッ」
出逢った相手は、べジータ。戦闘民族・サイヤ人の王子、とやららしい。
わたしとは一度、一年前に戦り合っている。その時はわたしが勝った。
だが、その後こいつは信じられないほどパワーを上げた。もう勝てないだろう。
正直、絶対に会いたく無い相手だった。
皮肉なものだ。会いたい者には逢えず、会いたく無い者には容易く出逢う。

 「あんたの奥さんに用事が会って来たんだ。見逃してくれ」
胸の傷を抑えながら言う。万全でも適わない相手だ。やり過ごすしかない。
 「フン、なんだその傷は。貴様ほどの怪物が、やられたのか」
べジータの興味は、わたしから傷をつけた相手に移ったらしい。ラッキーだ。
考えてみれば当然だろう。こいつの戦闘能力は、わたしより遥かに高い。
わたしよりも、わたしを傷付けた相手に興味が沸くのは当然だ。
 「教えろよ機械人形。誰にやられたか。そいつはどこにいるんだ?」


689 :人魚姫:04/07/03 00:51 ID:yMfKMLiq
その言葉に、わたしは迷った。こいつがわたしの味方になるのはありえないが、
わたしがセルジュニアの生き残りの事を話せば、喜んで倒しに行くだろう。
教えた方が、わたしに有利に働く。だが、わたしはそれを拒んだ。
決着は自分の手で付けるべきと思うからだ。例えそれがどんな結末になろうと。
 「転んだんだよ。悪いが、もうふらふらだ。奥さんに逢わせてくれ」

わたしの言葉に虚仮にされたと思ったのか、ベジータは激してしまった。
 「ふざけるなッ。何なら、力ずくで吐かせてやってもいいんだぞッ!!」
ベジータの怒号が響き、その後に静寂が訪れる。火花散るわたしとベジータ。
だがベジータの大声を聞き、家の中から人が現れた。わたしはほっとする。
 「何を大声出してんのベジータ。 …あれ、あんた」

この家に来た目的の人物、カプセルコーポレーションの娘・ブルマだった。
ベジータはチッと舌打ちをする。サイヤ人の王子でも、苦手な女はいるらしい。
 「あんた、18号だったわね。何それ、酷いケガしてるじゃない」
そういうとわたしはブルマに案内され、この会社のラボへと連れられていった。

ラボ(研究室)の椅子に腰掛ける。 …疲れた。疲労困憊だ。激しくだるい。
わたしには永久エネルギー装置がある。論理的に疲れる事など無い。
だが今は、肉体には甚大なダメージ、こころには迷いがある。ブルマは言った。
 「久しぶりね。 …その様子では、まだ見付かってないみたいね」


690 :人魚姫:04/07/03 00:52 ID:yMfKMLiq
わたしは以前、一度この会社を訪れた事がある。
その時のわたしは、例えるなら生まれて始めてのデート前の少女、だろうか。
あの人に逢いに行く、と決めるまでの数週間。わたしは迷いに迷った。
あの人もきっとわたしを想ってくれている、という甘やかな希望と興奮。
いや、人造人間と人間が、所詮結ばれる訳は無い、という不安と絶望。

その想いが葛藤し、わたしの中で爆ぜた時、わたしは逢いに行く事を決意した。
だが、それからがわたしの絶望の始まりだった。
亀ハウス。カプセルコーポレーション。孫 悟空の家。思いつく総てを訪ねた。
だがどこへ行っても、あの人はいなかった。
避けられている? …とも思った。だが、聞けば行方知れずになったらしい。

わたしの彷徨い(さすらい)が始まった。彷徨えば彷徨うほど、想いは募った。
そして、自分とあの人は決して結ばれないだろうとも、分かってしまった。
あのひとはにんげんで、わたしは、じんぞうにんげん、だから。

 「クリリンくん、どうしちゃったのかしら。もう一年にもなるのに」
部屋のホワイトボードに背中をあずけ、ブルマが言った。わたしは言った。
 「あの外の記者、あれは何だ? 本当に、汚職事件に絡んだのか?」
意地の悪い質問だが、わたしはその質問でわざとブルマの問いを外した。
ブルマはバツが悪そうに顔をしかめて言った。
 「ああ、あのワイロ事件ね。 …あれね、ヤムチャのせいなのよ」


691 :人魚姫:04/07/03 01:05 ID:yMfKMLiq
ヤムチャ? 誰だそれ? そんなのいたっけ?

わたしはそう問おうとしたが、まずは自分の記憶の引き出しを探る事にした。
そう言えば、孫 悟空の仲間に、極端に戦闘力の劣る非・戦闘員がいた。
確かあいつがそうだ。どうでもいい奴過ぎて、一瞬分からなかった。

無理も無い。エネルギー吸収タイプの19号や20号なら手頃なエサだが、
わたしにとっては中途半端な戦力、というイメージしか無く、忘れてしまった。
その男の顔もよく思い出せない。わたしにとって、空気や背景と同じだからだ。
ブルマは、そのカプセルコーポレーションワイロ事件の事を説明してくれた。
どうやら、こういう事らしい。

ブルマをベジータに寝取られたヤムチャは、今に見てろと2人に見返しを誓う。
だが、戦闘ではたとえ1000人いてもベジータには適わない。
そこで仕事で見返してやると、ブルマの父に頼みカプセルコーポレーションに
入社したが、コピー1枚すらまともに取れない始末。ヤムチャは焦った。
そこで会社から金を持ち出し、一発逆転を狙って政治家に近付いたが、
それがマスコミにバレて会社ごと叩かれ、西の都を逃げ出して消息不明らしい。

 「犬だって3日エサやれば恩を忘れないのに、逃げ出すとは。クズだな」
わたしはブルマの説明に素直な感想を吐いた。ブルマはやれやれと首を振る。
 「ま、お腹が空いたら帰ってくるでしょ。あの人何も出来ないし」
わたしは笑い出した。こんなに笑うのは久し振りだ。やがてブルマが言った。
 「さ、お話はここまで。はやく、その傷を治さないと」


692 :人魚姫:04/07/03 01:07 ID:yMfKMLiq
わたしは上着をたくし上げ、上半身はだかになってブルマに傷を見せる。
 「うらやましいわあ。こんな綺麗な肌、見た事無い。クリリンくん幸せね」
その言葉にわたしの頬は赤くなる。だがブルマの表情は傷を見て厳しくなった。
 「これ、すぐには治らないわよ。一週間はじっくり治さないと」
 「駄目だ。今日中に、いや3時間で治してくれ」

わたしの言葉に、ブルマはため息をつく。首を振りながら言った。
 「無理よ。そんな小さな傷じゃない。この故障を直すには・・あっ」
慌てて口を塞ぐブルマ。 …故障、か。その通りだ。何も気にする事は無い。
わたしは、人形なのだから。わたしはブルマのその言葉に触れずに言った。
 「応急処置でいい。動きさえすれば。頼む、3時間でやってくれ」 

しばらく、わたしの目を覗き込むように見るブルマ。搾り出すように言った。
 「無駄みたいね、何を言っても。分かったわ。でも、戦闘は避ける事。
  それが応急処置をする条件よ。守れる?」
 「ああ、守るよ。わたしだって死にたくはない」
みえみえの嘘に、ブルマはうなずいてくれた。おそらく見抜いていただろうが。

麻酔を打たれ、まぶたが重くなる。朧げになるわたしの視界にブルマが映る。
だが、もう一人いる。どうやらシルエットからして、ベジータらしい。
わたしはブルマの「そんなの駄目よ、ベジータ」の声を聞き、眠りについた。

目が覚めたら訪れる最後の決戦に、備えるために。


693 :人魚姫作者:04/07/03 01:08 ID:yMfKMLiq
バレ様お疲れ様です。また、楽しい作品上げてください。
アシュラ可愛かったですw

連投規制はどうにかなりませんかね。

694 :うみにん:04/07/03 09:57 ID:PPeujIeY
みなさん夜遅くに乙です。
>変身
カフカ。そしてバルタン星人は竜巻を起こせない。勉強になります。
2ちゃんねるネタですか。次はグルメ板を荒らす海原雄山なんてどうでしょう。
>人魚姫
確かに意外とブルマとは接点多そうですよね。18号。“最後の決戦”
楽しみにしてます。しかし最近の人魚姫さんの更新ペースは凄いですね。

695 :作者の都合により名無しです:04/07/03 10:34 ID:JCLk5lkm
バレさん、また何か書いて下さいね。更新の方も頑張って下さい
人魚姫、ベジータとブルマが出てきたか。しかし背景ヤムチャ笑ったw

696 : 『誇り高き、希望』:04/07/03 15:52 ID:Dt4jDxgM
>>645より

「おまたせしました!これより復活第2回!通算第25回天下一武道会を開始いたします!」
サングラスとヒゲの似合う司会者がマイクに向かい叫ぶ。会場は大いに盛り上がるが、トランクスに
とってはもはやどうでもいい事だった。
一刻も早くこの下らない大会を終わらせ、そのあの強大な力の持ち主を探す。
ここで大会本選を棄権するという発想が出ないのが、いかにもトランクスのトランクスたるゆえんである。

復活第一回大会からは本選トーナメントメンバーはコンピューターによる完全ランダム方式で行われていた。
この点が古くからの天下一武道会ファンからは酷評されているのだが、それはまた別の話。
ほどなくしてトーナメント表が会場上部の大スクリーンに映し出された。司会が次々とそれを発表していく中、
トランクスには表の第三試合、自分の試合の対戦相手が少し引っかかる。
「…第三試合!トランクス選手vsシン選手!」
そうしてハデな演出とともに表示されたのは、先ほどのあの小男・もといシンの顔だった。
モヒカンのようなそのふざけた髪型とはうって変わったあの深い瞳。だが、何か得体の知れないものを感じ
こそすれ、トランクスの中の本能が静かに暴走している今、力の無い者に何の価値を見出す事もできなかった。

「―――第二試合、勝者!キャプテン・ジャガー!!」
第二試合が終わりった会場は、白熱した試合の余熱で大いに沸いていた。この後5分もすれば第三試合がはじまる。
トランクスは座っていた木陰から立ち上がり、武舞台前の控え所に向かった。
その途中、まるではかったかのようにあのシンがいた。隣には例によってあの大男がいる。
シンは何か言いそうだったが、トランクスはそれを無視して通り過ぎた。
シンはしばらくその背を見た後、大男を残し、武舞台へと向かった。

武舞台に立つトランクス。実はこのような正式な試合は、彼は今までしたことがなかった。
いや、できるわけは無かった。今も未来にも、サイヤ人の血を持つトランクスは強すぎるのだから。
だが唯一可能性のあった「セルゲーム」では、逆に自分の力など全く及ばなかった。実に皮肉なものである。
シンが対峙する。沸き立つ会場。

第三試合は間もなく始まる―――――


697 : 『誇り高き、希望』:04/07/03 16:47 ID:Dt4jDxgM
「さぁ!第三試合はトランクス選手vsシン選手です!トランクス選手はかのCC社の…」
長たらしい選手紹介も、トランクスには全く聞こえていなかった。
今、目の前ではシンが真っ直ぐにトランクスを見ている。相変わらずその瞳は深く、それがトランクスを
苛立たせていた。既にトランクスはその無遠慮な苛立ちに疑問を抱かなくなっていたが、それは無意識である。

「―――というわけで、さぁ!では第三試合!はじめて下さい!」
直後に、トランクスが飛び出した。彼の頭の中には「瞬殺」の二文字しかなかった。
一般人にはとうてい見切れないその刹那の動き、トランクスは止まって見えるシンの腹を、相応の力で殴りこんだ。
直撃。だが、予想外の事が起こった。インパクトの瞬間、シンの気が、爆発的に膨れ上がったのだ。
目を丸くするトランクス。拳が直撃したはずの腹は、まるで普通の人間がコンクリートの壁を殴ったかのように、
なんともなかった。
「!…こいつッ!?」
すかさず離れ、間合いを取るトランクス。
観客も司会も何が起こったか分からず呆けていたが、当然シンだけは涼しげに微笑を浮かべていた。
気の操作。だがトランクスはその事自体はどうでもよかった。問題は、通常状態ではあるとはいえ
自分の攻撃に全くのノーダメージという事実に、少なからず衝撃を受けていたのだ。
だが、衝撃はそれだけでは終わらなかった。笑いを消し去り、シンの顔が真剣になる。

「さすがですねトランクスさん。しかし、あなたは本気ではない。…なりなさい、超サイヤ人に。」

晴天の霹靂。
もはや母と自分しか知りえないはずの、「超サイヤ人」という言葉…
「…何故、それを知っている!?あなたは一体…!」
だが、それを言った時、シンは目の前から消えていた。その次の瞬間には、トランクスの体は物凄い勢いで
吹っ飛んだ。断っておくが、防御はした。だが、それでいて吹っ飛ばされたのである。
空でブレーキをかけるトランクス。見えない。シンの姿が見えない。感じられない…!
そして次の瞬間には、シンはトランクスの背後にいた。とらえきれなかった。

「私は全宇宙を統べる神、界王神。超サイヤ人になりなさい。これは命令です!」

それを言い終わった時には、トランクスの体は再び、武舞台に叩きつけられていた。

698 :作者の都合により名無しです:04/07/03 18:25 ID:9hNSZSQx
バレ氏、アシュラ可愛くてよかったです。でも、夢落ちはちょっと卑怯w
でもひとひねりしてあるからいいか。

人魚姫氏、ヤムチャすげえ。この話に限っては18号完全に食われてるw
これからべジータとかがどう絡むか楽しみ。

誇り高き希望氏、トランクスついにSサイヤ人化ですか。書く量も増えて、
次の展開が楽しみです。頑張って下さい。

職人さん方、これから暑くなりますが体に気をつけて頑張って下さい。
でもしけい荘は、もうあきらめた方がいいでつか?好きだったのに(泣

699 :作者の都合により名無しです:04/07/03 23:31 ID:VnmNbONn
サナダムシさんも、また気が向けば書くでしょう。
VSさんはスランプが治れば書くのかな?

希望作者さん乙です。
続きが期待。

700 :作者の都合により名無しです:04/07/04 00:18 ID:LDCQuknu
質問したいのですが、原作読んでないけどSSは読んでるって人います?
ギャグはともかくとしてまとも路線(?)を書くのだったら、
既読者は知ってるぜー、なことも解説したほうが良いんでしょうか?

701 :作者の都合により名無しです:04/07/04 02:08 ID:dtSV8l7E
>>700
書き手が読み手に対してそこまで気を使うのもどうかと思うのですが…
職人さんは今まで通りの作風で良いかと1フアンな自分は思います。

702 :ドラえもんの麻雀教室:04/07/04 02:44 ID:XSrGmtWR
続き、いま書いてます。
書いてはいるんですけどね。

バキのウソバレの今週分、あれどーよ。



答:知らねーよ

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